1教会には二つの神権、すなわち、メルキゼデク神権と、レビ神権を含むアロン神権がある。
2なぜ前者がメルキゼデク神権と呼ばれるかといえば、メルキゼデクはそれほど偉大な大祭司であったからである。
3彼の時代の前には、これは神の御子の位に従う聖なる神権と呼ばれていた。
4しかし、至高者の名を敬い尊ぶことから、この名をあまり頻繁に繰り返すのを避けるために、昔の教会員はこの神権を、メルキゼデクにちなんで、メルキゼデク神権と呼んだのである。
5教会における他のすべての権能または職は、この神権に付属するものである。
6しかし、二つの区分、すなわち大きな部類がある。一つはメルキゼデク神権であり、他はアロン神権またはレビ神権である。
7長老の職は、メルキゼデクの神権の下にある。
8メルキゼデク神権は管理する権利を有し、この世のあらゆる時代に、教会におけるすべての職を管理し、霊的な事柄をつかさどる力と権能を持つ。
9メルキゼデクの位に従う大神権の大管長会は、教会におけるすべての職務を行う権利を持つ。
10メルキゼデク神権の位に従う大祭司は、大管長会の指示の下に、自らの職において職務を行い、霊的な事柄をつかさどる権利を持つ。また、長老や(レビの位の)祭司、教師、執事、および会員の職務を行う権利をも持つ。
11長老は、大祭司が不在のときに、彼の代わりに職務を行う権利を持つ。
12大祭司と長老は、教会の聖約と戒めにかなって、霊的な事柄をつかさどらなければならない。また、彼らは、上位の権能を持つ者が不在のときに、教会のすべての職務を行う権利を持つ。
13第二の神権は、アロンの神権と呼ばれる。それがアロンとその子孫に代々授けられたからである。
14なぜそれが小神権と呼ばれるかといえば、それが大神権、すなわちメルキゼデク神権に付属するものであり、外形上の儀式を執行する力を持つからである。
15ビショップリックはこの神権の会長会であり、その鍵、すなわち権能を持つ。
16だれもアロンの直系の子孫でなければ、この職に就き、この神権の鍵を所有する律法上の権利を持つことはない。
17しかし、メルキゼデク神権の大祭司は、それ以下のすべての職の職務を行う権能を持つので、アロンの直系の子孫がだれも見つからないときは、メルキゼデク神権の大管長会の手によってこの力を有する職に召され、任命され、聖任されるならば、ビショップの職務を行うことができる。
18大神権すなわちメルキゼデク神権の力と権能とは、教会のすべての霊的な祝福の鍵を持つことである。
19すなわち、天の王国の奥義を受ける特権を持ち、天が彼らに開かれ、長子の教会の総集いと親しく交わり、また父なる神と新しい聖約の仲保者イエスの親しい交わりと臨在とを享受することである。
20小神権すなわちアロン神権の力と権能とは、天使の働きの鍵を持ち、また聖約と戒めにかなって外形上の儀式、すなわち福音の文字、罪の赦しのための悔い改めのバプテスマを執行することである。
21これら二つの神権におけるそれぞれの職に聖任された者たちの中から、会長、すなわち管理役員が出るように、すなわち任命されるようにする必要がある。
22メルキゼデク神権を持つ者の中から、この団体によって選ばれ、その職に指名され、聖任され、また教会員の信頼と信仰と祈りによって支持された三人の管理大祭司が、教会の大管長会の定員会を構成する。
23十二人の巡回評議員は召されて、十二使徒、すなわち全世界におけるキリストの名の特別な証人となる。このように彼らは、その召しの義務が教会における他の役員とは違っている。
24そして、彼らは、前に述べた三人から成る大管長会と同等の権能と力を持つ定員会を構成する。
25七十人も召されて、福音を宣べ伝え、異邦人と全世界に対する特別な証人となる。このように彼らは、その召しの義務が教会における他の役員とは違っている。
26そして、彼らは、今述べた十二人の特別な証人、すなわち十二使徒の権能と同等の権能を持つ定員会を構成する。
27これらいずれの定員会が下す決議も皆、その定員会の全会一致の声によってなされなければならない。すなわち、彼らの決議を互いに同等の力すなわち効力のあるものとするために、各定員会のすべての会員がその決議に同意しなければならない。
28事情によりやむを得ないときは、過半数で定員会を成立させることができる。
29定員会の決議が全会一致でないかぎり、彼らの決議は、メルキゼデクの位に従って聖任された、義にかなった聖なる人であった昔の三人の長から成る定員会の決議が受けるに値したものと同等の祝福を受けるに値しない。
30これらの定員会、またはそれらのいずれかの決議は、完全な義により、聖さとへりくだった心、柔和と寛容により、また信仰、徳、知識、節制、忍耐、信心、兄弟愛、および慈愛により下されなければならない。
31なぜならば、これらのものが彼らの内にますます豊かになるならば、彼らは主を知る知識について実を結ばない者となることはない、という約束があるからである。
32また、これらの定員会のいかなる決議でも不義に下されるならば、教会の霊にかかわる権能を持つ者たちが構成する複数の定員会の総会の前にそれを持ち出すことができる。そうでなければ、彼らの決議からの上訴はあり得ない。
33十二使徒会は巡回管理高等評議会であり、天の規定にかなって教会の大管長会の指示の下に主の名において職務を行い、またまず異邦人のために、次いでユダヤ人のために、教会を築き上げ、すべての国々において教会の諸事をすべて整える。
34七十人は、十二使徒会、すなわち巡回高等評議会の指示の下に主の名において行動し、まず異邦人のために、次いでユダヤ人のために、教会を築き上げ、すべての国々において教会の諸事をすべて整える。
35十二使徒は、遣わされ、鍵を持ち、イエス・キリストの福音を宣言することによって門を開く。これはまず異邦人に、次いでユダヤ人に行われる。
36シオンのステークにおける常任高等評議会は、教会の諸事に関する彼らのすべての決議において、大管長会の定員会、あるいは巡回高等評議会と同等の権能を持つ定員会を構成する。
37シオンにおける高等評議会は、教会の諸事に関する彼らのすべての決議において、シオンのステークにおける十二人の評議会と同等の権能を持つ定員会を構成する。
38巡回高等評議会は、福音を宣べ伝え、福音を施すために、様々な召しを果たすに当たって助けを必要とするときには、ほかの人々ではなく、七十人に要請しなければならない。
39十二使徒は、教会のすべての大きな支部において、啓示により知らされるままに、福音の奉仕者を聖任しなければならない。
40この神権の位は、父親から息子へ継承されるように確認されたものであり、約束を与えられた、選ばれた血統の直系の子孫に正当に属するものである。
41この位はアダムの時代に設けられ、次のように血統によって継承された。
42すなわち、アダムからセツに継承された。セツは六十九歳のときにアダムによって聖任され、また彼(アダム)の死ぬ三年前に彼によって祝福を授けられ、その子孫は主の選民となり、世の終わりまで守られるという神の約束を父を通じて受けた。
43彼(セツ)は完全な人であり、その姿は彼の父に生き写しであったので、彼はあらゆる点で父のようであり、年齢によってのみ父と見分けることができた。
44エノスは百三十四歳四か月のときに、アダムの手によって聖任された。
45カイナンが四十歳の年に、神は荒れ野で彼を訪れた。また、彼はシェドラマクの地に向かって旅をしていた途中でアダムに会った。彼は聖任を受けたとき、八十七歳であった。
46マハラレルはアダムの手によって聖任されたとき、四百九十六歳と七日であった。アダムはまた彼を祝福した。
47ヤレドはアダムの手の下で聖任されたとき、二百歳であった。アダムはまた彼を祝福した。
48エノクはアダムの手の下で聖任されたとき、二十五歳であった。また、彼が六十五歳のときに、アダムは彼を祝福した。
49そして、彼は主にまみえ、主とともに歩み、絶えず主の前にあった。三百六十五年、彼は神とともに歩み、身を変えられて天に移されたとき、四百三十歳であった。
50メトセラはアダムの手の下で聖任されたとき、百歳であった。
51レメクはセツの手の下で聖任されたとき、三十二歳であった。
52ノアはメトセラの手の下で聖任されたとき、十歳であった。
53アダムは死ぬ三年前に、すべて大祭司であったセツ、エノス、カイナン、マハラレル、ヤレド、エノク、およびメトセラを、義にかなった子孫の残りとともにアダム・オンダイ・アーマンの谷に呼び集め、そこで彼らに最後の祝福を授けた。
54すると、主が彼らに現れた。彼らは立ち上がってアダムをほめたたえ、彼をミカエル、君、天使長と呼んだ。
55また、主はアダムに慰めを与え、そして言った。「わたしはあなたを立てて首長とした。多くの民族があなたから出るであろう。そして、あなたはとこしえに彼らを治める君である。」
56そこで、アダムは会衆の中に立ち上がった。彼は老齢で腰が曲がっていたにもかかわらず、聖霊に満たされ、最後の世代に至るまでその子孫に起こることを預言した。
57これらのことはすべてエノクの書に記されており、定められたときに証されるであろう。
58十二使徒はまた、啓示に従って教会の他のすべての役員を聖任し、整えなければならない。その啓示は次のとおりである。
59すなわち、教会の務めに関する教会の律法に加えて、シオンの地におけるキリストの教会へ。
60万軍の主は言う。まことに、わたしはあなたがたに言う。長老の職にある者たちを管理する管理長老がいなければならない。
61また、祭司の職にある者たちを管理する祭司も、
62同じように教師の職にある者たちを管理する教師も、さらに執事もまたいなければならない。
63執事から教師に、教師から祭司に、祭司から長老に至るまで、教会の聖約と戒めに従ってそれぞれ任命されるままに、いなければならない。
64次に、大神権が来る。これはすべての中で最も大いなるものである。
65それゆえ、大神権を持つ者の中から一人がその神権を管理するために任命されることが必要であり、彼は教会の大神権の大管長と呼ばれる。
66言い換えれば、教会の大神権を管理する管理大祭司である。
67この人から、按手によって儀式の執行と教会員への祝福が来る。
68それゆえ、ビショップの職はそれと同等ではない。ビショップの職は、すべて現世の事柄をつかさどるものだからである。
69それでも、ビショップはアロンの直系の子孫でないかぎり、大神権を持つ者の中から選ばれなければならない。
70彼はアロンの直系の子孫でないかぎり、その神権の鍵を持てないからである。
71しかしながら、メルキゼデクの位に従う大祭司は、現世の事柄をつかさどるように任命され、真理の御霊によってその知識を得、
72イスラエルの判士となり、教会の務めを行い、教会の長老たちの中から選んだ顧問たち、あるいは将来選ぶ顧門たちの助けを得て、律法に従って彼の前に提出される証拠に基づいて戒めに背く者を裁く席に着く。
73これは、アロンの直系の子孫ではなく、メルキゼデクの位に従う大神権に聖任されたビショップの義務である。
74シオンの境が広げられ、シオンまたはそのほかの場所において、ほかのビショップすなわち判士が必要になるまで、彼はこのように判士とならなければならない。すなわち、シオンであれ、シオンのステークであれ、あるいは彼がこの務めに任命される教会のいかなる支部であれ、そこに住む者の中で一般判士とならなければならない。
75ほかのビショップたちが任命されれば、彼らもその職務を遂行する。
76しかし、アロンの直系の子孫には、この神権の会長の職に就き、この務めの鍵を持ち、メルキゼデクの位に従う大神権の大管長を裁く場合のほかは顧問なしに独立してビショップの職務を遂行し、イスラエルの判士として席に着く、律法上の権利がある。
77これらいずれの評議会の判決も、戒めにかなっていること。その戒めは次のとおりである。
78さらにまことに、わたしはあなたがたに言う。教会の最も重要な事務、および教会の最も困難な事件は、ビショップや判士たちの判決が満足のいくものでなければ、これを教会の評議会に、すなわち大神権の大管長会の前に引き継いで渡さなければならない。
79大神権の評議会の大管長会は、顧問として補佐する他の大祭司、すなわち十二人を召す力を持つ。このようにして、大神権の大管長会とその顧問たちは、教会の律法に従って証拠に基づいて判決を下す力を持つ。
80この判決の後は、もうそれを主の前に持ち出してはならない。これは神の教会の最高評議会であり、また霊にかかわる事柄に関する論争についての最終判決だからである。
81教会に属する者で、教会のこの評議会から免れる者はだれもいない。
82もしも大神権の大管長が戒めに背いたならば、彼は大神権を持つ十二人の顧問によって補佐される教会の一般評議会の前に覚えられる。
83彼の頭に下される彼らの判決は、彼に関する論争の終わりである。
84このように、神の正義と律法から免れる者はだれもおらず、すべてのことが、真理と義によって神の前に秩序正しく厳粛に行われるのである。
85さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。執事の職を管理する会長の義務は、聖約に従って与えられているとおりに、十二人の執事を管理し、彼らとともに会議の席に着き、彼らに義務を教え、互いに教化し合うことである。
86また、教師の職を管理する会長の義務も、聖約の中で与えられているとおりに、二十四人の教師を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らにその職の義務を教えることである。
87また、アロンの神権を管理する会長の義務も、聖約の中で与えられているとおりに、四十八人の祭司を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らにその職の義務を教えることである。
88この会長はビショップでなければならない。これはこの神権の義務の一つだからである。
89さらに、長老の職を管理する会長の義務は、聖約に従って、九十六人の長老を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らを教えることである。
90この会長会は七十人の会長とは異なり、全世界を旅しない者たちのために設けられる。
91さらにまた、大神権の職の大管長の義務は、全教会を管理し、モーセのようであることである。
92見よ、ここに知恵がある。まことに、神が教会の長に授ける神のすべての賜物を持つ聖見者、啓示者、翻訳者、および預言者となることである。
93また、七十人が七十人の人々の中から選ばれた七人の会長によって管理されることは、七十人の秩序を示す示現による。
94これらの会長のうちの第七の会長が、六人を管理しなければならない。
95これら七人の会長は、彼らが属する最初の七十人のほかに別の七十人を選び、彼らを管理しなければならない。
96また、ぶどう園における働きで当然必要とされれば、七十の七倍まで、別の七十人を選び、管理する。
97これらの七十人は、まず異邦人のもとへ、そしてユダヤ人のもとへも行く巡回奉仕者となる。
98十二使徒会にも七十人会にも属さない教会の他の役員は、すべての国々を旅をする責任はないが、事情の許すときには旅をしなければならない。彼らは旅をする責任はないが、十二使徒や七十人と同じように、教会内で高い責任ある職に就いている。
99それゆえ、今や人は皆、自分の義務を学び、任命されている職務をまったく勤勉に遂行するようにしなさい。
100怠惰な者は、その職にいるにふさわしい者と見なされない。また、自分の義務を学ばず、認められるに足る者であることを示さない者は、その職にいるにふさわしい者と見なされない。まことにそのとおりである。アーメン。