1 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、^①政せい府ふ​は​人間にんげん​の​ため​に​神かみ​に​よって​設もうけられた。そして、神かみ​は​人々ひとびと​に、政せい府ふ​に​関かんする​彼かれら​の​行こう為い​に​対たいして​^②責任せきにん​を​負おわせ、人々ひとびと​は​社会しゃかい​の​福ふく利り​と​安全あんぜん​の​ため​に​法ほう律りつ​を​制定せいてい​し、施し行こう​する​責任せきにん​を​負おう。

2 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、^①良心りょうしん​の​^②自じ由ゆう​な​行こう使し、財ざい産さん​の​所しょ有ゆう権けん​と​管かん理り、および​生命せいめい​の​^③保ほ護ご​を​各かく​個こ人じん​に​保ほ証しょう​する​法ほう律りつ​を​制定せいてい​し、かつ​固かたく​守まもらない​かぎり、いかなる​政せい府ふ​も​平へい和わ​に​存立そんりつ​する​こと​は​できない。

3 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、すべて​の​政せい府ふ​は​その​法ほう律りつ​を​施し行こう​する​ため​に​必かならず​^①官かん吏り​と​長官ちょうかん​を​要ようする。また、もし​共きょう和わ国こく​なら​ば​人民じんみん​の​声こえ​に​よって、そう​で​なければ​主しゅ権けん​者しゃ​の​意い志し​に​よって、公こう平へい​かつ​公こう正せい​に​法ほう律りつ​を​施し行こう​する​者もの​を​捜さがし​求もとめて、支し持じ​しなければ​ならない。

4 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、宗教しゅうきょう​は​神かみ​に​よって​設もうけられて​いる​もの​で​ある。そして、その​宗教しゅうきょう​上じょう​の​考かんがえ​が​他た人にん​の​権けん利り​と​自じ由ゆう​を​侵害しんがい​する​よう​に​促うながす​もの​で​ない​かぎり、人ひと​は​宗教しゅうきょう​の​実じっ践せん​に​ついて​は​神かみ​に、しかも​神かみ​に​のみ​責任せきにん​を​負おう。しかし、人間にんげん​の​法ほう律りつ​に​は、^①礼れい拝はい​の​規き則そく​の​制定せいてい​に​干渉かんしょう​して​人ひと​の​良心りょうしん​を​束そく縛ばく​する​権けん利り​は​ない​し、公おおやけ​で​あれ​個こ人じん​で​あれ、礼れい拝はい​の​方式ほうしき​を​指さし図ず​する​権けん利り​も​ない。文官ぶんかん​は​犯罪はんざい​を​阻そ止し​す​べき​で​ある​が、決けっして​人ひと​の​良心りょうしん​を​支し配はい​す​べき​で​は​ない。罪つみ​の​ある​者もの​を​罰ばっす​べき​で​ある​が、決けっして​心こころ​の​自じ由ゆう​を​抑よく圧あつ​す​べき​で​は​ない。

5 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、すべて​の​人ひと​は、その​固こ有ゆう​で​不ふ可か譲じょう​の​権けん利り​を​政せい府ふ​の​法ほう律りつ​に​よって​保ほ護ご​されて​いる​かぎり、自じ分ぶん​が​住すむ​地ち​の​それぞれ​の​政せい府ふ​を​支し持じ​し、支ささえる​義ぎ務む​を​負おう。治ち安あん​妨害ぼうがい​や​^①暴ぼう動どう​は、この​よう​に​保ほ護ご​されて​いる​すべて​の​国こく民みん​に​とって​似につかわしくなく、それ​相そう応おう​に​罰ばっせられ​なければ​ならない。すべて​の​政せい府ふ​は、公こう益えき​を​保ほ証しょう​する​ため​に、しかしながら​同どう時じ​に​良心りょうしん​の​自じ由ゆう​を​神聖しんせい​に​保たもち​ながら、政せい府ふ​自じ身しん​の​判断はんだん​で​最適さいてき​と​思おもわれる​法ほう律りつ​を​制定せいてい​する​権けん利り​を​持もつ。

6 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、すべて​の​人ひと​は​各々おのおの​その​職しょく​に​おいて​尊とうとばれる​べき​で​ある。すなわち、統とう治ち​者しゃ​や​長官ちょうかん​は、罪つみ​の​ない​者もの​を​保ほ護ご​し、罪つみ​の​ある​者もの​を​罰ばっする​ため​に​任にんじられて​いる​ので、その​職しょく​に​ある​者もの​として​尊とうとばれる​べき​で​ある。また、すべて​の​人ひと​は​^①法ほう律りつ​を​重おもんじ、尊重そんちょう​す​べき​で​ある。法ほう律りつ​が​なければ、平へい和わ​と​協調きょうちょう​は​無む​秩ちつ序じょ​と​恐きょう怖ふ​に​取とって代かわられる​から​で​ある。人間にんげん​の​法ほう律りつ​は、人ひと​と​人ひと​と​の​間あいだ​で​個こ人じん​および​国こく民みん​として​わたしたち​の​諸しょ​事じ​を​律りっする​と​いう​特とく別べつ​な​目もく的てき​の​ため​に​制定せいてい​されて​おり、天てん​から​与あたえられた​神かみ​の​律りっ法ぽう​は、信しん仰こう​と​礼れい拝はい​の​ため​に​霊れい​に​かかわる​諸しょ​事じ​に​関かんする​規き則そく​を​定さだめた​もの​で​あり、人ひと​は​その​両方りょうほう​に​ついて​造つくり主ぬし​に​対たいして​責任せきにん​を​持もつ​の​で​ある。

7 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、統とう治ち​者しゃ​と​国こっ家か、政せい府ふ​は、すべて​の​国こく民みん​が​その​宗教しゅうきょう​上じょう​の​信条しんじょう​を​自じ由ゆう​に​行こう使し​できる​よう​に​保ほ護ご​する​ため​に、法ほう律りつ​を​制定せいてい​する​権けん利り​を​持もつ​と​ともに、その​義ぎ務む​を​も​負おう。しかし、法ほう律りつ​に​敬けい意い​と​崇敬すうけい​が​払はらわれ、かつ​その​宗教しゅうきょう​上じょう​の​考かんがえ​が​治ち安あん​妨害ぼうがい​や​陰謀いんぼう​を​正せい当とう​と​する​もの​で​ない​かぎり、彼かれら​は​国こく民みん​から​この​特とっ権けん​を​奪うばったり、あるいは​その​信条しんじょう​を​持もつ​こと​を​禁きんじたり​する​正せい当とう​な​権けん利り​を​持もたない。

8 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、犯罪はんざい​の​遂行すいこう​は​その​罪ざい科か​の​性質せいしつ​に​従したがって​^①罰ばっせられる​べき​で​ある。殺さつ人じん​や​反逆はんぎゃく、強ごう盗とう、窃せっ盗とう、および​すべて​の​点てん​に​おける​一般いっぱん​的てき​な​平へい和わ​の​侵害しんがい​は、その​犯罪はんざい​性せい​と​人ひと​に​及およぼす​悪あく​の​傾向けいこう​に​従したがって、その​犯罪はんざい​が​行おこなわれた​地ち​の​政せい府ふ​の​法ほう律りつ​に​よって​罰ばっせられる​べき​で​ある。また、すべて​の​人ひと​は、公こう共きょう​の​平へい和わ​と​安寧あんねい​の​ため​に、善良ぜんりょう​な​法ほう律りつ​に​違い反はん​する​者もの​を​処罰しょばつ​する​こと​に​進すすんで​その​力ちから​を​使つかう​べき​で​ある。

9 わたしたち​は、宗教しゅうきょう​的てき​影響えいきょう​力りょく​と​民みん事じ​上じょう​の​政せい治じ​を​混合こんごう​する​こと​を​正せい当とう​と​信しんじない。その​よう​に​すれ​ば、ある​宗教しゅうきょう​団体だんたい​は​育いく成せい​され、別べつ​の​団体だんたい​は​その​宗教しゅうきょう​上じょう​の​特とっ権けん​を​禁圧きんあつ​されて、その​会員かいいん​の​国こく民みん​として​の​個こ人じん的てき​な​権けん利り​が​否ひ定てい​される​こと​に​なる。

10 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、すべて​の​宗教しゅうきょう​団体だんたい​は、その​団体だんたい​の​規き則そく​と​規き定てい​に​従したがって、秩ちつ序じょ​を​乱みだす​行こう為い​に​対たいして​その​会員かいいん​を​処分しょぶん​する​権けん利り​を​持もつ。ただし、その​処分しょぶん​は​会員かいいん​として​の​資し格かく​と​身み分ぶん​に​関かんして​だけ​で​ある。しかし、いかなる​宗教しゅうきょう​団体だんたい​も、財ざい産さん​や​生命せいめい​の​権けん利り​に​ついて​人々ひとびと​を​裁さばく​権限けんげん​や、彼かれら​から​この世よ​の​もの​を​取とる​権限けんげん​や、生命せいめい​や​身しん体たい​を​危き険けん​に​さらす​権限けんげん​や、彼かれら​に​何なんら​か​の​体罰たいばつ​を​加くわえる​権限けんげん​は​持もって​いない。宗教しゅうきょう​団体だんたい​が​できる​こと​は、その​団体だんたい​から​彼かれら​を​^①破は門もん​する​こと​と、彼かれら​の​会員かいいん​資し格かく​を​取とり消けす​こと​だけ​で​ある。

11 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、人々ひとびと​は​身しん体たい​的てき​虐ぎゃく待たい​を​加くわえられたり、財ざい産さん​権けん​や​人格じんかく​を​侵害しんがい​されたり​する​場ば合あい、それ​を​保ほ護ご​する​法ほう律りつ​が​あれ​ば、すべて​の​不ふ当とう​な​扱あつかい​と​行こう為い​の​補ほ償しょう​を​民法みんぽう​に​訴うったえる​べき​で​ある。しかし、すぐに​法ほう律りつ​に​訴うったえて​救きゅう助じょ​を​受うける​こと​が​できない​危き急きゅう​の​とき​に​は、すべて​の​人ひと​が​自じ分ぶん​自じ身しん​と​友人ゆうじん​と​財ざい産さん​と​政せい府ふ​を、あらゆる​人ひと​の​不ふ法ほう​な​襲しゅう撃げき​と​侵害しんがい​から​守まもる​こと​は​正せい当とう​で​ある。

12 わたしたち​は​信しんじる。すなわち、地ち​の​諸しょ国こく​に​福ふく音いん​を​^①宣のべ​伝つたえ、世よ​の​腐ふ敗はい​から​救すくわれる​よう​に​義ぎ人じん​に​警けい告こく​する​こと​は​正せい当とう​で​ある。しかし、奴ど隷れい​の​所しょ有ゆう​者しゃ​の​意い志し​と​願ねがい​に​反はんして、奴ど隷れい​に​口くち出だし​を​したり、福ふく音いん​を​宣のべ​伝つたえたり、バプテスマ​を​施ほどこしたり​する​こと​は​正ただしくない。また、少すこし​で​も​彼かれら​に​干渉かんしょう​したり、感かん化か​したり​して、現げん世せ​に​おける​彼かれら​の​境遇きょうぐう​に​不ふ満まん​を​抱いだかせ、それ​に​よって​人命じんめい​を​危き険けん​に​さらす​こと​は​正ただしくない。この​よう​な​干渉かんしょう​は​不ふ法ほう​かつ​不ふ当とう​で​あり、人ひと​を​奴ど隷れい​状じょう態たい​の​中なか​に​置おく​こと​を​容よう認にん​する​すべて​の​政せい府ふ​の​安寧あんねい​に​とって​危き険けん​で​ある。