1「さて、わたしの同胞よ、主なる神が御自分の子供たちにこれらの戒めを与えられたときのことに、あなたがたの注意を向けたいと思う。あなたがたは、主なる神が、御子の位に従う聖なる位に従って祭司たちを聖任し、民にこれらの戒めを教えるようにされたことを覚えておいてほしい。
2その祭司たちは神の御子の位に従って聖任されたが、人々はその聖任の次第から、どのようにすれば神の御子を待ち望んで贖いを得られるかを知ることができた。
3そして、祭司たちが聖任された次第は次のとおりである。すなわち、祭司たちは彼らの非常に深い信仰と善い行いのために、神の先見の明によって世の初めから召され、備えられていた。彼らは初めに善を選ぶのも悪を選ぶのも任されていた。そこで彼らは、善を選んで、非常に深い信仰を働かせたので、現在、聖なる召しを受けている。まことに、このような者のために前もって用意された贖いとともに備えられ、また贖いに応じて備えられた、その聖なる召しを受けている。
4このように、祭司たちは彼らの信仰のゆえにこの聖なる召しを受けたのである。一方、ほかの者たちは、その心がかたくなで、思いをくらませているために、神の御霊を拒んだ。もしそうでなかったならば、彼らはその同胞と同じ大きな特権を得ることができたであろう。
5要するに、彼らは初めはその同胞と同じ立場にいた。このように、この聖なる召しは、心をかたくなにしない人々のために世の初めから備えられており、前もって用意された神の独り子の贖罪によって、また贖罪を通して定められている。
6このように、祭司たちは人の子らに神の戒めを教えて、彼らも神の安息に入ることができるようにするため、この聖なる召しによって召され、神の聖なる位の大神権に聖任されたのである。
7この大神権は神の御子の位に従うものであり、その位は世の初めから存在していた。言い換えれば、それは日の初めもなく年の終わりもなく、すべての物事に対する神の先見の明によって、永遠から永遠にわたって備えられているのである。
8さて、彼らは次のようにして聖任された。すなわち、彼らは聖なる召しによって召され、聖なる儀式によって聖任されて、聖なる位の大神権を受けた。この召しと儀式と大神権は、初めもなく終わりもない。
9このようにして、彼らはとこしえに御子の位に従う大祭司となる。この御子は御父のもうけられる独り子であり、日の初めもなく年の終わりもない御方であり、恵みと公平と真理に満ちておられる御方である。まことにそのとおりである。アーメン。
10さて、この聖なる位、すなわち大神権について述べたように、聖任されて神の大祭司になった人は大勢いた。それは彼らの非常に深い信仰と悔い改めと、神の御前での彼らの義によるものであり、彼らは滅びることよりも、むしろ悔い改めて義を行う方を選んだのである。
11そのために、彼らはこの聖なる位に従って召され、聖められて、彼らの衣は小羊の血によって白く洗い清められた。
12そして彼らは、聖霊によって聖められ、衣を白くされ、神の御前に清く、染みのない状態になったので、罪を見て忌み嫌うのを禁じることができなかった。このように清められて、主なる神の安息に入った人々は大勢おり、非常に多くの数に上った。
13さて、わたしの同胞よ、あなたがたもその安息に入れるように、神の御前にへりくだり、悔い改めにふさわしい実を結んでほしい。
14まことに、メルキゼデクの時代の民のようにへりくだりなさい。メルキゼデクも、わたしがこれまで語ってきたこの同じ位に従う大祭司であり、とこしえに大神権を受けた人である。
15アブラハムが什分の一を納めた相手はこのメルキゼデクであった。まことに、わたしたちの先祖アブラハムは、彼の所有したすべてのものの十分の一をこの人に納めたのである。
16さて、これらの儀式は、それによって人々が神の御子を待ち望めるように定められた。それは神の御子の位の予型、すなわち神の御子の位そのものであった。これが行われたのは、人々が自分の罪の赦しを受けるために神の御子を待ち望んで、主の安息に入れるようにするためであった。
17ところで、このメルキゼデクは、サレムの地を治める王であった。彼の民はかつて罪悪と忌まわしい行いを募らせていた。彼らは皆迷って、あらゆる悪事にふけっていたのである。
18しかし、メルキゼデクは力強い信仰を働かせ、神の聖なる位に従う大神権の職を受けたので、民に悔い改めを説いた。すると見よ、彼らは悔い改めた。そして、メルキゼデクは生涯その地に平和を確立した。そのために、彼はサレムの王であったので、平和の君と呼ばれた。彼はその父の下で国を治めた。
19さて、メルキゼデクよりも前に多くの人がおり、メルキゼデクより後にも多くの人がいたが、彼よりも偉大な人は一人もいなかった。そのため、人々が彼について述べることは特別であった。
20さて、わたしがそのことを並べ立てる必要はなく、これまで語ってきたことで十分であろう。見よ、聖文はあなたがたの前にある。もし聖文を曲げて解釈するならば、あなたがた自身の滅びを招くであろう。」
21さて、アルマは彼らにこれらの言葉を語り終えると、彼らに向かって手を伸ばし、力強い声で叫んだ。「今こそ悔い改める時である。救いの日は近づいている。
22主の声は、天使たちの口を通して、すべての国民にそれを告げ知らせておられる。まことに、彼らが胸躍る大いなる喜びのおとずれを得られるように、それを告げておられる。主は御自分のすべての民の中に、すなわち地の面に広く散らされている御自分の民に、これらの喜びのおとずれを告げて広めておられる。そして、それはわたしたちにも明らかにされたのである。
23また、そのおとずれは、わたしたちが誤りなく理解できるように、分かりやすい言葉で知らされている。これは、わたしたちが異郷で流浪の民となっているからである。このようにわたしたちは、自分のぶどう園の全域でこれらの喜びのおとずれを告げ知らされているので、非常に恵まれている。
24見よ、天使たちはわたしたちの地で多くの人にそれを宣言している。これは、主が栄光のうちに来られるときに、人の子らが主の御言葉を受け入れるように、彼らの心を備えさせるためである。
25そして、今や主の来臨について、天使たちの口を通してわたしたちに告げ知らされる、喜びに満ちたおとずれを聞くのを待つばかりである。どれくらい早く来るか分からないが、その時が来るからである。それがわたしの生きている間であるようにと神に願っている。しかし、それが早くても遅くても、わたしはそれを喜ぶ。
26主の来臨の時には、そのことが天使たちの口を通して、正しい聖なる人々に知らされるであろう。それは、わたしたちの先祖が彼らの内にある預言の霊に従って主について語ってきたとおりに、彼らの言葉が成就するためである。
27さて、わたしの同胞よ、まことにわたしが心痛を感じるほどにひどく心配するとともに、心の底から願っていることがある。それは、あなたがたがわたしの言葉を聴き、罪を捨て、悔い改めの日を先に延ばすことのないようにということである。
28しかし、あなたがたは主の御前にへりくだり、主の聖なる御名を呼び、自分が耐えられないような誘惑を受けないように、目を覚ましていて絶えず祈りなさい。そのようにして、聖なる御霊の導きを得て、謙遜、柔和、従順になり、忍耐強くなり、愛に富み、限りなく寛容になって、
29さらに主を信じる信仰を持ち、永遠の命を得る希望を抱き、常に心の中に神の愛を持って、終わりの日に上げられて神の安息に入れるようにしてほしい。
30主があなたがたに悔い改めることを許してくださって、あなたがたが主の激しい怒りを招くことのないように、また地獄の鎖につながれることのないように、そして、第二の死を受けることのないように願っている。」
31アルマはこの書に書き記されていないもっと多くの言葉を人々に語った。