1 さて、アルマとアミュレクはその町を立ち去るように命じられたので、そこを去ってシドムの地へ行った。すると見よ、彼らはそこで、①アモナイハの地を出て来たすべての人に会った。これらの人々は、アルマの言葉を信じたために②追い出され、石を投げつけられた人々である。
2 そこで、二人は彼らに、彼らの①妻子たちの身の上に起こった出来事をすべて話し、また自分たちのことと、自分たちを解放した②力のことについても述べた。
3 また、ゼーズロムもシドムにいて、燃えるような高熱を出して病床に伏していた。その高熱は、自分の①悪事のことで心にひどい苦しみを受けたために起こったものであった。彼はアルマとアミュレクがもう生きていないと思い、二人が殺されたのは自分の罪悪のためであると考えたからである。この大きな罪と、そのほか数多くの罪により心をひどく苦しめられて、とうとう介抱する手立てもないほど心をひどく痛めてしまった。そして、そのために彼は燃えるような熱で身を焼かれ始めたのである。
4 ところがゼーズロムは、アルマとアミュレクがシドムの地にいると聞くや、心が奮い立ち、すぐに二人に伝言を送って、自分のもとに来てほしいと伝えた。
5 そこで二人は、ゼーズロムからの伝言に応じてすぐに出かけた。そして、ゼーズロムのいる家に入って行ったところ、彼は燃えるような高熱で実に弱々しい有様で病んで床に伏していた。また彼は、自分の罪悪のためにひどく心を痛めていた。そして、二人を見ると、手を伸ばし、癒してほしいと懇願した。
6 そこでアルマは彼の手を取って、「あなたは救いを得させるキリストの力を①信じますか」と尋ねた。
7 すると彼はそれに答え、「はい。わたしはあなたが教えた言葉をすべて信じています」と言った。
8 そこでアルマは、「キリストの贖いを信じるならば、あなたは①癒しを得られます」と言った。
9 すると彼は、「はい。わたしはあなたの言葉のとおりに信じています」と答えた。
10 そこでアルマは、主に叫び求めて言った。「おお、主なるわたしたちの神よ、この人に憐れみを示し、キリストを信じるこの人の信仰に応じて①癒しをお与えください。」
11 アルマがこれらの言葉を語り終えると、ゼーズロムは①立ち上がり、そして歩き始めた。これは、民のすべての者にとって大きな驚きであった。そして、このことはシドムの全地に知れ渡った。
12 アルマはゼーズロムにバプテスマを施して主に属する者とし、ゼーズロムはそのとき以来、民に教えを説き始めた。
13 そしてアルマは、シドムの地に教会を設立し、その地で祭司たちと教師たちを聖任して、バプテスマを受けたいと望むすべての人にバプテスマを施し、主に属する者とするようにした。
14 さて、バプテスマを受けたいと望む人々は多く、シドムの周囲のすべての地方から群れを成してやって来て、バプテスマを受けた。
15 しかし、アモナイハの地に住む人々は依然として心のかたくなな、強情な民であったので、アルマとアミュレクの力はすべて悪魔によるものであるとして、自分たちの罪を悔い改めなかった。彼らは①ニーホルの教団に属しており、自分たちの罪を悔い改める必要があるとは信じていなかったからである。
16 さて、アミュレクはかつて自分の友であった者たちから拒まれ、また自分の父親や親族からも①拒まれたので、アモナイハの地にある自分の金、銀、貴重な品々をすべて神の言葉のために②捨てた。
17 したがって、アルマはシドムに教会を設立した後、大きな①抑制が働いたこと、まことに、民がその心の高ぶりを抑え、神の前に②へりくだるようになり、聖壇の前で神を③礼拝するために聖堂に集まって、サタンと④死と滅亡から救われるように、⑤目を覚ましていて絶えず祈るようになったことを知り、
18 すでにわたしが語ったように、アルマはこれらのことをすべて見てから、アミュレクを連れてゼラヘムラの地へ向かい、自分の家に彼を迎えた。そして、艱難に遭っているアミュレクに必要なものを与え、主にあって彼を強くした。
19 このようにして、ニーファイの民のさばきつかさの統治第十年が終わった。