1「おお、わたしが天使であって、わたしの心の願いを遂げることができればよいものを。わたしの心の願いとは、出て行って、神のラッパのように地を震わせる声で語り、すべての民に悔い改めを叫ぶことである。
2まことに、わたしは雷のような声で、あらゆる人に悔い改めと贖いの計画を告げ知らせ、もはや地の全面に悲しみのないように、悔い改めて神のみもとに来ることを彼らに勧めたい。
3しかし見よ、わたしはただの人であり、このように願うことさえも罪である。わたしは主から与えられたもので満足すべきだからである。
4わたしは、公正な神の堅い定めを、わたしの願いによって乱してはならないのである。人が死ぬことを望もうと生きることを望もうと、神が彼らの望むままにされることを知っているからである。まことに、人々が救いを望もうと滅びを望もうと、神は彼らの意のままに、不変の定めを彼らに布告されるということをわたしは知っている。
5またわたしは、善と悪がすべての人の前にあることも知っている。善悪の分からない人は、罪のない状態にある。しかし、善悪の分かる人には、善を望もうと悪を望もうと、生を望もうと死を望もうと、喜びを望もうと良心のとがめを望もうと、自分の望むままに与えられるのである。
6さて、わたしはこれらのことを知っていながら、どうして自分の召された務めを果たすこと以上に多くのことを望んでよいだろうか。
7わたしはどうして、天使になって地の果てに至るすべての人に語ることができればと願ってよいだろうか。
8見よ、主はすべての国民に、その国民を使い、その国民の言葉を使って主の御言葉を教えることを許されるからである。まことに、主は賢明にも、御自分が彼らにとってふさわしいと思われるすべての事柄を教えることを許される。したがって、賢明にも主は正しく真実なことに応じて勧告されるということが、わたしたちには分かるのである。
9わたしは主から命じられた事柄を知っており、それに誇りを感じている。わたしは自分自身のことを誇らないで、主から命じられた事柄を誇る。神の御手に使われる者となって幾人かでも悔い改めに導けること、これがわたしの誇りであり、喜びである。
10見よ、わたしは、多くの同胞が心から悔いて、主なる神のみもとに来るのを見るとき、喜びに満たされる。またそのとき、わたしは主がわたしのために行ってくださったこと、すなわちわたしの祈りを聞き届けてくださったことを思い出す。まことに、わたしはそのときに、主がかつてわたしに憐れみ深い御腕を伸べてくださったことを思い出す。
11わたしはまた、先祖が囚われの状態にあったことも思い出す。主がわたしの先祖を奴隷の状態から救い出し、そうすることによって御自分の教会を設けられたことを、わたしは確かに知っているからである。まことに、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である主なる神は、わたしの先祖を奴隷の状態から救い出してくださったのである。
12まことにわたしは、先祖が囚われの状態にあったことをいつも思い出す。わたしの先祖をエジプト人の手から救い出してくださったその同じ神が、わたしの先祖を奴隷の状態からも救い出してくださった。
13まことに、その同じ神がわたしの先祖の中に御自分の教会を設けられた。また、その同じ神が、この民に御言葉を宣べ伝えるために、聖なる召しによってわたしを召し、わたしに大きな成功を得させてくださった。そして、その成功によってわたしは喜びに満たされている。
14しかしわたしは、自分の成功だけを喜ぶことはしない。ニーファイの地へ行ったわたしの兄弟たちの成功で、わたしはなおさら喜びに満たされている。
15見よ、彼らは非常によく働き、大きな成果を得た。将来彼らの得る報いは何と大きいことだろう。
16さて、この兄弟たちの成功を考えると、わたしの喜びは大きくて、まるで自分の霊が肉体を離れるかと思うほどに我を忘れてしまう。
17わたしの兄弟であるこれらの人々が神の王国で座に着くことを、神がお許しくださり、また彼らの労苦の結ぶ実であるすべての人が、もはや二度と出て行くことなく、とこしえに神をほめたたえることもお許しくださるように。神がわたしの言葉のとおりに、すなわち、わたしがこれまで語ってきたようになることをお許しくださるように。アーメン。」