1さて、ニーファイの民のさばきつかさの統治第三十年に、モロナイはヒラマンの手紙を受け取って読むと、その幸いを、すなわち、以前に失った土地を得るのにヒラマンが大きな成功を収めたことを非常に喜んだ。
2また、彼は自分の民にも喜んでもらおうとして、自分のいるその地方の全域ですべての民にそれを知らせた。
3そして彼は、すぐにパホーランに手紙を書き、ヒラマンがそのように奇跡的に首尾よく取り返した地方を容易に守り通せるように、ヒラマンを、いや、ヒラマンの軍隊を強化するために兵を集めるように依頼した。
4そして、その手紙をゼラヘムラの地へ送ると、モロナイは、レーマン人がニーファイ人から奪った領土と町の中でまだ取り返していない分を手に入れるために、再び策を練り始めた。
5さて、モロナイがこのようにレーマン人を攻める準備をしている間に、見よ、モロナイの町、リーハイの町、モリアントンの町から集まったニーファイハの民が、レーマン人から攻撃を受けた。
6まことに、マンタイの地とその周辺の地から追われた者たちが、この地方のレーマン人のもとに来て合流していた。
7このようにして、彼らは非常に人数が多くなったうえに、日々援兵を得たので、アモロンの命令によってニーファイハの民を攻め、彼らに対して大変な殺戮を始めたのである。
8彼らの軍隊が非常に大軍であったので、ニーファイハの民の中で生き残った者たちは仕方なく彼らの前から逃げ出し、モロナイのもとへやって来て彼の軍隊に加わった。
9ところでモロナイは、ニーファイハの町にすでに兵が送られていて、その町を守り通すために民を助ける任務に就いているものと思っており、またレーマン人の手に落ちないように町を守ることの方が、それを彼らから取り返すことよりも容易であるのを知っていたので、ニーファイハの町の民が容易にその町を守り通せると思った。
10そこで彼は、自分が取り返した所を何か所も守るために、自分の全軍を用いていた。
11モロナイは、ニーファイハの町を失ったことを知って非常に嘆き、またニーファイ人が民の悪のために同胞の手に落ちてしまうのではないかと危ぶみ始めた。
12これは彼の連隊長たちも皆同じであった。彼らも民の悪を危ぶみ、驚いた。それは、レーマン人がニーファイハの町の民に勝ったからである。
13そしてモロナイは、政府が国の自由を守るのに冷淡であるということで、彼らに腹を立てた。