第1章ニーファイ、自じ分ぶんの民たみについて記き録ろくを始はじめる。リーハイ、示じ現げんの中なかで火ひの柱はしらを目めにし、また預よ言げんの書しょを読よむ。リーハイ、神かみをほめたたえ、メシヤの来らい臨りんを予よ告こくし、エルサレムの滅めつ亡ぼうを預よ言げんする。リーハイ、ユダヤ人じんに迫はく害がいされる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねん。 第2章リーハイ、家か族ぞくを連つれて紅こう海かいに近ちかい荒あれ野のに出しゅっ発ぱつする。財ざい産さんを後あとに残のこす。主しゅに犠ぎ牲せいをささげ、息子むすこたちに主しゅの戒いましめを守まもるように教おしえる。レーマンとレムエル、父ちちに対たいしてつぶやく。ニーファイは従じゅう順じゅんであり、信しん仰こうをもって祈いのる。主しゅ、ニーファイに語かたられ、ニーファイは兄あにたちを治おさめる者ものとして選えらばれる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねん。 第3章リーハイの息子むすこたち、真しん鍮ちゅうの版はんを手てに入いれるためにエルサレムに戻もどる。ラバン、真しん鍮ちゅうの版はんを渡わたすのを拒こばむ。ニーファイ、兄あにたちを促うながし、励はげます。ラバン、彼かれらの持もち物ものを奪うばい、彼かれらを殺ころそうとする。レーマンとレムエル、ニーファイとサムを打うち、天てん使しにとがめられる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第4章ニーファイ、主しゅの命めい令れいでラバンを殺ころし、計けい略りゃくによって真しん鍮ちゅうの版はんを手てに入いれる。ゾーラム、荒あれ野のにいるリーハイの家か族ぞくと行こう動どうを共ともにする。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第5章サライア、リーハイに向むかって不ふ平へいを言いう。二人ふたりとも、息子むすこたちが帰かえって来きたことを喜よろこび、犠ぎ牲せいをささげる。真しん鍮ちゅうの版はんには、モーセと預よ言げん者しゃたちの記き録ろくが載のせられている。その版はんから、リーハイがヨセフの子し孫そんであることが分わかる。リーハイ、自じ分ぶんの子し孫そんと真しん鍮ちゅうの版はんの保ほ存ぞんについて預よ言げんする。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第6章ニーファイ、神かみにかかわる事こと柄がらを書かき記しるす。ニーファイの目もく的てきは、アブラハムの神かみのもとに来きて救すくわれるように、人ひと々びとに説とき勧すすめることである。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第7章リーハイの息子むすこたち、エルサレムに戻もどり、イシマエルとその一いっ家かを約やく束そくの地ちに向むかう旅たびの一いっ行こうに招まねく。レーマンとほかの者ものたち、背そむく。ニーファイ、主しゅを信しんじる信しん仰こうを持もつように兄あにたちに勧すすめる。兄あにたち、ニーファイを縄なわで縛しばり、殺ころそうとする。ニーファイ、信しん仰こうの力ちからによって自じ由ゆうの身みとなる。兄あにたち、赦ゆるしを求もとめる。リーハイとその一いっ行こう、犠ぎ牲せいと燔はん祭さいをささげる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第8章リーハイ、命いのちの木きの示じ現げんを見みる。そしてその木きの実みを食たべ、家か族ぞくにも食たべてほしいと思おもう。また鉄てつの棒ぼうと、細ほそくて狭せまい道みちと、人ひと々びとを包つつむ暗あん黒こくの霧きりを見みる。サライアとニーファイとサムはその実みを食たべるが、レーマンとレムエルは拒こばむ。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第9章ニーファイ、二ふた組くみの記き録ろくを作つくる。どちらもニーファイの版はんと呼よばれる。大おおきい方ほうの版はんには世せ俗ぞくの歴れき史しが載のっており、小ちいさい方ほうの版はんには、おもに神しん聖せいな事こと柄がらが採とり上あげられている。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第10章リーハイ、ユダヤ人じんがバビロニア人じんに捕とらえられて連つれ去さられることを預よ言げんする。そして、ユダヤ人じんの中なかに救すくい主ぬしであり贖あがない主ぬしであるメシヤが来こられることを告つげる。また、神かみの小こ羊ひつじにバプテスマを施ほどこす人ひとが現あらわれることも告つげる。リーハイ、メシヤの死しと復ふっ活かつについて告つげる。また、イスラエルの散さん乱らんと集しゅう合ごうをオリーブの木きにたとえる。ニーファイ、神かみの御おん子こと聖せい霊れいの賜たま物ものと義ぎが求もとめられることとを述のべる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第11章ニーファイ、主しゅの御み霊たまを目めにし、示じ現げんの中なかで命いのちの木きを見みせられる。彼かれは神かみの御おん子この母ははを目めにし、神かみが御ご自じ身しんを低ひくくされることを知しる。また神かみの小こ羊ひつじのバプテスマと務つとめ、十じゅう字じ架かの刑けいを見みる。彼かれはまた、小こ羊ひつじの十じゅう二に使し徒との召めしと務つとめを見みる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第12章ニーファイ、示じ現げんの中なかで約やく束そくの地ちを見みる。その地ちに住すむ者ものの義ぎと罪ざい悪あくと没ぼつ落らく。神かみの小こ羊ひつじが約やく束そくの地ちに住すむ者ものを訪おとずれられる様よう子す。十じゅう二に弟で子しと十じゅう二に使し徒とがイスラエルを裁さばく様よう子す。不ふ信しん仰こうに陥おちいる人ひと々びとの不ふ快かいで汚けがらわしい状じょう態たい。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第13章ニーファイ、示じ現げんの中なかで異い邦ほう人じんの中なかに設もうけられる悪あく魔まの教きょう会かいを見みる。またアメリカ大たい陸りくの発はっ見けんと入にゅう植しょく、聖せい書しょの分わかりやすくて貴とうとい多おおくの部ぶ分ぶんが失うしなわれること、異い邦ほう人じんの背はい教きょうがもたらす有あり様さまについても見みる。さらに福ふく音いんの回かい復ふくと末まつ日じつの聖せい典てんの出しゅつ現げん、シオンの建けん設せつについて見みる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第14章天てん使し、異い邦ほう人じんに及およぶ祝しゅく福ふくとのろいについてニーファイに伝つたえる。教きょう会かいはただ二つ、神かみの小こ羊ひつじの教きょう会かいと悪あく魔まの教きょう会かいがあること。すべての国くに々ぐににいる神かみの聖せい徒とたち、大おおきな忌いまわしい教きょう会かいによって迫はく害がいされる。使し徒とヨハネが世よの終おわりについて書かき記しるす。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第15章リーハイの子し孫そんは、末まつ日じつに異い邦ほう人じんから福ふく音いんを受うける。イスラエルの集しゅう合ごうは、オリーブの木きに元もとの自し然ぜんの枝えだが接つぎ戻もどされることにたとえられる。ニーファイ、命いのちの木きの示じ現げんを解とき明あかし、また義ぎ人じんと悪あく人にんを分わける神かみの正せい義ぎについて語かたる。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第16章悪あく人にんは真しん理りを厳きびしいものと考かんがえる。リーハイの息子むすこたち、イシマエルの娘むすめたちと結けっ婚こんする。リアホナ、荒あれ野のでの一いっ行こうの進しん路ろを指さし示しめす。主しゅの御お告つげが時とき々どきリアホナに記しるされる。イシマエル、死しぬ。イシマエルの子こ供どもたち、苦く難なんのためにつぶやく。紀き元げん前ぜん約やく六百年ねんから五百九十二年ねんに至いたる。 第17章ニーファイ、船ふねを一隻せき造つくるように命めいじられる。ニーファイの兄あにたち、ニーファイに反はん抗こうする。ニーファイ、イスラエルに対たいする神かみの計はからいの歴れき史しを述のべて兄あにたちに説とき勧すすめる。ニーファイ、神かみの力ちからに満みたされる。兄あにたち、枯かれた葦あしのようにしおれてしまわないように、ニーファイに触ふれることを禁きんじられる。紀き元げん前ぜん約やく五百九十二年ねんから五百九十一年ねんに至いたる。 第18章船ふねが完かん成せいする。ヤコブとヨセフの誕たん生じょうが述のべられる。一いっ行こう、約やく束そくの地ちに向むかって出しゅっ発ぱつする。イシマエルの息子むすこたちとその妻つまたち、空から騒さわぎと反はん逆ぎゃくに加くわわる。ニーファイは縛しばられ、船ふねはすさまじい暴ぼう風ふう雨うで吹ふき戻もどされる。解とき放はなされたニーファイが祈いのると、嵐あらしが静しずまる。一いっ行こう、約やく束そくの地ちに着つく。紀き元げん前ぜん約やく五百九十一年ねんから五百八十九年ねんに至いたる。 第19章ニーファイ、あらがねで版はんを造つくり、民たみの歴れき史しを記き録ろくする。イスラエルの神かみは、リーハイがエルサレムを去さってから六百年ねんで来こられる。ニーファイ、イスラエルの神かみが受うけられる苦くるしみと十じゅう字じ架かの刑けいについて述のべる。ユダヤ人じんは末まつ日じつになるまでさげすまれ、散ちらされて、末まつ日じつには主しゅに立たち返かえる。紀き元げん前ぜん約やく五百八十八年ねんから五百七十年ねんに至いたる。 第20章主しゅはイスラエルに御ご自じ分ぶんの目もく的てきを示しめされる。苦く難なんの炉ろの中なかで選えらばれたイスラエルは、バビロンから出でる。イザヤ書しょ第だい四十八章しょうと比ひ較かく。紀き元げん前ぜん約やく五百八十八年ねんから五百七十年ねんに至いたる。 第21章メシヤは異い邦ほう人じんの光ひかりとなり、捕とらえられている者ものを解かい放ほうされる。終おわりの時ときに、イスラエルは力ちからをもって集あつめられる。王おうたちが彼かれらの養よう父ふとなる。イザヤ書しょ第だい四十九章しょうと比ひ較かく。紀き元げん前ぜん約やく五百八十八年ねんから五百七十年ねんに至いたる。 第22章イスラエルはやがて地ちの全ぜん面めんに散ちらされる。終おわりの時ときに、異い邦ほう人じんは福ふく音いんでイスラエルを養やしない育そだてる。イスラエルは集あつめられて救すくわれる。悪あく人にんはわらのように燃もえる。悪あく魔まの王おう国こくは滅ほろぼされ、サタンは縛しばられる。紀き元げん前ぜん約やく五百八十八年ねんから五百七十年ねんに至いたる。