第1章ヒラマンの息子むすこニーファイはゼラヘムラの地ちを去さり、その息子むすこニーファイが記き録ろくを書かき継つぐ。しるしと不ふ思し議ぎがたくさんあったにもかかわらず、悪あく人にんは義ぎ人じんを殺ころそうとする。キリストの降こう誕たんの夜よるが来くる。しるしが示しめされ、新あたらしい星ほしが現あらわれる。偽いつわりと欺あざむきが増まし、ガデアントンの強ごう盗とうが多おおくの者ものを殺ころす。紀き元げん約やく一年ねんから四年ねんに至いたる。 第2章悪あく事じと忌いまわしい行おこないが民たみの中なかに増ふえる。ニーファイ人じんとレーマン人じんは結けっ束そくして、ガデアントンの強ごう盗とうに対たいして自じ衛えいする。改かい宗しゅうしたレーマン人じん、白しろくなり、ニーファイ人じんと呼よばれる。紀き元げん約やく五年ねんから十六年ねんに至いたる。 第3章ガデアントン強ごう盗とう団だんの首しゅ領りょうのギデアンハイ、降こう伏ふくして土と地ちを明あけ渡わたすようにラコーニアスとニーファイ人じんに要よう求きゅうする。ラコーニアス、ギドギドーナイを軍ぐんの総そう司し令れい官かんに任にん命めいする。ニーファイ人じん、自じ衛えいのためにゼラヘムラとバウンティフルの地ちに集あつまる。紀き元げん約やく十六年ねんから十八年ねんに至いたる。 第4章ニーファイ人じんの軍ぐん隊たい、ガデアントンの強ごう盗とうを打うち負まかす。ギデアンハイは殺ころされ、彼かれの後こう継けい者しゃゼムナライハは木きにつるされる。ニーファイ人じん、勝しょう利りを得えたことで主しゅをほめたたえる。紀き元げん約やく十九年ねんから二十二年ねんに至いたる。 第5章ニーファイ人じん、悔くい改あらためて罪つみを捨すてる。モルモン、民たみの歴れき史しを記しるし、また民たみに永えい遠えんの御み言こと葉ばを告つげ知しらせる。イスラエルは将しょう来らい、久ひさしく散さん乱らんした状じょう態たいから集あつめられる。紀き元げん約やく二十二年ねんから二十六年ねんに至いたる。 第6章ニーファイ人じん、栄さかえる。高こう慢まんな者もの、富ふ裕ゆうな者ものが出でて、階かい級きゅう差さ別べつが生しょうじる。不ふ和わのために教きょう会かいが分ぶん裂れつする。サタン、民たみを惑まどわして公こう然ぜんと謀む反ほんを起おこさせる。多おおくの預よ言げん者しゃたち、悔くい改あらためを叫さけんで殺ころされる。殺さつ人じん者しゃたち、政せい府ふの乗のっ取とりを企くわだてる。紀き元げん約やく二十六年ねんから三十年ねんに至いたる。 第7章大だいさばきつかさが殺ころされ、政せい府ふは滅ほろぼされ、民たみは部ぶ族ぞくに分わかれる。反はんキリストのヤコブ、秘ひ密みつ結けっ社しゃの王おうとなる。ニーファイ、悔くい改あらためとキリストを信しんじる信しん仰こうを宣のべ伝つたえる。天てん使したち、日ひ々びニーファイに仕つかえる。ニーファイ、自じ分ぶんの兄きょう弟だいを死し者しゃの中なかからよみがえらせる。多おおくの人ひとが悔くい改あらためてバプテスマを受うける。紀き元げん約やく三十年ねんから三十三年ねんに至いたる。 第8章暴ぼう風ふう雨うや地じ震しん、火か事じ、旋せん風ぷう、自し然ぜんの大だい変へん動どうで、キリストの十じゅう字じ架かの刑けいが証しょう明めいされる。多おおくの者ものが滅ほろびる。暗くら闇やみが三みっ日か間かん地ちを覆おおう。生いき残のこった者ものたち、自じ分ぶんの運うん命めいを嘆なげく。紀き元げん約やく三十三年ねんから三十四年ねんに至いたる。 第9章暗くら闇やみの中なかでキリストの声こえが聞きこえ、民たみの悪あく事じのために多おおくの者ものが滅ほろび、多おおくの町まちが破は壊かいされたことが宣せん言げんされる。キリストはまた、御ご自じ分ぶんの神しん性せいを宣せん言げんし、モーセの律りっ法ぽうが成じょう就じゅしたことを告つげ、御ご自じ分ぶんのもとに来きて救すくわれるようにと人ひと々びとを招まねかれる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第10章地ちが何なん時じ間かんも静しずかであったこと。キリストの声こえが聞きこえ、めんどりがひなを集あつめるように御ご自じ分ぶんの民たみを集あつめることを約やく束そくされる。守まもられた者ものは、ひときわ義ぎにかなった人ひと々びとであった。紀き元げん約やく三十四年ねんから三十五年ねんに至いたる。 第11章御おん父ちち、愛あいする御おん子こについて証あかしされる。キリストが現あらわれ、御ご自じ分ぶんの贖しょく罪ざいについて宣せん言げんされる。人ひと々びと、キリストの両りょう手てと両りょう足あしとわきの傷きず跡あとに触ふれる。人ひと々びと、「ホサナ」と叫さけぶ。キリスト、バプテスマの様よう式しきを述のべられる。争あらそいの心こころは悪あく魔まのもの。キリストの教きょう義ぎとは、人ひとは信しんじてバプテスマを受うけ、聖せい霊れいを受うけなければならないというものである。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第12章イエス、十じゅう二に弟で子しを召めして力ちからを授さずけられる。イエス、ニーファイ人じんに山さん上じょうの垂すい訓くんに似にた説せっ教きょうをし、至し福ふくの教おしえを説とかれる。イエスの教おしえはモーセの律りっ法ぽうをしのぎ、モーセの律りっ法ぽうに優ゆう先せんする。イエスと御おん父ちちが完かん全ぜんであられるように完かん全ぜんになることが、人ひと々びとに命めいじられる。マタイによる福ふく音いん書しょ第だい五章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第13章イエス、主しゅの祈いのりをニーファイ人じんに教おしえられる。人ひとは天てんに宝たからを蓄たくわえなければならない。主しゅの務つとめに携たずさわる十じゅう二に弟で子し、この世よのものを思おもい煩わずらわないように命めいじられる。マタイによる福ふく音いん書しょ第だい六章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第14章イエス、裁さばかないように、神かみを求もとめるように、偽にせ預よ言げん者しゃに気きをつけるようにと命めいじられる。イエス、御おん父ちちの御み心こころを行おこなう者ものに救すくいを約やく束そくされる。マタイによる福ふく音いん書しょ第だい七章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第15章イエス、モーセの律りっ法ぽうが御ご自じ分ぶんによって成じょう就じゅしたことを告つげられる。イエスがエルサレムで言いわれた他たの羊ひつじとは、ニーファイ人じんのことである。エルサレムにいる主しゅの民たみは、罪ざい悪あくのために、イスラエルの散ちらされた羊ひつじのことを知しらない。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第16章イエスはこの後のち、行方ゆくえの知しれないイスラエルの他たの羊ひつじを訪おとずれられる。末まつ日じつに、福ふく音いんは異い邦ほう人じんに伝つたわり、次ついでイスラエルの家いえに伝つたわる。主しゅがシオンを再ふたたび元もとに戻もどされるとき、主しゅの民たみはそれを目まの当あたりに見みるであろう。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第17章イエス、民たみに御ご自じ分ぶんの言こと葉ばについて深ふかく考かんがえ、理り解かい力りょくを祈いのり願ねがうように指し示じされる。イエス、民たみの病びょう気きを癒いやされる。イエス、書かき記しるせない言こと葉ばで民たみのために祈いのられる。天てん使したちは幼おさない子こ供どもたちに恵めぐみを施ほどこし、幼おさない子こ供どもたちは火ひに包つつまれる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第18章イエス、ニーファイ人じんの中なかに聖せい餐さんを定さだめられる。ニーファイ人じん、イエスの名なによって常つねに祈いのるように命めいじられる。ふさわしくないままでイエスの肉にくを食たべ、イエスの血ちを飲のむ者ものは、罰ばつの定さだめを受うける。弟で子したち、聖せい霊れいを授さずける力ちからを与あたえられる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第19章十二人にんの弟で子し、民たみを教おしえ、聖せい霊れいを求もとめて祈いのる。十二人にんの弟で子し、バプテスマを受うけ、聖せい霊れいを授さずかり、天てん使したちから仕つかえられる。イエス、書かき記しるせない言こと葉ばで祈いのられる。イエス、これらのニーファイ人じんの信しん仰こうが非ひ常じょうに深ふかいことを認みとめられる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第20章イエス、不ふ思し議ぎな力ちからでパンとぶどう酒しゅを用よう意いし、再ふたたび聖せい餐さんを執しっ行こうされる。ヤコブの残のこりの者ものは将しょう来らい、主しゅなる彼かれらの神かみを知しるようになり、アメリカ大たい陸りくを受うけ継つぐ。イエスはモーセのような預よ言げん者しゃである。ニーファイ人じんは預よ言げん者しゃたちの子し孫そんである。主しゅの民たみに属ぞくするほかの者ものたち、将しょう来らいエルサレムに集あつめられる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第21章『モルモン書しょ』が出でるときに、イスラエルは集あつめられる。異い邦ほう人じん、自じ由ゆうな民たみとしてアメリカ大たい陸りくに住すむ。異い邦ほう人じん、信しんじて従したがうならば救すくわれる。そうでなければ、絶たたれて滅ほろぼされる。イスラエルは新しんエルサレムを築きずき、行方ゆくえの知しれない部ぶ族ぞくは戻もどって来くる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第22章終おわりの時ときに、シオンとシオンのステークが確かく立りつされ、イスラエルは憐あわれみと慈いつくしみをもって集あつめられる。イスラエルは勝しょう利りを得える。イザヤ書しょ第だい五十四章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第23章イエス、イザヤの言こと葉ばを是ぜ認にんされる。イエス、預よ言げん者しゃの書しょを調しらべるように民たみに命めいじられる。復ふっ活かつについてのレーマン人じんサムエルの言こと葉ばが記き録ろくに加くわえられる。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第24章主しゅの使し者しゃが再さい臨りんのために道みちを備そなえる。キリスト、裁さばきの座ざに着つかれる。イスラエル、什じゅう分ぶんの一を納おさめ、ささげ物ものをするように命めいじられる。覚おぼえの書しょが記しるされる。マラキ書しょ第だい三章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第25章再さい臨りんの時ときには、高たかぶる者ものと悪あく人にんはわらのように焼やかれる。エリヤは大おおいなる恐おそるべき日ひの前まえに戻もどって来くる。マラキ書しょ第だい四章しょうと比ひ較かく。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第26章イエス、初はじめから終おわりに至いたるまでのすべてのことについて説とき明あかされる。乳ち飲のみ子ごと小しょう児にたち、書かき記しるせない驚おどろくべき事こと柄がらを述のべる。キリストの教きょう会かいの人ひと々びと、すべてのものを共きょう有ゆうする。紀き元げん約やく三十四年ねん。 第27章イエス、教きょう会かいを御ご自じ分ぶんの名なで呼よぶようお命めいじになる。イエスの使し命めいと贖あがないの犠ぎ牲せいがイエスの福ふく音いんを構こう成せいする。人ひと々びとは聖せい霊れいによって聖きよめられるために、悔くい改あらためてバプテスマを受うけるように命めいじられる。人ひとはイエスのようにならなければならない。紀き元げん約やく三十四年ねんから三十五年ねんに至いたる。 第28章十じゅう二に弟で子しのうち九人にんは、死し後ごにキリストの王おう国こくで受うけ継つぎを得えることを望のぞみ、そのことを約やく束そくされる。三人にんのニーファイ人じんは、イエスが再ふたたび来こられるときまで地ち上じょうにとどまることを望のぞみ、とどまるために死しを制せいする力ちからを与あたえられる。彼かれらは身みを変かえられ、語かたるのを許ゆるされていない数かず々かずのことを見みる。彼かれらが現げん在ざいも人ひと々びとの中なかで仕つかえている。紀き元げん約やく三十四年ねんから三十五年ねんに至いたる。 第29章『モルモン書しょ』が出でることは、主しゅがイスラエルを集あつめ、御ご自じ分ぶんの聖せい約やくを果はたし始はじめられたことのしるしである。末まつ日じつの主しゅの啓けい示じと賜たま物ものを拒こばむ者ものはのろわれる。紀き元げん約やく三十四年ねんから三十五年ねんに至いたる。 第30章末まつ日じつの異い邦ほう人じんは、悔くい改あらため、キリストのもとに来きて、イスラエルの家いえとともに数かぞえられるように命めいじられている。紀き元げん約やく三十四年ねんから三十五年ねんに至いたる。