1 さて、わたしたちの記録によれば、そして、わたしたちはこの記録が真実であることを知っているが、見よ、それは記録を書き継いだのが正しい人であったからである--その人は、①イエスの名によって実際に多くの②奇跡を行った。そして、自分の罪悪からことごとく清められなければ、イエスの名によって奇跡を行える人はだれもいなかった。--
2 さて、わたしたちの時の計算についてこの人が間違いをしていなければ、①第三十三年が過ぎ去った。
3 そして民は、レーマン人の預言者サムエルによって知らされたしるし、すなわち地の面に三日間①暗闇が続く時を、大きな期待をもって待ち望むようになった。
4 また、非常に多くの①しるしが現れていたにもかかわらず、民の中にひどい疑いと論争が起こった。
5 さて、第三十四年一月四日に、全地でこれまでにまったく知られていないような大きな嵐が起こった。
6 また、激しくすさまじい暴風雨もあった。また、すさまじい①雷があり、まさに引き裂くほどに全地を②揺り動かした。
7 さらに、全地でこれまでにまったく知られていないような非常に強烈な稲妻があった。
8 そして、①ゼラヘムラの町に火がついた。
9 モロナイの町は海の深みに沈んで、そこに住む者はおぼれた。
10 また、地がモロナイハの町の上に持ち上がり、その町のあった所に大きな山ができた。
11 南方の地にも大変な恐ろしい破壊があった。
12 しかし見よ、北方の地にはもっと大変な恐ろしい破壊があった。見よ、暴風雨と旋風と雷と稲妻と全地の非常に激しい震動のために、地の全面が変わってしまった。
13 ①街道は破壊され、平坦な道は損なわれ、多くの平らな場所が起伏の激しい所となり、
14 多くの大きな名の知れた町が①沈み、多くの町が焼け、また多くの町が揺れ動いて建物が地に倒れ、そこに住む者が死に、方々の地が荒れ果てるに任された。
15 残った町も多少あったが、それでもそれらの町の受けた被害は非常に大きく、それらの町の多くの者が死んだ。
16 また、旋風によって運び去られた者もかなりいた。人々は彼らが運び去られたことは知っているが、どこへ運ばれて行ったのかだれも知らない。
17 このように、暴風雨と雷と稲妻と地の震動のために、全地の面が形を変えてしまった。
18 そして見よ、方々の①岩は二つに裂けて、全地の面に及んだので、地の全面に砕けた破片として、ひびとして、割れ目として見られるようになった。
19 そして、雷と稲妻、嵐、暴風雨、地の震動はやんだ。見よ、これらはおよそ①三時間続いた。その時間はもっと長かったと言う人々もいたが、このような大変な恐ろしい出来事はすべて、およそ三時間続いた。その後、見よ、地の面が暗くなった。
20 そして、地の全面に深い暗闇があり、それまでに倒れなかった民がその暗黒の①霧に触れると、それを②感じることができるほどであった。
21 また、暗闇のために光はまったく存在することができず、ろうそくも、たいまつもともすことができなかった。また、良質の十分に乾燥した木にも火をつけることができなかったので、光はまったくなかった。
22 地の面にある暗黒の霧が非常に深かったので、どんな光も見えず、火も、かすかな光も、太陽も、月も、星も見えなかった。
23 そして、光のまったく見えない状態が①三日間続き、すべての民の中に大きな悲しみとわめき声と泣き声が絶えなかった。まことに、民に及んだ暗闇と大きな破壊のために、民のうめき声は大きかった。
24 そして、ある所では民が、「おお、この大変な恐ろしい日が来る前に悔い改めておけばよかった。そうすれば、我々の同胞は命を助けられ、あの大きな町①ゼラヘムラで焼かれることはなかっただろう」と叫ぶのが聞かれ、
25 また別の所では、「おお、この大変な恐ろしい日が来る前に悔い改めておき、預言者たちを殺さず、石を投げつけず、追い出さなければよかった。そうすれば、我々の母も、麗しい娘たちも、子供たちも命を助けられ、あの大きな町モロナイハで埋められることはなかっただろう」と叫ぶのが聞かれた。このように、民は大いに、またひどくうめき苦しんだ。