1さて見よ、主が再び敵の手から救ってくださったので、ニーファイの民は非常に喜び、主なる神に感謝をささげた。そして、彼らは大いに断食し、大いに祈り、非常に大きな喜びをもって神を礼拝した。
2さて、ニーファイの民のさばきつかさの統治第十九年に、アルマは息子ヒラマンのところに来て、「これまで書き継がれてきた記録についてあなたに語った言葉を信じるか」と彼に言った。
3そこで、ヒラマンは、「はい、信じています」と言った。
4すると、アルマはまた、「将来来られるイエス・キリストを信じるか」と言った。
5そこで彼は、「はい。お父さんの言った言葉をすべて信じています」と言った。
6すると、アルマはまた彼に、「あなたはわたしの命じてきたことを守るか」と言った。
7そこで彼は、「はい、命じられたことを、わたしは心を尽くして守ります」と言った。
8すると、アルマは彼に言った。「あなたは幸いだ。主はあなたをこの地で栄えさせてくださるであろう。
9見よ、あなたに預言しておくことが少しある。しかし、わたしがあなたに預言することを公にしてはならない。まことに、わたしがあなたに預言することは、その預言が成就するまで公にしてはならない。だから、わたしが告げる言葉を書き留めなさい。
10その言葉は次のとおりである。見よ、わたしは自分の内にある啓示の霊によって知っている。この民、ニーファイ人は、イエス・キリストがこの民に御自身を現されるときから四百年たつと不信仰に陥る。
11そのときに彼らは戦争と疫病、まことに、飢饉と流血を目にし、ついにニーファイの民は全滅するであろう。
12これは、彼らが不信仰になり、また闇の業と好色とすべての罪悪に陥るからである。わたしはあなたに言う。彼らが非常に大きな光と知識に対して罪を犯すからである。まことに、言っておくが、その日から第四世代の人々が全員世を去る前に、この大きな罪悪が起こるであろう。
13その大いなる日が来ると、見よ、今いる者たち、今ニーファイの民の中に数えられている者たちの子孫がもはやニーファイの民の中に数えられない時がすぐに来る。
14そのときに生き残って、大いなる恐るべき日に滅ぼされない者は、主の弟子と呼ばれる少数の者を除いて、皆レーマン人の中に数えられ、レーマン人のようになる。しかも、主の弟子と呼ばれる者たちもレーマン人に追われ、ついに彼らも絶えてしまう。罪悪のために、将来この預言は成就するであろう。」
15さて、アルマはヒラマンにこれらのことを述べた後、彼を祝福し、ほかの息子たちをも祝福し、さらに義人のために地をも祝福した。
16そして、アルマは言った。「主なる神は言われる。『地は、まことにこの地は悪を行うあらゆる国民、部族、国語の民、民族に対してのろわれる。悪が完全に熟すとき、彼らは滅びるであろう。』必ずわたしが言ったようになる。これは神が地に下されたのろいであり、祝福だからである。主はほんのわずかでも、罪を見過ごしにされることはないからである。」
17アルマはこれらの言葉を語り終えると、教会員を、すなわちそのときから後信仰にしっかりと立つすべての人を祝福した。
18そして、アルマはこれを済ませると、ミレクの地へ向かうようにゼラヘムラの地を出て行った。ところがそれ以降、彼の消息は絶えてしまった。彼の死や埋葬についてわたしたちは知らない。
19見よ、わたしたちが知っているのは、彼が義人であったということである。また、彼は御霊によって取り上げられた、すなわち、モーセのように主の手によって葬られたという説が教会員の間に広まった。しかし見よ、聖文には主がモーセを御自分のもとに受け入れられたと述べられているので、わたしたちは主がアルマも霊にあって御自分のもとに受け入れられたと考えている。このために、わたしたちは彼の死と埋葬について何も知らないのである。
20さて、ニーファイの民のさばきつかさの統治第十九年の初めに、ヒラマンは御言葉を告げ知らせるために民の中に出て行った。
21見よ、レーマン人との戦争のため、また民の中にあった多くの小さな不和と騒動のために、神の言葉を民の中で告げ知らせることと、教会全体にわたって統一を図ることが必要になったからである。
22そこで、ヒラマンと彼の同僚たちは、すべての地に、すなわちニーファイの民が所有している全地のすべての町に再び教会を設けるために出て行った。そして彼らは、全地の至る所でそれぞれの教会をつかさどる祭司と教師を任命した。
23そして、ヒラマンと彼の同僚たちがそれぞれの教会をつかさどる祭司と教師を任命した後、教会員の中に不和が起こり、彼らはヒラマンと彼の同僚たちの言葉を心に留めようとしなくなった。
24彼らは非常に豊かに富を持つようになったために、心の中で高ぶり、次第に高慢になった。そのため、彼らはますます富に目を向けるようになり、また、神の前をまっすぐに歩むようにという、ヒラマンとその同僚たちの言葉を心に留めようとしなくなった。