1 さて、武器によって①殺されなかったニーファイ人は、殺された者たちを葬った後、すなわち、殺された者はおびただしい数に及んだので、それを数えることもなく死体を葬り終えた後、彼らは皆、自分たちの土地、自分たちの家、自分たちの妻子のもとに帰った。
2 ところが、多くの女と子供たちが剣で殺されており、家畜の群れも多く殺され、また穀物畑の多くも軍隊に踏み荒らされていた。
3 さて、シドン川の岸で殺されたレーマン人とアムリサイ人の多くは、①シドンの水に投げ込まれたので、見よ、彼らの骨は今、②海の深みにあり、その数は多い。
4 ①アムリサイ人はレーマン人に倣って、額に赤い②しるしを付けていたので、ニーファイ人と見分けることができた。しかし彼らは、レーマン人のようにその頭髪をそってはいなかった。
5 一方、レーマン人は頭髪をそっており、腰に皮をまとい、よろいを着け、弓と矢、石と石投げなどを持っているほかは①裸であった。
6 またレーマン人の肌は、彼らの先祖に付けられたしるしのとおりに黒ずんでいた。そのしるしは、先祖が戒めに背き、兄弟たちに背いたために受けた①のろいであった。また、その兄弟たちとは、正しい聖なる人々であったニーファイとヤコブ、ヨセフ、サムである。
7 これらの人々の兄たちは、これらの人々を滅ぼそうとしたために、のろわれたのであった。主なる神が彼ら、まことにレーマンとレムエル、およびイシマエルの息子たちとイシマエル人の女たちに①しるしを付けられたのである。
8 そして、このことが行われたのは、彼らの子孫をその兄弟たちの子孫と見分けられるようにするためであった。それによって主なる神は、御自分の民がのろいを受けた民と①縁を結んで間違った②言い伝えを信じ、滅びることがないように、彼らを守ろうとされたのである。
9 さて、自分の子孫をレーマン人の子孫と結婚させた者はだれであろうと、その子孫に同じのろいを招いた。
10 したがって、レーマン人に惑わされた者はだれであろうと、その呼び名で呼ばれ、しるしを付けられた。
11 そして、レーマン人の①言い伝えを信じようとせずに、エルサレムの地から持って来たあの記録と先祖の正しい言い伝えを信じた者、神の戒めを信じて守った者はだれであろうと、そのとき以降、ニーファイ人、すなわちニーファイの民と呼ばれた。
12 そしてこの民は、自分の民とレーマン人の民についての記録を書き継いでおり、その記録は①真実である。
13 さて、再びアムリサイ人のことに話を戻すと、彼らもまた①しるしを付けた。まことに、彼らは自分の身にしるしを、すなわち自分の額に赤いしるしを付けた。
14 このようにして、神の言葉は成就した。神がかつてニーファイに言われた御言葉は次のとおりである。「見よ、わたしはレーマン人をのろった。わたしは彼らにしるしを付けて、今より後とこしえに、彼らと彼らの子孫が悪を悔い改めてわたしに①立ち返らないかぎり、あなたとあなたの子孫から区別されるようにする。
15 そしてまた、わたしはあなたの兄弟たちと種を交える者にもしるしを付け、彼らものろおう。
16 そしてまた、わたしはあなたやあなたの子孫と戦う者にもしるしを付けよう。
17 そしてまた、あなたのもとを去る者は、もはやあなたの子孫と呼んではならない。わたしはあなたと、またあなたの子孫と呼ばれる者たちを、これから先とこしえに祝福しよう。」これは、ニーファイと彼の子孫にあてた主の約束である。
18 ところで、アムリサイ人はその額に自分でしるしを付け始めたとき、自分たちが神の言葉を成就しているのを知らなかった。しかし、彼らは公然と神に①背いた。したがって、のろいが彼らに下って当然であった。
19 さて、あなたがたは、彼らが自分自身に①のろいを招いたということを知ってほしい。また、のろいを受ける者は皆、そのように自分自身に自分の罪の宣告を招くのである。
20 さて、レーマン人とアムリサイ人によるゼラヘムラの地での戦闘の後、あまり日のたたないうちに、レーマン人の別の軍隊がニーファイ人の民を襲撃した。そこは、かつてレーマン人の最初の軍隊がアムリサイ人と①合流した所である。
21 そこで、彼らをその地から追い払うために軍隊が派遣された。
22 さて、アルマ自身は①負傷していたので、出て行ってレーマン人と戦うことはしなかった。
23 しかし、彼は大規模な軍隊を派遣した。そして、軍隊は出て行って多くのレーマン人を殺し、残りの者たちを境の地から外へ追い払った。
24 そして、彼らはまた帰って来て、その後しばらく敵に悩まされなかったので、国内に平和を確立した。
25 さて、これらのことはすべて、さばきつかさの統治第五年に起こった。まことに、これらの戦争と争いはすべて、その年に始まって同じ年に終わった。
26 そしてその一年間に、何千何万という人々が永遠の世に送られた。彼らはそこで、自分の行いが善いか、それとも悪いか、その行いに応じて①報いを刈り取り、自分が従おうとした霊が善い霊であったか悪い霊であったか、その霊に応じて永遠の幸福あるいは永遠の不幸を刈り取るのである。
27 人は皆、自分が①従おうとした者から②報いを受けるものである。これは預言の霊の言葉によるものであるから、真理にかなってそのようになるであろう。このようにして、さばきつかさの統治第五年が終わった。