1「見よ、わたしの愛する同胞よ、わたしはあなたがたのもとに来る機会を得たので、わたし自身の言葉で、まことに、わたしの口からあなたがたに話したいと思う。わたしにはあなたがたのもとに来られないほど多くの務めがあり、さばきつかさの職にすっかり掛かり切りになっていたので、直接あなたがたに語るのはこれが初めてである。
2また、もしもさばきつかさの職を、わたしに代わって治めるほかの人に譲れなかったとしたら、わたしはこの度も来られなかったであろう。しかし主は、深い憐れみをもって、わたしがあなたがたのもとに来られるようにしてくださった。
3また見よ、わたしはあなたがたが神の御前にへりくだり、神の恵みを懇願し続けていること、あなたがたが神の御前に罪のないこと、ゼラヘムラに住んでいる同胞が陥っているひどい苦境にあなたがたが陥っていないこと、これらのことを知りたいという大きな期待と深い望みを抱いてやって来た。
4神の御名をほめたたえまつる。ゼラヘムラに住んでいる同胞が再び神の義の道に堅く立っていることを、神はわたしに知らせてくださり、まことにそれによって、非常に大きな喜びをわたしに与えてくださったからである。
5わたしは、自分の内にある神の御霊によって、あなたがたについても喜べるであろうと確信している。しかしわたしは、あなたがたについての喜びが、ゼラヘムラの同胞のことで感じたような、ひどい苦しみと悲しみの末に得られるものでないことを願っている。見よ、彼らについてのわたしの喜びは、ひどい苦しみと悲しみに耐え抜いた末に得られたものだからである。
6しかし見よ、わたしは、あなたがたが同胞のようにひどい不信仰な状態にないことを確信している。わたしは、あなたがたが高慢な心で高ぶっていないことを確信している。まことに、あなたがたが富や俗世のむなしいものに執着していないことを、わたしは確信している。まことに、あなたがたが偶像を礼拝しておらず、まことの生ける神を礼拝していること、そして、永遠の信仰をもって、将来与えられる自分の罪の赦しを待ち望んでいることを、わたしは確信している。
7見よ、わたしはあなたがたに言う。将来多くのことがある。そして見よ、それらのどれよりも重要なことが一つある。見よ、贖い主が命を得て、御自分の民の中に来られる時は遠くない。
8見よ、贖い主が御自分の死すべき幕屋に宿っておられるときにわたしたちの中に来られるとは、わたしは言わない。見よ、御霊はそのようにはわたしに言われなかった。今わたしは、このことについては知らない。しかし主なる神が、御自分の御言葉のとおりにすべてのことを行う力をお持ちであるということ、これについてわたしは知っている。
9しかし見よ、御霊はわたしにこれだけを言われた。『この民に叫んで言いなさい。「悔い改めよ。主の道を備えよ。まっすぐな主の道を歩め。見よ、天の王国は近づいており、神の御子は地の面に来られるからである」と。』
10そして見よ、神の御子は、わたしたちの先祖の地であるエルサレムで、マリヤからお生まれになる。マリヤは聖霊の力により覆われて身ごもり、男の子、まことに神の御子をもうけるおとめであって、尊い、選ばれた器である。
11そして神の御子は、あらゆる苦痛と苦難と試練を受けられる。これは、神の御子は御自分の民の苦痛と病を身に受けられるという御言葉が成就するためである。
12また神の御子は、御自分の民を束縛している死の縄目を解くために、御自身に死を受けられる。また神の御子は、肉において御自分の心が憐れみで満たされるように、また御自分の民を彼らの弱さに応じてどのように救うかを肉において知ることができるように、彼らの弱さを御自分に受けられる。
13さて、御霊はすべてのことを御存じである。にもかかわらず、神の御子は御自分の民の罪を負い、御自分の解放の力によって彼らの背きを取り消すために、肉において苦しみを受けられる。さて見よ、これがわたしの内にある証である。
14さて、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは悔い改め、再び生まれなければならない。再び生まれなければ天の王国を受け継ぐことができない、と御霊が言われるからである。したがって、自分の罪から洗い清められ、神の小羊を信じる信仰を持てるように、やって来て、悔い改めのためのバプテスマを受けなさい。神の小羊は世の罪を取り除く御方であり、人々を救い、すべての不義から清める力を持つ御方である。
15まことに、あなたがたに言う。来なさい。恐れてはならない。たやすくまとわりつき、あなたがたを束縛して滅亡に至らせるすべての罪を捨てなさい。まことに、来て、罪を進んで悔い改める気持ちのあること、また、神の戒めを守るという神との聖約に進んで入ることを、神に示しなさい。そして、今日バプテスマの水に入ることによって、神にそのことを証明しなさい。
16だれであってもこのように行い、その後、神の戒めを守る人は、わたしがその人に言うことを覚えているであろう。まことに、わたしの内で証する聖なる御霊の証によって、わたしがその人に永遠の命を得るであろうと語ったことを、その人は覚えているであろう。
17さて、わたしの愛する同胞よ、あなたがたはこれらのことを信じるか。見よ、あなたがたに言う。まことに、わたしは、あなたがたがこれらのことを信じているのを知っている。あなたがたがこれらのことを信じていることが分かるのは、わたしの内にある御霊の示しによる。そしてそれについて、すなわちわたしが語ってきた事柄について、あなたがたが深く信じているので、わたしは大いに喜んでいる。
18わたしは初めに、あなたがたが同胞のように苦境に陥っていないことを深く望んでいると言ったが、わたしの望みがそのとおりにかなえられたことを、わたしは知った。
19それは、あなたがたが義の道にいることがわたしには分かるからである。あなたがたが神の王国に通じる道にいること、まことに、神の道をまっすぐにしていることが、わたしには分かる。
20神は曲がった道を歩まれないということが、神の御言葉の証によってあなたがたに知らされてきたことを、わたしは知っている。神は一度言われたことは変更されないし、右から左へ、すなわち正しいことから誤ったことへ転じる気配さえもお見せにならない。したがって、神の道は一つの永遠の環である。
21また、神は清くない宮には住まわれない。そればかりでなく、汚れや清くないものは神の王国に受け入れられない。したがって、わたしはあなたがたに言う。汚れている者が、その汚れの中にとどまる時が来る。それは終わりの日である。
22さて、わたしの愛する同胞よ、これらのことをあなたがたに語ってきたのは、神への義務感をあなたがたに自覚させ、あなたがたが神の御前を罪のない状態で歩めるように、またあなたがたが、かつてそれによって受け入れられた神の聖なる位に従って歩めるようにするためである。
23さて、わたしはあなたがたが謙遜であり、従順で素直であり、容易に勧告に従い、忍耐と寛容に富み、すべてのことについて自制し、いつも熱心に神の戒めを守るように、また霊的にも物質的にも、必要としているものは何でも求め、与えられるものについては何であろうといつも神に感謝するように願っている。
24また、あなたがたは信仰と希望、慈愛を必ず持つようにしてほしい。そうするときに、あなたがたはいつも多くの善い行いをするであろう。
25主があなたがたを祝福し、あなたがたの衣を染みのない状態に保ってくださって、最後にはアブラハム、イサク、ヤコブ、および世界が始まって以来この世に住んだ聖なる預言者たちとともに、彼らの衣が染みのない状態であるようにあなたがたも染みのない衣を着て、もはや外に出されることなく天の王国で座に着けるように。
26さて、わたしの愛する同胞よ、わたしは自分の内で証する御霊によって、これらの言葉をあなたがたに語ってきた。あなたがたが非常に熱心に、注意深くわたしの言葉を聞いてくれたので、心からうれしく思う。
27神の平安が、あなたがたの信仰と善い行いに応じて、今から後とこしえに、あなたがたと、あなたがたの住まい、土地、家畜の群れ、すべての所有物、および婦人たちと子供たちのうえにとどまるように。」わたしが語ったのは以上のとおりである。アーメン。