聖文
アルマ書1


アルマしょ
アルマの息子むすこアルマのしょ

アルマの息子むすこであり、ニーファイのたみおさめるさいしょのさばきつかさであり、だいさばきつかさでもあり、きょうかいだいさいでもあったアルマについてのはなし。さばきつかさのとうと、たみなかせんそうあらそいについてのはなし。ニーファイじんとレーマンじんあいだせんそうについてのはなし。これは、さいしょのさばきつかさであり、だいさばきつかさであったアルマのろくによる。

第1章

ニーホル、いつわりのきょうおしえ、きょうかいせつりつし、ぜんばいきょうはじめ、ギデオンをころす。ニーホル、ざいおうじてけいにされる。ぜんばいきょうはくがいたみなかひろまる。さいたちはかつし、たみまずしいひとびとたすけ、きょうかいさかえる。げんぜんやく九十一ねんから八十八ねんいたる。

1さて、モーサヤおうぜんたたかいにじゅうし、かみまえをまっすぐにあゆみ、ぶんわってとうするものをだれものこすことなく、のすべてのひとみちったが、まえほうりつせいていし、たみがそれをしょうにんした。したがって、ニーファイのたみおさめるさばきつかさのとうだいねんこうたみはモーサヤおうさだめたほうりつしたがわなければならなかった。

2さて、アルマがさばきつかさのしょくいておさめたさいしょとしに、さいばんけるために、かれまえされた一人ひとりおとこがいた。そのおとこからだおおきく、ちからつよいことでだかかった。

3かれひとびとなかめぐあるいて、ぶんかみことしょうしたことをかれらにつたえ、きょうかいあっぱくくわえ、また、さいきょうみなじんぼうるはずであって、ぶんはたらひつようはなく、ひとびとによってせいかつささえられてとうぜんであるとせんげんした。

4かれはまた、ぜんじんるいわりのすくわれるので、ひとおそれるひつようもおののくひつようもない、むしろあたまげてよろこぶがよい、しゅがすべてのひとつくられ、すでにすべてのひとあがなっておられ、けっきょくすべてのひとえいえんいのちるからであると、ひとびとこうげんした。

5さて、かれはこれらのことをおおおしえたので、おおくのものかれことしんじ、かれせいかつささえ、きんせんかれおくるようになった。

6そこでかれは、こうまんこころたかぶりはじめ、じょうこうふくけるようになり、ぶんおしえることにかなうきょうかいせつりつするようにさえなった。

7そしてかれは、ぶんことしんじるものたちにせっきょうするためにかけてちゅうで、かみきょうかいぞくするもの、すなわちきょうかいきょう一人ひとりった。そこでかれはそのひとはげしくろんそうし、きょうかいひとびとまどわそうとした。しかし、そのひとかれはんろんし、かみことをもってかれさとした。

8さて、そのひとギデオンという。かつて、かみ使つかわれるものとなって、リムハイのたみれいじょうたいからすくしたひとである。

9さて、ギデオンがかみことをもってかれはんろんしたので、かれはギデオンにたいしてはらて、つるぎいてギデオンにちかかった。ところが、ギデオンはとしっていたので、そのおとこりかかってくるのにこうすることができず、つるぎによってころされてしまった。

10それで、ギデオンをころしたそのおとこきょうかいひとびとらえられて、アルマのまえれてかれ、かれおかしたざいしたがってさいばんされることになった。

11そこでかれは、アルマのまえつとじょうだいたんべんをした。

12しかし、アルマはかれった。「よ、このたみなかぜんばいきょうこったのは、これがはじめてである。よ、あなたはぜんばいきょうつみおかしただけでなく、つるぎによってそれをきょうようしようとした。このたみなかぜんばいきょうおこなわれれば、たみかんぜんほろびてしまうであろう。

13また、あなたはじん、まことに、このたみなかおおくのぜんおこなってきたひとながしたので、もしわたしたちがあなたをゆるしたならば、かれほうふくもとめてわたしたちにりかかるであろう。

14したがって、わたしたちのさいおうモーサヤからあたえられたほうりつにより、あなたにけいせんこくする。このほうりつはこのたみによってしょうにんされたものであるから、このたみはこのほうりつしたがわなければならない。」

15そして、ひとびとかれらえた。かれニーホルといった。そしてひとびとは、かれをマンタイのおかちょうじょうはこんでった。そこにおいてかれは、ぶんたみおしえてきたことがかみことはんするものであったことを、てんあいだはくじょうさせられた、いや、ぶんからみとめた。そして、かれめいさいげた。

16にもかかわらず、ぜんばいきょうくにじゅうひろまるのはやまなかった。ぞくのむなしいものをじょうこのものおおぜいいたからである。かれらはっていつわりのきょうつたえた。とみほまれをようとして、このようにおこなったのであった。

17それでも、いつわものばっせられるので、かれらはほうりつおそれて、あえてこうぜんとはいつわりをわなかった。それで、ぶんしんじょうしたがっておしえをいているふりをした。ほうりつは、ひとしんじょうについては、だれをもばっするちからたなかったからである。

18また、ぬすみをはたらものばっせられるので、かれらはほうりつおそれて、あえてぬすをしなかった。かれらはうばることもしなかったし、ひところさなかった。ひところものけいしょせられたからである。

19しかし、かみきょうかいくわわっていないものたちは、かみきょうかいぞくしてキリストのけたひとびとはくがいはじめた。

20まことにかれらは、かみきょうかいぞくするひとびとはくがいし、あらゆることくるしめなやました。これは、きょうかいひとびとけんそんであり、かれらのたかぶりがなく、またかねさず、だいはらわないで、たがいにかみことおしっていたからである。

21さて、きょうかいひとびとなかにはきびしいりっぽうがあり、きょうかいぞくしているひとは、きょうかいぞくしていないひとくるしめてはならない、またたがいにくるしめってはならないとされていた。

22にもかかわらず、かれらのなかにはたかぶり、あいはげしくろんそうしてなぐいさえするようになったものおおぜいいた。まことに、かれらはたがいにこぶしでなぐった。

23さて、これはアルマのとうだいねんにあったことで、きょうかいがひどいくるしみにげんいんとなり、まことに、ひどいれんけるげんいんとなった。

24それは、おおくのものこころがかたくなであったからである。そして、これらのものされたため、かれらはもはやかみたみなかおもされることはなかった。また、おおくのものみずかかみたみのもとをった

25さて、これはしんこうにしっかりとっているひとびとにとっておおきなれんであった。にもかかわらず、かれらはかっとしてうごかずにかみいましめをまもり、またぶんたちにくわえられるはくがいしんぼうづよえた。

26そしてさいたちが、かみことたみげるためにごとやすめば、たみもまたかみことくためにごとやすんだ。そして、さいたちがかれらにかみことえると、かれらはみなふたたぶんたちのごともどり、ねっしんはたらいた。おしえをものものよりもえらいわけではなく、おしえるものまなものよりもえらいわけではないので、さいぶんしんぶんはなしものよりもすぐれているとはおもわなかった。このように、かれらはみなびょうどうであった。そして、かれらはみなおのおのぶんちからおうじてはたらいた。

27またかれらは、おのおのぶんっているぶんおうじて、まずしいものとぼしいものびょうものくるしんでいるものぶんものあたえたかれらはこうふくけてはいなかったが、そのよそおいはこざっぱりしてうるわしかった。

28このように、かれらはきょうかいしょととのえた。また、あらゆるはくがいにもかかわらず、かれらはまたつづへいたもつようになった。

29さて、きょうかいいんけんじつであったので、じょうものになり、ぶんたちがひつようとしたすべてのものをゆたかにつようになった。すなわち、だいしょうちくれや、あらゆるわかえたちく、それにこくもつきんぎんちょうしなじな、またきぬや、よりいとったぬの、あらゆるじょうぼくおりもの、これらのものをゆたかにつようになった。

30このようにして、かれらはゆうふくらしのなかで、もののないものえているものかわいているものびょうものえいようりないものはらうことがなかった。また、かれらはとみしゅうちゃくすることもなかった。そのため、いたものにもわかものにも、そくばくされたものにもゆうものにも、おとこにもおんなにも、またきょうかいいんであるなしのべつなく、たすけのひつようひとびとについてはひとかたよることなく、すべてのひとものしまなかった。

31このようにかれらはさかえ、きょうかいぞくしていないものたちよりもはるかにゆうふくになった。

32それは、きょうかいぞくしていないものじゅつぐうぞうれいはいにふけり、あるいはたいひたり、またばなしねたみあらそいにふけり、こうふくけ、こうまんたかぶりはくがいし、さらにはいつわりをい、ぬすみ、ごうとうをし、みだらなおこないをし、ひところし、そのほかあらゆるあくおこなったからである。しかし、ほうりつそむいたものにはすべて、できるかぎりそのほうりつてきようされた。

33そして、ほうりつそむいたものには、そのほうりつてきようされ、すべてのものぶんおこなったことにおうじてしょばつされたので、かれらはまえよりもおだやかになり、あえてこうぜんとこのようなあくおこなおうとしなかった。そのため、さばきつかさのとうだいねんまで、ニーファイのたみなかじゅうぶんへいたもたれていた。