1 ​アルマ​が​これら​の​言こと葉ば​を​語かたり​終おえる​と、彼かれら​は​アルマ​の​もと​に​人ひと​を​やって、彼かれ​が​述のべた​その​実み​を​得える​ため​に​は、^①​唯一ゆいいつ​の​神かみ​を​信しんじ​なければ​ならない​の​か​どう​か、その​^②​種たね、すなわち​心こころ​の​中なか​に​植うえ​なければ​ならない​と​アルマ​が​述のべた​その​御み​言こと葉ば​を​どの​よう​に​して​植うえれ​ば​よい​の​か、すなわち、どの​よう​な​方ほう法ほう​で​信しん仰こう​を​働はたらかせ​始はじめれ​ば​よい​の​か​を​知しりたい​と​伝つたえ​させた。

2 ​そこで、アルマ​は​彼かれら​に​言いった。「見みよ、あなたがた​は、自じ分ぶん​たち​の​会堂かいどう​から​追おい出だされて​いる​ので、神かみ​を​^①​礼れい拝はい​できない​と​言いって​いる。しかし​見みよ、わたし​は​あなたがた​に​言いう。もし​神かみ​を​礼れい拝はい​できない​と​思おもって​いる​の​で​あれ​ば、あなたがた​は​ひどく​誤ご解かい​して​いる。^②​聖文せいぶん​を​調しらべて​みる​べき​で​あろう。もし​あなたがた​が​聖文せいぶん​から​その​こと​を​教おそわった​と​思おもって​いる​の​で​あれ​ば、あなたがた​は​聖文せいぶん​を​理り解かい​して​いない。

3 ​あなたがた​は、昔むかし​の​預よ言げん者しゃ​^①​ゼノス​が​祈いのり​に​ついて、すなわち​^②​礼れい拝はい​に​ついて​述のべた​もの​を​以い前ぜん​に​読よんだ​の​を​覚おぼえて​いる​だろう​か。

4 ​ゼノス​は​こう​述のべて​いる。『おお、神かみ​よ、あなた​は​憐あわれみ​深ぶかい​御お方かた​です。わたし​が​荒あれ野の​に​いた​とき​で​さえ、わたし​の​祈いのり​を​聞きき届とどけて​ください​ました。また​わたし​が​^①​敵てき​に​ついて​祈いのった​とき​も、憐あわれみ​深ぶかく​あって、彼かれら​が​わたし​に​心こころ​を​向むける​よう​に​して​ください​ました。

5 ​まことに、おお、神かみ​よ、わたし​が​^①​畑はたけ​で​叫さけび​求もとめた​とき、わたし​を​憐あわれんで​ください​ました。あなた​に​叫さけび​求もとめた​とき、わたし​の​祈いのり​を​聞きき届とどけて​ください​ました。

6 ​さらに​また、おお、神かみ​よ、わたし​が​家いえ​に​向むかった​とき​も、わたし​の​祈いのり​を​聞きき届とどけて​ください​ました。

7 ​また、おお、主しゅ​よ、わたし​が​自じ分ぶん​の​^①​部へ屋や​に​戻もどって​あなた​に​祈いのった​とき、わたし​の​祈いのり​を​聞きき届とどけて​ください​ました。

8 ​まことに、あなた​の​子こ供ども​たち​が​人々ひとびと​に​で​は​なく​あなた​に​聞きいて​いただく​ため​に​叫さけび​求もとめる​とき、あなた​は​彼かれら​を​憐あわれんで、彼かれら​の​祈いのり​を​聞きき届とどけて​ください​ます。

9 ​まことに、おお、神かみ​よ、あなた​は​わたし​を​憐あわれんで、会衆かいしゅう​の​中なか​で​わたし​の​嘆願たんがん​を​お​聞きき​ください​ました。

10 ​また、あなた​は​わたし​が​敵てき​から​^①​追おい出だされ、さげすまれた​とき​に​も、わたし​の​祈いのり​を​お​聞きき​ください​ました。まことに、わたし​の​嘆願たんがん​を​聞きき届とどけ、わたし​の​敵てき​に​怒いかり​を​示しめされ​ました。そして、怒いかって​彼かれら​を​速すみやか​に​滅ほろぼされ​ました。

11 ​わたし​が​苦く難なん​に​遭あい​ながら​も​誠実せいじつ​で​あった​ので、あなた​は​わたし​の​祈いのり​を​お​聞きき​ください​ました。あなた​が​この​よう​に​わたし​を​憐あわれんで​くださった​の​は、御おん子こ​の​おかげ​です。ですから​わたし​は、これから​も​あらゆる​苦く難なん​の​さなか​で、あなた​に​叫さけび​求もとめ​ます。あなた​の​内うち​に​わたし​の​喜よろこび​が​ある​から​です。あなた​は​御おん子こ​の​ゆえ​に、わたし​から​あなた​の​裁さばき​を​遠とおざけて​くださった​から​です。』」

12 ​また、アルマ​は​彼かれら​に​言いった。「あなたがた​は​昔むかし​の​人々ひとびと​が​書かいた​^①​聖文せいぶん​を​信しんじて​いる​か。

13 ​見みよ、もし​信しんじて​いる​なら​ば、^①​ゼノス​が​述のべた​こと​も​信しんじて​いる​に​違ちがいない。見みよ、ゼノス​は、『あなた​は​御おん子こ​の​ゆえ​に、あなた​の​裁さばき​を​遠とおざけて​ください​ました』​と​述のべた。

14 ​さて​見みよ、わたし​の​同胞はらから​よ、あなたがた​は​聖文せいぶん​を​読よんだ​こと​が​ある​か​どう​か、わたし​は​尋たずねたい。もし​読よんだ​こと​が​ある​なら​ば、どうして​神かみ​の​御おん子こ​を​信しんじないで​いられよう​か。

15 ​ゼノス​だけ​が​これら​の​こと​を​述のべた​と​は​^①​書かき記しるされて​いない。^②​ゼノク​も​これら​の​こと​に​ついて​述のべた。

16 ​見みよ、ゼノク​は​こう​述のべて​いる。『おお、主しゅ​よ、あなた​が​御おん子こ​の​ゆえ​に​この​民たみ​に​かけて​こられた​憐あわれみ​を、この​民たみ​が​理り解かい​しよう​と​しない​ので、あなた​は​この​民たみ​の​こと​を​怒いかって​おられ​ます。』

17 ​さて、わたし​の​同胞はらから​よ、この​こと​から​分わかる​よう​に、昔むかし​の​預よ言げん者しゃ​が​もう​一ひと人り​神かみ​の​御おん子こ​に​ついて​証あかし​を​述のべて​いる。ところが​民たみ​は、この​預よ言げん者しゃ​の​言こと葉ば​を​理り解かい​しよう​と​しないで、彼かれ​を​^①​石いし​で​打うち殺ころして​しまった。

18 ​しかし​見みよ、これだけ​で​は​ない。神かみ​の​御おん子こ​に​ついて​述のべた​の​は、これら​の​人々ひとびと​だけ​で​は​ない。

19 ​見みよ、^①​モーセ​も​神かみ​の​御おん子こ​に​ついて​述のべた。荒あれ野の​で​一つ​の​^②​予よ型けい​が​^③​掲かかげられ、それ​を​仰あおぎ​見みよう​と​した​者もの​は​だれでも、生いき延のびられる​よう​に​された。そして、多おおく​の​人ひと​が​それ​を​見みて​生いき延のびた。

20 ​しかし、その​こと​の​意い味み​を​理り解かい​した​人ひと​は​わずか​で​あった。彼かれら​の​心こころ​が​かたくな​で​あった​から​で​ある。そして、予よ型けい​を​見みよう​と​も​しない​ほど​かたくな​な​人ひと​が​大おお勢ぜい​おり、彼かれら​は​死しんで​しまった。彼かれら​が​見みよう​と​しなかった​の​は、それ​で​自じ分ぶん​が​^①​癒いやされる​と​は​信しんじなかった​から​で​ある。

21 ​おお、わたし​の​同胞はらから​よ、もし​あなたがた​が​癒いやし​を​得える​ため​に、目め​を​向むける​だけ​で​よい​と​したら、あなたがた​は​すぐに​も​見みよう​と​しない​だろう​か。それとも、不ふ​信しん仰こう​の​まま​で​心こころ​を​かたくな​に​し、怠なまけて​目め​を​向むけよう​と​しないで​死しぬ​こと​を​望のぞむ​だろう​か。

22 ​もし​そう​で​あれ​ば、災わざわい​が​あなたがた​に​降ふりかかる​で​あろう。しかし、それ​を​望のぞま​なければ、あなたがた​の​目め​を​向むけて、神かみ​の​御おん子こ​を​^①​信しんじる​よう​に​しなさい。神かみ​の​御おん子こ​が​将来しょうらい、御ご​自じ分ぶん​の​民たみ​を​贖あがなう​ため​に​降こう臨りん​される​こと、御おん子こ​が​その​民たみ​の​罪つみ​を​^②​贖あがなう​ため​に​苦くるしみ​を​受うけ、死しなれる​こと、御おん子こ​が​死し者しゃ​の​中なか​から​^③​よみがえり、^④​復ふっ活かつ​を​もたらされる​こと、終おわり​の​裁さばき​の​日ひ​に、すべて​の​人ひと​が​各々おのおの​の​^⑤​行おこない​に​応おうじて​裁さばき​を​受うける​ため​に​神かみ​の​御おん子こ​の​御み​前まえ​に​立たつ​こと、これら​の​こと​を​信しんじて​ほしい。

23 ​さて、わたし​の​同胞はらから​よ、あなたがた​が​この​御み​言こと葉ば​を​心こころ​の​中なか​に​^①​植うえて、それ​が​ふくらみ​始はじめたら、あなたがた​の​信しん仰こう​に​よって​それ​を​養やしない​育そだてて​ほしい。そう​すれ​ば​見みよ、それ​は​あなたがた​の​心こころ​の​中なか​で​^②​生せい長ちょう​して、永遠えいえん​の​命いのち​を​もたらす​木き​に​なる​で​あろう。その​とき​に、神かみ​が​あなたがた​の​ため​に、神かみ​の​御おん子こ​の​喜よろこび​に​よって​^③​重おも荷に​を​軽かるく​して​くださる​よう​に。これまで​述のべて​きた​こと​は、もし​あなたがた​に​これ​を​行おこなう​意い志し​さえ​あれ​ば、すべて​行おこなえる​こと​で​ある。アーメン。」