1 「わが子よ,あなたには,あなたの兄弟に言ったことよりも少し多く言っておきたい。見よ,あなたは自分の兄弟が神の戒めを守るのに確固としており,忠実であり,勤勉であったのを見なかったか。見よ,彼はあなたのために良い模範を示さなかったか。
2 あなたはゾーラム人の民の中で,あなたの兄弟のようにはわたしの言葉に注意を払わなかった。わたしがあなたに戒めたいのはこのこと,すなわち,あなたが自分の力と知恵を自慢し続けたことである。
3 わが子よ,それだけではない。あなたはわたしを悲しませることをした。あなたは神の道を説く務めを放棄して,レーマン人の境にあるサイロンの地まで娼婦イザベルを追って行った。
4 この娼婦は多くの人の心を奪ったが,だからといって,わが子よ,これはあなたにとって決して言い訳にはならない。あなたは自分に託された務めに心を注ぐべきであった。
5 わが子よ,あなたはこのことが主の目から見て忌まわしい行いであること,まことに,罪のない者の血を流すことや聖霊を否定することを除いて,どのような罪よりも非常に忌まわしい行為であることを知らないのか。
6 見よ,聖霊が一度あなたに宿ってから,あなたがその聖霊を否定するならば,しかも自分で聖霊を否定していることを知っているならば,見よ,これは赦されない罪である。神の光と知識に逆らって人を殺す者が赦しを得るのは容易ではない。まことに,わが子よ,あなたに言うが,このような者が赦しを得るのは容易ではない。
7 わが子よ,あなたはそのような重大な罪を犯さなければよかったものを。あなたの罪についてくどくどと述べてあなたをひどく苦しめることが,あなたのためにならないようであれば,わたしはそうはしなかったであろう。
8 しかし見よ,あなたは自分の罪を神から隠すことはできない。また,悔い改めなければ,あなたの罪は終わりの日にあなたを責める証となるであろう。
9 わが子よ,悔い改めて自分の罪を捨て,これからはもう自分の目の欲を追うことなく,これらのことをすべて断つようにしてほしい。そうしなければ,決して神の王国を受け継ぐことができないからである。おお,このことを覚えて,これらのことを必ず断つようにしなさい。
10 また,あなたが行おうとすることについて,必ず兄たちと相談するように,わたしはあなたに告げておく。見よ,あなたはまだ若く,兄たちから助けを受ける必要があるからである。兄たちの忠告を心に留めなさい。
11 どんなむなしいものにも,愚かなものにも惑わされてはならない。二度と心を悪魔に惑わされて,あの邪悪な娼婦たちを追ってはならない。見よ,おお,わが子よ,あなたは何と大きな罪悪をゾーラム人に招いたことか。彼らはあなたの行いを見て,わたしの言葉を信じなかった。
12 それで,主の御霊はわたしに,『あなたの子供たちが多くの人の心を惑わして滅びに至らせることのないように,善を行うことを彼らに命じなさい』と言われる。したがって,わが子よ,わたしは神を畏れてあなたに命じる。罪悪から遠ざかりなさい。
13 思いと勢力と力を尽くして主に立ち返りなさい。だれの心をも悪いことを行うように惑わしてはならない。むしろ彼らのところに帰り,あなたの過ちと,あなたが行った悪事を認めなさい。
14 富やこの世のむなしいものを求めてはならない。見よ,あなたはそれらのものを携えて行くことはできないからである。
15 さて,わが子よ,キリストの来臨についてあなたに少し述べておきたい。見よ,あなたに言う。キリストは確かに世の罪を取り除くために来られる。キリストは御自分の民に救いの喜びのおとずれを告げ知らせるために来られる。
16 さて,わが子よ,あなたが召された務めは,この民にこの喜びのおとずれを告げ知らせて,彼らの心を備えること,いや,救いがこの民に与えられるようにすること,この民がその子孫の心を備えて,キリストの来臨の時に御言葉を聞けるようにすることであった。
17 さて,わたしはこの件についてあなたの心を少し軽くしよう。見よ,あなたはどうしてこれらのことが,このようにずっと前から分かるのかと不思議に思っている。見よ,あなたに言おう。今の人はキリストが来られる時代の人と同じように,神にとって貴い存在ではないだろうか。
18 贖いの計画は,この民の子孫と同じように,この民にも知らされることが必要ではないだろうか。
19 今,主が天使を遣わして,この喜びのおとずれをわたしたちに告げ知らせてくださるのは,わたしたちの子孫に宣言されるのと同様に,あるいはキリストの来臨の後に宣言されるのと同様に容易なことではないだろうか。」