1 さて、アンモンの民が①ジェルションの地に定住し、教会もジェルションの地に設けられ、ニーファイ人の軍隊がジェルションの地の周囲に、まことに、ゼラヘムラの地の周囲の境の全域に配備された後、見よ、レーマン人の軍隊が彼らの同胞を追って荒れ野に進んで来た。
2 このようにして、すさまじい戦闘が始まった。まことに、リーハイがエルサレムを去って以来、この地で人々が一度も経験したことのない規模の戦闘であった。そして、殺され、方々に追い散らされたレーマン人は数万人にも及んだ。
3 また、ニーファイの民にもすさまじい殺戮が及んだが、それでもレーマン人は①追い払われ、散らされた。そしてニーファイの民は、再び自分たちの地に帰った。
4 これによって国中至る所に、すなわちニーファイのすべての民の中に大きな嘆きと悲しみの声が起こった。
5 まことに、やもめは夫のことを嘆き、父は息子のことを、娘は兄弟のことを、まことに、兄弟は父のことをそれぞれ嘆いて泣き叫んだ。このようにすべての人の中で、殺された親族のことを嘆く叫び声が聞かれた。
6 さて、これはまことに嘆きに満ちた日であり、まことに、厳粛な時、①断食と祈りを重ねた時であった。
7 このようにして、ニーファイの民のさばきつかさの統治第十五年が終わる。
8 アンモンと彼の同僚たちがニーファイの地を旅したことと、その地で受けた苦しみ、悲嘆、苦難、①計り知れない喜び、同胞がジェルションの地に迎えられて安全に暮らしたことについての話は、以上のとおりである。万人の贖い主である主が、とこしえに彼らを祝福してくださるように。
9 ニーファイ人の中の戦争と争い、およびニーファイ人とレーマン人の間の戦争についての話は以上のとおりである。これで、さばきつかさの統治第十五年が終わる。
10 さばきつかさの統治の第一年から第十五年までの間に、何千もの人々が殺された。まことに、その間に流血の惨事もあった。
11 そして、何千もの遺体が地中に葬られたが、地の面に積み上げられたまま①朽ちている遺体も何千とある。また、身内を失ったことで②嘆いている人々も何千人といる。彼らが嘆くのは、主の約束によってその親族が無窮の不幸な状態に置かれることを恐れる理由があるからである。
12 また一方では、親族を失ったことをまことに悲しみながらも、彼らがよみがえって、決して終わることのない幸福な状態で神の右に住むであろうという望みに喜びを感じ、また主の①約束によってそれを知ってさえいる人々が何千人もいる。
13 以上のことから、悪魔が人の心を捕らえようとして企てた狡猾な①策謀によって生じる、罪と背きと悪魔の力とのために、人々の②差異がどれほど大きくなるものであるかが、わたしたちに分かるのである。
14 また以上のことから、主の①ぶどう園で働く人々が勤勉であるように大いに求められていることも分かる。さらに、悲しみの大きな原因と喜びの大きな原因についても分かる。悲しみは人々の中の死と滅亡のために生じ、喜びは命に至る②キリストの光のために生じるのである。