1「また、わたしの同胞よ、わたしはもう少しあなたがたに話したいことがあるので、さらにあなたがたの注意を促したい。見よ、将来起こる出来事について述べることがある。
2そして、これから述べることは、神から遣わされた天使がわたしに知らせてくれたものである。天使がわたしに、『目を覚ましなさい』と言ったので目を覚ましたところ、見よ、天使はわたしの前に立っていた。
3そして、天使はわたしに言った。『目を覚まして、わたしが告げる言葉を聞きなさい。見よ、わたしはあなたに、胸躍る大いなる喜びのおとずれを告げ知らせよう。
4主はあなたの祈りを聞き、あなたの義を裁かれた。そして、わたしを遣わしてあなたに告げ知らせ、あなたが喜びを得られるように、またあなたが民に告げ知らせて、あなたの民も喜びに満たされるようにされた。
5見よ、現在世を統治しておられ、永遠から永遠にわたってまします全能の主が、力をもって天から人の子らの中に降って来て、土の幕屋に宿り、人々の中に出て行って大きな奇跡を行われる時が来る。しかもそれは遠い先のことではない。この御方はそのときに、病人を癒し、死者を生き返らせ、足の不自由な者を歩けるようにし、目の見えない者を見えるようにし、耳の聞こえない者を聞こえるようにし、すべての病気を癒される。
6またこの御方は、悪霊、すなわち人の子らの心の中にとどまる悪い霊どもを追い出される。
7見よ、この御方は数々の試練に耐え、肉体の苦痛や飢え、渇き、疲労に耐えられるが、それは、人にとっては死ぬ以外に耐えようのないものである。見よ、御自分の民の悪事と忌まわしい行いのためにこの御方が受けられる苦しみは非常に激しく、あらゆる毛穴から血が流れ出るほどだからである。
8そしてこの御方は、イエス・キリスト、神の御子、天地の父、時の初めからの万物の創造主と呼ばれ、母はマリヤと呼ばれる。
9見よ、この御方は、御自分の民のところに来られ、人の子らがその御名を信じる信仰を持ちさえすれば、救いが与えられるようにされる。ところが、このようなことがあるにもかかわらず、彼らはこの御方をただの人と思い、また悪魔につかれていると言い、この御方を鞭打ち、十字架につける。
10しかしこの御方は、三日目に死者の中からよみがえられる。そして見よ、この御方は世を裁く立場に立たれる。また見よ、これらのことはすべて、人の子らに義にかなった裁きが下されるために行われるのである。
11そして見よ、この御方の血は、アダムの背きのために堕落した者たちの中で、自分たちに関する神の御心を知らずに死んだ者たち、あるいは気づかないで罪を犯した者たちの罪も贖う。
12しかし、自分が神に背いていることを承知している者は、災いである。災いである。悔い改めて、主イエス・キリストを信じるのでなければ、このような者には決して救いは与えられないからである。
13そして、主なる神はこれらのことをすべての部族、国民、国語の民に告げ知らせるために、聖なる預言者たちをすべての人の子らの中に遣わされた。またそのことによって、キリストが来られると信じるすべての者が、あたかもキリストが自分たちの中にすでに来ておられるかのように自分たちの罪の赦しを受け、また非常に大きな喜びを味わえるようにされた。
14しかし、主なる神は御自分の民が強情な民であることを知って、彼らに律法、すなわちモーセの律法を定められた。
15そして主なる神は、御自分の来臨に関する多くのしるしと不思議、予型と影を彼らに示された。聖なる預言者たちもまた、主の来臨について彼らに語った。それでも、彼らは心をかたくなにし、主の血の贖罪によらなければモーセの律法は決して役に立たないということを理解しなかった。
16また幼い子供たちは、たとえ罪を犯すことができるとしても、贖罪がなければ救いは得られない。しかし、あなたに言っておくが、幼い子供たちは祝福されている。見よ、アダムによって、すなわち生まれながらの本性のために人は堕落することがあるが、それと同じように、キリストの血は人の罪を贖うからである。
17さらにわたしはあなたに言う。全能の主であるキリストの御名のほか、またその御名を通じてでなければ、どのような名も道も方法も、人の子らに救いをもたらすことはできない。
18見よ、主は裁きをなさり、その裁きは公正である。そして、幼いときに死ぬ乳飲み子は滅びることがない。しかし、大人はへりくだって幼い子供のようになり、救いは過去も現在も未来も、全能の主であるキリストの贖いの血によって、また贖いの血を通じてのみ与えられるということを信じないかぎり、自分自身に罰の定めを招く。
19生まれながらの人は神の敵であり、アダムの堕落以来そうであって、今後もそうである。また人は、聖なる御霊の勧めに従い、主なるキリストの贖罪により、生まれながらの人を捨てて聖徒となり、子供のように従順で、柔和で、謙遜で、忍耐強く、愛にあふれた者となり、子供が父に従うように、主がその人に負わせるのがふさわしいとされるすべてのことに喜んで従わないかぎり、とこしえにいつまでも神の敵となるであろう。
20そしてさらに、わたしはあなたに言う。救い主についての知識が、あらゆる国民、部族、国語の民、民族の間に広まる時が来る。
21そして見よ、その時が来ると、悔い改めて全能者である主なる神の御名を信じるのでなければ、幼い子供たちを除いて、神の御前に罪がないと認められる者はだれもいないであろう。
22また、今でさえ、すなわちあなたが主なる神から命じられてきたことを民に教える現在でさえ、わたしがあなたに語っている言葉に従わなければ、彼らはもはや神の目から見て罪がないとは認められない。
23さて、わたしは主なる神が命じられた御言葉を語り終えた。
24そして、主はこのように言われる。「これらの言葉は裁きの日にこの民を責める明らかな証となる。これらの言葉によって、この民はそれぞれ皆、自分の行いが善いかそれとも悪いか、その行いに応じて裁かれる。
25そして、もし行いが悪ければ、彼らは自分の罪と忌まわしい行いの恐ろしい思いに引き渡される。そして、その恐ろしい思いは彼らを主の前からしりごみさせ、決して戻ることのできない、惨めな無窮の苦痛の状態に彼らを陥れる。これらの者は、自分自身に罰の定めを招いたのである。
26それゆえ、これらの者は神の激しい怒りの杯から飲んだのである。正義は彼らに対する怒りの杯を取り消すことはできない。それは、アダムが禁断の実を食べたために堕落することになったのを取り消せないのと同様である。したがって、憐れみはもはやとこしえに彼らに及ぶことはない。
27そして、彼らの受ける苦痛は、消えることなく炎が上り、とこしえにいつまでも煙を吐く火と硫黄の池のようである。」主はこのように言うことをわたしに命じられた。アーメン。』」