1さて、アンモンとリムハイ王は、奴隷の状態から抜け出す方法について民と相談を始めた。彼らはすべての民を連れ立って集まらせた。彼らはこの件について民の声を聞くことができるように、こうしたのである。
2さて、彼らが奴隷の状態から抜け出すには、女子供を伴い、大小の家畜の群れを連れ、天幕を携えて荒れ野へ出て行く以外に何の方法も見いだせなかった。レーマン人が非常に大勢であったため、リムハイの民は剣によって奴隷の状態から抜け出そうと考えても、彼らと戦うことは不可能だったからである。
3さてこのとき、ギデオンが進み出て王の前に立ち、そして言った。「王様、わたしたちが同胞であるレーマン人と戦ったときに、あなたはこれまでに何度も、わたしの言葉を聞き入れてくださいました。
4そして王様、もしわたしをふつつかな僕であったと思われなければ、すなわち、これまで多少なりともわたしの言葉をお聴きになって、それがあなたのお役に立っていましたならば、この度もわたしの言葉をお聴きくださるようにお願いいたします。わたしはこれからもあなたの僕となり、この民を奴隷の状態から救い出しましょう。」
5そこで、王は彼に語ることを許した。すると、ギデオンは王に言った。
6「町の裏手の城壁を通って行く裏道に御注目ください。そこにいるレーマン人、すなわちレーマン人の見張りの兵は、夜は酒に酔っています。ですから、民の全体に布告を出して大小の家畜の群れを集めさせ、夜の間に荒れ野に群れを追って行けるようにしましょう。
7そして、わたしはあなたの命令に従い、最後の貢ぎ物であるぶどう酒をレーマン人に納めます。すると彼らは、飲んで酔うでしょう。彼らが酔って眠っている間に、わたしたちは彼らの宿営の左手にある間道を通って行きましょう。
8こうしてわたしたちは、女子供を伴い、大小の家畜の群れを連れて荒れ野に出て行き、シャイロムの地を回って進みましょう。」
9そこで王は、ギデオンの言葉を聞き入れることにした。
10そこでリムハイ王は、民に彼らの家畜の群れを集めさせた。また王は、貢ぎ物のぶどう酒をレーマン人に、贈り物としていつもよりたくさん届けた。すると彼らは、リムハイ王が届けたぶどう酒をふんだんに飲んだ。
11さて、リムハイ王の民は、夜の間に大小の家畜の群れを連れて荒れ野へ出て行った。彼らは荒れ野の中をシャイロムの地を回って行き、アンモンとその同僚たちに導かれて、ゼラヘムラの地へ向かって道を進んだ。
12彼らは、自分たちの金や銀、貴重な品々、それに食糧を運べるかぎり持って荒れ野に出て、旅を続けた。
13このようにして、彼らは荒れ野の中で幾日も過ごした後、ゼラヘムラの地に到着してモーサヤの民に加わり、彼の臣民となった。
14そして、モーサヤ王は喜んで彼らを迎え入れ、彼らの記録と、以前にリムハイの民が見つけた記録を受け取った。
15さて、レーマン人は、リムハイの民が夜の間にその地を出て行ったことを知ると、彼らを追跡するために荒れ野に軍隊を送り出した。
16軍隊は二日間彼らを追跡した後、もはやその跡を見つけることができず、荒れ野の中で迷ってしまった。