1さて、ベニヤミン王はこのように民に語り終えると、自分の語った言葉を民が信じているかどうか知りたいと思い、使いを民の中に遣わした。
2すると民は皆、声を合わせて叫んだ。「そのとおり、わたしたちは、王がわたしたちに語ってくださった言葉をすべて信じています。また、全能の主の御霊のおかげで、わたしたちは王の言葉が確かで真実であることを知っています。御霊は、わたしたちが悪を行う性癖をもう二度と持つことなく、絶えず善を行う望みを持つように、わたしたちの中に、すなわちわたしたちの心の中に大きな変化を生じさせてくださいました。
3そして、わたしたち自身もまた、神の限りない慈しみと神の御霊の現れによって、将来起こることをはっきりと示されており、ふさわしければすべての物事について預言することができます。
4また、この偉大な知識が与えられたのは、わたしたちが、王が語ってくださったことを信じたからです。その結果、わたしたちはこのように、非常に大きな喜びを得ています。
5そしてわたしたちは、残りの全生涯、神の御心を行い、神から命じられるすべてのことについて神の戒めに従うという聖約を交わします。そして、天使によって告げられたような、決して終わることのない苦痛を自分自身に招くことのないように、また神の激しい怒りの杯から飲まないようにします。」
6さて、これはベニヤミン王が彼らから聞きたいと望んでいた言葉であった。そこで、王は彼らに言った。「あなたがたは、わたしの望んでいた言葉を語ってくれた。あなたがたが交わした聖約は義にかなった聖約である。
7さて、あなたがたが交わした聖約のために、あなたがたはキリストの子と呼ばれ、キリストの息子および娘と呼ばれる。見よ、それは、今日キリストが霊的にあなたがたを子としてもうけられたからである。あなたがたは、キリストの御名を信じて心が改まったと言う。だから、あなたがたはキリストから生まれ、キリストの息子および娘となったのである。
8そしてあなたがたは、この称号の下で自由を得た。このほかにはあなたがたに自由を得させる称号はない。救いをもたらす名はほかに与えられていない。だから、キリストの御名を受けて、神と聖約を交わしたあなたがたは皆、生涯の最後まで従順であってほしい。
9そして、このとおりにする者はだれでも、自分がどのような名で呼ばれるか分かるので、神の右に見いだされるであろう。なぜならば、キリストの御名で呼ばれるからである。
10そして、キリストの御名を受けない者はだれでも、何かほかの名で呼ばれる。それゆえ、神の左にいる自分に気づくであろう。
11そして、これこそが、戒めに背かなければ決して消されることのない名で、わたしがあなたがたに与えると言ったその名であることをあなたがたは覚えておいてほしい。だから、この名があなたがたの心から消えてなくならないように、あなたがたは戒めに背くことのないよう注意しなさい。
12わたしはあなたがたに言う。あなたがたはこの名をいつも心にしっかりと記しておくことを忘れないようにしてほしい。そうすればあなたがたは、神の左に見いだされることがなく、自分がどの声で呼ばれ、どの名で呼ばれるかが聞いて分かるであろう。
13なぜならば、仕えたこともなく、見も知らぬ他人で、心の思いと志を異にしている主人を、どのようにして人は知ることができようか。
14人はまた、隣人の持ち物であるろばを連れて来て、これを飼うだろうか。そのようなことはしないと、わたしはあなたがたに言おう。人は、そのろばが自分の群れの中で草をはむことさえ許さず、それを駆り立てて追い出すであろう。わたしはあなたがたに言う。もしあなたがたがどの名で呼ばれるのか知らなければ、同じようなことがあなたがたの中で起こるであろう。
15したがって、あなたがたは確固として揺らぐことなく、いつも多くの善い行いをして、全能者である主なる神、キリストから御自分のものとして印を押されるように、また天に招き入れられて、永遠の救いと永遠の命にあずかるようにしてほしい。この永遠の救いと永遠の命は、天地の万物を創造された、あらゆるものに勝る神の知恵と力、公正、憐れみによって与えられるものである。アーメン。」