1 「しかし見よ、わたしが異邦人の中で①驚くべき業を始めるその日には、異邦人の数は多い。わたしが驚くべき業を行うのは、人の子らに立てた②聖約を思い起こして、イスラエルの家に属するわたしの民を③再び連れ戻す業に着手するためである。
2 また、あなたニーファイとあなたの父に立てた約束、すなわち、あなたがたの子孫を覚え、あなたがたの子孫の①言葉がわたしの口から出て、あなたがたの子孫に伝わるようにするという約束を、わたしが思い起こして守るためである。わたしの言葉は地の果てまで②響き渡り、イスラエルの家に属するわたしの民にとって③旗となる。
3 そして、わたしの言葉が響き渡るので、多くの異邦人は、『①聖書か、聖書か。我々はすでに聖書を持っている。これ以外に聖書があるはずがない』と言う。」
4 しかし、主なる神はこう言われる。「おお、愚かな者よ、彼らは聖書を持つが、それは昔わたしが聖約を交わした民、①ユダヤ人から出るものである。彼らは②ユダヤ人から得る③聖書について、ユダヤ人にどのように感謝しているか。まことに、異邦人はどういうつもりか。彼らはユダヤ人が負った労苦と労力、骨折り、また自分たちに救いを得させることになったユダヤ人の、わたしに対する努力を思い起こしているか。
5 おお、異邦人よ、あなたがたは、昔わたしが聖約を交わした民、ユダヤ人を覚えていたか。いや、逆にあなたがたは彼らをのろい、①憎み、彼らを元の状態に戻そうとはしなかった。しかし見よ、主なるわたしはわたしの民を忘れたことはないので、これらすべてのことの責めをあなたがた自身の頭に求める。
6 『①聖書か。我々はすでに聖書を持っている。だから、ほかに聖書は必要ない』と言う者よ、あなたがたは愚か者である。あなたがたはユダヤ人によらずに聖書を手に入れたか。
7 あなたがたは、国民は数多くあることを知らないのか。主であり、あなたがたの神であるわたしがすべての人を①造ったこと、またわたしが②海の島々にいる者たちを覚えていることを知らないのか。またわたしが上は天で治め、下は地で治めていること、そしてわたしの言葉を人の子ら、すなわち地のすべての国民にもたらすことを知らないのか。
8 さて、なぜあなたがたは、わたしの言葉がもっと多く与えられるからと言ってつぶやくのか。①二つの国民の証が、わたしが神であることと、一つの国民をもう一つの国民と同じように覚えていることの、あなたがたへの②証拠となることを知らないのか。わたしは一つの国民に語るのと同じ言葉を別の国民にも語る。そして、その二つの③国民が合わせられるとき、二つの国民の証も合わせられるのである。
9 わたしがこれを行うのは、わたしが昨日も、今日も、またとこしえに①変わらないことと、わたし自身の望むままにわたしの言葉を語るということを、多くの人に証明するためである。したがってわたしが②一言語ったので、もう一言も語れないと思ってはならない。わたしの業はまだ終わっていないからである。わたしの業は人の存在が尽きるまで終わらないし、その後とこしえに終わりがないのである。
10 それゆえ、聖書を持っているからといって、わたしの①言葉がすべてそこに含まれていると思ってはならない。また、わたしがもっと大切なことを書き記させなかったと思ってもならない。
11 わたしは、東の地、西の地、北の地、南の地、また海の島々にいる①すべての者に、わたしの語る言葉を②書き記すように命じるからである。わたしは書き記される③数々の書によって、世のあらゆる人を、書き記されていることに従い、彼らの行いに応じて④裁く。
12 見よ、わたしが①ユダヤ人に語れば、彼らはそれを書き記し、ニーファイ人に語れば、彼らはそれを②書き記す。また、わたしが連れ出したイスラエルの家のほかの部族に語れば、彼らもそれを書き記す。さらにわたしが地の③すべての国民に語れば、彼らはそれを書き記す。
13 そして①ユダヤ人はニーファイ人の言葉を得て、ニーファイ人はユダヤ人の言葉を得る。また、ニーファイ人とユダヤ人は、イスラエルの②行方の知れない部族の言葉を得て、イスラエルの行方の知れない部族は、ニーファイ人とユダヤ人の言葉を得る。
14 そして、①イスラエルの家に属するわたしの民は、彼らの所有の地に集め戻され、わたしの言葉も②一つに集められる。こうして、わたしが神であることと、わたしがアブラハムに彼の③子孫を④とこしえに覚えると⑤聖約を立てたこととを、わたしの言葉と⑥イスラエルの家に属するわたしの民に逆らって戦う者たちに示そう。」