1 さて、わたしニーファイは、民の中で教えられたことをすべて書き記すことはできない。また書くときには話すときほどの①力もない。人が聖霊の力によって②語るときには、聖霊の力がそれを人の子らの心に伝えるからである。
2 しかし見よ、聖なる御霊に対して心を①かたくなにする人が大勢いる。彼らには聖なる御霊は宿りたまわない。そのために、これらの人々は、書き記されている多くのことを捨てて、これらを価値のないものと見なす。
3 しかし、わたしニーファイは、これまで書き記してきたものを大いに①価値があると考え、特にわたしの民にとってそうであると考えている。わたしは昼は絶えず民のために②祈り、夜は彼らのことを心配して涙で枕をぬらしている。そしてわたしは、信仰をもって神に叫び求めている。わたしは、神がわたしの嘆願を聞き届けてくださることを知っている。
4 また、主なる神がわたしの祈りを民の益となるように神聖なものとしてくださることを、わたしは知っている。また、弱点がありながらも書き記してきた言葉は、わたしの民のために①力強いものとなるであろう。それは、この言葉が善を行うように②説き勧め、また彼らに先祖のことを知らせ、イエスについて述べ、イエスを信じて最後まで堪え忍ぶように彼らに説き勧めるものだからである。イエスを信じて最後まで堪え忍ぶならば、③永遠の命を授かるのである。
5 また、真理が①率直であることから、わたしが書き記してきた言葉は、罪に対して②厳しく語る。それゆえ、悪魔の霊を宿している者でないかぎり、だれもわたしが書き記してきた言葉に腹を立てないであろう。
6 わたしは率直さに誇りを感じ、真理に誇りを感じる。また、イエスがわたしを地獄から①贖ってくださったので、わたしはイエスを誇りとする。
7 わたしは自分の民に①慈愛を抱いており、また、キリストの裁きの座でまったく染みのない多くの人に会えるであろうと、キリストに深い信仰を抱いている。
8 わたしは①ユダヤ人に対しても慈愛を抱いている。ここでいうユダヤ人とは、わたしが出て来た地の民のことである。
9 わたしはまた①異邦人に対しても慈愛を抱いている。しかし見よ、これらの人々はだれであっても、キリストとの②和解を得、③狭い門を入って命に至る④細い道を⑤歩み、試しの生涯の最後までその道を歩み続けないかぎり、わたしはその人のために何も望むことができない。
10 さて、わたしの愛する同胞よ、ユダヤ人よ、地の果てに至るすべての人よ、これらの言葉を聴き、キリストを①信じなさい。また、これらの言葉を信じなくても、キリストを信じなさい。キリストを信じれば、これらの②言葉を信じるようになるであろう。これらの言葉は③キリストの言葉であり、キリストがわたしに授けてくださったものだからである。そして、これらの言葉は、善を行わなければならないことをすべての人に④教えている。
11 これらがキリストの言葉でないかどうか、判断してもらいたい。キリストは終わりの日に、①力と大いなる栄光とをもって、これらが御自分の言葉であることをあなたがたに示されるであろう。そして、あなたがたとわたしとはキリストの②法廷で対面する。そうすればあなたがたは、わたしが、弱点があるにもかかわらず、これらのことを書き記すようにキリストから命じられたことを知るであろう。
12 わたしは、あの大いなる終わりの日に、たとえすべてではなくても、わたしたちの多くの者が御父の①王国に救われるように、キリストの名によって御父に祈る。
13 さて、わたしの愛する同胞よ、すなわち、イスラエルの家に属するすべての人よ、地の果てに至るすべての人よ、わたしは地から①叫ぶ者の声のようにあなたがたに告げる。「あの大いなる日が来るまで、さらば。」
14 神の慈しみにあずかろうとせず、①ユダヤ人の言葉も、わたしの②言葉も、神の小羊の口から出る御言葉も心に留めようとしない者たちよ、これらの言葉は終わりの日にあなたがたを③罪に定めるので、見よ、わたしはあなたがたに永遠の別れを告げる。
15 なぜなら、わたしが地上で結ぶことは、①裁きの法廷に持ち出され、あなたがたに対して不利に働くからである。主がわたしにこのように命じられたので、わたしは従わなければならない。アーメン。