1 さて、アビナダイはこれらの言葉を語り終えると、手を伸ばして言った。「将来、すべての人が主の①救いを見る時が来る。あらゆる国民、部族、国語の民、民族が目と目を合わせて見て、神の裁きが公正であることを神の御前で②認める時が来る。
2 そのとき、悪人は①追い出されるであろう。そして、彼らは②泣きわめき、涙を流し、嘆き悲しみ、歯ぎしりをするに違いない。それは、彼らが主の声に聞き従おうとしなかったからである。そのために、主は彼らを贖われない。
3 彼らは①肉欲にふけり、②悪魔に従うので、悪魔が彼らを支配する力を持つ。この悪魔はわたしたちの始祖を③だました、年を経たあの蛇である。その年を経た蛇が始祖をだましたために始祖は④堕落し、そのためにすべての人は肉欲や官能におぼれ、悪魔に従い、⑤善と悪を知りながら悪魔に従うようになった。
4 このようにして、全人類は①迷った状態になった。そして見よ、もし神が御自分の民を迷い堕落した状態から贖われなければ、彼らは限りなく迷った状態になっていたであろう。
5 自分自身の①肉の性質の中にとどまり、罪の道と神に背く道を進む者は、その堕落した状態にとどまって、悪魔がその者を支配するすべての力を持つということを忘れるな。だから、その者は神の敵であって、あたかも②贖いがなかったかのようである。悪魔もまた神の敵なのである。
6 さて、将来起こることを①すでに起こったことのように話すと、もしもキリストがこの世に来られなかったならば、贖いは決してあり得なかった。
7 また、墓が勝利を得ないように、そして死が①とげを持たないように、もしキリストが死者の中からよみがえられなかったならば、すなわち死の縄目を断たれなかったならば、復活はあり得なかった。
8 しかしながら、①復活は実際にあるので、墓は勝利を得ず、②死のとげはキリストにのみ込まれてしまう。
9 キリストは世の①光であり命であられる。まことに、決して暗くなることのない無窮の光であり、また決して死ぬことのない無窮の命であられる。
10 この死すべき体は①不死をまとい、この朽ちるものは朽ちないものをまとって、神の法廷に②立つように連れ出され、自分の行いが善いか悪いか、その行いに応じて神に③裁かれる。
11 すなわち、行いが善ければ①無窮の命と幸福の復活にあずかる。また、行いが悪ければ②無窮の罰の定めの復活にあずかることになるが、それは、彼らを服従させてきた悪魔に引き渡されるということである。
12 彼らは、自分の肉の思いと欲望のままに振る舞い、主の①憐れみの御腕が伸べられている間にも決して主に請い願わず、主の憐れみの御腕が彼らに伸べられても、彼らは頼ろうとせず、罪悪について戒められても、それから離れようとせず、悔い改めるように命じられても、悔い改めようとしなかった。
13 そこであなたがたは、震えおののいて罪を悔い改め、キリストによって、またキリストを通じてのみ救われるということを覚えておくべきではないか。
14 それゆえ、あなたがたが①モーセの律法を教えるのであれば、それは将来起こるこれらのことの影であるということも教えなさい。
15 贖いはまことの①永遠の父である主なるキリストを通じて与えられるということを、民に教えなさい。アーメン。」