1キリストは死者の中からよみがえった後、あなたがた、すなわちわたしの子孫と愛する同胞に御自身を現される。そして、そのときにキリストがあなたがたに語られる御言葉は、あなたがたが守らなければならない律法となる。
2見よ、わたしはあなたがたに言っておく。将来多くの代が過ぎて、わたしの民の中に大きな戦争と争いがあるのを、わたしは見た。
3メシヤが来られると、わたしの民にメシヤの降誕のしるしが数々与えられる。また、死と復活のしるしも数々与えられる。その日は悪人にとって大変な恐ろしい日となる。彼らはその日に滅びるからである。彼らが滅びるのは、預言者と聖徒を追い出し、石を投げつけ、殺すからである。そのため、聖徒の血の叫びが地から神のもとに上って、彼らのことを訴えるのである。
4それであるから、すべて高ぶる者と悪を行う者が、やがて焼き尽くされる日が来るであろうと、万軍の主は言われる。彼らはわらのようになるからである。
5預言者と聖徒を殺す者は地の深い所にのみ込まれると、万軍の主は言われる。山々が彼らに覆いかぶさり、旋風が彼らを運び去り、建物が彼らの上に倒れかかって、彼らを押しつぶし、粉みじんにしてしまう。
6また彼らは、雷や稲妻、地震、およびあらゆる破壊に見舞われる。それは、主の怒りの火が彼らに対して燃え上がり、彼らはわらのようになり、やがて彼らを焼き尽くしてしまう日が来るからである。このように万軍の主は言われる。
7おお、わたしの民の中の殺されて失われる者のゆえに、わたしの心は痛み、苦しむ。わたしニーファイはそれを見たので、主の前に燃え尽きてしまいそうである。しかし、わたしは神に向かって、「あなたが行われることは公正です」と叫ばざるを得ない。
8しかし見よ、預言者たちの言葉に聞き従い、また彼らを滅ぼそうとすることなく、どのような迫害を受けても与えられたしるしを心に留めて、確固としてキリストを待ち望む義人は、見よ、滅びを受けない人々である。
9しかし、義の御子は将来彼らに現れ、彼らを癒される。そして、三代の人々が世を去り、四代目の多くの人も義のうちに世を去るまで、彼らは御子によって平安を保つ。
10しかし、これらのことがあってから、速やかな滅亡がわたしの民に下る。わたしの心は痛むが、わたしはそれを見たので、将来そのことが起こることを知っている。彼らは価値のないものに自分自身を売り渡すのである。わたしの民は、高慢と愚かな行いの報いとして滅亡を刈り取る。彼らは悪魔に従い、光よりも闇の業の方を選ぶので、地獄へ下って行かなければならない。
11主の御霊はいつでも人を励ますわけではないからである。そして、御霊が人を励ますのをやめると、速やかに滅びが来る。わたしが悲しく思うのは、このためである。
12わたしは、イエスがまことのキリストであられるとユダヤ人に確信させることについて語ったが、異邦人にもイエスはキリストであり、永遠の神であられることを確信させることが必要である。
13イエスは御自分を信じるすべての人、まことにあらゆる国民、部族、国語の民、民族に聖霊の力によって御自身を現され、人の子らの中で、彼らの信仰に応じて大きな奇跡としるしと不思議を行われる。このことも、異邦人に確信させる必要がある。
14しかし見よ、わたしはあなたがたに、終わりの時について、すなわち、主なる神がこれらのことを人の子らに明らかにされる時代について、預言する。
15わたしの子孫とわたしの兄弟の子孫は、不信仰に陥って異邦人に打たれる。まことに、主なる神は彼らの周りに陣を構え、彼らを山で囲み、彼らに対してとりでを築かれる。そして彼らはちりの中に倒されて、もはや存在しなくなる。しかしながらその後、義人の言葉が書き記され、忠実な者の祈りが聞き届けられるので、不信仰に陥った者のすべてが忘れ去られるわけではない。
16滅ぼされる者が、地から人々に語りかけるからである。その言葉は低く地の中から出て来て、その声は霊媒の声のように聞こえる。主なる神はその者に力を授け、まるで地の中から出て来るかのように、その者が彼らのことをささやけるようにされる。こうして彼らの言葉は、地の中からささやくのである。
17主なる神はこう言われる。「彼らは彼らの中で行われることを書き記す。そして、それらのことは、一つの書物に書き記されて封じられる。不信仰に陥った者は、神にかかわるものを絶やそうとするので、それらのものを得られない。
18それゆえ、すでに滅ぼされた者たちは速やかに滅ぼされた。また、荒々しい者の群れは、吹き飛ぶもみ殻のようになる。」まことに主なる神は言われる。「このことは突然に、瞬く間に起こる。」
19そして不信仰に陥った者は、異邦人によって打たれる。
20また異邦人は高慢な目をもって高ぶり、つまずきとなるものが大きいためにつまずいた。そして多くの教会を設けた。しかしながら彼らは、神の力と奇跡を侮り、自分の知恵と学識を自賛して、利益を求め、貧しい者の顔をすりつぶす。
21ねたみと争いと悪意を引き起こす教会が、多く設けられる。
22また昔のように、悪魔の結社である秘密結社もある。悪魔はすべてこれらのものの創設者、まことに、殺人やいろいろな闇の業の創始者である。そして悪魔は、麻縄を彼らの首にかけて引っ張って行き、ついには強い縄で、とこしえに彼らを縛ってしまうのである。
23見よ、わたしの愛する同胞よ、あなたがたに言っておく。主なる神は暗闇の中で業を行うようなことはなさらない。
24主は、世のためになることでなければ何事もなさらない。すべての人をみもとに引き寄せるために御自分の命を捨てるほど、主は世を愛しておられるからである。したがって主は、御自分の救いにあずかってはならないと、だれにも命じられることはない。
25見よ、主がだれかに向かって、「わたしのもとから去れ」と叫ばれるだろうか。見よ、わたしはあなたがたに言う。そのようなことはない。むしろ、「地の果てに至るすべての者よ、わたしのもとに来て、金を出さず、代価を払わないで、乳と蜜を買いなさい」と言われる。
26見よ、主はだれかに、会堂、すなわち礼拝の家から立ち去るように命じられたことがあるだろうか。見よ、わたしはあなたがたに言う。そのようなことはない。
27また主がだれかに、主の救いにあずかってはならないと命じられたことがあるだろうか。見よ、わたしはあなたがたに言う。そのようなことはない。むしろ主は、すべての人に救いを無料で授けてこられた。そして、すべての人に悔い改めを説き勧めるよう、主の民に命じてこられた。
28見よ、主がだれかに、主の慈しみにあずかってはならないと命じられたことがあるだろうか。見よ、わたしはあなたがたに言う。そのようなことはない。むしろすべての人に、ほかの人と同様の者となる特権が与えられており、それを禁じられる者はだれ一人いない。
29主なる神は、偽善売教はあってはならないと命じられる。見よ、偽善売教とは、利益と世の誉れを得るために、説教をして自分自身を世の光とすることであって、シオンの幸いを求めることではない。
30見よ、主はこのことを禁じられた。それゆえ主なる神は、人は皆、慈愛すなわち愛を持つようにとの戒めを与えられた。慈愛がなかったならば人は何の価値もない。それゆえ、もし人に慈愛があれば、シオンで働く者を死なせたりはしないであろう。
31しかし、シオンで働く者は、シオンのために働くべきである。もしも金銭のために働くならば、滅びるであろう。
32また、主なる神は、人を殺してはならない、偽りを言ってはならない、盗んではならない、自分たちの神である主の名をみだりに唱えてはならない、ねたんではならない、悪意を抱いてはならない、互いに言い争ってはならない、みだらな行いをしてはならない、これらのことをどれも行ってはならないと命じられた。これらのことを行う者は滅びるからである。
33これらの罪悪は、いずれも主から来るものではない。主は人の子らの中で、ためになることを行われるからである。また主は、人の子らにとって分かりやすいことでなければ、何事も行われない。そして主は、御自分のもとに来て主の慈しみにあずかるように、すべての人を招かれる。したがって主は、黒人も白人も、束縛された者も自由な者も、男も女も、主のもとに来る者を決して拒まれない。主は異教徒さえも心にかけられる。ユダヤ人も異邦人も、すべての人が神にとって等しい存在なのである。