1 ところで，ヤコブはそのときに，もっと多おおくのことをわたしの民たみに語かたったが，わたしは以い上じょうのことだけを書かき記しるすにとどめた。わたしが書かき記しるしてきたことで十じゅう分ぶんだからである。

2 さて，わたしニーファイはイザヤの言こと葉ばに喜よろこびを感かんじるので，もっと彼かれの言こと葉ばを書かき記しるそう。わたしは彼かれの言こと葉ばをわたしの民たみに当あてはめ，また彼かれの言こと葉ばをわたしの子し孫そんに伝つたえよう。わたしが贖あがない主ぬしにまみえたと同おなじように，まことに彼かれも贖あがない主ぬしにまみえたからである。

3 わたしの弟おとうとのヤコブもまた，わたしが贖あがない主ぬしにまみえたと同おなじように，すでに贖あがない主ぬしにまみえている。それで，わたしは自じ分ぶんの言こと葉ばが真しん実じつであることをわたしの子し孫そんに立りっ証しょうするために，この二人ふたりの言こと葉ばを子し孫そんに伝つたえよう。神かみはかつて，「わたしは三人にんの言こと葉ばをもって，わたしの言こと葉ばを確たしかなものとする」と言いわれた。にもかかわらず，神かみはさらに多おおくの証しょう人にんを遣つかわして，御ご自じ分ぶんの言こと葉ばをことごとく立りっ証しょうされる。

4 見みよ，わたしは，キリストの来らい臨りんが真しん実じつであることを，わたしの民たみに立りっ証しょうすることに喜よろこびを感かんじる。モーセの律りっ法ぽうは，まさにそのために与あたえられたのである。世よの初はじめから神かみが人ひとに与あたえてこられたすべてのものは，キリストの予よ型けいである。

5 わたしはまた，主しゅがわたしたちの先せん祖ぞに立たてられた聖せい約やくを喜よろこんでいる。まことに，死しから人ひと々びとを解かい放ほうする，偉い大だいな永えい遠えんの計けい画かくに見みられる主しゅの恵めぐみと公こう正せい，力ちから，憐あわれみを喜よろこんでいる。

6 またわたしは，キリストが来こられなければすべての人ひとが必かならず滅ほろびるということを，わたしの民たみに立りっ証しょうすることを喜よろこぶ。

7 というのは，もしキリストが実じつ在ざいしなければ神かみは実じつ在ざいせず，神かみが実じつ在ざいしなければ創そう造ぞうはあり得えないので，わたしたちの存そん在ざいもないからである。しかしながら，神かみは実じつ在ざいしておられ，その神かみはキリストであって，御ご自じ身しんの定さだめられた時ときが満みちると来こられるのである。

8 さて，わたしはイザヤの言こと葉ばを少すこし書かき記しるして，わたしの民たみの中なかでこれらの言こと葉ばを見みる者ものが心こころを高たかめて，すべての人ひとのために喜よろこべるようにしよう。さあ，その言こと葉ばは次つぎのとおりである。あなたがたはこれらを，自じ分ぶん自じ身しんとすべての人ひとに当あてはめてみるがよい。