聖文
モーサヤ書29


第29章

モーサヤ,おうわりにさばきつかさをえらぶことをていあんする。おうたみつみおちいらせる。むすアルマ,たみこえによってだいさばきつかさにえらばれる。また,きょうかいだいさいつとめる。ちちアルマとモーサヤ,ぬ。げんぜんやく九十二ねんから九十一ねんいたる。

1 さて,モーサヤはこれをえると,だれがたみおうになるべきかについてたみちをりたいとおもい,ぜんに,すなわちたみぜんいんぶんことつたえた。

2 そして,「わたしたちはおうアロンがおうとなり,とうしゃとなることをねがっています」というのがたみこえであった。

3 ところが,アロンはすでにニーファイのったあとであったので,おうかれおうゆずれなかった。またアロンも,おうけることをのぞまなかったであろう。さらに,モーサヤのむすたちなかには,おうけたいとおもものはだれもいなかった。

4 そこでモーサヤおうは,たみにもういちぶんことつたえた。すなわち,ぶんことしるしたぶんしょたみおくった。そのことつぎのとおりである。

5 よ,おお,わたしのたみ,わたしの同胞はらからよ,わたしはあなたがたを同胞はらからおもっているので,こうりょするようにもとめられていることがらについて,よくこうりょしてほしい。あなたがたはおうちたいとねがっているからである。

6 さて,あなたがたにげる。おうけんのあるもの退たいし,おうけようとしない。

7 もしかれわりにほかのものにんめいされるならば,よ,あなたがたのなかあらそいがこるおそれがある。おうけんのあるわたしのむすのちいかって,たみいちひきいるようにならないともかぎらない。そうなれば,あなたがたのなかせんそうたいりつこって,おおくのながされ,しゅみちげられるげんいんになり,またおおくのひとれいほろぼされることになる。

8 わたしはあなたがたにげる。をよくはたらかせて,これらのことをよくかんがえよう。わたしたちにはわたしのむすほろぼすけんはまったくないし,かれわってにんめいされるほかのものほろぼすいかなるけんもない。

9 わたしのむすは,もしふたたこうまんになり,むなしいことにもどるならば,ぶんまえったことをし,おうこくたいするぶんけんしゅちょうするであろう。そうなれば,わたしのむすもこのたみもひどいつみおかすことになる。

10 そこでわたしたちは,はたらかせてあらかじめこれらのことをかんがえ,このたみへいやくつことをおこなうようにしよう。

11 したがって,わたしはせいをあなたがたのおうとしてごすことにする。しかしわたしたちは,ぶんたちのほうしたがってこのたみさばさばきつかさにんめいしよう。また,かみいましめにしたがってこのたみさばけんめいひとびとをさばきつかさとしてせんにんし,このたみせいあらたにととのえよう。

12 さて,ひとは,かみさばかれるほうひとさばかれるよりもよい。かみさばきはいつもこうせいであるが,ひとさばきはかならずしもこうせいでないからである。

13 したがって,もしかみりっぽうかくりつして,かみりっぽうしたがってこのたみさばこうとするただしいひとびとを,おうつことがのうであれば,まことに,もしもわたしのちちベニヤミンがこのたみのためにおこなったようにおこなおうとするひとびとを,ぶんたちのおうつことができるならば,あなたがたにげる,もしもこのようにいつもできるのであれば,いつもあなたがたをおさめるおうがいるのがのぞましいであろう。

14 そして,わたししんせんそうあらそい,ぬすみ,りゃくだつさつじん,そのほかどのようなざいあくそんざいすることのないように,わたしのつあらゆるちからりょくはたらかせて,あなたがたにかみいましめをおしえようと,またぜんへいかくりつしようとつとめてきた。

15 また,わたしはざいあくおかしたものに,それがだれであろうと,わたしたちのせんからあたえられたほうしたがって,そのものおかしたざいおうじてばつあたえてきた。

16 さて,あなたがたにげる。すべてのひとかならずしもただしくないので,あなたがたをおさめるおう,あるいはおうたちがいるのはのぞましいことではない。

17 よ,一人ひとりわるおうおかさせるざいあくなんとひどいことか。また,めつぼうなんおおきいことか。

18 まことに,ノアおうおもしなさい。ノアおうあくまわしいおこないと,またかれたみあくまわしいおこないをおもしなさい。よ,なんおおきなめつぼうかれらにおよんだことか。またかれらは,ぶんたちのざいあくのためにれいじょうたいおちいってしまった。

19 もしもかれらがこころからあらためて,ぜんそうぞうぬしかいざいけなかったならば,かれらはかならげんざいまでれいじょうたいのままでいたにちがいない。

20 しかしよ,かれらがしゅまえへりくだったので,しゅかれらをすくされた。また,かれらがしゅねつれつさけもとめたので,しゅかれらをれいじょうたいからすくされた。このように,どのあいでも,しゅひとらのなかぶんちからをもってはたらき,しゅたよものあわれみうでばされる。

21 そしてよ,わたしはあなたがたにげる。あなたがたはつみぶかおう退たいさせるあい,ひどいあらそいとおおくのりゅうけつによらなければ,それができない。

22 よ,つみぶかおうにはざいあくおかなかがいる。またかれは,しんぺんえいへいき,ぶんよりもまえをもっておさめてきたおうたちのほうし,かみいましめをあししたみにじり,

23 あたらしいほうりつ,まことに,ぶんあくにかなうほうりつせいていしてたみあいだはっし,そのほうりつしたがわないものはだれであろうところさせ,ぶんそむものにはだれであろうとぐんたいけんしてたたかわせ,できればそれらのものほろぼそうとするからである。このように,おうはあらゆるみちげる。

24 さてよ,わたしはあなたがたにげる。このようなまわしいことがあなたがたにおよぶのは,のぞましいことではない。

25 したがって,あなたがたは,わたしたちのせんからあたえられたほうしたがってさばかれるように,このたみこえによってさばきつかさをえらびなさい。せんによってあたえられたほうただしいものであって,しゅによってせんさずけられたものである。

26 さて,たみこえただしいことにはんすることがらのぞむのはまれであるが,たみしょうすうただしくないことをもとめるのはたびたびあることである。したがって,あなたがたはたみこえによってしょくたすようにりゅうし,それをあなたがたのほうとすべきである。

27 そして,もしもたみこえざいあくえらときれば,それはかみさばきがあなたがたにくだときであり,かみがこれまでこのむくいをくだしてこられたように,あなたがたにひどいめつぼうおよぼされるときである。

28 さて,もしあなたがたにさばきつかさたちがいて,かれらがあたえられているほうしたがってあなたがたをさばかなければ,あなたがたは,かれらをじょうきゅうさばきつかさにさばいてもらうことができる。

29 もしじょうきゅうさばきつかさがにかなったはんけつくださなければ,あなたがたはきゅうのさばきつかさをあつめ,かれらにたみこえしたがってじょうきゅうさばきつかさをさばかせるようにしなさい。

30 わたしはあなたがたに,しゅおそれてこれらのことをおこなうようにとめいじる。わたしはあなたがたに,おうつことなくこれらのことをおこなうようにめいじる。もしこのようなじょうたいにあるひとびとつみおかすならば,そのせきにんひとびとこうべするであろう。

31 よ,わたしはあなたがたにげる。おおくのひとつみは,かれらのおうざいあくによってこされた。したがって,かれらのざいあくせきにんかれらのおうこうべする。

32 さて,わたしはもうとこのびょうどうがこのに,とくにわたしのこのたみなかにないことをねがっている。このゆうとなり,わたしたちがこのんでこれをぐことを,しゅこころにかなうとなしてくださるかぎり,またわたしたちのそん一人ひとりでもこのおもてのこっているかぎり,すべてのひとけんとっけんひとしくきょうじゅできることを,わたしはねがっている。」

33 モーサヤおうは,ほかにもおおくのことをたみしるし,まもおうちょくめんするあらゆるれんなん,まことに,たみのためにかんじるこころくるしみのすべて,たみおううったえるへいのすべてをかれらにあきらかにし,またかれらにそれをすべて説明せつめいした。

34 また,モーサヤおうかれらに,このようなことはあってはならないこと,せきにんたみぜんたい分担ぶんたんして,すべてのひとぶんせきにんわなければならないことをげた。

35 かれはまた,おうおさめるときにたみこうむえき

36 まことに,おうのすべてのざいあくまわしいおこない,またすべてのせんそうあらそい,りゅうけつぬすみ,りゃくだつ,みだらなおこない,そのほかいちいちかぞげられないすべてのざいあくについてかれらにあきらかにし,またこれらのことがあってはならないこと,これらのことはあきらかにかみいましめにはんすることをかれらにげた。

37 そして,モーサヤおうがこれらのことをたみおくったところ,かれらはおうことしんじつであるとかくしんした。

38 そこでかれらは,おうとうとするのぞみをて,くにじゅうのすべてのひとびょうどうかいることをじょうせつぼうするようになった。そして,すべてのひとぶんしんつみせきにんよろこんでうことをげんめいした。

39 そしてかれらは,ぶんたちにあたえられたほうしたがってさばく,さばきつかさとなるべきひとびとを,ぶんたちのこえによってえらぶため,くにほうぼういくつかのしゅうだんしてあつまった。そしてかれらは,ぶんたちにあたえられたゆうじょうよろこんだ。

40 かれらはモーサヤおうへのあいちをますますふかめ,ほかのだれよりもかれうやまった。かれらはおうのことを,えきすなわちひとらくさせるあのとくついきゅうするぼうくんとはおもわなかったからである。かれたみからとみきびしくてたことはなく,ながすことをよろこびとしたこともなく,こくないへいかくりつし,たみがあらゆるそくばくからすくされるようにしてきたからである。そのため,かれらはおうじょうに,まことにはかれないほどうやまった。

41 さて,かれらはぶんたちをおさめるさばきつかさたち,すなわちほうしたがってぶんたちをさばくさばきつかさたちをにんめいした。かれらはくにじゅうでこれをおこなった。

42 そして,アルマはさいしょだいさばきつかさににんめいされたが,かれだいさいでもあった。アルマのちちかれにそのしょくさずけ,きょうかいしょぜんぱんかんするせきにんをゆだねていた。

43 さて,アルマはしゅみちあゆしゅいましめをまもり,にかなったさばきをおこなったので,つづくにじゅうへいであった。

44 このようにして,ゼラヘムラのぜんで,すなわちニーファイじんばれたすべてのたみなかで,さばきつかさのとうはじまった。そして,アルマがさいしょのさばきつかさであり,だいさばきつかさであった。

45 さて,アルマのちちかみめいれいたしえるまできて,八十二さいんだ。

46 そしてモーサヤも,ざいだい三十三ねんに,六十三さいんだ。リーハイがエルサレムをたときからかぞえて五百九ねんになる。

47 このようにして,ニーファイのたみおさめたおうたちのとうわり,また,たみきょうかいそうせつしゃであったアルマのだいわった。