1さて、イエスの弟子たちは旅をしながら、自分たちがそれまで聞いたり見たりしたことを宣べ伝え、イエスの名によってバプテスマを施していた。また、弟子たちは集まり、一つになって熱烈に祈り、断食をした。
2そして、彼らがイエスの名によって御父に祈っていると、イエスが再び彼らに御自身を現された。イエスは来て彼らの中に立つと、「あなたがたはわたしから何を与えられたいのか」と彼らに言われた。
3そこで彼らはイエスに、「主よ、この教会をどのような名で呼ぶべきか、わたしたちにお教えいただきたいと存じます。この件について民の中に論争がございますから」と言った。
4すると主は、彼らに言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言う。民がこのことについてつぶやき、論じ合うのはなぜか。
5彼らは、『キリストの名を受けなければならない』という聖文を読んだことがないのか。キリストとはわたしの名である。終わりの日にあなたがたは、この名によって呼ばれるのである。
6わたしの名を受け、最後まで堪え忍ぶ者は、終わりの日に救われるであろう。
7だから、あなたがたが行うことは何事でも、わたしの名によって行いなさい。あなたがたは教会をわたしの名で呼びなさい。また、父がわたしのために教会を祝福してくださるように、わたしの名によって父に呼び求めなさい。
8わたしの名で呼ばれなければ、どうしてわたしの教会であろうか。ある教会がモーセの名で呼ばれれば、それはモーセの教会である。あるいは、ある人の名で呼ばれれば、それはその人の教会である。しかし、わたしの名で呼ばれ、人々がわたしの福音の上に築かれていれば、それはわたしの教会である。
9まことに、あなたがたに言う。あなたがたはわたしの福音の上に築かれている。だから、あなたがたが呼ぶものは何であろうと、わたしの名によって呼びなさい。あなたがたが教会のために、わたしの名によって父に呼び求めるならば、父はあなたがたの祈りを聞いてくださる。
10また、教会がわたしの福音の上に築かれていれば、父は教会の中で御自分の業を示されるであろう。
11しかし、教会がわたしの福音の上に築かれておらず、人の業の上に、あるいは悪魔の業の上に築かれていれば、まことにあなたがたに言う、彼らはしばらくの間は自分たちの業を楽しむが、やがて最後が来て、彼らは切り倒されて火の中に投げ込まれ、そこから二度と戻ることができない。
12彼らの業は彼らにつき従い、彼らはその業のために切り倒される。だから、わたしがあなたがたに告げたことを覚えておきなさい。
13見よ、わたしはあなたがたに、わたしの福音について告げた。わたしがあなたがたに告げた福音とは、次のとおりである。すなわち、父がわたしを遣わされたので、わたしは父の御心を行うために世に来た。
14父は、わたしが十字架に上げられるようにと、わたしを遣わされた。十字架に上げられた後で、わたしはすべての人をわたしのもとに引き寄せた。わたしは人々によって上げられたが、そのように人々は、父によって上げられてわたしの前に立ち、自分の行いが善いか悪いかによって、行いを裁かれるのである。
15このために、わたしは上げられたのである。それで、父の力によってすべての人をわたしのもとに引き寄せ、彼らが各々の行いに応じて裁かれるようにするのである。
16さて、悔い改めて、わたしの名によってバプテスマを受ける者はだれであろうと、満たされるであろう。そして、最後まで堪え忍ぶならば、見よ、わたしはその者を、わたしが立って世の人々を裁くその日に、わたしの父の御前で罪のない者としよう。
17また、最後まで堪え忍ばない者は、切り倒されて火の中に投げ込まれ、父の正義のゆえに、そこから二度と戻ることができない。
18これは父が人の子らに告げられた御言葉である。父は御自分の正義のゆえに、御自分が告げられた御言葉をことごとく成就される。父は偽らず、御自分の御言葉をことごとく成就される。
19清くない者は、決して父の王国に入ることができない。したがって、信仰を持ち、罪をすべて悔い改め、最後まで忠実であることによって、わたしの血により衣を洗われた者のほかには、父の安息に入る者はいない。
20さて、戒めは次のとおりである。地の果てに至るすべての者よ、悔い改めて、わたしのもとに来て、わたしの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、あなたがたは聖霊を受けて聖められ、終わりの日にわたしの前に染みのない状態で立てるであろう。
21まことに、まことに、あなたがたに言う。以上がわたしの福音である。あなたがたは、わたしの教会で行わなければならないことを知っている。わたしがするのを見たその行いを、あなたがたもしなさい。わたしが行うのを見たそのとおりのことを、あなたがたも行いなさい。
22あなたがたは、これらのことを行うならば、幸いである。終わりの日に高く上げられるからである。
23あなたがたが見たこと、聞いたことを、禁じられているものを除いてすべて書き記しなさい。
24これまで書き記されてきたように、これからもこの民の行いを書き記しなさい。
25見よ、これまで書き記されてきた数々の書と、これから書き記される数々の書によって、この民は裁かれるであろう。これらの書によって彼らの行いが人々に知られるからである。
26また見よ、すべてのことは父によって書き記されている。したがって、これから書き記される数々の書によって、世の人々は裁かれるであろう。
27あなたがたが知っているように、将来あなたがたは、わたしがあなたがたに与える公正な判断力によって、この民を裁く者となるであろう。したがって、あなたがたはどのような人物であるべきか。まことに、あなたがたに言う。わたしのようでなければならない。
28さて、わたしは父のみもとに行くが、まことに、あなたがたに言っておく。あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何であろうと、あなたがたに与えられる。
29だから、求めなさい。そうすれば与えられるであろう。たたきなさい。そうすれば開かれるであろう。求める者には与えられ、たたく者には開かれるからである。
30さて見よ、あなたがたとこの時代の人々についてのわたしの喜びは、大きくて限りがない。また父も、あなたがたとこの時代の人々のことを喜んでおられ、すべての聖なる天使たちも喜んでいる。だれ一人、失われていないからである。
31見よ、あなたがたに理解してもらいたい。わたしが言っているのは、今この時代に生きている人々のことである。彼らはだれ一人、失われていない。そして、彼らのことでわたしは満ちみちる喜びを得ている。
32しかし見よ、この時代から四代目の人々について、わたしは悲しむ。彼らは滅びの子が捕らえられたように、悪魔に捕らえられるからである。彼らは銀や金、また虫のつくものや盗人が押し入って盗むもののためにわたしを売るであろう。その日、わたしは彼らに報いを下し、彼らの業を彼ら自身の頭上に浴びせよう。」
33さて、イエスはこれらの御言葉を語り終えると、弟子たちに言われた。「狭い門から入りなさい。命に至る門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。しかし、死に至る門は広く、その道も広い。そして、だれも働くことのできない夜が来るまで、そこから入って行く者が多い。」