1さて見よ、この地のすべての人がこれらの御言葉を聞き、それについて証人となった。そして、これらの御言葉の後、地は何時間も静かであった。
2民があまりの驚きに、親族を失ったのを嘆くこと、また泣きわめくことをやめてしまったからである。そのために、全地は何時間も静かであった。
3そして、再び民に声が聞こえた。すべての人はそれを聞き、それについての証人となったが、その声は次のように語られた。
4「おお、ヤコブの子孫であり、イスラエルの家に属する者である、崩れ落ちたこれらの大きな町の民よ。めんどりが羽の下にひなを集めるように、わたしはあなたがたを幾度集め、養ってきたことか。
5さらにまた、めんどりが羽の下にひなを集めるように、わたしはあなたがたを幾度集めようとしたことか。まことに、おお、罪を犯してきたイスラエルの家の民よ。まことに、おお、同じように罪を犯してきたエルサレムに住むイスラエルの家の民よ。まことに、めんどりが羽の下にひなを集めるように、わたしはあなたがたを幾度集めようとしたことか。しかし、あなたがたは応じようとしなかった。
6おお、わたしが命を助けたイスラエルの家よ。あなたがたが悔い改め、十分に固い決意をもってわたしに立ち返るならば、めんどりが羽の下にひなを集めるように、わたしはあなたがたを幾度も集めよう。
7しかし、おお、イスラエルの家よ、もし悔い改めて立ち返らなければ、あなたがたの住居のある所は、あなたがたの先祖に立てた聖約が果たされるときまで荒れ果てた所となるであろう。」
8さて、民はこれらの御言葉を聞いた後、見よ、親族と友人を失ったことで再び涙を流し、泣きわめき始めた。
9そして三日たった。そして朝になると、暗闇は地の面から消え去り、地が揺れ動くのはやみ、岩が裂けるのもやみ、恐ろしいうなりは静まり、騒々しい音はすべてやんだ。
10地は再び合わさってそのままになった。また、命を助けられた人々の嘆きや泣き悲しむ声もやんだ。そして、彼らの嘆きは喜びに変わり、彼らの悲しみは、彼らの贖い主なる主イエス・キリストへの賛美と感謝に変わった。
11預言者たちによって述べられた聖文はここまで成就した。
12このときに命を助けられたのは、ひときわ義にかなった人々である。彼らは預言者たちを受け入れた人々で、預言者たちに石を投げつけなかった。また、聖徒たちの血を流したこともなかった。
13彼らは命を助けられ、地の中に沈められることも埋められることもなかった。海の深みにおぼれることもなく、火で焼かれもせず、落ちて押しつぶされて死ぬこともなかった。また、彼らは旋風に運び去られることもなく、立ち込める煙と暗黒の霧に打ち倒されるということもなかった。
14さて、読む者は理解しなさい。聖文を持っている者は聖文を調べて、火と煙、暴風雨、旋風、それに人々をのみ込む地の裂けた穴によるこれらの死と破壊がすべて、多くの聖なる預言者たちの預言を成就するものでないかどうか確かめなさい。
15見よ、あなたがたに言う。まことに、多くの預言者が、キリストの来臨の時のこれらのことについて証し、そしてこれらのことを証したために殺された。
16まことに、預言者ゼノスはこれらのことについて証し、ゼノクもこれらのことについて述べ、彼らは特に、彼らの子孫の残りの者であるわたしたちについて証した。
17見よ、わたしたちの先祖ヤコブも、ヨセフの子孫の残りの者について証した。見よ、わたしたちはヨセフの子孫の残りの者ではないだろうか。わたしたちについて証するこれらのことは、先祖リーハイがエルサレムから持って来た真鍮の版に書き記されてはいないだろうか。
18さて、第三十四年の末に、命を助けられたニーファイの民と、レーマン人と呼ばれた命を助けられた人々に大きな恵みが与えられ、彼らの頭に大きな祝福が注がれたことを、見よ、わたしはあなたがたに示そう。キリストは天に昇られてからすぐに、実際に彼らに御自身を現し、
19彼らに御自分の体を示し、彼らを教え導かれた。キリストの務めについての話は後に記すことにする。したがって、今はわたしの言葉を終わりにする。