1 ところでわたしニーファイは、わたしが行ってきたことと、わたしの統治と民に対するわたしの務めについての話を①この版に続ける。さて、わたしの話を続けるには、父と兄たちのことをある程度述べる必要がある。
2 さて見よ、父は①夢の話を語り聞かせ、レーマンとレムエルに力の限り励むように勧めてから、ユダヤ人について二人に話して聞かせた。
3 ユダヤ人は滅び、まことにあの大きな都の①エルサレムも滅んで、そこに住む多くの者が②バビロンへ囚われの身となって③連れ去られる。しかし、主がふさわしいと思われる時機になると、これらの人々はまた④帰って来る。すなわち、囚われの身から連れ戻される。そして、囚われの身から連れ戻されてから、彼らは再び受け継ぎの地を所有する。
4 そして、まことに父がエルサレムを去ってから①六百年後に、主なる神はユダヤ人の中に一人の②預言者すなわち③メシヤ、言い換えれば、世の救い主を立てられる。
5 父はまた預言者たちのことについても話して、非常に多くの預言者がこれらのこと、すなわち父が話したこのメシヤ、つまり世の贖い主について①証しているとも語った。
6 また、すべての人類は、迷い①堕落した状態にあり、この贖い主に頼らなければいつまでも同じ状態にあることを述べた。
7 また父は、主の道を備えるためにメシヤに先立って来る一人の①預言者についても語った。
8 まことにその預言者は、荒れ野に出て行って叫ぶであろう。「①主の道を備え、その道筋をまっすぐにせよ。あなたがたの知らない方があなたがたの中に立っておられるからである。その方はわたしよりも力のある方で、わたしはその方の履物のひもを解く値打ちもない。」父はこのことについて多くの話をした。
9 そして、父が言うには、この預言者はヨルダンのかなたベテアバラで①バプテスマを施す。またバプテスマは水で施し、まことにメシヤに水でバプテスマを施す。
10 そして彼は、メシヤに水でバプテスマを施してから、世の罪を取り除く①神の小羊にバプテスマを施したことを認め、その証をする。
11 さて、父はこれらの言葉を語ってから、ユダヤ人の間に宣べ伝えられる福音について、またユダヤ人が①不信仰に②陥ることについて兄たちに語った。ユダヤ人は降臨されるメシヤを③殺すが、メシヤは殺された後に死者の中から④よみがえり、⑤聖霊によって異邦人に御自身を現される。
12 まことに父は、異邦人とイスラエルの家について多くの話をし、イスラエルの家は、枝が折られて地の全面に①散らされる、一本の②オリーブの木にたとえられると語った。
13 したがって父が言うには、地の全面に散るという主の言葉が成就するために、わたしたちは一つとなって①約束の地へ導かれる必要がある。
14 そして、イスラエルの家は散らされてから、再び①集められる。要するに、②異邦人が完全な福音を受け入れてから、③オリーブの木の自然の枝、すなわちイスラエルの家の残りの者たちは接ぎ木される。すなわち、彼らの主であり贖い主であるまことのメシヤを知るようになる。
15 父はこのような言葉で兄たちに預言し、語り、また、もっと多くの事柄についても預言し、語った。しかし、それはこの書には書き記さない。わたしの①ほかの書に、わたしにとって益になることをたくさん書き記しておいたからである。
16 今までに語ったことはすべて、父がレムエルの谷に天幕を張って住んでいたときに起こったことである。
17 さて、わたしニーファイは、父が①示現の中で見たこと、また父が来るべき②メシヤである神の御子を信じる信仰により授かった聖霊の力によって語ったことについて、父の③言葉をすべて聞いた後、わたしニーファイもまた、聖霊の力によってこのようなことを見聞きし、また知りたいと思った。聖霊とは、④昔の時代でも、またメシヤが人の子らに御自身を現される時でも、およそ神を⑤熱心に求めるすべての人に神が与えられる⑥賜物である。
18 神は、昨日も、今日も、またとこしえに①変わることのない御方だからである。人々が悔い改めて神のもとに来るならば、世の初めから、すべての人にその道が備えられている。
19 熱心に求める人は見いだすであろう。神の①奥義は②聖霊の力によって、昔の時代のみならず今の時代にも、またこれから先の時代のみならず昔の時代にも、同じようにその人々に明らかにされる。したがって、③主の道は一つの永遠の環である。
20 だから、人々よ、あなたがたは、自分のすべての行いについて①裁きを受けるということを覚えておきなさい。
21 それで、自分たちの①試しの生涯に悪いことをしようとしたならば、あなたがたは神の裁きの座の前で②清くない者とされるであろう。清くない者は神とともに住むことができないので、あなたがたはとこしえに捨てられるに違いない。
22 聖霊はわたしに、これらのことを語る権能を授けてくださっているので、わたしは黙することをしない。