2000–2009
「モルモン書――散らされたイスラエルを集める道具」
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「モルモン書――散らされたイスラエルを集める道具」

イエス・キリストはモルモン書を,散らされたイスラエルを集める道具として与えておられます。

わたしは36年前,メキシコ南東部で伝道しました。当時はステークもなく,伝道部内の最大級の都市にさえ,支部が二つしかありませんでした。教育を受ける機会のない人が多く,貧困層が広がっていました。宣教師は2,3人の例外を除けば,全員が合衆国出身でした。

今でもネアルティカン支部の人たちを覚えています。町の建物は,カトリックの大聖堂と末日聖徒の礼拝堂以外,すべて日干しれんが造りでした。支部長の小さな家も日干しれんがでできていました。床は土間で,窓にガラスはなく,入り口にはじゅうたんがかかっていました。家具は何一つありません。だれも靴を履いていません。

けれども皆,幸せでした。メサ神殿に行って家族で永遠の結び固めを受けるため,何もかも売ってバスのチケットを買ったのだと,支部長は言いました。支部の多くの会員もそうしました。

1か月前,メキシコ北地域会長会の一員としてメキシコに戻りました。現在のメキシコは,36年前とは大違いです。ネアルティカンはシオンのステークの中心として発展しています。国内には200のステークに,100万人の教会員がいます。ステークやワードの指導者は高学歴で経済的に安定しています。地元の何千もの若い兄弟姉妹が,専任宣教師として働いています。

リーハイが見,ニーファイが解き明かした示現が,実現しているのです。「その日,わたしたちの子孫の残りの者は,自分たちがイスラエルの家に属する主の聖約の民であることを知るでしょう。それから彼らは,自分たちの先祖のことを知って理解するようになり,また贖あがない主によって先祖に与えられた福音も理解するようになるでしょう。このようにして,彼らは贖い主〔を〕理解するようにな〔る〕のです。」1

メキシコをはじめ中南米の国に住む人々は,まさに預言者の子孫に囲まれているのです。モルモン書は彼らの受け継ぎです。イエス・キリストはまさに彼らの先祖を教えられたのです。

復活されたイエス・キリストは,白い衣をまとって天から降くだり,ここアメリカ大陸で先祖の前に立ち,手を伸ばして言われました。「見よ,わたしはイエス・キリストであり,世に来ると預言者たちが証あかしした者である。

わたしは世の光であり命である。」2

「あなたがたの光を掲げて,世の人々に輝き渡るようにしなさい。見よ,あなたがたが掲げる光とは,わたしである。」3

救い主はこの時代にも,同じ勧告を繰り返されました。「まことに,わたしはあなたがたすべてに言う。立って光を放ちなさい。それは,あなたがたの光がもろもろの国民のための旗となるためであ〔る。〕」4イエス・キリストは光であられ,わたしたちはその光を世界への旗として掲げます。イエス・キリストについてのもう一つの証,モルモン書に含まれているイエス・キリストの光もあわせて掲げるのです。

ヒンクレー大管長は,ジョセフ・スミス生誕200年を記念して,年内にモルモン書を読む,あるいは読み返すようにチャレンジしています。そうすることにより,「神の賜物たまものと力によって」5 モルモン書を翻訳したジョセフ・スミスをたたえるのです。

古代の預言者モロナイは,ジョセフを訪れて言いました。「神はあなたのなすべき業を備えておられます。またあなたの名は良くも悪くもすべての国民,部族,国語の民の中で覚えられ,良くも悪くもすべての民の中で語られるでしょう。」6

その預言は実現しました。ジョセフ・スミスの名前は世界中に,メキシコの辺境地ネアルティカンにおいてさえ知られ,尊ばれています。

最近,メキシコのモンテレーに住むある会員から,モルモン書によって人生がどれほど変わったか聞きました。ヘスース・サントスは10代のころ,末日聖徒の宣教師がほこりっぽい道を歩いているのを見て,感銘を受けました。教会について聞くために宣教師に話しかけたかったのですが,声をかけられるまで待つべきだと友達に言われました。

ヘスースは教会に何度も足を運び,ミューチャルで宣教師と青少年がゲームをする様子を鉄柵てっさくの外から見ました。とても健全そうな彼らを見て,仲間に入りたかったのです。ヘスースは柵にあごを載せて,だれかが気づいて仲間に入れてくれないかと待ちましたが,願いはかないませんでした。

ヘスースは話を続けました。「悲しいです。当時はまだ若かったので,伝道に出ることもできたでしょうに。」

それからメキシコのモンテレーに引っ越しました。9 年後,町の反対側に住む友人を訪ねていたときに,その家に宣教師がやって来ました。友人は宣教師を追い返そうしましたが,ヘスースは2分でいいから話を聞かせてくれと頼みました。友人は聞き入れてくれました。

宣教師は,モルモン書のこと,リーハイの家族がエルサレムからアメリカ大陸へ旅したこと,復活したイエス・キリストがアメリカのリーハイの子孫を訪れられたことを話しました。

ヘスースはもっと知りたいと思いました。特に,キリストがアメリカを訪れられた様子を描いた絵に興味をそそられました。そこで宣教師に住所を伝え,何か月も待ちましたが,宣教師からは連絡がありませんでした。

さらに3 年がたち,ある友人がヘスースの家族を家庭の夕べに招待しました。ヘスースはモルモン書をプレゼントされました。

モルモン書を読み始めたヘスースは,すぐにそれが真実であると分かりました。教会の存在を知ってから12年後,ついにヘスースは妻とともにバプテスマを受けることができました。しかし,長い年月が失われていました。もし宣教師が声をかけていれば,ミューチャルの青少年が柵越しにのぞいていた孤独な青年に気づいていたら,モンテレーの宣教師がヘスースの家を訪ねていたら,ヘスースのこの12年は違ったものになっていたでしょう。ありがたいことに,近所の教会員がヘスースを家庭の夕べに招待し,人を改心させる大きな力を持つ,モルモン書をプレゼントしてくれました。

現在,ヘスース・サントスはメキシコ・モンテレー神殿の神殿長です。

イエス・キリストはモルモン書を,散らされたイスラエルを集める道具として与えておられます。救い主はアメリカ大陸を訪れたときに,民に言われました。「これらのことが起こって,あなたがたの子孫がこれらのことを知るようになるとき,それは彼らにとって一つのしるしとなって,彼らは,父がイスラエルの家に属する人々に立てられた聖約を果たすために業を始められた,ということを知るのである。」7

モルモン書は,それ自身が,ラテンアメリカや世界中の人々に,自らについて証しています。モルモン書が末日に世に現れたことそのものが,散らされたイスラエルを集める業を神が再び始められたことの証です。

18歳のみすぼらしい青年ヘスース・サントスが礼拝堂の柵越しに見詰めている姿が目に浮かびます。皆さんにも彼の姿が目に浮かびますか。彼や彼のような人々を招いて,仲間に入れてください。あなたから勧められたらモルモン書を読みそうな人がいませんか。そのような人たちに勧めてください。今すぐしてください。

ジョセフ・スミスが回復の預言者であることを証します。イエス・キリストのもう一つの証であるモルモン書を通して,世界中の人々が末日聖徒イエス・キリスト教会に集まります。この教会は古代の教会と同様,使徒と預言者の上に築かれています。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,現代の地上における主の油注がれた預言者です。イエス・キリストは救い主,贖い主です。この教会は主の教会,主の王国です。主は王なるインマヌエルです。イエス・キリストの御名みなにより証します。アーメン。