1このことからわたしたちは、人の子らの心がどれほど不誠実で不安定であるかを知ることができる。まことに、主を信頼する者たちを、主が大いなる限りない慈しみをもって祝福し、栄えさせられるということも、わたしたちは知ることができる。
2また、主が御自分の民を栄えさせられるまさにそのとき、まことに、民の畑と家畜の群れを増し、金銀と、あらゆる自然の貴重な品々と人工の貴重な品々を与え、民の命を助け、敵の手から民を救い出し、また宣戦することのないように敵の心を和らげ、要するに御自分の民の繁栄と幸いのためにあらゆることを行われるそのときに、彼らは心をかたくなにし、主なる神を忘れ、聖者を足の下に踏みつけるということが、わたしたちに分かるのである。これは、彼らが安楽で、非常に豊かに繁栄したためである。
3またこのことから、主が多くの苦難をもって御自分の民を懲らしめられなければ、まことに、死と恐怖と飢饉とあらゆる疫病を下されなければ、彼らは主を思い起こそうとしないことが分かる。
4おお、人の子らは何と愚かで、虚栄心が強く、邪悪で悪魔に従い、何と罪悪を行うのが早く、善を行うのが遅いことか。何と悪しき者の言葉を聴くのが早く、俗世のむなしいものに執着するのが早いことか。
5まことに、何と高慢になるのが早いことか。何と誇るのが早く、あらゆる罪悪を行うのが早いことか。人の子らは何と主なる神を思い起こすのが遅く、主の勧告に耳を傾けるのが遅いことか。何と知恵の道を歩むのが遅いことか。
6見よ、人の子らは、自分たちを造ってくださった主なる神に治められ、統治されるのを望まない。主が深い慈しみと憐れみをかけてくださっているのに、人の子らは主の勧告を軽んじ、主が自分たちの導き手になってくださるのを望まない。
7おお、人の子らは何と無力なことか。まことに、地のちりよりも劣っている。
8見よ、地のちりは、わたしたちの大いなる永遠の神の命令に応じてあちらこちらに動いて分かれる。
9まことに見よ、神の声によって丘と山は揺れ動き、震える。
10神の声の力によってそれらは崩れて平らになり、まことに谷のようにさえなる。
11まことに、神の声の力によって全地が揺れ動く。
12まことに、神の声の力によって地の基がその中心までも振動する。
13そして、もし神が大地に向かって、「動け」と言われれば、大地は動く。
14まことに、もし神が大地に向かって、「逆に進んで、昼を何時間も長くせよ」と言われれば、そのとおりになる。
15このように、神の言葉のとおりに大地は逆に進むので、人には太陽が静止しているように見える。見よ、これは事実である。確かに動いているのは大地であり、太陽ではないからである。
16また見よ、もし神が大いなる深みの水に向かって、「干上がれ」と言われれば、そのとおりになる。
17見よ、もし神がこの山に向かって、「持ち上がって、行ってあの町の上に落ち、町を埋めよ」と言われれば、見よ、そのとおりになる。
18見よ、もしある人が地中に宝を隠し、主が、「それを隠した者の罪悪のために、それはのろわれよ」と言われれば、見よ、それはのろわれる。
19もし主が、「今から後とこしえにだれにも見つからないように、おまえはのろわれよ」と言われれば、見よ、これから先とこしえに、だれもそれを得られない。
20見よ、もし主がある人に向かって、「あなたは自分の罪悪のためにとこしえにのろわれる」と言われれば、そのとおりになるであろう。
21もし主が、「あなたは自分の罪悪のためにわたしの前から絶たれる」と言われれば、主はそのようになさるであろう。
22主からこのように言われる者は災いである。罪悪を行う者はそのとおりになり、その者は救われないからである。このため、人々が救われるように、悔い改めが告げ知らされてきたのである。
23したがって、悔い改めて、主なる神の声に聞き従おうとする者は幸いである。救われるのはこれらの者だからである。
24神が御自分の大いなる完全さに照らして、人々を悔い改めと善行に導き、それぞれの行いに応じた恵みに回復してくださるように。
25わたしはすべての人が救われることを願っている。しかし、わたしたちの読んだところによれば、大いなる終わりの日には、捨てられる者たち、まことに、主の前から追い出される者たち、
26まことに、無窮の惨めな状態に置かれる者たちがいるとのことである。そして、「善を行った者は永遠の命を受け、悪を行った者は永遠の罰の定めを受ける」という御言葉が成就するのである。まことにそのとおりである。アーメン。