聖文
ヒラマン書2


第2章

ヒラマンの息子むすこヒラマン、だいさばきつかさになる。ガデアントン、キシクメンのだんひきいる。ヒラマンのしもべがキシクメンをころし、ガデアントンのだんげる。げんぜんやく五十ねんから四十九ねんいたる。

1さて、さばきつかさのとうだい四十二ねんに、モロナイハはニーファイじんとレーマンじんあいだふたたへいせいりつさせていたが、よ、さばきつかさのしょくひとはだれもいなかった。そのため、だれがさばきつかさのしょくくべきかについて、たみなかふたたあらそいがこった。

2そして、ヒラマンの息子むすこであるヒラマンが、たみこえによってえらばれ、さばきつかさのしょくいた。

3しかしよ、ぜんにパホーランをころしたキシクメンは、ヒラマンをもころそうとしてせした。かれぶんなかえんされ、そのなかはだれにもキシクメンのあくらせないというちかいをてていた。

4おおくのことじょうたくみにあやつり、またひそかにさつじんごうとうおこなわるにもじょうにたけていたガデアントンというものがいた。このおとこはこのようにたくみなものであったので、キシクメンのだんしゅりょうになった。

5そこでかれは、なかとキシクメンとをおだてて、もしぶんをさばきつかさのしょくかせてくれるならば、だんしょぞくするものたちをたみなかけんりょくけんのあるかせようとった。そこでキシクメンはヒラマンをころそうとしたのである。

6さて、キシクメンがヒラマンをころすためにさばきつかさのもとへかっていたとき、よ、ヒラマンのしもべった。このしもべは、まえよるって姿すがたえてこのだんまぎみ、このだんがヒラマンをころすためにくわだてたけいかくっていた。

7そこでかれは、キシクメンにうとあいおくった。それでキシクメンはぶんがしようとしていることをけ、ヒラマンをころせるようにぶんをさばきつかさのせきあんないしてもらいたいとった。

8ヒラマンのしもべはキシクメンのこころがすべてかった。ひところすことがかれもくてきであり、またひところし、ぬすみ、けんりょくることがかれだんしょぞくしているすべてのものもくてきであった。(これがかれらのいんぼうであり、かれらのけっしゃである。)ヒラマンのしもべはこのことをると、キシクメンに、「さばきつかさのせきこう」とった。

9キシクメンはこれをじょうよろこんだ。ぶんくわだてをげられるとおもったからである。ところがよ、さばきつかさのせきちゅう、ヒラマンのしもべがキシクメンをしんぞうまでしたので、キシクメンはうめきごえさえてずにんでたおれた。そこで、ヒラマンのしもべはしってき、ぶんたこと、いたこと、おこなったことをすべてヒラマンにげた。

10そこでヒラマンは、このごうとうだんものたちをほうりつによってしょけいするために、ひとびとおくってかれらをらえようとした。

11しかしよ、ガデアントンは、キシクメンがかえってないのをると、ぶんころされることになるのではないかとひどくしんぱいになり、なかぶんについてるようにげた。そしてかれらは、かんどうとおってそのからした。したがって、ヒラマンがかれらをらえるためにひとびとおくったときには、かれらはどこにもいなかった。

12このガデアントンのことは、あとでもっとべることにする。このようにして、ニーファイのたみのさばきつかさのとうだい四十二ねんわった。

13そしてよ、あなたがたはこのしょわりで、このガデアントンがニーファイのたみくつがえす、まことにほとんどかんぜんほろぼしてしまうもとになることをるであろう。

14よ、わたしがうのは、ヒラマンしょわりではなく、わたしがこれまでいてきたすべてのはなしもとであるニーファイのしょわりのことである。