1 さて、ヤレドと彼の兄弟と、彼らの家族と、ヤレドの友人たちと、ヤレドの兄弟の友人たちと、友人たちの家族は、彼らの集めたあらゆる家畜の群れを雄も雌も連れて、北方にある谷に下って行った。(その谷の名は、力ある狩人にちなんで名付けられ、①ニムロデといった。)
2 彼らはまた、わなを仕掛けて空の鳥を捕らえた。また、器を用意して水の魚を運んだ。
3 また、彼らはデゼレトも運んだ。デゼレトとは、蜜蜂という意味である。このようにして、彼らは幾つかの蜂の群れを運び、また地の面にあるあらゆるもの、あらゆる種も携えて行った。
4 さて、彼らがニムロデの谷に下って行くと、主が降って来て、ヤレドの兄弟と話された。しかし、主は①雲の中におられたので、ヤレドの兄弟には主が見えなかった。
5 そこで主は彼らに、荒れ野の中へ、すなわち、これまで人が決して住んだことのない地方へ行くように命じられた。そして、主は彼らの前を行かれた。また、主は①雲の中に立って彼らと話し、彼らの旅をする方向について指示を与えられた。
6 そこで、彼らは荒れ野を旅し、数隻の船を造ってそれで多くの水を渡り、絶えず主の手に導かれて行った。
7 主は、彼らが海を越えた荒れ野にとどまることを許さず、彼らが①約束の地まで行くことを望まれた。約束の地とは、ほかのあらゆる地に勝ったえり抜きの地で、主なる神が義にかなった民のために残しておかれた所である。
8 また主は激しく怒って、この約束の地を所有する者はだれでもそのときから後とこしえに、主に、すなわちまことの唯一の神に①仕えなければならず、さもなければ神の限りない怒りが彼らに下るときに彼らは②一掃されると、ヤレドの兄弟に誓っておられた。
9 さて、わたしたちは、約束の地であるこの地について神の定めを知ることができる。この地を所有する国民はどの国民も神に仕えなければならない。さもなければ、神の限りない怒りが彼らに下るときに彼らは一掃される。また、彼らの罪悪が熟したときに、神の限りない怒りが彼らに下るのである。
10 見よ、まことにこの地が、ほかのあらゆる地に勝ったえり抜きの地だからである。したがって、この地を所有する者は神に仕えなければならない。さもなければ一掃される。これは神の永遠の定めである。しかし、この地の子らの中に罪悪が①満ちるまで、彼らが②一掃されることはない。
11 おお、①異邦人よ、この記録をあなたがたに伝えるのは、あなたがたに神の定めを知らせるためである。また、あなたがたが悔い改めて、罪悪の満ちるまであなたがたの罪悪を続けることのないように、またこれまで、この地に住む民が自分のうえに神の限りない怒りを招いてきたようなことを、あなたがたもすることのないようにさせるためである。
12 見よ、この地はえり抜きの地であり、この地を所有する民はどの国民も、この地の神に①仕えさえすれば、②奴隷の状態にも囚われの身にもなることなく、天下のほかのどのような国民からも支配を受けない。この地の神とはイエス・キリストであり、わたしたちが書き記してきたことによって、明らかにされた御方である。
13 さて、わたしは自分の記録を続けよう。見よ、主はヤレドと彼の同行者たちを、陸地と陸地を分けている大海まで導かれた。そこで彼らは、海に着くと天幕を張り、その場所をモリアンカマーと名付けた。そして、彼らは天幕に住んだ。彼らは四年間、その海岸で天幕に住んだ。
14 さて、四年の終わりに、主は再びヤレドの兄弟を訪れ、雲の中に立って彼と話された。そして、主は三時間ヤレドの兄弟と話し、彼が主の名を①呼ぶことを思い起こさなかったので、彼を②懲らしめられた。
15 そこでヤレドの兄弟は、自分が行った悪を悔い改め、自分とともにいた同行者たちのために主の名を呼んだ。すると、主は彼に言われた。「わたしはあなたを赦し、またあなたの同行者たちの罪を赦そう。あなたはもう罪を犯してはならない。あなたがたは覚えておきなさい。わたしの①御霊はいつでも人を②励ますわけではない。したがってあなたがたは、罪の熟するまで罪を犯すならば、主の前から絶たれるであろう。これが、受け継ぎとしてあなたがたに与える土地についてのわたしの考えである。なぜならば、この地は、ほかのあらゆる地に勝った③えり抜きの地だからである。」
16 また主は、「仕事に取りかかり、あなたがたが前に造った船に倣って船を造りなさい」と言われた。そこで、ヤレドの兄弟と彼の同行者たちは仕事に取りかかり、主の①指示のとおりに、彼らがかつて造った方法で数隻の船を造った。その船は小さく、水の上に軽く浮き、まるで水の上に軽く浮いた鳥のようであった。
17 またその船は、①透き間がなく非常によく造られており、水の漏れないことは皿のようであった。その船底は皿のように透き間がなく、船腹も皿のように透き間がなく、船のへさきとともはとがっており、船の屋根も皿のように透き間がなく、その船の長さは一本の木の長さであった。また、船の入り口は、閉じると皿のように透き間がなかった。
18 さて、ヤレドの兄弟は主に祈って言った。「おお、主よ、わたしはあなたから命じられた務めを果たし、あなたから指示されたとおりに船を造りました。
19 まことに、おお、主よ、船の中には光がありません。わたしたちはどこへ向かえばよいのでしょうか。また、わたしたちは死んでしまうことでしょう。船の中にある空気だけでは呼吸ができなくなるからです。それゆえ、わたしたちは死んでしまうでしょう。」
20 すると、主はヤレドの兄弟に言われた。「見よ、屋根と船底に一つずつ穴を作りなさい。そして、空気で苦しむようになったら、その穴の栓を抜いて空気を入れなさい。もし水が入って来るようであれば、水があふれて死ぬことのないように、見よ、その穴をふさぎなさい。」
21 そこでヤレドの兄弟は、主から命じられたとおりにした。
22 そして、彼は再び主に祈って言った。「おお、主よ、わたしはあなたから命じられたように行いました。そして、わたしの民のために船を準備しました。しかし、船の中には光がありません。まことに、おお、主よ、あなたはわたしたちに、暗闇の中でこの大海を渡らせようとなさるおつもりですか。」
23 主はヤレドの兄弟に言われた。「あなたがたは、船の中に光があるようにするために、わたしに何をしてもらいたいのか。窓はばらばらに砕けるので、見よ、窓を付けることはできない。また、火を携えることもない。火の光を使って旅をすることはないからである。
24 見よ、あなたがたは、海の中の鯨のようになるであろう。山のような波があなたがたに打ちつける。しかし、わたしは再び海の深みからあなたがたを連れ出そう。①風はわたしの口から吹き出し、また②雨と多くの水もわたしは送り出した。
25 見よ、わたしはこれらのものに対してあなたがたを備えさせる。わたしが海の波と、吹きつける風と、寄せ来る多くの水に対してあなたがたを備えさせなければ、あなたがたはこの大いなる深みを渡ることができないからである。したがって、あなたがたが海の深みにのまれるときに光があるように、あなたがたはわたしに何をしてもらいたいか。」