1さて、コリアンタマーは傷が快復すると、エテルが告げた言葉を思い出した。
2彼は、民が二百万人ほど剣で殺されたのを見て、心の中で嘆いた。また、二百万人の屈強な男だけでなく、彼らの妻子も殺されていた。
3彼は自分がこれまで行ってきた悪事を悔い改め始め、すべての預言者たちの口を通して述べられてきた御言葉を思い出した。彼はこれまでそれらの預言がことごとく成就したのを見て、嘆き悲しみ、決して安らぐことはなかった。
4そして、彼はシズに手紙を書き、民の命を助けてほしい、そうすれば民の命の代わりに王位を譲ろうと告げた。
5そこでシズは、コリアンタマーの手紙を受け取ると返事を書き、もしコリアンタマー自身がシズの剣で殺されるためにその身を引き渡すならば、民の命を助けると告げた。
6さて、民は罪悪を悔い改めなかった。そして、コリアンタマーの民はシズの民に対して怒りをかき立てられ、シズの民もコリアンタマーの民に対して怒りをかき立てられた。そこでシズの民は、コリアンタマーの民に攻めかかった。
7コリアンタマーは自分がまさに敗れそうであるのを見て、またもやシズの民の前から逃げた。
8そして、彼はリプリアンクムの海に着いた。リプリアンクムとは、広大な、すなわち、すべてをしのぐという意味である。彼らはこの海に着くと、天幕を張った。シズもまた彼らの近くに天幕を張った。そして翌日、彼らは戦いに出た。
9そして、彼らは非常に激しく戦い、コリアンタマーはまた負傷し、血を失って意識をなくした。
10さて、コリアンタマーの軍隊はシズの軍隊を攻め立てて打ち負かし、彼らを敗走させた。そして、シズの軍隊は南方に逃げて、オーガスと呼ばれた場所に天幕を張った。
11そして、コリアンタマーの軍隊は、ラマの丘の近くに天幕を張った。その丘は、わたしの父モルモンが主に託して神聖な記録を隠したあの丘である。
12そして彼らは、それまでに殺されなかった地の全面の民を、エテルを除いてことごとく集めた。
13さて、エテルは民の行ったことをすべて見た。彼は、コリアンタマーに味方する者がコリアンタマーの軍隊に集まり、シズに味方する者がシズの軍隊に集まるのを見た。
14彼らは四年の間、地の面にいるすべての者を集めて、得られるかぎりの兵力をすべて得ようと、民を集め続けた。
15そして、すべての者が妻子を伴い、それぞれ自分の望む軍隊に集まった。男も女も子供も、武器で身を固め、盾と胸当てとかぶとを身に着け、戦いのいでたちで集まった。それから彼らは、戦うために互いに進軍し、一日中戦ったが、勝負がつかなかった。
16そして夜になると、彼らは疲れ果てて、それぞれの宿営に引き揚げた。そして彼らは宿営に引き揚げた後、民の殺された者たちのために泣き叫び、悲しんだ。彼らの泣き叫び、悲しむ声は非常に大きく、大気を激しくつんざくほどであった。
17そして翌日、彼らはまた戦いに出た。その日は大変な恐ろしい日であったが、それでも勝負がつかなかった。そして、また夜がやって来ると、彼らは民の殺された者たちのために泣き叫び、悲しむ声が大気をつんざくほどであった。
18そこでコリアンタマーは、再びシズに手紙を書いて、もう戦いに出て来ないように、王位を譲ってよいので民の命を助けてほしいと告げた。
19しかし見よ、主の御霊は民を励ますのをやめており、サタンが民の心を完全に支配していた。そして彼らは心をかたくなにし、思いをくらませるに任され、滅びに至るようにされたのである。そこで彼らは、またもや戦いに出て行った。
20そして、彼らは一日中戦い、夜になると、剣を手にしたまま眠った。
21翌日も、彼らは夜になるまで戦った。
22夜になると、彼らはまるでぶどう酒に酔っている者のように、怒りに酔った。そして、また剣を手にしたまま眠った。
23その翌日、彼らはまた戦った。そして、夜になったときには、五十二人のコリアンタマーの民と六十九人のシズの民を除いて、全員が剣で倒れていた。
24そしてこの残った者たちは、その夜も剣を手にしたまま眠り、翌日、再び戦った。彼らは剣と盾をもって、一日中、力の限り戦った。
25そして、夜になったときには、シズの民が三十二人で、コリアンタマーの民が二十七人になっていた。
26そこで彼らは食べて眠り、翌日の死に備えた。彼らは体の大きな、体力のある男たちであった。
27そして、彼らは三時間戦い、血を失って意識をなくした。
28さて、コリアンタマーの兵たちは、力を得て歩けるようになると、命を惜しんで逃げ出そうとした。ところが見よ、シズと彼の兵たちは立ち上がり、シズはコリアンタマーを殺す、そうでなければ剣で死ぬと、怒って誓いを立てた。
29そのため、彼はコリアンタマーの民を追いかけて、翌日彼らに追いつき、彼らはまた剣で戦った。そして、コリアンタマーとシズを除く全員が剣で倒れた後、見よ、シズは血を失って意識をなくした。
30そこでコリアンタマーは、自分の剣に寄りかかって少し休んでから、シズの首を打ち落とした。
31そして、彼がシズの首を打ち落としたところ、シズは両手で身をもたげてから倒れ、息をしようともがいた後に死んだ。
32そして、コリアンタマーも地に倒れ、まるで死んだ者のようになった。
33そこで、主はエテルに、「出て行きなさい」と言われた。そして、エテルは出て行くと、主の言葉がことごとく成就したのを見た。そして、彼は記録を書き終えて(わたしはその百分の一も書いていない)、それを隠し、後にリムハイの民がそれを発見したのである。
34エテルの書き記した最後の言葉は、次のとおりである。「主がわたしの身を変えてわたしを天に移すことを望まれようと、あるいはわたしが肉にあって生き長らえ、主の御心に従うことを望まれようと、わたしは神の王国に救われるのであれば、それはどうでもよい。アーメン。」