1さて、わたしモロナイは、これまでこの民のことを書き記してきたが、民の滅亡についてのわたしの記録を続けて、これを終えることにしよう。
2見よ、彼らはエテルの言葉をことごとく拒んだ。エテルは、人の始まりからの一切のことを実際に彼らに告げた。水がこの地の面から引いた後、この地がほかのあらゆる地に勝ったえり抜きの地、すなわち主の選ばれた土地になったので、主はこの地の面に住むすべての人に、御自分に仕えることを望まれたと、エテルは告げた。
3またこの地は新エルサレムが天から降って来る場所であり、主の聖所であると、彼は告げた。
4見よ、エテルはキリストの時代を目にし、またこの地の新エルサレムについて述べた。
5彼はイスラエルの家と、リーハイが出て来るエルサレムについても述べた。エルサレムは破壊された後、主のために聖なる都として再び築かれる。したがって、それは昔存在していたので、新しいエルサレムではあり得ないが、それは再び築かれて、主の聖なる都となる。それはイスラエルの家のために築かれる。
6また新エルサレムは、ヨセフの子孫の残りの者のためにこの地に築かれる。このことについてはすでに予型があった。
7ヨセフは自分の父をエジプトの地に導いたので、父はそこで死んだ。そして主は、ヨセフの父が滅びないように、彼に憐れみをかけられたと同様に、ヨセフの子孫が滅びないように、彼らに憐れみをかけ、ヨセフの子孫の残りの者をエルサレムの地から導き出された。
8ヨセフの家の残りの者は将来この地で増えて、この地は彼らの受け継ぎの地となる。そして、彼らは主のために昔のエルサレムのような聖なる都を築く。また、彼らはもはや乱されることはなく、終わりが来て大地が過ぎ去る。
9しかも、新しい天と新しい地がある。その天と地は以前のものに似ている。ただ以前のものは過ぎ去り、すべてのものが新しくなるだけである。
10その後、新エルサレムが成る。そこに住む者たちは幸いである。彼らの衣は小羊の血によって白いからである。彼らは、イスラエルの家に属するヨセフの子孫の残りの者の中に数えられる者たちである。
11またそのときに、昔のエルサレムも成る。そこに住む者たちは幸いである。彼らは、小羊の血によって洗われているからである。彼らは散らされた後に、地の四方および北の地方から集められた者たちであり、神が彼らの先祖アブラハムと交わされた聖約を果たされるときに、それにあずかる者たちである。
12これらのことが起こるときに、先にいた者で後になる者がおり、また後にいた者で先になる者がいる、という聖文が事実となる。
13わたしはもっと書き記そうとしたが、そうすることを禁じられた。エテルの預言は大いなる驚くべきものであった。ところが民は、彼を取るに足りない者と見なして、追い出してしまった。そこで彼は日中は岩の洞穴に身を隠し、夜に出て行って、民に及ぶ様々な出来事を見た。
14また彼は岩の洞穴に住んでいたときに、民に及んだ滅亡を夜の間に見て、この記録の残りの部分を記した。
15さて、彼が民の中から追い出されたその年に、民の中に大きな戦争が始まり、力のある者たちが多く立って、前に述べた悪事の秘密のはかりごとによって、コリアンタマーを滅ぼそうとした。
16ところがコリアンタマー自身も、あらゆる戦術と世のあらゆる悪知恵を研究していたので、自分を滅ぼそうとした者たちを攻めた。
17しかし彼は悔い改めなかった。また、彼の麗しい息子たちや娘たちも、コーホルの麗しい息子たちや娘たちも、コリホルの麗しい息子たちや娘たちも、要するに全地の面にいる麗しい息子たちと娘たちはだれ一人、自分の罪を悔い改めなかった。
18さて、エテルが岩の洞穴に住むようになった最初の年に、王位を得ようとしてコリアンタマーと戦った、あの秘密結社の者たちの剣で殺された者がたくさんいた。
19そして、コリアンタマーの息子たちは大いに戦い、ひどく傷ついた。
20そして、第二年に主の言葉がエテルに下り、コリアンタマーのもとに行って預言するようにと言われた。その預言は次のとおりである。すなわち、もし彼と彼の家のすべての者が悔い改めるならば、主は彼に王位を与え、民の命を救われる。
21さもなければ、彼らは滅ぼされ、彼の家のすべての者も彼一人を除いて全員が滅ぼされる。そして、彼はただ一人生き長らえて、この地を受け継ぎとして受ける別の民について前に述べられている預言が成就するのを見る。その後、コリアンタマーは彼らによって葬られる。コリアンタマーを除いてすべての者が滅ぼされる。
22さて、コリアンタマーも、彼の家の者たちも、民も悔い改めず、戦争はやまなかった。そして、民はエテルを殺そうとした。しかし、彼は民の前から逃げて、再び岩の洞穴に隠れた。
23そして、シェレドが立って、彼もコリアンタマーを攻めた。そして、シェレドはコリアンタマーを打ち負かし、第三年に彼を囚われの身に陥れた。
24しかし、第四年にコリアンタマーの息子たちがシェレドを打ち負かし、父のために王位を取り戻した。
25さて、地の全面で戦争が始まり、男は皆それぞれ自分の仲間とともに、自分の望みを遂げようとして戦った。
26また、強盗もいた。要するに、地の全面であらゆる悪事が行われていた。
27さて、コリアンタマーはシェレドのことを非常に怒り、軍隊を伴って彼と戦うために出て行った。そして、両者はひどい怒りを抱いて出会い、ギルガルの谷で戦いを交えた。その戦いは非常に激しいものとなった。
28そしてシェレドは、三日間コリアンタマーと戦った。その後、コリアンタマーは彼を打ち負かし、ヘシロンの平原に着くまで追撃した。
29そこでシェレドはその平原でまたコリアンタマーと戦い、見よ、今度は彼を打ち負かして、ギルガルの谷までまた追い返した。
30そしてコリアンタマーはギルガルの谷でまたシェレドと戦い、彼を打ち負かして殺してしまった。
31しかし、コリアンタマーはシェレドのためにももを負傷した。そのために、彼は二年間戦いに出なかった。その間、地の面で民は皆、血を流し続け、それを止める者はだれもいなかった。