1さて、オライハは生涯この地で義をもって裁きを行い、彼の一生は非常に長かった。
2また、彼は息子たちと娘たちをもうけた。すなわち、彼は三十一人の子供をもうけ、その中の二十三人が息子であった。
3そして、彼は年老いてキブをもうけた。そして、キブが彼に代わって統治し、またキブはコリホルをもうけた。
4ところがコリホルは、三十二歳のときに父に背いて、ニーホルの地へ行って住んだ。そして彼は、息子たちと娘たちをもうけた。ところが、子供たちが非常に美しくなったので、コリホルは多くの人を引き寄せて自分につかせた。
5そして彼は、軍隊を召集すると、王の住んでいたモロンの地へ上って行き、王を捕らえた。このことによって、囚われの身に陥るであろうというヤレドの兄弟の言葉が事実となったのであった。
6王が住んでいたモロンの地は、ニーファイ人がデソレションと呼んでいる地に近かった。
7そして、キブは高齢になるまで囚われの身で暮らし、彼の民も、キブの息子であるコリホルの下で囚われの身であった。それでもキブは、囚われの状態にありながら、年老いてシュールをもうけた。
8さて、シュールは兄のことを怒った。シュールは強くなり、体力の点でも強くなり、また判断力も優れた者になった。
9さて、彼はエフライムの丘に行き、その丘で金属を溶かし出し、自分に引き寄せていた者たちのために鋼で剣を造った。そして彼は、剣で彼らを武装させてから、ニーホルの町に引き返し、兄のコリホルを攻めた。その結果、彼は王国を手中に収め、それを父キブに返した。
10すると、シュールがこのことを行ったので、父は王位をシュールに授けた。そこで、シュールは父に代わって統治し始めた。
11そして彼は、義をもって裁きを行い、また民が非常に大勢になったので、地の全面に王国の領土を広げた。
12そして、シュールも多くの息子、娘をもうけた。
13さらに、コリホルが彼の行った多くの悪事を悔い改めたので、シュールは彼に王国内で力を持たせた。
14さて、コリホルにも多くの息子、娘がおり、息子たちの中にノアという名の者がいた。
15さて、ノアは、王のシュールと父コリホルに背いて、兄弟コーホルとほかの兄弟全員と多くの人を味方に引き入れた。
16そして彼は、王のシュールを攻めて、彼らの最初の受け継ぎの地を手に入れ、この地方を治める王になった。
17そして彼は、また王のシュールを攻めて捕らえ、モロンに連れ去った。
18そして、ノアがまさにシュールを殺そうとしたときに、シュールの息子たちは、夜に紛れてノアの家に忍び込んでノアを殺し、牢の扉を壊して父を連れ出した。そして彼らは、シュールをシュール自身の王国で王座に着かせた。
19また、ノアの息子もノアに代わって王国を築き上げたが、彼らは二度と王のシュールを支配する勢力を持つことはなかった。そして、シュール王の統治下にある人々は、非常に栄えて富んだ。
20しかし、国は分割され、二つの王国、すなわち、シュールの王国と、ノアの息子コーホルの王国があった。
21ノアの息子コーホルは、民にシュールを攻めさせたが、その戦いでシュールは彼らを打ち負かして、コーホルを殺した。
22コーホルには、ニムロデと呼ばれた息子がいた。このニムロデは、コーホルの王国をシュールに譲り渡し、シュールの好意を得た。その結果、彼はシュールから大いに引き立てられ、シュールの王国内で自分の思いどおりのことを行った。
23また、シュールの治世に、主から遣わされた預言者たちが民の中にやって来て、民の悪事と偶像礼拝が地にのろいを招いており、もし悔い改めなければ民は滅ぼされると預言した。
24さて民は、その預言者たちをののしり、あざけった。そこでシュール王は、預言者たちをののしったすべての者を罰した。
25また彼は、全地で法律を施行し、その法律によって預言者たちに、彼らの望む所へはどこへでも行ける権限を与えた。このことによって、民は悔い改めるようになった。
26そして民が、彼らの罪悪と偶像礼拝を悔い改めたので、主は彼らを赦された。そして彼らは、再び地に栄え始めた。またシュールは、年老いて息子たちと娘たちをもうけた。
27シュールの時代には、もはや戦争はなかった。そして彼は、主が自分の先祖のために数々の偉大なことを行って、大いなる深みを渡らせて先祖を約束の地に導いてくださったことを思い起こし、生涯義をもって裁きを行った。