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祈り


「祈り」『トピックと質問』

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祈る家族

福音学習ガイド

祈り

天の御父との,正直な,真心からの会話

これまでに人生で神の助けや導きを必要としたときのことを思い返すことができると思います。何かを失ったり,大切な質問があったり,緊急に救い出していただく必要が生じたりしたことがあるのではないでしょうか。時には,前進し続けるためだけに,とにかく力や勇気を求めたこともあるかもしれません。祈りは,真心から神に頼り,自分の気持ちや思い,必要を神に打ち明ける行為です。祈りにおける奇跡とは,天の御父に助けを求めると,天の御父がそれを聞いてくださるということです(エレミヤ29:12-13参照)。あなたが何者であろうと,また自らの過ちや不完全さにかかわらず,天の御父はあなたが祈りを通して御父と交わるよう望んでおられます。神は完全な愛をおもちですから,何でも神に打ち明けることができますし,神は必ず耳を傾けてくださいます。

祈りとは何でしょうか?

祈りとは,天の御父との正直な,真心からの会話です。祈りは,日々天の導きを求める神の子供たちに神が授けられる最も大きな祝福の一つです。イエスは次のように教えられました。「あなたがたは,わたしの名によって常に父に祈らなければならない。」(3ニーファイ18:19

トピックの概要:祈り

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セクション1

神は,常に祈るよう御自分の子供たちを招いておられる

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車を運転する男性

イエス・キリストは御自分に従う者たちに,父なる神に祈るよう教えられました(マタイ6:5-133ニーファイ17:11-20参照)。天の御父はわたしたちを愛し,祝福したいと望んでおられるので,「常に祈〔る〕」(教義と聖約19:38)よう命じておられます。主は,わたしたちが祈りにより毎日御自分に心を向けることをパターン化するよう望んでおられます。また,わたしたちが一日中心の中で祈り続けるよう望んでおられます(モーサヤ24:11-123ニーファイ20:1参照)。イエス・キリストの御名によって天の御父に祈るとき(3ニーファイ18:1919:6参照),わたしたちは救い主を信じる信仰と,進んで救い主に従う意志を示します。ですから,祈りを終える際には「イエス・キリストの御名により,アーメン」と言い,敬虔に主の御名を語ります。

祈りは父なる神に近づく方法であるため,誠実さと敬虔さを示す言葉を使うようにします。ダリン・H・オークス管長はこのように教えています。「預言者ジョセフ・スミスはこう語りました。『神に尋ね,神の御前に出るのは,偉大なことである。』……祈りの特別な言葉遣いは,この特権のすばらしさを思い起こさせてくれます。」1祈りの神聖さを心に留め,「神に呼びかけるときには,you ,your, yoursという一般的な代名詞よりも聖文で用いられる代名詞,Thee,Thou,Thy ,Thineを用いた方がよいでしょう。」2

考えてみましょう

  • 主はジョセフ・スミスにこのように告げられました。「勝利者となるために,まことに,サタンに打ち勝つために,またサタンの業を支えるサタンの手下どもの手から逃れるために,常に祈りなさい。」(教義と聖約10:5)常に祈る,とはどういう意味でしょうか。わたしたち一人一人が天の御父の霊的な守りを必要とする理由にはどのようなものがあるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • 聖文には祈りについて多くの記述があります。2ニーファイ4:30-35アルマ34:17-27をほかの人々とともに読み,いつ,何を祈るべきかについての指針を見つけてください。これらの聖句に見られる祈りのパターンは,わたしたちの祈りに関する選びにどのような影響を与えるでしょうか。

さらに学ぶ

セクション2

心からの祈りによって,天の御父とイエス・キリストに近づくことができる

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幼子を抱く父親

祈るとき,ふと気付くと同じ言葉を繰り返し使っていることがあるかもしれません。友人や家族と話す度に,決まった言葉や無意味な言葉を使うことを想像できますか?だれかと心から意思の疎通をしようとするときにどのようにそれを行うかを考えると,祈りを通して天の御父に語りかける方法が分かることでしょう。神は,わたしたちの祈りが真心からのものであるよう望んでおられます。モルモン書の中で,預言者エノスは祝福を求めて祈り,「心のすべてを神に注ぎ出し〔まし〕た」(エノス1:9)。同様に,わたしたちも自分自身と他の人々の具体的な祝福について神に頼ります。

礼拝の一つの形として,祈りにはわたしたちを天の御父に近づける力があります(教義と聖約88:62-64参照)。真心からの祈りと断食が組み合わさるときに,啓示の霊を受け,心が清められ,聖めを受けることができます(アルマ17:3ヒラマン3:35参照)。

考えてみましょう

  • 使徒パウロは聖徒たちに,「絶えず祈り」,「すべてのことについて感謝しなさい」(1テサロニケ5:17-18)と教えました。「絶えず祈る」とはどのような意味でしょうか。感謝を表すことは,なぜ祈りに欠かせないのでしょうか。心からの祈りを,天の御父に近づく努力の一環としてさらに熱心に行うにはどうすればよいでしょうか。

  • 天の御父はすべての心からの祈りを聞き,こたえてくださる祈りには,声に出さないものもあれば,出すものもあります。次の,声に出す祈りの例を読んでください:マタイ26:39-44ヨハネ17:12ニーファイ4:24エノス1:4ジョセフ・スミス—歴史1:14。声に出して祈った経験はどのようなものでしたか。声に出して祈ることは,どのような点で役立つと思いますか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • キャロル・F・マッコンキー姉妹のお話「魂の切実な望み」を読むか視聴してください。この話の中で,マッコンキー姉妹は次のように述べています。「わたしたちは,御父と御子と一つになることを学ぶために,信仰をもって祈り,耳を傾け,従います。」3この説教から学んだことについて話し合います。祈りはどのような点で,天の御父とともに過ごす時間と見なすことができるでしょうか。

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セクション3

天の御父はあなたの祈りを聞き,こたえてくださる

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食事時に祈る少女

神は自分の祈りを聞いておられるのだろうかと思ったことはありますか。天の御父はわたしたちの心からの祈りを聞き,こたえてくださいます。「求めよ,そうすれば,与えられるであろう。捜せ,そうすれば,見いだすであろう。門をたたけ,そうすれば,あけてもらえるであろう」(マタイ7:7)。ただし,主は御自分の御心と時に応じて祈りにこたえてくださいます(モーサヤ7:33教義と聖約64:31-32参照)。

「祈りは御父の御心と子らの意思を互いに通わせることである。祈りの目的は,神の御心を変えることではなく,神がわたしたちに与えようとすでに備えておられる祝福を,自分のため,また人々のために得ることである。しかし,それを得るには求めなければならない。」4

考えてみましょう

  • あなたの最大の心の望みは何ですか。自分の思いを神の御心と一致させようとすることで,あなたの望みや祈りはどのようなものになるでしょうか。

  • 天の御父はしばしば聖霊を通して祈りにこたえてくださいます。聖文を読み,研究するときに祈りがこたえられることもあります。神はまた,ほかの人々を通して,わたしたちが求めている助けや答えを与えてくださることもあります。次の聖句を読んで,どのようにして神が聖霊を通してあなたに語りかけてくださるかについて考えてください:列王上19:12教義と聖約8:2-311:11-14。これまでどのようなときに,神があなたの祈りを聞いてくださったことに気付きましたか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • グループで,テクノロジーを使ってほかの人とコミュニケーションを取る方法を幾つか挙げてもらいます。「天の御父と効果的にコミュニケーションを図ることが難しいことがあるのはなぜでしょうか」という質問について話し合います。3ニーファイ14:7-11を一緒に読んでください。天の御父がわたしたちの祈りにこたえたいと望んでおられることについて,救い主はどのようなことをお教えになりましたか。

さらに学ぶ

  1. ダリン・H・オークス「祈りの言葉『リアホナ』1993年7月号,18

  2. 福音トピック「祈り」福音ライブラリー

  3. キャロル・F・マッコンキー「魂の切実な望み『リアホナ』2016年11月号,25

  4. 『聖句ガイド』「祈り