「真理」「トピックと質問」
福音学習ガイド
真理
わたしたちが神のみもとに帰る助けとなる知識
この世は,様々な見解や意見であふれています。だれを信じ,何を信じるべきかが分かりにくいことがあります。ディーター・F・ウークトドルフ長老は,大管長会で奉仕していたときに次のように教えています。「世界の歴史上,今ほど簡単に多くの情報に接することができるようになった時代はありません。しかし,その中には真実のものも,偽りのものもあり,その多くは一部しか真実ではありません。その結果,真実と偽りとを正しく識別する方法を学ぶことが,今ほど大切になってきた時代はありません。」信頼できる情報源を探し求め,御霊の導きに頼ることによって,何が真実で何が偽りかを識別することができます。
真理とは何でしょうか。
聖典では,真理とは「現在あるとおりの,過去にあったとおりの,また未来にあるとおりの,物事についての知識である」と定義されています(教義と聖約93:24)。また聖典では,真理は天からの光や啓示にたとえられています(教義と聖約84:45;88:66-67;『聖句ガイド』「真理」の項,「福音ライブラリー」)。永遠の真理の源は神御自身です。神の真理は,預言者ジョセフ・スミスやほかの末日の預言者たちを通して,この時代に明らかにされてきました。イエス・キリストの福音に見いだされる真理は,わたしたちを救いと昇栄に備えるために不可欠です(2ニーファイ31:19-21;教義と聖約33:10-12参照)。
関連福音学習ガイド: 「改心」,「イエス・キリストの福音を学び,教える」
セクション1
神は永遠の真理の源である
父なる神は「恵みと真理に満ちておられ」ます(教義と聖約66:12)。イエス・キリストは言われました。「わたしは道であり,真理であり,命である。」(ヨハネ14:6)主はしばしば聖霊の力を通して,また預言者を通して真理を宣言されます。偽りを言われることはありません(モルモン書ヤコブ4:13;エテル3:12;教義と聖約1:37-38参照)。
イエス・キリストの回復された福音には,わたしたちの時代に明らかにされた完全な神聖な真理が含まれています。神聖な真理は不変かつ永遠です(教義と聖約1:39;88:66参照)。
神はわたしたちに,イエス・キリスト,主の教え,主の贖いの犠牲に関する神聖な真理を学ぶよう招いておられます。これらは,これまでに明らかにされてきた中で最も重要な真理に数えられます(2ニーファイ2:6-7;31:15,21;3ニーファイ21:6参照)。
考えてみましょう
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すべての真理が等しく重要であるわけではありません。預言者ジョセフ・スミスは,福音の中で最も重要な真理を特定しています。「わたしたちの宗教の基本原則は,使徒と預言者たちがイエス・キリストについて立てた証です。すなわち主が亡くなり,葬られ,3日目に再びよみがえって,天に昇られたことです。わたしたちの宗教に関するほかのすべての事柄は,それに付随するものにすぎません。」木の絵を描き,幹に「イエス・キリストは復活された」と書くとよいでしょう。その後,枝,つまり「不随する」ものに,この基本的な真理から派生している,あなたの知っているほかの真理を書くとよいでしょう。これらのほかの真理がこの基本的な真理から切り離されたらどうなるでしょうか。イエスと復活についての預言者と使徒たちの証は,わたしたちがほかの真理を信じる信仰を持つうえで,なぜそれほど重要なのでしょうか。救い主とその復活を信じる信仰をどのように強めることができるかを深く考え,その信仰が,福音のほかの真理を信じる信仰をどのように養うかを考えてください。
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神は,御自分のすべての子供たちに真理を学んでもらいたいと望んでおられます。回復の宣言の中で,大管長会と十二使徒定員会は次のように教えています。「わたしたちは主の使徒として,天が開かれていることを—わたしたちと同じように—知ってくださるよう,すべての人にお勧めします。わたしたちは,神が御自分の愛する息子たちや娘たちに対する御心を明らかにしておられると断言します。祈りをもって回復のメッセージを研究し,信仰により行動する人には,回復が神の御心であり,その目的がわたしたちの救い主である主イエス・キリストの約束された再臨のために世を備えることにあるとの確信が授けられることを証します。」特に印象に残った真理を回復の宣言から探すとよいでしょう。次に,それぞれの真理を知ることがなぜ大切なのか,またそれがあなたの選択にどのような影響を与えるのかを深く考えてください。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を一緒に読んでください。
「疑う人もいますが,善と悪は確かに 存在します。絶対的な真理,永遠の真理は,確かに 存在します。今日の疫病の一つは,真理を求める場所を知っている人があまりにも少ないことです〔教義と聖約123:12参照〕。……
キリストの純粋な教義には,力があります。それを理解し,実践しようとするすべての人の生活を変えます。」
絶対的または永遠の真理(「神はわたしたちの天の御父です」など)と一時的な真理(「わたしが着ているシャツは赤色です」「外は雨が降っています」など)のリストを一緒に作るとよいでしょう。永遠の真理と一時的な真理の違いを認識することは,なぜ大切なのでしょうか。また,あなたが「真理を求める場所」,特に永遠の真理をどこに求めるかについて話し合ってもよいでしょう。
さらに学ぶ
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ラッセル・M・ネルソン「何が真実か」『リアホナ』2022年11月号,29-30
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“God’s Words Never Cease” (video), Gospel Library
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「真理は何と言えば」『賛美歌』175番
セクション2
神はわたしたちが神聖な真理を学び,分かち合うことを望んでおられる
天の御父は,わたしたちが福音という神聖な真理を知り,信じることを望んでおられます。永遠の真理に対するわたしたちの理解は,聖霊を通して神からもたらされます。聖霊はわたしたちを真理に導いてくださいます(1コリント2:9-10,14;モロナイ10:4-5;教義と聖約84:44-47参照)。自分が受け入れた真理に基づいて行動することを選ぶときに,神からより多くの真理を授かることができます(2ニーファイ28:30;教義と聖約93:26-28参照)。
神はまた,真理を知っている者がそれを人々に分かち合うことを望んでおられます(エノス1:26;教義と聖約58:47;75:3-5参照)。例えば,親は子供たちを光と真理(教義と聖約93:40,42参照)の中で育てるように勧告されています。また,わたしたちは,見いだす場所を知らないために真理を得られずにいる多くの人々に福音を分かち合うこともできます(教義と聖約123:12参照)。
考えてみましょう
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ジョン・C・ピングリー・ジュニア長老は次のように教えています:
「神は預言者たちを通して教義的真理を明らかにされ,聖霊はわたしたちにそれらの真理を確認され,実践するのを助けてくださいます。そのときに霊的な印象を受けられるよう,わたしたちは求め,備えていなければなりません。わたしたちは謙遜なときや,心から祈って神の言葉を研究するとき,また戒めを守るときに,御霊の証を最も受け入れやすくなります。
具体的な真理に関して聖霊から確認を受け,その原則を実践するなら,わたしたちの理解は深まります。常にその原則に従って生活すると,やがてその真理について確かな知識を得るでしょう。」
神が預言者を通して明らかにしてくださった真理を幾つか書き出すとよいでしょう。これまでどのようなときに,聖霊がこれらの真理を確認してくださるのを感じたことがありますか。教義的な真理について霊的な印象を受けるために,どうすればもっと意識的に備えることができるでしょうか。これらの真理に関するあなたの知識をどのように実践できるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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2ニーファイ28:26-30と教義と聖約93:11-13を読んでください。これらの節が,神の真理を学び,受け入れることについてどのようなことを教えているかについて話し合います。「教えに教え」を加え,「ここにも少し,そこにも少し」起こったり,成長したりするそのほかの例について話すとよいでしょう。これらの例は,真理の知識を育てることについてどのようなことを示唆しているでしょうか。その後,ネルソン大管長の次の勧告を読んでください。「今回は皆さんに対し,イエス・キリストと主の福音に対する自分の証に責任を持つようにと 切にお願いします。そのために努力してください。証を育ててください。真理という養いを与えてください。不信仰な男女の誤った哲学で証を汚さないでください。イエス・キリストに対する証を絶えず強めることを最優先して,自分の人生に奇跡が起こるのを待っていてください。」あなたの証が「恵みに恵み」を,「教えに教え」を加えられてどのように成長してきたか,互いに分かち合います。「イエス・キリストに対する自分の証に責任を持つ」とはどういう意味だと思いますか。何かを植えて,一緒に育て,成長を観察してもよいでしょう。その後,植物を育てることと自分の証を養うことの類似点と,それぞれから収穫できる「実」について話し合うとよいでしょう。
さらに学ぶ
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アレクサンダー・デュシュク「光の柱と一筋の光」『リアホナ』2024年5月号,14-16
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アラン・R・ワーカー「福音の真理と愛の光」『リアホナ』2021年5月号,120-122
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「真理は自由を得させる」『青少年の強さのために—選択の指針』,30-33
セクション3
研究と信仰によって真理を求めることにより,霊的な安全へと導かれる
主はわたしたちに,「研究によって,また信仰によって学問を求めなさい」(教義と聖約88:118)と招いておられます。これは,とりわけ,教会の歴史や教義,慣行について疑問があるときは,信頼できる情報源を研究し,イエス・キリストを信じる信仰と信頼を働かせて答えを求めるということです。サタンは,わたしたちの心を永遠の真理からそらそうとします(教義と聖約78:10;93:39参照)。神聖な真理を受け入れることは,悪を拒み,罪と過ちと欺きを避ける助けとなります(教義と聖約50:23-25;93:37参照)。
考えてみましょう
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若きジョセフ・スミスは,自分の霊的な疑問に対する答えを探し求めていたときに,混乱していました。ジョセフ・スミス—歴史1:5-6,10-13を読んで,主がどのようにジョセフを助けられたかを見つけてください。真理の探究は,どのようにジョセフを霊的な安全へと導いたでしょうか。ジョセフ・スミスの経験から学べることの中で,あなたが真理を探求するうえで助けとなるものにはどのようなものがあるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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真理に対する強い証から得られる霊的な安全について話し合うために,事故や病気,自然災害から身を守るために行っていることについて話すとよいでしょう。これらの予防策は不必要である,あるいは取り組む価値がないと考える人に,何と言うでしょうか。その後,トーマス・S・モンソン大管長の次の言葉を一緒に読むとよいでしょう。「わたしたちはひどい苦難と悪事に満ちた時代に生きています。今日世に広く見受けられる罪と悪からわたしたちを守るものは何でしょうか。わたしは断言します。救い主イエス・キリストへの強い証と,同じく主の福音に対する強い証が,わたしたちを安全な場所へ導いてくれます。……この困難な時代には自分自身の証を持つことが不可欠です。ほかの人の証に頼るのには限界があるからです。」永遠の真理についての個人的な証が,どのように自分を霊的に守ってきてくれたか話し合ってください。
さらに学ぶ
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ローレンス・E・コーブリッジ「啓示という岩の上に立つ」『リアホナ』2020年10月号,24-29
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「トピックと質問」「信頼できる情報源に導きを求める」,「福音ライブラリー」