伝道部の召し
レッスン2:救いの計画


「レッスン2:救いの計画」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—伝道活動のガイド』47-59

「レッスン2」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』47-59

レッスン2

救いの計画

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クリスタス像

あなたの目的

教える中で,バプテスマと確認に向けて備えられるよう人々を助けてください。教義と聖約20:37,および関連するバプテスマの面接の質問で教えられている,バプテスマを受ける資格を検討します。何を教え,どの決意を勧めるかについては,相手の必要や関心,状況に基づき,祈りをもって判断してください。教えている人々の抱いている質問や理解度に気を配りましょう。

バプテスマの面接の質問

  • あなたは神が永遠の御父であられることを信じていますか。

  • あなたはイエス・キリストが神の御子であられ,世の救い主,贖い主であられることを信じていますか。

  • 毎週聖餐を受け,人々に奉仕することを含め,安息日を進んで聖く保ちたいと思っていますか。

招き

  • わたしたちの教えた事柄が真実であることを知るために,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 自分の罪を悔い改めていただけますか。

  • 今度の日曜日,わたしたちと一緒に教会に出席していただけますか。

  • モルモン書が神の言葉であることを知るために,モルモン書を読み,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 救い主の模範に従い,(日付)にバプテスマを受けていただけますか。

  • 次回の訪問予定を決めてもよろしいですか。

  • レッスン4からあなたが選んだ戒め

人々がイエス・キリストについて学べるよう助ける

宣教師はイエス・キリストについて証し,キリストのもとへ来て救いを得られるようあらゆる人を招きます。人々が人生においてさらなる幸福と慰め,喜び,平安を感じられるようにするのです。救い主について,ほとんど,あるいはまったく知らない人々には,具体的に教えることが大切です。イエス・キリストについてのもう一つの証であるモルモン書は,すべての人が「イエスがキリストであり,……すべての国民に御自身を現されること」を知ることができるよう記録されました(モルモン書タイトルページ)。救い主について教え,証する最も効果的な方法の一つは,モルモン書を一緒に読むことです。ほかの標準聖典から聖句を読むことも助けになります。

以下の提案リストを検討してください。本レッスンまたはその他のレッスンの一部として,あるいは別個のレッスンを設けて,この活動を行っても構いません。有効であれば,バプテスマと確認の前後のレッスンで,この活動を繰り返し行うとよいでしょう。

タイトルページ序文

モルモン書の目的を明確にする。

1ニーファイ10-11章

リーハイとニーファイ,救い主について証する。

1ニーファイ19章

ニーファイ,救い主の教導の業と贖罪に関する預言について語る。

2ニーファイ2章

リーハイ,救い主が贖い主であられることを証する。

2ニーファイ9章

ヤコブ,イエス・キリストの贖罪について証する。

2ニーファイ31-33章

ニーファイ,キリストの教義を教える。

エノス

エノス,救い主の贖罪の力を経験する。

モーサヤ2-5章

ベニヤミン王,キリストについて教える。

モーサヤ12-16章

アビナダイ,イエス・キリストを証するために命をささげる。

アルマ5,7章

アルマ,救い主について証する。

アルマ17-22章

レーマン人,イエス・キリストの証を受け入れる。

アルマ34章

アミュレク,救い主の贖罪について証する。

アルマ36章

アルマ,イエス・キリストの贖罪の力を経験する。

アルマ40-42章

アルマ,イエス・キリストの復活と贖罪について証する。

ヒラマン5章

ニーファイとリーハイ,救い主を証するために神の手に使われる者となる。

3ニーファイ9-10章

救い主,御自身のもとに来るよう人々を招かれる。

3ニーファイ11-18章

救い主,御父と御父の教義についてニーファイ人にお教えになる。

3ニーファイ27章

救い主,御自身の福音をお教えになる。

エテル3章

ヤレドの兄弟,救い主にまみえる。

エテル12章

エテルとモロナイ,救い主と贖罪の力について証する。

モロナイ7-8章

モルモン,キリストの純粋な愛と贖罪について教える。

モロナイ10章

モロナイ,キリストのもとに来て,キリストによって完全になるようすべての人を招く。

生けるキリスト

預言者と使徒たち,救い主について証する。

前世での生活-わたしたちに対する神の目的と計画

多くの人は次のように考えます。「わたしたちはどこから来たのか。なぜ地上にいるのか。この世を去ってからどこへ行くのか。」救いの計画はこうした問いに答えてくれるものです。

神はわたしたちの霊の御父です。わたしたちは文字どおり神の子供です。神はわたしたちを愛しておられます。わたしたちは,この地上に生まれる前,天の御父の霊の子供として生活していました。けれども,わたしたちは天の御父のような状態ではありませんでした。肉体をもって,死すべき世での生活を経験しないかぎり,御父に似た者となり,御父が味わっておられるすべての祝福にあずかることはできなかったのです。

神の目的そのもの,すなわち神の業と栄光は,わたしたち一人一人が,神のすべての祝福を享受できるようにすることです。神は,この目的を成し遂げるために完全な計画を用意しておられます。わたしたちは地上へ来る前に,この計画を理解し,受け入れました。聖典の中で,神の計画は,憐れみに満ちた計画,幸福の計画,贖いの計画,そして救いの計画と呼ばれています。

神の計画の中心は,イエス・キリストです。イエス・キリストは贖罪によって御父の目的を果たされ,わたしたち一人一人が,不死不滅と昇栄を得られるようにしてくださったのです。サタン,すなわち悪魔は,神の計画の敵です。

選択の自由,つまり選ぶ能力は,神が御自身の子供たちに与えておられる,最も大いなる賜物の一つです。わたしたちが永遠の進歩を遂げるかどうかは,この賜物をどのように使うかに懸かっています。わたしたちはイエス・キリストに従うか,サタンに従うかを選ばなければなりません。

地上で生活する間,わたしたちは物理的に神から離れています。しかしながら神が望んでおられるのは,子供たちが一人残らずこの世で平安を見いだし,次の世において神の御前で完全な喜びを受けることです。神はわたしたちが御自身のようになること願っておられるのです。

聖文研究

神の子供

神の目的

前世

創造

イエス・キリストは御父の指示の下,わたしたちが生活し,経験を積むための場所として地球を創造されました。進歩して,神のようになるためには,わたしたち一人一人が肉体を得て,地上での試しの期間を過ごさなければなりませんでした。この世にいる間,わたしたちは物理的に神の御前から離れています。わたしたちは前世での生活を覚えていません。ですから,見えるものによらないで,信仰によって歩まなければならないのです。

聖文研究

選択の自由とアダムとエバの堕落

アダムとエバは,地上に来た最初の神の子供でした。神はアダムとエバをお造りになると,二人をエデンの園に置かれました。アダムとエバは神の形に,骨肉の体を持つ者として創造されました。園にいる間,アダムとエバは変わらず神の御前にいて,永遠に生きることができる状態にありました。二人は罪のない状態で暮らし,必要なものは神が満たしておられたのです。

エデンの園で,神はアダムとエバに選択の自由をお与えになりました。神は二人に,禁断の実,すなわち善悪を知る木の実を食べてはならないと命じられました。この戒めを守っているかぎり,二人はいつまでも園にいることができたのです。しかし,死すべき世において反対のものを経験することがなければ,進歩することはできませんでした。アダムとエバは,悲しみと苦痛を経験できないため,喜びを知ることができなかったのです。

禁断の実を食べるようサタンに誘惑されたアダムとエバは,実を食べることを選びました。これは神の計画の一部でした。二人は,この選びのために園から追い出され,神の御前から断たれました。この出来事は堕落と呼ばれます。神の御前から断たれるとは,霊的に死ぬということです。アダムとエバは死すべき存在となりました。肉体の死,すなわち肉体と霊の分離を経験することになったのです。二人は今や,病気をはじめ,あらゆる類の苦しみを経験する身となりました。また,道徳的な選択の自由,すなわち善悪を選ぶ能力を得ました。二人はこれによって学び,進歩できるようになりましたが,その一方で,悪を選び,罪を犯すことも可能となったのです。さらに,二人は子供をもうけられるようになったことで,神の霊の子供たちが地上に来て肉体を得,試しを受けられるようになりました。この方法のみが,神の子供たちが進歩し,神に似た者となるための道でした。

堕落について教える

この教義を初めて教える場合,次のようにごく簡潔に教えてください。神は地上で最初の親となるよう,御自分の子供たちの中からアダムとエバの二人を選ばれました。アダムとエバは背きの結果,罪と死を免れなくなりました。自分の力では,天の御父のみもとに戻ってともに住むことができなくなったのです。そこで主はアダムに語られ,救いの計画と,主イエス・キリストを通して得られる贖いについて教えられました。アダムとその家族は,この計画に従うことによって,この世で喜びを受け,神のもとに戻れるようになったのです(アルマ18:3622:12-14参照)。

聖文研究

エデンの園

堕落

地上におけるわたしたちの生活

地上での生活は,またとない機会であり,祝福です。この世での目的は,喜びを得ること,また神の御前に戻れるよう準備することです。死すべき世にあって,わたしたちは肉体および霊の死を避けられない状態で生活しています。神は,完全で栄光を受けた不死不滅の肉体,骨肉の体を持っておられます。神のようになり,神の御前に帰るためには,わたしたちも完全な不死不滅の肉体,骨肉の体を手に入れなければなりません。ところがアダムとエバの堕落により,地上のあらゆる人は,不完全な死すべき体を持ち,いずれは死を迎えることになったのです。救い主イエス・キリストがいなければ,いつか天の御父とともに暮らすという望みは,死によってすべて打ち砕かれてしまうことになります。

肉体の死と同様に,わたしたちが天の御父のようになって,みもとへ帰ろうするのを妨げる大きな障害となるのは,罪です。死すべき世に置かれているわたしたちは,しばしば誘惑に屈し,神の戒めを破り,罪を犯してしまいます。地上での生活を送る間,だれでも過ちを犯します。罪を犯している人が幸せそうに見える場合もありますが,罪は例外なく不幸をもたらすものです。罪を犯すと,罪悪感や,恥じる気持ちを抱くようになります。罪のゆえに,わたしたちはまず赦しを受け,清くならないかぎり,天の御父のみもとへ戻って御父とともに暮らすことはできません。

死すべき世にあって,わたしたちは幸せをもたらす経験をします。また,苦痛や悲しみをもたらす経験もします。他人の罪深い行いが原因でそのような経験をさせられることもあります。これらの経験は,学び,成長し,善悪を見分け,自分で選択をする機会を与えます。神がわたしたちに善を行うよう促される一方で,サタンは罪を犯すよう誘惑します。肉体の死と同じように,わたしたちは自力で,罪の影響を克服することはできないのです。イエス・キリストの贖罪がなければ,わたしたちにはなす術がありません。

聖文研究

試しの期間

選択

善と悪

清くない者は神とともに住むことができない

イエス・キリストの贖罪

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ゲツセマネのキリスト

世界が組織される前,天の御父はイエス・キリストをわたしたちの救い主,贖い主として選ばれました。イエス・キリストの贖いの犠牲によって,わたしたちは堕落の結果に打ち勝つことができるようになったのです。すべての預言者は,世の初めからイエス・キリストが贖い主であることを証してきました。

わたしたちは皆,肉体の死を迎えますが,イエス・キリストはわたしたちのために,肉体の死という障害に打ち勝ってくださったのです。イエスが十字架上で亡くなられたとき,その霊は肉体から離れました。それから3日目に,イエスの霊と肉体は永遠に結合し,再び離れることのない状態になったのです。主は多くの人々に御姿を現され,御自身が骨と肉から成る不死不滅の体を持っておられることを示されました。肉体と霊が再び結合することは,復活と呼ばれます。これはわたしたち一人一人に約束されている賜物(贈り物)です。イエス・キリストの復活のおかげで,この世で善を行うか悪を行うかにかかわらず,わたしたちは皆復活するようになりました。わたしたちは骨と肉から成る不死不滅の完全な体を得,病気や苦痛,死を再び受けることのない状態になるのです。復活により,裁きを受けるために神の御前に戻ることは可能になりましたが,だれもが神のみもとに住めるよう保証されているわけではありません。この祝福を受けるために,わたしたちは罪から清められなければなりません。

神が愛する御子イエス・キリストを遣わされたのは,肉体の死という障害を克服することに加え,罪という障害に打ち勝つためでした。わたしたちがアダムとエバの堕落について責任を負うことはありませんが,自分の罪については責任を負っています。神はほんのわずかでも,罪を見過ごしにすることがおできになりません。わたしたちは罪があるままでは,神の御前に住むことができないのです。救い主の恵みと憐れみによってのみ,わたしたちは罪から清められ,再び神とともに暮らせるようになるのです。それは,イエス・キリストを信じる信仰を働かせ,悔い改め,バプテスマと聖霊の賜物を受け,最後まで堪え忍ぶことにより可能となります。

救いの計画を成就するために,キリストはわたしたちの罪の代価を払ってくださいました。これがおできになるのはキリストだけでした。キリストは前世において召され,備えられていたのです。イエスは肉体において,文字どおり神の御子でした。イエスには罪がなく,御父に完全に従順でした。誘惑を受けることがあっても,決してそれに屈することがなかったのです。御父は,世の罪の代価を払うよう愛する御子に求められました。備えができていたイエスは,進んでそれを行おうとしました。ゲツセマネの園での苦しみに加え,十字架上での苦しみと死,復活をもって,救い主の贖罪は完成されました。その苦しみは想像を絶するもので,イエスはあらゆる毛穴から血を流し,できることならこの重荷を過ぎ去らせてほしいと御父に願い求められたほどでした。それでもイエスは,御父とわたしたちへの至高の愛の現れとして,御父の御心に自らを委ねられたのです。イエス・キリストが苦しみによって霊の死に打ち勝ち,復活によって肉体の死を乗り越えられたことを,イエス・キリストの贖罪と言います。

イエス・キリストを信じる信仰を働かせ,悔い改め,水に沈めるバプテスマと按手による聖霊の賜物を受けて,生涯の最後まで主の戒めを忠実に守ろうと努め,キリストを受け入れるなら,主はわたしたちの罪を赦すと約束しておられます。わたしたちは絶えず悔い改めることにより赦しを受け,聖霊の力によって罪からの清めを受けます。罪悪感や,恥じらいという重荷から解放され,イエス・キリストを通して,神の御前に戻るにふさわしい者となるのです。

イエス・キリストの贖罪に頼るなら,イエスはわたしたちが試練や病気,苦痛に耐えられるよう助けてくださいます。わたしたちは,あふれるばかりの喜び,平安,慰めを受けることができます。人生において経験するあらゆる不公平は,イエス・キリストの贖罪によって正されるのです。

イエスは罪の代価を払ってくださいましたが,わたしたち個人の責任をなくされたわけではありません。わたしたちはイエス・キリストを受け入れ,戒めに従うことを示さなければなりません。救い主の贖罪という賜物を通してのみ,わたしたちは神のみもとに戻り,神とともに住めるのです。

聖文研究

復活

救い主の贖罪

イエス・キリストの福音—道

霊界

キリストは肉体の死に打ち勝たれましたが,すべての人は死を経験する必要があります。死は,死すべき状態から不死不滅の状態へと変化する過程の一部だからです。人が死ぬと,その霊は霊界へ行きます。死を経ても,わたしたちの個性や善悪に対する考え方は変わりません。この世の人生で神に従うことを選んだ人は,悩みや憂いから離れ,幸福で平安な状態で過ごします。この世で神に従うことを選ばず,罪を悔い改めなかった人々は,不幸な状態にあって暮らします。霊界では,地上にあって福音に従わなかった人々や,福音を聞く機会のなかった人々に福音が宣べ伝えられます。わたしたちは復活するまで霊界にとどまります。

聖文研究

死者に宣べ伝えられる福音

死と霊界

復活,救い,昇栄

復活により肉体と霊が再結合すると,わたしたちは裁きを受けるために神のもとへ行きます。わたしたちはそこで,自分の義も罪悪も完全に思い出します。悔い改めていれば,憐れみを受けます。わたしたちは自分の行いと望みに応じて,報いを受けるのです。

救い

救い主の贖罪と復活により,すべての人は救われる,すなわち肉体の死からの救いを得ます。人々は復活して不死不滅の状態になると,永遠に生きるようになります。不死不滅とは,人が義にかなっていようと悪に染まっていようと,惜しみなく無条件で与えられる万人への賜物です。

イエス・キリストの贖罪を通じて人々は救われ,個々の霊的な死からの救いをも得ることができます。それには,主を信じる信仰を抱き,主の福音における律法と儀式に従順な生活を送り,主に仕えることです。

永遠の命と昇栄は,不死不滅とは異なるものです。

ラッセル・M・ネルソン大管長はこのように教えています。「神の永遠の計画において,救いは個人の問題であり,昇栄は家族の問題です。」(「救いと昇栄『リアホナ』2008年5月号,10)

昇栄

昇栄,すなわち日の栄えの栄光とは,日の栄えの王国で受ける幸福と栄光にあって最高位にあるものです。昇栄は,条件を満たした人に与えられる賜物です。ネルソン大管長は次のように教えています。「この賜物を受けるにふさわしくなるための条件には,主を信じる信仰,悔い改め,バプテスマ,聖霊の賜物を受けること,そして神殿の儀式と聖約に忠実であり続けることなどが含まれます。」(「救いと昇栄」8)永遠の家族の中で,いつまでも神とともに生活するというのが,昇栄の意味するところです。神とイエス・キリストを知ること,御二方が享受されている生活を送ることなのです。

復活と輪廻

復活の教義を輪廻の思想と混同している人がいるかもしれません。人の教える輪廻とは,わたしたちが別の形をとって再びこの世に生まれることを指しています。事実に反する,聖典に記述のない教えです。復活の教義とは,骨と肉からなる不死不滅の体を,永遠の報いとして受けることなのです。これは真の教義です。あなたの教える人々が,復活の教義をはっきりと理解していることを確かめてください。

裁きと栄光の王国

死すべき世にあって,わたしたちは善と悪にかかわる選択をします。神は,わたしたちの行いと望みに応じて報いを与えてくださいます。神は,あらゆる人が地上において抱いた望み,成した行いに応じて報いを与えられます。このため,わたしたちは裁きを受けた後,様々な栄光の王国のいずれかに割り当てられるのです。

日の栄えの王国

自らの罪を悔い改め,福音の儀式を受け,儀式に伴う聖約を守ってきた人々は,キリストの贖罪によって清められます。そのような人々は,日の栄えの王国に救われます(教義と聖約137:10参照)。聖文の中で,この王国は,太陽の栄光,その輝きにたとえられています。

日の栄えの王国には,3つの天,すなわち3つの階級があります(教義と聖約131:1参照)。永遠の結婚をし,聖なる御霊により結び固められた人々だけが,その最高の階級,すなわち昇栄に至ることができます(教義と聖約131:2参照)。彼らは神の御前に住み,神のようになり,完全な喜びを受けるのです。

日の栄えの王国にあって永遠の結婚をしていない人々は,日の栄えの王国における別の「天」,すなわち「階級」に入ることができますが,そこでは仕える天使となります。彼らは「昇栄することなく,救われた状態にあって,それぞれ独りのままでいることになる。……とこしえにいつまでも神の天使である」とあります(教義と聖約132:17教義と聖約131:4;ラッセル・M・ネルソン「日の栄えの結婚『リアホナ』2008年11月号,92も参照)。

月の栄えの王国

この世にあっても来るべき世にあってもイエス・キリストの完全な福音を受け入れることがなかったものの,立派な人生を送った人々は,月の栄えの王国で受け継ぎを得ます。この王国は,月の輝きにたとえられています(教義と聖約76:71-80参照)。

星の栄えの王国

この世にあっても来るべき世にあっても,罪を犯したまま悔い改めなかった人は,星の栄えの王国と呼ばれる,最も低い王国で報いを受けます。この王国は,星の輝きにたとえられています(教義と聖約76:81-86参照)。

聖文研究

復活と回復

裁き

栄光の王国

永遠の命

救いの計画

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救いの計画

救いを可能にするのはイエス・キリストの贖罪である。

聖文研究,教会への出席,祈り

聖文研究,教会への出席,祈りは,人々が神の愛を感じ,聖霊の証を通して真理を認識する助けとなります。救いの計画とイエス・キリストの贖罪について学ぶ中で,これらを実践するよう教えている人々に勧めてください(祈り,聖文を読む方法が分かるよう人々を助ける方法に関して導きを受けるには,レッスン4の「しばしば祈る」の項を参照)。一貫して聖文,とりわけモルモン書を研究し,日ごろから教会に出席し,信仰をもって誠心誠意(受けた答えに従って行動する決意をもって)祈るなら,神は人々の祈りにこたえ,人生に導きをもたらし,真理を識別できるように助けてくださるでしょう。

バプテスマへの招き

御霊に導かれるまま,バプテスマと確認を受けるようにとの招きは,次のように具体的かつはっきりとしたものでなければなりません。 「イエス・キリストの模範に従って,神の神権の権能を持つ人から,バプテスマを受けていただけますか。(日付)にバプテスマ会を開く予定です。この日にバプテスマを受けられるよう,備えてくださいますか。」

教えるためのアイデア

本項には,このレッスンに含まれる内容を準備し,教えるうえで活用できるアイデアが記されています。これらのアイデアの活用法を決めるに当たっては,御霊の導きを祈り求めましょう。選んだアイデアを自分のレッスンプランに書き加えてください。これらのアイデアは,あなたが教える人々の必要を満たすうえで役立てるための提案であって,必ず採り上げなければならないものではないことに注意してください。

ショートレッスンプラン(3-5分)

救いの計画は,わたしたちがどこから来たのか,なぜ地上にいるのか,この人生を終えた後にどこへ行くのかを教えます。前世,現世,死,復活を経て永遠にわたって生きる,わたしたちの永遠の旅路を示してくれます。またこの計画は,わたしたちが,この旅路を立派に歩んで神の御前に戻り,神に似た者となるうえで,愛にあふれる天の御父がどのような助けを与えてくださるかを明らかにします。救いの計画は,わたしたちが堕落のもたらす影響を乗り越え,永遠の命と昇栄に到達できるように,イエス・キリストが果たされた使命と贖罪に的を当てています。このメッセージについて深く考え,祈ってくださるようお勧めします。

  • 前世での生活-わたしたちに対する神の目的と計画

  • 創造

  • 選択の自由とアダムとエバの堕落

  • 地上での生活

  • イエス・キリストの贖罪

  • 霊界

  • 復活,救い,昇栄

  • 裁きと栄光の王国

招き

  • わたしたちの教えた事柄が真実であることを知るために,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 自分の罪を悔い改めていただけますか。

  • 今度の日曜日,わたしたちと一緒に教会に出席していただけますか。

  • モルモン書が神の言葉であることを知るために,モルモン書を読み,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 救い主の模範に従い,(日付)にバプテスマを受けていただけますか。

  • 次回の訪問予定を決めてもよろしいですか。

  • レッスン4からあなたが選んだ戒め

ミディアムレッスンプラン(10-15分)

わたしたちのメッセージは,人生の目的と,わたしたちがどのような存在であるかを理解するうえで助けとなるものです。希望をもたらすだけでなく,わたしたちが平安と喜び,幸福を見いだせるように助けてくれます。また,わたしたちがどこから来たのか,なぜ地上にいるのか,この人生を終えた後にどこへ行くのかを教えます。神はわたしたちの御父であり,わたしたちを愛しておられます。わたしたちは神の子供です。わたしたちは神の家族の一員であり,この地上に生まれる前に,神とともに住んでいました。この世の生涯を終えた後,わたしたちが神のみもとへ戻ることができるように,神は幸福の計画を備えてくださいました。わたしたちの進歩は,神からいただいた選択の自由,すなわち選ぶ能力を,どのように用いるかに懸かっています。その計画の一部であったアダムとエバの堕落により,わたしたちは地上に来て,肉体を得,経験し,自分の家族を持つことができるようになりました。一方堕落は,霊が肉体から離れる肉体の死と,神から遠ざけられる霊の死をもたらしました。

神の計画の中心は,イエス・キリストです。キリストの贖いの犠牲は,肉体と霊の死がもたらす影響の双方に勝利を収めました。わたしたちは皆復活して,苦痛や病気から解放された肉体を得て永遠に生きることになります。キリストは,霊の死をも乗り越えられるようにしてくださいました。キリストの福音に従って生活するならば,主は憐れみをもってわたしたちの罪を赦してくださいます。主はこの世においてわたしたちを癒し,罪悪感や恥じる気持ちを平安と幸福に置き換えてくださるのです。

神の憐れみの計画の一部として,わたしたちは皆肉体の死を受けます。わたしたちの霊は肉体を離れると,しばらくの間,霊界で生活します。その後,不死不滅の体に復活して,体と霊は永遠に結合します。そうして,わたしたちは自らの行いと望みに応じて裁きを受けます。福音に従って生活した人は,天の御父の最も大いなる賜物である昇栄の賜物を受け,御父の御前で家族として生活するのです。

天の御父は,御自分の子供たちに,再び愛の手を差し伸べて,幸福の計画を明らかにしてくださいました。わたしたちはこのすばらしい計画を,モルモン書から学ぶことができます。 あなたはモルモン書を読み,深く考え,祈ることができます。教会に出席し,わたしたちとともに礼拝するようお招きします。

招き

  • わたしたちの教えた事柄が真実であることを知るために,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 自分の罪を悔い改めていただけますか。

  • 今度の日曜日,わたしたちと一緒に教会に出席していただけますか。

  • モルモン書が神の言葉であることを知るために,モルモン書を読み,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 救い主の模範に従い,(日付)にバプテスマを受けていただけますか。

  • 次回の訪問予定を決めてもよろしいですか。

  • レッスン4からあなたが選んだ戒め

フルレッスンプラン(30-45分)

  • 前世での生活-わたしたちに対する神の目的と計画

    • 神はわたしたちの天の御父であられ,わたしたちは神の子供です(使徒17:16-34ヘブル12:9参照)。

    • 神はわたしたちの幸福のために,計画を用意しておられます。イエス・キリストはその計画の中心です。

    • 神の幸福の計画によって,神のみもとに戻る道が開かれました(モーセ1:39参照)。

    • 永遠の進歩は,わたしたちが選択の自由をどのように使うかに懸かっています(2ニーファイ2:27-29参照)。

  • 創造

    • 御父の指示の下,イエス・キリストは地球を創造されました(ヘブル1:1-3参照)。

  • 選択の自由とアダムとエバの堕落

    • アダムとエバは神の形に創造されました(創世1:26-27参照)。

    • エデンの園にいたとき,二人には罪がなく,神のもとに住んでいました。

    • 二人は禁じられた実を食べたため,園を追い出されました(モーセ4:19-31参照)。これは堕落と呼ばれています。

    • アダムとエバは死すべき体となり,子供をもうけることができるようになりました。さらに,罪と死を経験する状態に置かれました(2ニーファイ2:22-25モーセ5:11参照)。

  • 地上におけるわたしたちの生活

    • この世におけるわたしたちの目的は,家族として永続する平安,喜び,幸福を見いだし,神のみもとに戻ってとともに生活するための備えをすることです。

    • わたしたちは,試しを受けるために地上に来ました(アブラハム3:24-25参照)。

    • わたしたちは骨肉の体を得ますが,肉体の死を受けなければなりません。

    • 神は戒めをお与えになります。戒めに従えば祝福を受けます。従わなければ罪を犯し,その結果を受けます。

    • すべての罪は,自ら,もしくはキリストによって,その代価が払われなければなりません(教義と聖約19:15-20参照)。

    • 選択をする中で,だれもが罪を犯します(ローマ3:23参照)。

    • わたしたちは,幸福や悲しみをもたらす経験をします。

    • キリストによらなければ,肉体の死も,霊の死も克服することができません。

  • イエス・キリストの贖罪

    • イエス・キリストが肉体の死に打ち勝たれたので,わたしたちは皆復活します(アルマ11:41-43参照)。

    • キリストの贖罪により,わたしたちは罪から清められることができます。神のみもとに戻り,ともに住むことが可能となるのです(2ニーファイ9:8-9参照)。

    • キリストを信じる信仰を持ち,悔い改め,バプテスマと聖霊の賜物を受け,最後まで堪え忍ぶなら,キリストはわたしたちの罪を赦してくださいます。

  • 霊界

    • 人は皆,死ぬように定められています。

    • 人が死ぬと,その霊は霊界へ行きます。

    • この世でどのような生活を送るかによって,惨めな状態で生活するか,または平安と安息を得て生活するかが決まります。

  • 復活,救い,昇栄

    • わたしたちの霊と体は,復活によって再び結合します(アルマ11:42-4540:23参照)。

    • 永遠の命および昇栄とは,イエス・キリストの福音に力を尽くして従う人々に与えられる神の賜物です(教義と聖約14:7132:17)。

  • 裁きと栄光の王国(教義と聖約76章137章1コリント15:40-42

    • わたしたちは,自分の行いと望みに従って裁きを受けるために,神のもとに戻ります。

    • 悔い改めていれば,憐れみを受けます。

    • 自らの行いと望みに応じて,わたしたちは栄光の王国における報いを受けます(教義と聖約137:9参照)。

    • 福音を受け入れ,生涯を通じて雄々しく従う人々は,日の栄えの王国を受けます(教義と聖約76:50-70参照)。

    • 高潔な人々でありながら,「人間の悪巧みによって目をくらまされた者」や,「イエス〔・キリスト〕の証に雄々しくない者」は,月の栄えの王国を受けます(教義と聖約76:75,79参照)。

    • 罪を犯して悔い改めない者は,自らの罪による苦しみを受けた後,星の栄えの王国を受けます。

招き

  • わたしたちの教えた事柄が真実であることを知るために,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 自分の罪を悔い改めていただけますか。

  • 今度の日曜日,わたしたちと一緒に教会に出席していただけますか。

  • モルモン書が神の言葉であることを知るために,モルモン書を読み,祈りの中で神に尋ねていただけますか。

  • 救い主の模範に従い,(日付)にバプテスマを受けていただけますか。

  • 次回の訪問予定を決めてもよろしいですか。

  • レッスン4からあなたが選んだ戒め

教えた後に尋ねる質問

  • 今日学んだことについて,どのような質問がありますか。

  • 神があなたと家族のために用意しておられる計画とは,どのようなものだと理解されましたか。

  • これまで学んだことから,イエス・キリストの役割についてどのようなことを理解されましたか。それはあなたにとってどのような意味がありますか。

主要な言葉の定義

以下に挙げるのは,理解されないことが多い言葉です。明確に説明して,あなたの教える人々が理解していることを確かめてください。

  • イエス・キリストの贖罪:聖典で用いられているように,贖うとは,罪の行いに対する罰を引き受けることにより,悔い改める罪人から罪のもたらす影響を除き,神との和解を可能にすることである。イエス・キリストは,ゲツセマネと十字架上で苦しみを受けられた。イエスは,全人類のために完全な贖罪をなし得る唯一の御方であった。イエスは,ゲツセマネにおいてわたしたちの罪の代価を払い,十字架上で亡くなられた。イエスは全人類の苦痛,病,試練,苦難,弱さを身に受けられた(アルマ7:11-12参照)。

  • 昇栄:天の御父に似た者となり,神の家族の一員として御父のみもとに住むこと。ネルソン大管長は次のように教えている。「高く上げられる,すなわち昇栄を得るとは,日の栄えの王国における最も幸福で栄光に満ちた状態に到達することを意味します。」(「救いと昇栄」8)昇栄はキリストの贖罪を通じて,また福音のあらゆる律法と儀式に従うことによってもたらされる。

  • (アダムとエバの)堕落:アダムとエバは禁じられた実を食べて,死すべき状態,すなわち,罪と死に支配される者となった。アダムは地上で「最初の肉なるもの」(モーセ3:7)となった。末日の啓示は,堕落が祝福であり,アダムとエバは全人類の始祖として尊ばれるべきであるということを明らかにしている。

  • 不死不滅:復活して,肉体の死に服することなく永久に生きる状態。

  • 裁き:神はイエス・キリストを通して,わたしたちが受ける永遠の栄光を決めるために,一人一人を裁かれる。この裁きは,イエス・キリストの贖いの犠牲を受け入れることを含め,神の戒めに対する従順さの度合いに基づいて行われる。わたしたちは,行いと望みの善悪に基づいて,永遠の報いを受ける。

  • 現世:誕生から肉体の死までの期間。

  • 肉体の死:霊が肉体から離れること。霊は永遠に生きるものであり,死ぬことはない。

  • 前世(誕生以前,前世の生活):わたしたちは地上に生まれる前,天の御父の霊の子供として,御父のもとに住んでいた。前世では肉体を持っていなかった。

  • 贖い:束縛の境遇にある人を解放すること,買い取ること,または買い戻すこと。すなわち支払いによって自由にすること。贖いという言葉は,イエス・キリストの贖罪,罪からの解放を指す。イエスの贖罪によって,全人類は肉体の死から贖われる。イエスの贖罪によって,主を信じる信仰を持ち,悔い改める人は,霊の死からも贖われる。

  • 復活:死後,霊体と骨肉の体が再び結合すること。復活後,霊と体は決して再び分離することがなく,人は不死不滅となる。イエス・キリストが死に打ち勝たれたため,地上に生を受ける人はすべて復活する。

  • 救い:肉体の死と霊の死から救われること。「わたしたちは,人は自分の罪のゆえに罰せられ,アダムの背きのゆえには罰せられないことを信じる。……キリストの贖罪により,全人類は福音の律法と儀式に従うことによって救われ得ると信じる。」(信仰箇条1:2-3)人は皆イエス・キリストの死と復活を通して,また神の恵みにより,肉体の死から救われる,すなわち復活する。これは,この世における各自の選択にかかわらず,救い主が万人に無条件で与えてくださる賜物である。霊の死(罪)からの救いには条件がある。ラッセル・M・ネルソン大管長はこのように教えている。「イエス・キリストの贖罪を通じて,人々は個々の霊的な死からの救いをも得ることができます。それには,主を信じる信仰を抱き,主の福音における律法と儀式に従順な生活を送り,主に仕えることです。」(「救いと昇栄」7-8参照)

  • 霊の死:神とその影響からの分離。義に関する事柄について死んだ状態になること。霊の死はアダムとエバの堕落によってこの世にもたらされた(アルマ42:6-7参照)。思いや言葉や行いが邪悪な人は,たとえこの世に生きているとしても,霊的には死んでいる(2ニーファイ9:39参照)。イエス・キリストの贖罪により,悔い改め,福音の原則と儀式に従って生きる男女は,罪から清められ,霊の死に打ち勝つことができる(信仰箇条1:2-3参照)。

教える人々に説明する必要があると思われるその他の用語

  • 水に沈めるバプテスマ

  • 日の栄え

  • 〔罪からの〕清め

  • 創造

  • 永遠の進歩

  • 信仰

  • 禁断の実

  • 〔罪の〕赦し

  • エデンの園

  • 栄光の王国

  • 反対のもの

  • 救いの計画

  • 試しの時期

  • 悔い改め

  • 霊界

  • 星の栄え

  • 月の栄え

  • 善と悪を知る木