伝道部の召し
レッスン4:戒め


「レッスン4:戒め」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—伝道活動のガイド』74-85

「レッスン4」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』74-85

レッスン4

戒め

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モーセと石版

このレッスンを教えるに当たって

このレッスンで採り上げられている戒めを教える方法は,たくさんあります。例えば,このレッスンにある幾つかの戒めを,最初の3つのレッスンの一部として教えても,あるいは幾つかの戒めを一つのレッスンとして教えても構いません。教えている人々の必要と御霊の導きにより,行うべき事柄を決めましょう。

教えるための備え

戒めを教える目的は,人々がバプテスマと確認に備えるに当たり,イエス・キリストを信じる信仰を働かせ,悔い改めることで,福音に従った生活ができるよう助けること,そして彼らがバプテスマの後も忠実であり続けるのを助けることです。あなたの教える人々が,神の戒めを守ることは最後まで堪え忍ぶことの一環であると理解できるように助けましょう。戒めに従うことにより,人々は福音に対する証を強めます。そして,「打ち砕かれた心と悔いる霊」を持っていることを表し,すべての罪を悔い改めるようになるのです(モロナイ6:1-4教義と聖約20:37参照)。

このレッスンは,最初の3つのレッスンとは構成が異なります。これまでのレッスンでは,イエス・キリストの福音の基本を成す教義を扱ってきました。このレッスンでは,福音の原則を生活の中で実践するために,神がお与えになった具体的な戒めについて説明します。

このレッスンを教える方法はたくさんあります。教えている人々の必要や関心,状況に合わせて,また御霊の導きにより,どのようなアプローチを取るか決めましょう。何を教え,どの決意を勧めるかについては,祈りをもって判断してください。教えている人々の抱いている質問や理解度に気を配りましょう。

人々が福音に従って生活するのを助ける方法について,常に考え,祈り求めるようにしてください。以下のアイデアを参考にします。

  • 一つあるいは複数の戒めを,別のレッスンの一部として教えます。その場合,アルマ12:32で教えられている原則を考慮してください。「神は,贖いの計画を人々に示された,……戒めを彼らに与えられた。」(強調付加)祈りや聖文研究といった特定の戒めについては,最初の3つのレッスンの一部として教えるのが最適かもしれません。ほかの戒めは,最初の3つのレッスンで採り上げられている,福音の教義的な基礎を築いてから教えるとよいでしょう。

  • 二つか三つの戒めを単独のレッスンとして教えます。

  • 一つの戒めを単独のレッスンとして教えます。

  • 福音に関連づけながら戒めを教えます。イエス・キリストの福音に関するレッスンを簡単に復習してから,一つまたは複数の戒めを教えます。こうすることで,バプテスマと確認に備えるに当たり,救い主への信仰を働かせ,悔い改めるという大きな要素が戒めとどう関連づいているのか,人々の理解を助けることができます。イエス・キリストの福音を生活のパターンとして捉えるときに,彼らの生活は豊かに祝福されます。

数回の訪問で教えることができる人々もいれば,何度も教えに行く必要がある人々もいます。あなたは,人々がバプテスマと確認に向けて十分備えられるよう,柔軟に,最適な方法でレッスンを教えることができます。あなたの目的は,レッスンの内容を網羅することにとどまりません。人々がイエス・キリストを信じる信仰,悔い改め,バプテスマ,聖霊の賜物を受けること,最後まで堪え忍ぶことによって,キリストのもとへ来るよう助けることを目指すのです。

通常,レッスン時間は45分を超えることがないようにします。時間的な制約により,短い時間内で教える必要が生じることもあるでしょう。そのような場合は,教える内容を幾つかに分けて,短いレッスンを何度も行う必要があるでしょう。

このレッスンは,色々な方法で教えることができます。どの戒めを,いつ,どれだけの時間を取って教えるかは,教える人々の必要と御霊の導きに従うことにより,最善の判断を下してください。

戒めと決意事項について学ぶ

このレッスンを研究するときは,以下のパターンに従ってください。

  • 戒めを説明している項目を研究し,3つから5つの要点を含めた,簡単なレッスンプランを書き出します。

  • 同僚を相手に,2,3分の短いレッスンを教えます。どのように相手を招き,その懸念を解消できるか,練習してください。

  • 受け入れるよう人々に招いた各決意事項をフォローアップする方法について話し合います。

従順

神は,わたしたちの益となるように戒めを与えられました。戒めは,わたしたちが幸福な生活を送れるよう,愛にあふれる天の御父が与えてくださった指示です。神はまた,人に選択の自由をお与えになりました。選択の自由とは,善悪を選ぶ能力および機会のことです。神に従っているとき,人は御霊の導きに従って,神の御心にかなったことを選びます。戒めに従順であると,この世では平安を,来るべき世では永遠の命と昇栄を受けることができます。従順は,神に対するわたしたちの愛を表すものとなりますが,不従順は悲しみを招きます。

天の御父はわたしたちの弱さを御存じです。そして,忍耐強く見守ってくださいます。わたしたちが御子に頼り,戒めに従おうと努力するときに,御父は祝福を与えてくださいます。御父は,祝福をもたらすことができるように,わたしたちが従順になることを願っておられるのです。

聖文研究

選択の自由

従順

招き

  • 神の律法に従っていただけますか。

しばしば祈る

わたしたちは,神に対して祈るように命じられています。いつでも,どのような状況にあっても祈ることができます。主は,朝と晩に,個人として,また家族とともに,ひざまずいて祈るように教えておられます。天の御父は祈りに耳を傾け,こたえてくださるのです。毎日の祈りを通して,わたしたちは神の導きと祝福を受けます。わたしたちは,いつも真心を込めて祈らなければなりません。また,「誠意をもって」祈らなければなりません。 それは,受けた答えに従って,必ず行動するという意味です。

わたしたちはイエス・キリストの名によって,天の御父に信仰をもって祈ります(モーセ5:8参照)。神はわたしたちの御父であり,わたしたちは御父の子供ですから,御父はわたしたちの祈りにこたえてくださるのです。祈るときは,まず天の御父に呼びかけます。そして,「イエス・キリストの御名により,アーメン」という言葉で終えます。

祈りの中で,わたしたちは愛する天の御父に率直に,また正直に話します。受けている祝福に感謝の言葉を述べます。神を愛していることを伝えてもよいでしょう。また,わたしたち自身の必要に応じて,助けや守り,導きを願い求めます。

信仰をもって,誠心誠意祈るとき,わたしたちは生活において神の影響を感じるようになります。神は,日々の生活の中でわたしたちを導き,良い判断ができるよう助けてくださいます。また慰めと平安をもって祝福してくださいます。神は危険を知らせ,誘惑に立ち向かう力を与えてくださいます。神は,わたしたちの罪を赦してくださいます。わたしたちは,神を身近に感じるようになります。自分たちの人生に神の導きがあることを認め,御霊の静かな細い声に耳を傾ける力を養わなければなりません。

わたしたちは聖霊が真理を教えてくださるのを認識することができます。聖霊はわたしたちの思いを活気づけ,高めてくださいます。また,心に光を注ぎ,新しい知識を与えてくださいます。心に平安,喜び,愛が生まれます。そして善を行い,人々を助けたいと思うようになるのです。このような気持ちを表現することは難しいものですが,経験すれば分かるようになります。

聖文研究

招き

  • 個人として,また家族として,毎日ひざまずいて祈っていただけますか。

聖文を研究する

聖文とは,神が御自身の子供たちと交わられた記録であり,預言者たちが聖霊の導きによって記録したものです。わたしたちは神が啓示された言葉を研究し,信じ,従うことによって信仰を表します。わたしたちは真理を理解するために,熱心に聖文を調べます。神の御言葉をよく味わうのは,聖文が啓示への扉を開いて,わたしたちが何をし,どのような者となるべきかを示してくれるからです。聖文を調べるのは,イエス・キリストとその福音について知るためです。イエス・キリストを信じる信仰は,神から与えられる賜物です。この賜物は,神の御言葉と福音を研究し,実践することによって与えられます。教会により承認された聖文には,聖書,モルモン書,教義と聖約,高価な真珠があり,これらは標準聖典とも呼ばれます。わたしたちはこれらの聖なる書物,とりわけモルモン書を,毎日研究する必要があります。モルモン書はイエス・キリストについて,また主の教義が真実であることを証してくれます。

聖文研究

招き

  • 個人として,また家族として,毎日聖文を読んでいただけますか。

安息日を聖く過ごす

安息日を聖く保つことは戒めです。神はこのように宣言されました。「安息日を覚えて,これを聖とせよ。」(出エジプト20:8)安息日の行動は,神を敬い,礼拝する決意の表れです。わたしたちは安息日を聖く過ごすことによって,聖約を進んで守ることを神に証明するのです。わたしたちは毎週安息日に,教会へ行って礼拝します。教会にあって,教会員は聖餐を受け,イエス・キリストとその贖罪を思い起こすのです。聖餐を受けることで,わたしたちは聖約を新たにし,罪と過ちを進んで悔い改めることを示すことができます。

安息日には,仕事を離れて休息を味わいます。教会の集会に出席して,ともに礼拝することにより,互いに強め合います。友人や家族と交わることによって,新たな活力を得ます。聖文を研究し,回復された福音の知識を深めることによって,信仰が強められます。

人々が,安息日の過ごし方を気にかけなくなるとき,地域社会や国は宗教的に腐敗し,生活のあらゆる面に悪い影響が出てきます。安息日を聖く過ごすことに結びついた祝福が失われるのです。安息日には買い物を控え,商業活動やスポーツなど,安息日を普通の日と思わせるような活動に参加しないようにします。

その代わり,わたしたちはこの聖なる日を世の活動から離れる日として取っておくべきです。礼拝や感謝,奉仕の精神を持ち,安息日にふさわしい活動を家族や友人とともに行います。安息日に,主の御霊を受けるにふさわしい活動をしようと努めるなら,教会員は喜びと平安を豊かに受けるのです。安息日を聖く保つなら,それは「喜び」の日(イザヤ58:13-14参照),霊的な活力を回復する時となります(出エジプト31:17参照)。また天の御父と,救い主,贖い主であられるイエス・キリストへの愛と献身を表すしるしとなるのです。

聖文研究

教会で教えている人々や会員とともに座る

聖餐会やステーク大会に出席するとき,宣教師は同僚とともに,教えている人々や最近改宗した人,会員たちと一緒に座ります。ほかの宣教師たちと集まって座るべきではありません。

招き

  • 安息日を聖く保っていただけますか。

  • ふさわしい状態で聖餐を受けられるよう,備えていただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • 毎週聖餐を受け,人々に奉仕することを含め,安息日についてどのように理解していますか。あなたは(バプテスマを受ける前にも後にも),これらの標準に進んで従いますか。

バプテスマと確認

わたしたちはバプテスマと確認を通して,神の道に入りたいと望んでいることを示します。バプテスマと確認を受けるとき,わたしたちはイエス・キリストの御名を受け,いつも御子を覚え,御子の戒めを守ることを神と聖約します。また,いつでも神の証人になり,困っている人々を助けることを約束するのです(モーサヤ18:8-9参照)。これに対し,神は約束を果たしてくださいます。聖霊を常に伴侶とし,罪の赦しを受け,新しく生まれることができるようになるのです。

招き

  • バプテスマと確認を受けていただけますか。

  • バプテスマ会に出席するよう,友人や家族を招待していただけますか。

可能であれば,だれかのバプテスマ会,また確認の儀式が行われる聖餐会に,教えている人々を招待してください。

該当するバプテスマの面接の質問

  • すべてのバプテスマの面接の質問

バプテスマへの招き

御霊に導かれるまま,バプテスマと確認を受けるようにとの招きは,次のように具体的かつはっきりとしたものでなければなりません。 「イエス・キリストの模範に従って,神の神権の権能を持つ人から,バプテスマを受けていただけますか。(日付)にバプテスマ会を開く予定です。この日にバプテスマを受けられるよう,備えてくださいますか。」

預言者に従う

真理とは,現在ある,過去にあった,また未来にあるとおりの物事についての知識です。真理は,状況や時間に左右されません。真理は,どの時代や文化にあっても変わらないのです。神は,あらゆる真理の源であられます。わたしたちが神に信仰を抱くことができるのは,神が真理だけを教えてくださると知っているからです。神は,御自分のすべての子供たちに真理を知らせたいと望んでおられます。このために,神は預言者と使徒を通して救いに必要な真理を明らかにしておられるのです。神は聖文と個人の啓示を通して,わたしたち個人に真理を示してくださいます。

預言者は神から召され,選ばれた義にかなった人で,深い信仰を持っています。主は聖霊を通して預言者に真理を明らかにされます。主は,真理をあらゆる人に教えるよう預言者に命じておられます。預言者を通して明らかにされた神の御言葉を信じる人は,祝福を受けます。

キリストの教会は使徒や預言者という土台の上に建てられています。使徒や預言者は,啓示によって教会を導きます。主はジョセフ・スミスを,この最後の神権時代の最初の預言者として,また頭として召されました。今日,末日聖徒イエス・キリスト教会を導いているジョセフ・スミスの後継者たちも,預言者であり,使徒です。教会の現在の大管長は,生ける預言者です。わたしたちは,神が選ばれた預言者を信じる信仰を持ち,預言者が神から召されていることを確信し,その教えに従わなければなりません。

わたしたちは,教会の指導者を公に支持する機会がしばしばあります。支持するとは,思いと言葉と行いをもって支えることです。わたしたちは自らを備える必要があります。そうすることで,預言者や使徒が語るときに,彼らの教えが真実であることを聖霊が確認してくださり,彼らの勧告に従う決意ができるようになるのです。

生ける預言者と使徒の勧告に耳を傾けて従う人は,正しい道から外れることがありません。生ける預言者の教えは,価値がめまぐるしく変わる世にあって,永遠の真理の錨となります。わたしたちが惨めで悲しい状況を避けられるよう助けてくれるのです。世の混乱と争いに圧倒されることなく,神の御心に従っているという確信をもって生活することができます。

聖文研究

招き

  • 地元の教会のビショップに会えるよう,わたしたちと一緒に来ていただけますか。

  • 教会の指導者の勧告を支持し,従っていただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • あなたは〔現在の教会の大管長〕が神の預言者であることを信じていますか。そのことはあなたにとってどのような意味がありますか。

十戒を守る

天の御父は,わたしたちに戒めをお与えになります。それは,わたしたちが何を行い,何を避けるべきか知り,御父が与えたいと望んでおられる祝福(喜び,良心の安らぎ,永続する幸福など)を受けられるようにするためです。神はモーセに,民を導くための十戒を授けられました。

この十戒は,今日にあっても有効です。十戒は神を礼拝し,敬うよう教えています。また,わたしたちが互いにどのように接したらよいかを教えています。

なにものをも神としてはならない

多くの文化には,神や先祖を思い起こす物を所有したり,それらに敬意を表したりする習慣があります。像や宗教上の象徴,小型の祭壇なども,礼拝の対象となることがあります。主は偶像を礼拝することのないよう命じておられることを,教えている人々が理解できるよう助けてください。礼拝や祈りの対象とする物を,家庭から取り除くよう勧めます。天の御父とイエス・キリストに信仰を向けて,礼拝するよう助けるのです。回復されたイエス・キリストの福音は,生けるキリストを中心としていることを教えてください。

主は,回復された福音において,わたしたちが主を覚えるための方法を教えておられます。わたしたちは祈り,断食し,教会に出席し,聖餐を取り,神殿に参入することを通して,主を思い起こします。特定のエリアに関しては,伝道部会長の指示を仰いでください。

聖文研究

招き

  • 十戒を守っていただけますか。

純潔の律法に従って生活する

主は純潔を喜ばれます。純潔とは,あらゆる性的な関係を一人の夫(女性の場合),あるいは一人の妻(男性の場合)との間にとどめることを意味します。結婚前の性的な関係を厳格に慎むこと,また結婚後は,伴侶に完全な貞節と誠実を誓うことでもあります。純潔の律法に従って生活している人々は,自制のもたらす強さを得ることができます。家族関係にあって自信を持ち,信頼を得ることができます。また生活の中で,いっそう聖霊の影響力を感じられるようになります。この律法を破る人々は,長らく羞恥心や罪悪感にさいなまれ,人生において重荷を負うことになります。

純潔であるには,思いと行いが誠実でなければなりません。思いを清く保ち,服装や,言葉遣い,行動において慎み深くあることが求められます。どのような形であれ,ポルノグラフィーを避けなければなりません。神から与えられた生殖の力と,わたしたちの体を,神聖なものとして扱う必要があるのです。性的な関係は神が授けてくださった力によるものであり,子供をもうけ,結婚した夫婦間のきずなを強めることを可能にしてくれるものです。

同性にひかれることがある人々も,同じように純潔の律法を守り,神との聖約を交わすべきです。同性にひかれる経験,あるいはゲイ,レスビアン,バイセクシャルと自認すること自体は罪ではなく,それによって教会への参加や召しを受けること,神殿参入を禁じられることはありません。

バプテスマ志願者は,純潔の律法を守っていなければなりません。これは,法的に結婚している一人の男性と一人の女性間を除き,あらゆる性的な関係を禁じるものです。堕胎や,同性愛にかかわることも認められません。御自分の子供たち皆を愛しておられる神は,イエス・キリストを通じて愛の手を差し伸べてくださいます(ローマ5:8参照)。性的な罪を犯した人々にも悔い改めと赦しへの道が開かれており,幸福に暮らすことができるのです(2ニーファイ5:27参照)。

同棲生活を送っている男女

一緒に住んでいながら,結婚していない男女は,前もって結婚するか,住む所を別々にしなければ,バプテスマを受けることができません。また,同性結婚や同性愛関係にある人,同時に複数の人と婚姻関係にある人は,バプテスマを受けられない可能性があります。純潔の律法に従って生活するようにとの招きが,教えている人々にとって非常に困難な課題となる場合もあるでしょう。祈りをもって,個々の状況に配慮してください。相手の名誉を傷つけ,非難するような状況を避けるため,性的な行為に言及する際は細心の注意を払い,御霊の促しに従いましょう。個々のケースについては,伝道部会長に助言を求め,具体的な指示を受けてください。

聖文研究

招き

  • 純潔の律法に従って生活していただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • 法的に結婚をした一人の男性と一人の女性間の結びつき以外のあらゆる性的関係を禁じる純潔の律法について,どのように理解していますか。あなたは(バプテスマを受ける前にも後にも),この律法に進んで従いますか。

  • これまで堕胎にかかわったことはありますか。あなたは過去に,同性愛にかかわる背きをしたことがありますか。〔注:どちらかの質問に「はい」と答えた人は,バプテスマを受ける前に伝道部会長の面接を受けなければなりません。〕

知恵の言葉に従う

主は預言者ジョセフ・スミスに,知恵の言葉と呼ばれる,健康の律法を啓示されました。この律法は体を健康に保ち,悪の影響力から逃れるために,取るべきものと取るべきではないものについて教えています。これを守る人は,健康と強さが祝福され,悪から守られ,霊的な真理に対して深い理解力を授かると,主は約束しておられます。

わたしたちの体は,神聖なものだということを忘れてはなりません。わたしたちは自分の体を大切にし,敬わなければならないのです。知恵の言葉は,健康に良い食物を取るよう教えています。はっきりと具体的に,アルコールやたばこ,茶,コーヒーといった有害な物質を避けるように教えているのです。また,どのような形であれ,有害な薬物も取ってはなりません。あなたの教えている人たちがバプテスマと確認を受けるためには,以上の物質を取ることをやめなければなりません。知恵の言葉に従う人々は,霊的な真理を受け入れやすくなるのです。

伝道地の文化で許容されているそのほかの特定の物質が,知恵の言葉の禁止事項に該当するかは,伝道部会長が質問に応じてくれます。

依存症を克服する

依存症を克服するのに苦労している人々を助ける最善の方法は,彼らを地元の神権指導者に紹介すること,また教会の『依存症立ち直りプログラム』ウェブサイトを十分に活用するよう促すことです。教会のProvident Living(賢明な生活)ウェブサイト上にあるリソースにアクセスするよう,地元の教会指導者に勧めてもよいでしょう。以下の提案は,とりわけ知恵の言葉に応用するものですが,その他の依存症に合わせて活用することも可能です。

  1. キリストのもとへ向かおうとする人々の取り組みを支える。回復と癒しへ向けた彼らの努力が,イエス・キリストとその贖罪を通して強められている(あるいは今後強められる)ことを理解できるように助ける。

  2. いつから,どのような方法で知恵の言葉を守るか,目標を立てられるように人々を助ける。

  3. 彼らが知恵の言葉を守れるよう,個人的に祈り,本人と一緒にいるときにも祈る。

  4. 失敗しても,必ずできるという態度で励ます。

  5. 引き続き福音を教え,祈りと信仰を通して力を得る方法を教える。

  6. 彼らが普段から教会の集会に出席し,知恵の言葉を守る人々,同じ依存症を克服した人々と親しくなれるように助ける。

  7. 適切であれば,神権の祝福を授けることを申し出る。

  8. 有害な物質を,家に置かないように勧める。

依存症を克服しようとする人々を助けることに関しては,第10章を参照してさらなる指示を確認してください。

聖文研究

招き

  • 知恵の言葉に従って生活していただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • 知恵の言葉についてどのように理解していますか。あなたは(バプテスマを受ける前にも後にも),知恵の言葉に進んで従いますか。

什分の一の律法を守る

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になることで受ける大きな祝福の一つは,什分の一を納めることによって,神の王国の発展に寄与できるという特権です。什分の一は,古代から実施されていた神聖な教えです。例えば,旧約聖書の預言者アブラハムは,全財産の10分の1を納めました(アルマ13:15参照)。

什分の一を納める者たちに,主は「天の窓を開いて,あふるる恵みを,あなたがたに注ぐ」と約束しておられます(マラキ3:10)。こうした祝福が物質的なものであるか,霊的なものであるかは分かりませんが,神の定められたこの律法に従う人々には,必ず与えられるものです。

什分の一とは,文字どおり10分の1を意味します。わたしたちが祝福を受けられるように,主は産物,すなわち収入の10分の1を納めるよう,わたしたちに命じられました。わたしたちは什分の一を通して,主の王国の建設を助ける機会を与えられます。什分の一は神聖なものであり,什分の一を納めることで,わたしたちは主を敬っていることを示すのです。神は,正直に什分の一を納める人を豊かに祝福すると約束しておられます。什分の一を納めない人は,神のものを盗んでいます(マラキ3:8参照)。本来主に属するものを,自分の所有物としているからです。わたしたちは,まず神の国を求めなければなりません。什分の一は,それを実行するための大切な方法なのです。什分の一を納めることは,信仰の表れです。神と神の業に対する信仰を,目に見える形で表すということなのです。

什分の一基金は,教会で現在行われている活動を支えるために使われます。神殿および集会所の建設とその維持や,世界中に福音を広めること,神殿や家族歴史活動の実施など,世界中で行われている多くの活動がこれに当たります。地元の教会指導者に什分の一が支払われることはありません。どのような形の報酬も受け取ることなく,ボランティアで奉仕しているのです。

地元の教会指導者は,受け取った什分の一を毎週教会本部に送金します。神聖な什分の一基金を使う具体的な方法を決めるのは,大管長会,十二使徒定員会,管理ビショップリックで構成される評議会です。

聖文研究

什分の一

信仰

招き

  • バプテスマを受けた後,什分の一の律法に従っていただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • 什分の一についてどのように理解していますか。あなたはこの律法に進んで従いますか。

断食の律法を守る

断食をするようにとの神の戒めを守る人は,大いなる祝福を受けます。断食とは,一定の時間飲食を断つことです。通常,毎月第1日曜日が断食のための特別な日に定められています。人々は続けて2食を断ち,祈り,証を述べます。断食と祈りは表裏一体のものです。信仰をもって断食し,祈るなら,祈りの答えを受けやすくなります。 そして,主の祝福を敏感に感じることができるようになるのです。主は,絶えずわたしたちを導いてくださることを約束しておられます。具体的な目的をもって断食し,祈るべきです。断食は個人的かつ霊的な行為であり,その行為自体に気を取られてはなりません。

真の信心とは,貧しい人々に関心を寄せることでもあります。彼らが物質的,また霊的な必要を満たすことができるよう助けなければなりません。断食するとき,わたしたちは貧しい人や困っている人々を助ける目的で教会に献金します。これを断食献金と呼んでいます。少なくとも,2食を断つことによって出費しなかった金額をささげます。これは,2食分の食費以上の金額を払ってはならないということではありません。家計の許すかぎり,惜しみなくささげるよう勧められています。わたしたちは貧しい人々の世話をすることにより,バプテスマの聖約を果たし,罪の赦しを保つことができるのです。

聖文研究

断食

貧しい人の世話をする

招き

  • 次の断食日曜日に,何か特別な目的をもって断食し,祈っていただけますか。

  • (バプテスマを受けた後)断食献金を惜しみなく納めていただけますか。

什分の一と献金を納める方法

什分の一と献金は,自発的かつ個人的に納めるものです。会員は,収入を得た際に什分の一を納めるよう勧められていますが,本人の希望により,年に1度まとめて納めることも可能です。会員は,ビショップリックの一員,あるいは断食献金を受け取るよう割り当てを受けたアロン神権者に直接,断食献金基金への献金をすることができます。会員は,献金票に必要事項を記入して献金します。献金票はビショップリックから受け取ることができます(断食献金とは異なり,什分の一の献金はビショップリックの一員にのみ手渡すべきである)。黄色の用紙は手もとに残し,白の用紙と献金を用意された封筒に入れて封をします。この封筒を,ビショップリックの一員に渡します〔訳注—日本では会員直接献金制度を実施しているため,別の献金票を使っています。直接,献金するのが難しい場合は,献金だけビショップリックの一員に渡してください〕。そのほか,会員は個人の教会アカウントを使ってオンライン献金をすることもできます。こうした献金は,神聖なもの,主に属するものと見なされます。ビショップリックの一員と書記の一人が,細心の注意を払い,情報を内密に保ちながら,すべての献金を処理します。

会員は毎年,年末にビショップから什分の一面接を受けて,什分の一を正直に納めたかどうかを申告します。この個別面談で,会員は自分のすべての献金に関する年度末報告書を受け取ります。財政に関する情報は,すべて内密に扱われます。

什分の一と献金を納める方法を教える

什分の一の献金票を見せて,その使い方を説明してください。改宗者がバプテスマを受けた後は,献金票に記入できるよう助けるか,オンライン献金の方法を教える必要があるでしょう。

法律を守り,敬う

あらゆる地の末日聖徒は,自分が住んでいる国の法律に従うべきことを信じています。教会員は,善良な市民となり,市や国の政治活動に参加し,地域社会で奉仕するよう勧められています。しかしながら,それは関心を持つ一市民として行動するものであって,教会を代表して行うものではありません。

聖文研究

招き

  • あなたが住んでいる国の法律を守っていただけますか。

該当するバプテスマの面接の質問

  • あなたは過去に重大な犯罪にかかわったことがありますか。もしあれば,現在執行猶予中または仮釈放中ですか。〔注:どちらかの質問に「はい」と答えた人は,バプテスマを受ける前に伝道部会長の面接を受けなければなりません。〕

活動

このレッスンで採り上げられている一つ一つの戒めについて,戒めを守る人に与えられている主の約束を聖典の中から書き出します。自分の生活の中で約束が実現したときのことを,学習帳に記録してください。