伝道部の召し
8:時間を賢明に使うにはどうしたらよいでしょうか


「8:時間を賢明に使うにはどうしたらよいでしょうか」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—伝道活動のガイド』137-154

「8 時間を賢明に使う」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』137-154

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時間を賢明に使うにはどうしたらよいでしょうか

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キリストと使徒たち

深く考えましょう

  • 目標を設定することは,より優れた宣教師となるうえでどう役立つでしょうか。

  • 何に焦点を当てて目標を立てるべきでしょうか。

  • 計画に役立つツールや資料にはどのようなものがありますか。それらをどのように利用すればよいでしょうか。

  • 『エリアブック』はなぜ大切なのでしょうか。

  • 毎日および毎週開く計画会は,どのように進めたらよいでしょうか。

  • 目標と計画が主の業を推し進めるのに役立っているかどうか,どのように判断すればよいでしょうか。

あなたは指定されたエリアで主の業を果たすよう割り当てられています。主はあなたが愛と大いなる関心をもってそのエリアを見守るよう望んでおられます。あなたの目的は,信仰,悔い改め,バプテスマと確認,最後まで堪え忍ぶことを通して主のもとに来るよう人々を助けることです。

赴任したときよりも良い状態にしてそのエリアを離れられるよう,全力を尽くしてください。主が求めておられることを成し遂げるには,有意義な目標を設定し,入念な計画を立てる必要があります。担当するエリアの人々に関心を寄せることで,主と伝道部の指導者に対する責任を果たすことができるのです。

宣教師の召しの手紙にはこう記されています。「あなたは個人的な事柄をすべて後にして,主に仕えるために時間を注ぎ,注意を傾けるよう期待されています。このようにするなら主の祝福があり,イエス・キリストの福音の回復および真理に対する知識と証を増し加えられることでしょう。」本章では,目標を設定し,計画を立て,報告責任を果たすことが,多くの人が回復された福音を受け入れるうえでどう役立つかを説明します。

活動:個人学習または同僚との勉強会

モルモン書ヤコブ5:11-13,61-64,74-75を読んで,以下の質問に答えてください。

  • 主は御自分の子供たちのことをどう思っておられるでしょうか。

  • 主は僕たちにどのような働きを求めておられるでしょうか。

人々を改宗に導くためのキーインディケーター

あなたは恐らく,数ある務めの中で何がいちばん重要なのだろうかと悩んだことがあるでしょう。この疑問に答えるには,自分の目的を理解し,効果的に時間を使うことが目的を果たすうえでどう役立つかを知らなければなりません。

あなたの目的は,キリストのもとへ来るよう人々を招くことです。そのために人々がイエス・キリストと主の贖いを信じる信仰,悔い改め,バプテスマ,聖霊の賜物を受けること,そして最後まで堪え忍ぶことによって,回復された福音を受け入れるよう助けます。教会指導者はキーインディケーターを設け,あなたがこの目的に焦点を当てられるよう助けています。これらの指標に集中するなら,あなたは人々がバプテスマと確認を受け,活発な会員として生活し,真の改宗に向かって歩めるよう助けることができます。

キーインディケーターの記録と報告

  • バプテスマと確認を受けた人

  • バプテスマの日を決めた人

  • 聖餐会に出席した人

  • 新しく教えている人

これらの指標は,人が真の改宗をするために必要な経験や状態を示しています。以下は各キーインディケーターの説明です。

バプテスマと確認を受けた人—バプテスマと確認の儀式を受けた各改宗者。

バプテスマの日を決めた人—具体的に日付を決めてバプテスマと確認を受けることに同意した各個人。

聖餐会に出席した人—あなたが教えている(バプテスマを受けていない)人の中で,聖餐会に出席した各個人。

新しく教えている人— レッスンを受け,次回の具体的な約束も受け入れた(バプテスマを受けていない)人の合計人数。レッスンには通常,(適切であれば)祈り,少なくとも一つの福音の原則またはテーマを教えること,および適切な招きを行うことが伴う。

目標を設定し,計画を立てる際,これらのキーインディケーターの各項目に表される人々の数をどのように増やせるかという観点から,自分の働きを評価します。キーインディケーターのすべての項目の数を増やすことを目標としなければなりません。

キーインディケーターに挙げられている項目以外にも,あなたは街頭伝道や個人学習,同僚との勉強会など多くのことを実行します。これらの重要な活動は,一つ以上のキーインディケーターに反映されます。例えば,自分たちの努力で見つけた人を教えるなら,教える人々の輪に新しい人を加えることになります。また,個人学習と同僚との勉強会の質を向上させることによって,御霊によって教える能力が高められ,教えている人々に祝福をもたらす結果となるのです。ファインディングやティーチングの力は,キーインディケーターのすべての項目に影響を与えます。これらの項目に該当する人々の数を増やすことにつながるか考慮して,自分のすべての働きを評価してみましょう。同僚と行おうとしている伝道活動が,一つ以上のキーインディケーターの項目に表される人々の数を増やすことにつながらないようであれば,そうした活動に時間をかける価値があるか問いかける必要があります。

活動:同僚との勉強会

宣教師として過去3日間に行ったすべての活動を学習帳に書き出してください。それぞれの活動が,一つ以上のキーインディケーターに影響を及ぼしているかどうか考えます。もし影響を与えていれば,横に「はい」と記入します。影響を与えていなければ,「いいえ」と記入します。「はい」と記した活動について,それぞれどのような影響をもたらしてくれたのか書き留めます。「いいえ」と記した活動について,どのような理由からそれを実施したかを考えて,今後もその活動を続けるかどうかを決めます。作成したリストについて同僚と話し合い,それぞれ「はい」または「いいえ」と記入した理由を説明してください。中止すべき活動があれば,それについて話し合ってください。

『エリアブック』と計画・報告ツール

モロナイはバプテスマと確認によって教会に加わった当時の人々について次のように教えました。「その名が記録された。それは,彼らが覚えられ,神の善い言葉で養われ,そして彼らを正しい道にとどめるため……である。」(モロナイ6:4

あなたには教える人々の大切な情報を記録するためのツールが与えられています。また以下の図のように,これらのツールによって,必要とする人々にそれぞれ適切な情報を伝えることができます。計画ツール,電子メール,ソーシャルメディア,メモ,その他のやり取りにある情報を記録したり,伝えたりする際には,次のように自問します。

  • 自分について,ほかの人々にこのような情報が伝えられたら,どのように感じるだろうか。

  • この情報を記録する,または伝えるとして,わたしは自分が働くエリアにかかわる教会の方針およびデータプライバシーの規律に従っているだろうか。

各フォームおよび記録に関しては,あなたのエリアにおける教会のデータ保持およびプライバシーポリシーに則ってください。

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情報のピラミッド

伝道活動に必要とされるこれらのツールとすべての情報は,『エリアブック』と『宣教師デイリープランナー』に収められています。一部の伝道部では印刷された『エリアブック』およびプランナーが使われていますが,デジタルツール内でそれらが利用可能となっている伝道部もあります。どちらを利用するにせよ,目標を設定し,計画を立て,情報を報告し,報告責任を持つという各原則は同じです。

「エリアブック」

印刷された『エリアブック』の構成は以下のとおりです。

  • 伝道エリアマップ

    • 伝道エリアマップは,各伝道エリアの境界線を示す地図です。

  • 『進歩状況報告書』

    • 『進歩状況報告書』フォームは,伝道調整集会およびワード評議会の場で,キーインディケーターを報告し,ワードおよびステークの指導者たちとともに自分たちの働きを調整する際に用いられます。

  • バプテスマと確認の日を決めた人

    • 『レッスン記録』のフォームは,教えている人々の進歩に関して適切な情報を記録するのに役立てるものです。

  • レッスンを受けている人

    • 『レッスン記録』フォーム

  • 興味を持っている人

    • 『興味を持っている人』のフォームは,あなたがコンタクトを取った人,あるいはリフェローのフォームを受け取った人々の記録を残すためのものです。

    • メディアによるリフェローおよびその他のリフェローとは,教会のメディアまたはその他教会の資料を見た後に宣教師にリフェローされた個人,あるいは教会員からリフェローされた個人を指します。

  • レッスンを受けていた人

    • 『レッスン記録』フォーム

  • 最近の改宗者および戻りつつある会員

    • 『レッスン記録』用紙

    • 『新会員および戻りつつある会員の進歩状況』フォームは,新しい教会員および教会に戻って活発となった人々の進歩を記録するフォームです。

  • ワードおよび伝道部の情報

    • ワード住所録

    • ワードの召しの一覧

    • ワードおよび宣教師の集会スケジュール

    • パートメンバーの家族の一覧

    • ディストリクトまたはゾーン内の宣教師住所録

  • リーダーシップ

    • 『キーインディケーターの週間・月間報告』は,デジタルツールまたは宣教師ポータルを使い,各同僚組が求められる情報を毎週提出するためのものです。

    • 『宣教師週間報告書』フォームは,教えている人々の進歩状況および伝道部会長に伝えておきたい個人的な事柄を簡潔に分かち合うためのものです。この手紙を読むのは伝道部会長だけですから,率直な思いを書きましょう。

  • エリアの情報

    • アパートの情報

    • 公共の交通機関

    • 床屋/美容院

    • クリーニング店

    • 買い物ができる場所

    • 避けるべき場所

    • コンタクトすべき人々

『エリアブック』(印刷版またはデジタル版)

すべての伝道エリアには『エリアブック』(印刷版またはデジタル版)があります。これは宣教師の毎日の働きを記録しておくものです。重要な情報を日々更新しておき,毎週の週間計画会で参照します。今後赴任する宣教師たちがあなたの霊感あふれる奉仕を基盤とできるよう,丁寧かつ正確に記録し,最新の状態に保ってください。求められた場合には,面接やゾーン大会,伝道部リーダーシップ評議会に『エリアブック』を持参してください。 伝道部指導者は『エリアブック』を検討し,最も効果的な活用方法を指導してくれます。

宣教師デイリープランナー

『宣教師デイリープランナー』には以下の特徴があります。

  • 一日のスケジュールを5週間分記入することができます。6週目は早見表となっています。

  • 月間および週間目標を記入するページ。

  • 計画のための指針の要約。バプテスマと確認を受け,教会に活発であり続けるのに助けとなる事柄のリスト。宣教師のレッスンプラン。教える人を見つけるためのアイデア。バプテスマの面接の質問。

  • コンタクトに関する情報,会員およびレッスンを受けている人々の住所,メールアドレス,電話番号を記入する欄。あなたの伝道部における教会のデータ保持およびプライバシーポリシーに従いましょう。

  • 週および月ごとの結果を記録しておくための,キーインディケーターの週間・月間の結果を記入するページ。各同僚組は,宣教師ポータルまたはデジタルツールにアクセスし,この情報を記録しておく必要があります。

週間計画会の間,あなたは宣教師デイリープランナーにある月間および週間目標・計画ページに,月間および週間目標を記入します。プランナーのこのページを活用し,以下を行ってください。

  • キーインディケーター(おもな指標)それぞれに対する週間目標,バプテスマと確認を受ける人々に関する月間目標を記入する。

  • 実際の週の結果を記録する。新しく教えている人に関する一日の結果は,日々のスケジュール欄に記します。各週の合計は,月間および週間目標・計画ページに転記してください。

  • バプテスマと確認に向けて進歩を続ける見込みの高い人々(教会に出席し,モルモン書を読み,バプテスマの日付を決めているなど)に関して,望ましい結果を得られるように,目標を設定して記録する。

  • そのほか個人および同僚との目標を記入する。

毎日計画を立て,働く際には一日のスケジュールを活用します。このページを活用して以下を行ってください。

  • ティーチング・アポイントメント,集会,ファインディングの活動を記録する。予備の計画を含め,一日中有意義な活動ができるよう計画してください。

  • 実行すべき事柄(電話,コンタクトする人々,レッスンの準備,決意のフォローアップなど)をリストアップし,ティーチング・アポイントメントに備えて研究する予定の内容を書き出す。

  • 新しく教えている人に関して,一日の目標と実際の結果を記録する。

目標の設定方法

目標は,心の望みと達成可能なビジョンを反映するものです。心の望みは目標と計画を通して行動へと変わります。目標設定と計画は信仰に基づくものです。祈りをもって,「すべての国民〔に教え〕,父と子と聖霊との名によって,彼らにバプテスマを施し〔なさい〕」と命じられた救い主の戒めと調和した目標を設定してください(マタイ28:19)。

キーインディケーターの各項目に対する目標を設定します。個人の成長に対する目標を設定してもよいでしょう。人々の選択の自由を尊重しながら,目標を達成するために全力を尽くしてください。目標を達成することだけでなく,あなたがどのような奉仕を行い,人々がどのような進歩を遂げたかということが,成功を見極める究極的な尺度となります。目標とは,天の御父の子供たちに多くの善いことをもたらすための手段であって,称賛を受けるための手段であってはなりません。

慎重に検討した目標は方向性を明確にします。そして一日の大半を,人々が救い主に対する信仰を強め,バプテスマと確認を受け,活発な教会員へと進歩するよう助けるための活動に費やすことができます。やりがいのある目標は,宣教師が効果的に働き,能力を最大限に発揮し,成長するうえで役立ちます。目標を設定する際は,以下の指針に従ってください。

  • 御霊に従う。

  • 改宗へと導くキーインディケーターを念頭に置きつつ,人に焦点を当てる。

  • 統計上の数字は重要だが,可能なかぎり数字と人々の名前が結びつくようにする。

  • 具体的かつ現実的でありながらも,自分の能力を最大限に発揮できるような目標を立てる。

  • 一日の目標,週間目標,月間目標を立てる。キーインディケーターに関する目標は,宣教師ポータルまたはデジタルツールにより報告する。

  • 個人学習と同僚との勉強会の目標を立てる。もし外国語を学んでいれば,言語の習得を目標に含める。

  • 日,週,月単位で自分の進歩を測る。目標に達していなければ,努力した内容を検討してから,改めて目標を達成する方法を見つける。必要であれば,目標に修正を加える。

時間をかけて,伝道部会長はあなたのビジョンを高め,信仰を強める目的で,優秀さの評価基準や伝道部の目標を設けることがあります。ディストリクト,ゾーン,伝道部で設けられた基準は,あなたが最大限に能力を発揮し,効果的に働き,さらにすばらしい働きをするうえで役立ちます。けれども,これらはあなたと同僚に一定の目標を押し付ける形で用いられるべきではありません。

活動:同僚との勉強会

キーインディケーターの各項目に対する週間目標を立ててください。またバプテスマと確認を受ける人々に関する月間目標も決めましょう。一つ一つの目標に対して次のように自問します。

  • それぞれの数字は人々の名前と結びついているだろうか。

  • 目標は具体的だろうか。

  • 目標は現実的だろうか。

  • この目標はわたしたちの能力を最大限に発揮させるものだろうか。

  • わたしたちはこの目標に向かって努力することを決意しているだろうか。

各目標について話し合います。必要であれば,どこを見直し修正すべきか,理由も含めて見極めます。

週間計画会

目標を設定したら,次にどのように達成するかを決めます。あなたと同僚は,福音を伝えるのに成果が上がりにくい日や時間帯を充てて,週間計画会を開くべきです。週間計画会を開く日時は伝道部会長が指定します。この週間計画は,2,3時間以内に収めるようにします。

話し合いでは,人々の必要と彼らの進歩成長を助ける方法に焦点を当てるべきです。週間計画会ではそれまでの目標を見直して,翌週および翌月に向けて新たな目標を設定します。伝道活動のあらゆる面を検討してください。

キーインディケーターの週間・月間報告は日曜の夕べに行うよう推奨されています。キーインディケーターに関する報告を自動的に,あるいは宣教師ポータルを通じて行わない場合は,日曜の夕べに報告するなら,伝道の状況の最新情報を最も正確に伝えることができます。バプテスマと確認は,ほとんどが土曜か日曜に行われるためです。

週間計画会を開く日は,報告日とは別の日に行われることが多いため,10日間を単位として考えながら週間計画会に臨んでください。例えば,週間計画会を木曜に開くのであれば,まず木曜までの目標達成状況を検討し,それから日曜までの達成計画を立てます。次に,翌週の月曜から日曜までの目標を設定し,計画を立てます。日曜の夕べに合計を集計して,1週間の結果を報告します。この時点で,翌週の計画はすでに完成していることになります。計画のための指針を週間計画会に応用する方法を以下に説明します。以下の指針を活用する中で,初めに目標を設定し,それから目標を達成するための計画を立てるというパターンに則っていることがお分かりいただけるでしょう。目標を達成するのに必要とされる具体的なステップが明らかな計画を立てるべきです。

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祈る宣教師たち
  1. 霊感を祈り求める—始めるに当たり,『宣教師デイリープランナー』や『エリアブック』,あるいはデジタルツールといった計画ツールを用意します。祈りによって計画会を始めてください。霊感を求めながら,人々の必要について話し合い,彼らが福音の中で成長できるように奉仕し,助ける方法を計画してください。教えている人々のために具体的に祈ります。祈りがこたえられ,教会に出席する望みを持てるようになるなど,天の御父が人々を祝福してくださるよう信仰をもって祈り求めてください。

  2. 人々が翌週にバプテスマと確認を受けるための目標を設定し,計画を立てる—『レッスン記録』に目を通し,翌週にバプテスマと確認を受ける決意をしている一人一人を確認します。バプテスマの面接やバプテスマ会,確認の儀式のために手配すべき事柄を話し合ってください。『レッスン記録』を基に,バプテスマを受ける予定の人々が苦労している決意事項があるかどうか,また彼らを助ける方法について話し合います。彼らと毎日連絡を取る計画を立てます。また聖餐会で行う確認の儀式をビショップと調整するに当たって,ワード伝道主任をどのように支援できるか話し合います。

  3. バプテスマの日を決めた人々のために目標を設定し,計画を立てる—『レッスン記録』に目を通し,翌週以降にバプテスマを受ける人々を確認します。教える必要のあるレッスンについて話し合ってください。また彼らがバプテスマと確認に備えるに当たって,どのように支援できるか検討します。予定された日にバプテスマを受けなかった人についても話し合います。彼らの必要についてよく考え,検討してください。人々が具体的な日時を目指して進歩し,バプテスマの聖約を交わして確認の儀式を受けられるよう,新たな目標を設定し,計画を立ててください。『レッスン記録』に,これから教える予定の原則と人々に勧める決意事項を記録します。人々がこれらのレッスンを受け,決意を守れるよう助けるために何ができるかを考えてください。

  4. 人々が聖餐会に出席できるよう目標を設定し,計画を立てる—一人一人の『レッスン記録』に目を通し,聖餐会の出席状況について話し合います。聖餐会に定期的に出席している人々については,続けて霊的に鼓舞される経験をするためにはどのような助けが必要かを話し合います。聖餐会に出席したことのない人々,あるいは一度だけ出席した,または時々出席する人々については,その理由について話し合います。例えば,交通手段の助けを必要としているかもしれません。また参加することに不安を抱いているか,教会の礼拝行事についてよく知らないためかもしれません。過去に不快な経験をしている場合もあります。これらの障害を乗り越えるためにどのような助けができるか話し合います。次の聖餐会にどれくらいの人々に出席してほしいか,目標を設定してください。そして彼らを教会へ連れてくる人や,歓迎する人,集会の間に一緒に座る人を計画します。こうした訪問者が参加するクラスを教える定員会や補助組織の指導者,教師と連絡を取る予定を立てます。ビショップに情報を提供してください。ワード評議会が支援できる事柄を『進歩状況報告書』に書き出してください。集会に出席できるよう人々を備えるうえで,あなたが毎日すべき事柄を計画します。

  5. 進歩している人々に教えるレッスンの目標を設定し,計画を立てる—一人一人の『レッスン記録』に目を通し,会員の同席を伴うレッスンを受けた人々について検討します。彼らがメッセージをどの程度受け入れていると思うかを話し合ってください。『レッスン記録』から,人々が守るのに苦労している決意事項や,達成できていない事柄を確認してください。人々が進歩を続けるうえでかかわりを持ち続けることができるように,ワードの会員およびワード評議会をどのように支援できるか話し合います。教えるレッスンの目標を立ててください。とりわけ人々が教会に出席し,モルモン書を学び,祈りをささげるという決意を守ることができるように,また彼らが今後数週間にわたって重要な経験ができるように,目標を設定しましょう。

    一人一人の『レッスン記録』に目を通し,会員の同席なしにレッスンを受けた人々について検討します。彼らは宣教師が自らの努力により見つけた人々かもしれません。神権指導者および補助組織指導者の中で,だれに彼らと親しくなってくれるよう頼めるか話し合います。今後教える予定のレッスンと,彼らが守れるように助ける決意事項を検討してください。今後のレッスンについて,また会員に参加してもらう方法,聖餐会に出席できるよう人々を助ける方法などについて目標を立てます。これらの目標を『レッスン記録』に記録し,必要な計画を立てます。

  6. そのほか教えている人々全員に教えるレッスンの目標を設定し,計画を立てる—『レッスン記録』から,進歩していない一人一人について検討します。彼らがなぜ決意事項を守っていないのか話し合います。こうした人々と親しくなってもらううえで,どのように神権指導者や補助組織指導者の助けを得ていくか検討します。項目5で提案されている事柄をここでも話し合ってください。人々が進歩できるよう助けるための目標と計画を立てます。これらの目標を『レッスン記録』に記録します。

  7. 会員,宣教師,教会本部その他からリフェローで寄せられた人とコンタクトし,教える目標を設定し,計画を立てる—『興味を持っている人』のフォームを確認します。リフェローで寄せられたすべての人を確認し,まだコンタクトしていない人がいないか確かめます。1週間のうちにできるだけ多くのリフェロー,可能であれば全員にコンタクトするための目標を設定し,計画を立てます。可能なかぎり,リフェローは24時間以内にコンタクトするべきです。さらなる情報を得,力を合わせて働く方法を計画できるように,リフェローを提出した人と連絡を取りましょう。個人や家族一人一人に対して,どのように接触し,どのようなメッセージを伝えるか話し合います。教会本部からのリフェローについては,その人が請求したビデオ,書籍,その他の資料を使って福音のメッセージを教える方法を検討してください。請求された資料が手もとにあることを確かめます。適切であれば,リフェローの相手に電話する,あるいは携帯メールを送り,約束を作ります。どのようなフォローアップを行うべきか話し合ってください。

  8. 会員や教えている人々からさらに多くのリフェローを受けるための目標を設定し,計画を立てる—訪問できる人々を祈りによって見つけます。彼らが友人や家族に回復された福音について学ぶよう勧めるに当たって,宣教師としてどのように助けたらよいか計画します。伝道活動に参加するよう彼らを招く方法を話し合いましょう。約束を作り,必要な計画を立てます。

  9. 最近の改宗者と戻りつつある会員に教えるレッスンの目標を設定し,計画を立てる—『レッスン記録』から,あなたが教えている最近の改宗者と戻りつつある会員一人一人を検討します。今後教えるレッスンについて目標を設定し,計画を立てます。彼らが聖餐会に出席し,そのほかの決意事項を守るよう助ける方法を決めます。

  10. 新たに教える人々を見つけるための目標を設定し,計画を立てる—リフェロー,奉仕の機会,自ら行うファインディングの活動など,新たに教える人々を見つけるために先週どのような働きをしたか検討します。福音を学び始めた人とそうでない人の違いについて話し合い,新たに教える人を今週何人見つけるか目標を立てます。

    福音に興味を示しそうな人々を把握し,訪問したい会員とパートメンバーの家族,訪問予定のリフェロー,奉仕の機会に関する情報を整理します。パスアロングカード,DVD,聖典など,どのようなファインディングのツールを使うか計画します。また人々にコンタクトする場所,1日のコンタクト数,リフェローを尋ねる人々,以前にレッスンを受けていた人々の訪問予定,ワード評議会に要請する支援などについても話し合います。

    残ったすべての時間を,ファインディングの活動に注ぎ,目標を達成できるようにします。主があなたの行く手に置かれる,できるだけ多くの人々と話せるように目標を設定し,計画を立てます。教える人々を見つけるための努力を常に行ってください。

  11. ワード評議会と協力して働く方法を計画する—ビショップは管理役員です。ビショップの権能を敬い,尊んでください。ビショップの指示の下,前回の伝道調整集会やワード評議会で使った『進歩状況報告書』を見直します。ビショップやワード伝道主任から受けている割り当てについて話し合い,達成状況を報告します。ワード伝道主任,神権指導者および補助組織指導者,そのほかの会員に,伝道への参加を促すにはどうしたらよいか話し合います。次回のワード評議会または伝道調整集会に向けて,『進歩状況報告書』を丁寧に準備します。『進歩状況報告書』には,正確な情報を読みやすい字で記し,きれいな状態に保ちましょう。ワードの指導者たちと一致して働く目標を設定し,計画を立てます。できれば,出席するワードの指導者に『進歩状況報告書』を配付します。デジタルツールが使用されている伝道部の場合,ワード指導者は『進歩状況報告書』の電子版を自動的に利用できるようになっています。

  12. 定期的に開かれる集会の予定を組む—ディストリクト評議会,ゾーン大会,伝道部リーダーシップ評議会,面接,教会の集会など,定期的に開かれる集会の予定を『宣教師デイリープランナー』またはデジタルツールに載せます。各集会までに果たすべき割り当てについて話し合い,それらを「メモ/行動リスト」に書き加えてください。

  13. 同僚関係の評価を行う—週間計画会の最後に,個人の目標で適切なものを同僚に伝え,達成できるよう助けを求めてください。現在の同僚関係の強みについて話し合いましょう。また同僚間において,一致した働きや従順の妨げとなっている問題があれば,それについて話し合います。意見の不一致を解決してください。相手の長所を互いに伝えます。また,どうすれば改善できるか意見を求めます。必要であれば,二人の関係を改善するための目標を設定します。話し合いは祈りで終えます。

毎日の計画会

毎朝同僚とともに計画会を開きます。毎日の計画会では,週間計画会と同じ原則と指針を適用しますが,もっと簡潔に行います。祈りをもって,個人学習,同僚との勉強会で学ぶレッスンやテーマについて話し合ってください。これらは毎日の計画に役立ちます。一日の目標と計画ページの空欄に,これらのテーマを書き留めておきます。一日のスケジュールを見直して,すべての時間に有意義な活動が予定されていることを確認します。日曜の計画会では,教えている人々の進歩状況を伝道部会長への報告用にまとめ,翌週の目標を最終的に決めましょう。

アパートを出る前に必ず祈ります。一日を通して,自分の立てた目標や計画,スケジュールを見直し,必要に応じて調整を加えてください。「これからどうしようか」と同僚に尋ねずに済むようであれば,しっかりした一日の計画が立てられていると考えてよいでしょう。

報告の責任

報告責任の原則は,神の永遠の計画の基本となるものです。わたしたちは皆,最後の裁きにおいて主の前に立ち,主から与えられた機会を使って何を行ったか報告します(アルマ5:15-19教義と聖約137:9参照)。伝道の報告責任から学べることはたくさんあります。それらは生涯を通じて益となるものです。以下を実行するなら,報告責任の原則によって祝福を受けることができます。

  • 目標を設定し,計画を立てる際は,自分の働きについて伝道部指導者に報告し,また祈りによって主に報告するという意識を持つ。

  • 主から寄せられている神聖な信頼に対して個人的に責任を感じる。

  • 有意義な目標を設定する。

  • 自分の働きを主と伝道部の指導者に率先して報告する。求められるまで待っていてはならない。指導者が頻繁にフォローアップしてくれることを期待しないようにする。自分の働きについて報告したいという望みを持つ。

  • 自分の働きに対するすべての責任を受け入れる。困難な状況に陥っても,進展がみられなくても,決して周りの人のせいにしない。

  • 指導者から学び,改善のための提案を求める。

  • 最善の働きをしたいと望む。

報告するのは伝道を終えるときだけではありません。報告責任の原則は,主から与えられた責任にどのような気持ちで取りかかるかに,また責任に対する考え方や感じ方に影響を及ぼします。 また自分の務めに対する取り組み方や,堪え忍ぶ力にも影響を与えます。伝道中の経験に対するあなたの姿勢は,天の御父と御子に対する愛,神権を尊ぶ気持ちを反映するものです。

個人として,また同僚と一緒に祈り,毎日何を行うべきか霊感を求めてください。主に導きを祈り求めながら計画を実行します。どこへ行き,何を行い,何を言うべきか,御霊の導きを受けられるように,一日中心の中で祈ってください。そして「もっとできることはないだろうか」と自問します。一日の終わりに,自分の働きについて祈りの中で主に報告します。

あなたは週間報告,ディストリクト評議会その他の場で,一週間を通じて伝道部指導者に報告をします。もしあなたが伝道部の指導者であれば,ほかの宣教師からこの情報を受けることになります。単に数字を見るのではなく,宣教師の生活と彼らが教えている人々の生活に関心を示してください。あなたが受け取るこれらの報告や情報を使って,宣教師をコントロールしようとしたり,操ろうとしたりしてはなりません。あなたはこれらのツール(記録や報告書)から得る情報を使って,献身的に働く宣教師たちを称賛し,将来訓練するときに何を行うべきかを理解するのです。

聖文研究f

責任を負うとはどのような意味でしょうか。

報告責任において選択の自由が大切なのはなぜでしょうか。

宣教師と伝道部の指導者はどのように協力すべきでしょうか。

記憶にとどめましょう

  • 宣教師の目的に焦点を当てながら働く。

  • キーインディケーターに基づいて目標を設定する。

  • 目標と計画について熱心に祈る。

  • 人々が信仰を育み,悔い改め,バプテスマと聖霊の賜物を受け,最後まで堪え忍ぶことができるよう,『エリアブック』と『宣教師デイリープランナー』,またはデジタル上の計画ツールを活用する。

  • キーインディケーターの各項目に対して,あなたが能力を最大限に発揮し,信仰を働かせ,効果的に働けるよう助けてくれる目標を設定する。

  • 人々が福音の中で進歩することに焦点を当てながら,週間計画会と一日の計画会を開く。

  • 主と伝道部の指導者に自分の働きを報告する。

研究と応用のためのアイデア

個人学習

  • 「深く考えましょう」に挙げられている各質問の答えを学習帳に一文で記してください。

  • 伝道最終日についてしばらく考えてください。その日を迎えるときに,

    • あなたは宣教師として何を行ってきたと言いたいでしょうか。

    • 何を成し遂げていたいでしょうか。

    • 自分のどのような点が変わったことに気づいてもらいたいでしょうか。

    以上の質問の答えを学習帳に書いてください。これらの目標を達成するために,今何をする必要があるか考えてください。心に浮かんだ計画を書き留めてください。

同僚との勉強会

  • 『エリアブック』を使って以下の質問に答えてください。

    • 記録はすべて最新の情報であり,正確で,読みやすいですか。

    • このエリアに初めて赴任する宣教師が,その『エリアブック』を読んで,人々の霊的な進歩状況,彼らを助けるために今後すべきことを把握することができると思いますか。

    • あなたが新しく教える人々を見つけるために行っている取り組みは,新しく赴任する宣教師の益となるものでしょうか。

    • 『エリアブック』を主に差し出し,どのようにしてこのエリアに暮らす人々を心にかけてきたか報告する自分を思い描いてください。主はあなたの働きを喜ばれるでしょうか。

  • あなたが教えている一人の人物について話し合ってください。『宣教師デイリープランナー』から「バプテスマと確認を受け,活発な会員として教会に定着するうえで助けとなる事柄」のページを開きます。項目を一つ選んで,それを実現させるためにあなたが実行すべき事柄をすべて書き出してください。次に,可能な限り早くそれが実現するように,自分が果たすべき事柄をどのように計画できるか話し合います。

  • 以下のたとえについて同僚と話し合ってください。あなたは毎日どれほど長く釣り糸を水中に垂らしているでしょうか。

    「自分は一日中魚釣りをしていたつもりが,実はほとんどの時間を漁場までの往復,昼食,自分の道具に不平を並べ立てることに費やしている釣り人がいます。わたしたちはそのような人であってはなりません。魚を釣るうえで大切なのは,釣り糸がどれほど長い間水中に垂れているかであって,どれほど長くアパートから出ているかではありません。ある釣り人は12時間家を空けて,そのうち釣り糸を水中に垂らしているのは10時間です。別の釣り人も12時間家を空けていましたが,釣り糸を水中に垂らすのは,わずか2時間です。後者のタイプの人たちは,なぜほかの人のように釣れないのだろうかと思っているかもしれません。

    この原則を,主から『人間をとる漁師』と呼ばれている宣教師に当てはめることができます。宣教師の釣り糸は,アパートを出た瞬間には漁場の水中に投げ入れられていなければなりません。」(Dallin H. Oaks, seminar for new mission presidents, June 20, 2000

ディストリクト評議会,ゾーン大会,および伝道部リーダーシップ評議会

  • 以下の状況から一つを選んで読み上げます。宣教師は小さなグループに分かれて,以下に登場する人々をバプテスマと確認に向かって進歩するうえで助けとなる目標および計画について話し合います。各グループからアイデアを発表してもらいます。

    状況1:あなたは食料配給所で働くラリーとベスに会いました。一度レッスンを教えたところ,さらに詳しく知りたいとのことでした。二人には教会員の知り合いがいません。ベスはクリスチャンですが,ラリーは特に宗教を持っていません。二人は結婚していませんが,同棲しています。ラリーは午後4時から深夜12時まで働き,ベスは昼間働いています。

    状況2:スティーブはすべてのレッスンを受け,月に少なくとも2回は教会の集会に出席しています。彼はジョセフ・スミスが預言者であり,モルモン書が真実であることを信じています。家族は熱心なカトリック教徒で,スティーブが宣教師と会うことを認めていません。

    状況3:ジルは大学生で,教会員の友人がいます。ジルはその友人からあなたと会うように勧められました。あなたはこれまで2回レッスンを教えました。会員である友人は2回とも出席してくれました。ジルはまだ教会に来たことがなく,また大学の勉強で非常に忙しいため,モルモン書を読む時間が取れません。

  • 目標を設定し,計画を立てることによって,人々が以下のいずれかの状態に至るよう助けることができた経験を,宣教師に分かち合ってもらいます。

    • 救い主に対する信仰を強める。

    • 悔い改めて自分を変えることによって,神に近づく。

    • バプテスマと確認の聖約を受ける。

    • 教会に戻って,バプテスマの聖約を新たにする。

  • 宣教師を3つのグループに分け,各グループには大切な任務があることを説明します。各グループに以下の任務から一つずつ割り当てます。

    • 新しい伝道エリアを開く。

    • さらに学ぶ意欲のある人々にモルモン書を紹介する方法について,ゾーン大会で訓練を行う準備をする。

    • 教えている家族がワードに溶け込めるようにする。家族には,8歳と12歳の女の子,16歳の男の子の3人の子供がいる。

    計画時間は8分間あることを伝え,一人の宣教師が毎日の活動を組み込んだ計画を書き留めます。

    各グループに計画を発表させます。各グループの発表を終えるごとに,次のように質問します。

    • 宣教師はそれぞれの状況について何を知る必要があったでしょうか。

    • 有意義な活動を計画していないと,どのような結果を招くでしょうか。計画をまったく立てなかったとしたらどうでしょうか。

    すべての発表が終わってから,次のように質問します。

    • 計画と目標設定は,どのような意味で愛と信仰に基づく行為なのでしょうか。

伝道部会長夫妻と顧問

  • ゾーン大会,伝道部リーダーシップ評議会,あるいは面接の場に,『エリアブック』を持参するよう宣教師たちに求めてください。自分自身で『エリアブック』を検討するだけでなく,伝道部の指導者やあなたの伴侶が『エリアブック』を検討することも考えてください。

  • 時折,宣教師の週間計画会や毎日の計画会の様子を見てください。

  • 時折,宣教師のアパートで面接を行ってください。その際,あなたの伴侶または伝道部会長補佐が,宣教師の『エリアブック』と『宣教師デイリープランナー』に目を通すようにします。

  • 『宣教師デイリープランナー』にしばしば目を通してください。

  • 時折,ワード評議会に出席してください。