だい56しょう
よげんしゃ,ころされる
(1844年6月)
ぼうとは,ジョセフをゆるしたはんじにひどくはらを立て,ころすとおどしました。せいとたちはこわくなり,ちじにたすけをもとめました。ところが,ちじはたすけるどころか,へいしをやって,ジョセフをさがさせました。
ジョセフは,自分がまた,かんごくに入れられることが分かっていました。ジョセフは,おにいさんのハイラムも,かんごくに入れられるのではないかとしんぱいになり,かぞくをつれて,ほかの町へ行くように言いました。けれども,ハイラムは,ジョセフをおいて行こうとしません。
ジョセフは,それなら二人でノーブーを出よう,と言いました。二人がいなくなれば,ぼうとも,せいとをきずつけはしないでしょう。二人は川をわたりました。
ジョセフはこわくなってにげたのだ,と言う人がいました。そこでおくさんのエマは,友だちをやって,ジョセフにもどって来てくれるようにたのみました。ノーブーにもどればころされると思いながらも,ジョセフは,友だちの言われるままにしました。
ノーブーにもどると,ジョセフとハイラムは,さっそくとらえられました。二人は,ウィラード・リチャーズ,ジョン・テーラーとともに,カーセージという町につれて行かれました。そして,そこでかんごくに入れられました。
つぎの日は,1844年6月27日でした。友だちがジョセフをたずねて来て,せいぶんを読んでくれました。また,ジョン・テーラーが,イエスのことを歌った,ジョセフのすきな歌を歌いました。
とつぜん,外がさわがしくなりました。ぼうとがおそって来たのです。ぼうとは100人以上いました。みんな,だれだか分からないように,顔を黒くぬっていました。
何人かのぼうとが,かんごくやのドアをおしやぶって,2かいにかけ上って来たかと思うと,へやの中にむかってじゅうをうちました。ジョン・テーラーとハイラムがうたれ,ハイラムはしにました。それを見てジョセフは,「ハイラムにいさん」とさけびました。
ジョセフは,まどの方へにげました。そこをぼうとにうたれ,「おお主なるわが神よ」とさけんで,まどからおちました。神のよげんしゃはしんだのです。
ジョセフとハイラムのなきがらは,ノーブーにはこばれました。せいとたちは,ふかいかなしみにしずみました。よげんしゃは,イエスのふくいんのためにいのちをすてたのです。
よげんしゃジョセフ・スミスは,たくさんの大切なしごとをしました。『モルモン書』をほんやくし,イエスの教会を立てました。また,外国にせんきょうしをおくってふくいんを広め,せいとのすむ町を作りました。ジョセフ・スミスは,神からも,せいとからもあいされました。イエスをのぞいて,だれよりもわたしたちのためにつくした人です。