だい36しょう
シオンのじんえい
(1834年2月-6月)
イエスはジョセフに言われました。「人びとをつれてミズーリに行き,せいとたちをたすけなさい。お金をもって行って,土地を買いなさい。」主は,500人の人が行くことをおのぞみになりました。
ジョセフは,主にめいじられたとおり,500人がシオンの地に行かなければならないと話しました。そして,人びとにカートランドにあつまるように言いました。ところが,あつまったのは,たったの100人でした。後の人たちは主にしたがわなかったのです。
100人の人たちは,シオンのじんえいとよばれました。かれらは歩いたり,にぐるまにのったりして,シオンの地にむかいました。夜はのじゅくしました。とちゅうで,100人がくわわりました。
こうして,人びとは1,600キロをたびしました。長く,つらいたびでした。食べものも,まんぞくにありません。
ふへいを言うものも出てきました。かれらは食べものが気に入りませんでした。そして,ジョセフはよいしどうしゃではないと言いました。ジョセフは,「くいあらためなければ,びょうきになって,しぬだろう」と,かれらに言いました。
しかし,正しい人もいました。かれらはジョセフをたすけ,いましめをまもりました。そして,イエス・キリストの教会を心からあいしていることをあらわしました。ジョセフは,いつまでもかれらのたすけをわすれませんでした。
ようやくシオンのじんえいはミズーリにたどりつきました。かれらは川のほとりにテントをはりました。
それを知ったぼうとは,夜,キャンプにしのびよって来ました。シオンのじんえいの人たちをころそうとしたのです。
そこで神は,はげしいあらしをおこされました。大風がふいて木がたおれ,大きなひょうがふり,かみなりが木におちました。また,川の水があふれました。ぼうとの一人は,かみなりにうたれてしに,ほかのぼうともけがをしました。
神はシオンのじんえいの人をまもられたのです。ぼうとはそれを知ってこわくなり,にげて行きました。こうしてシオンのじんえいの人びとはぶじでした。
2日後,主はジョセフ・スミスに言われました。「あなたがたはミズーリにとどまっても,カートランドに帰ってもよろしい。」
そしてこう言われました。「人びとの中には,わたしのことばにしたがわない人がいます。その人たちはこらしめをうけるでしょう。しかし,ちゅうじつな人たちはしゅくふくされて,もっと力をさずけられます。」
それから少しして,シオンのじんえいでは,たくさんの人がびょうきになり,14人がしにました。その人たちはジョセフから,くいあらためなければしぬと言われていたのです。
ジョセフはミズーリのせいとをあつめて,こうとうひょうぎいんになる人をえらびました。それからカートランドへ帰りました。
シオンのじんえいの人たちは,ミズーリのせいとをたすけることができませんでした。神にしたがっていなかったからです。そこで神は,正しい人でなければシオンをきずくことはできないと言われました。