1 ①アダムは神の声に聞き従い、息子たちに悔い改めるように呼びかけた。
2 アダムはまたその妻を知り、彼女は男の子を産んだ。そして、アダムはその子を①セツと名付けた。アダムは神の名をたたえて言った。「神は、カインが殺したアベルの代わりに、一人の子をわたしに授けてくださった。」
3 神はセツに御自身を現され、セツは背くことなく、兄アベルのように受け入れられる①犠牲をささげた。また、セツにも男の子が生まれ、彼はその子をエノスと名付けた。
4 そのとき、これらの人は主の名を①呼び始め、主は彼らを祝福された。
5 また、①覚えの書が記され、アダムの言葉で記録された。神に呼び求めたすべての者は、②霊感の霊によって書くことを許された。
6 そして、彼らによってその子供たちは読み書きを教えられ、その言葉は清らかで汚れのないものであった。
7 さて、初めにあったこの①神権は、世の終わりにもあるであろう。
8 この預言を、アダムは①聖霊に感じるままに語った。そして、②神の子たちについて一つの③系図が記された。これはアダムの歴代の書で、次のとおりであった。すなわち、神は人を創造された日に、神にかたどって人を造られた。
9 神は①彼らを、御自分の体の②形に、男と女に創造された。彼らが創造されて、神の③足台の上の地で④生けるものとなった日に、神は彼らを祝福して、彼らをアダムと⑤名付けられた。
10 ①アダムは百三十歳になって、自分にかたどり、自分の②形のような男の子をもうけ、その子をセツと名付けた。
11 アダムがセツをもうけた後、生きた年は八百年であって、彼は多くの息子、娘たちをもうけた。
12 アダムの生きた年は合わせて九百三十歳であった。そして、彼は死んだ。
13 セツは百五歳になって、エノスをもうけた。セツは一生の間預言し、息子エノスに主の道を教えたので、エノスもまた預言した。
14 セツはエノスをもうけた後、八百七年生きて、多くの息子、娘たちをもうけた。
15 人の子らは地の全面に非常に大勢いた。その時代に、サタンは人々の中で大きな①力を持ち、彼らの心の中で荒れ狂った。そして、そのときから戦争と流血が起こった。また、②秘密の業のために、人は権力を求めて、自分の兄弟に手を下して殺した。
16 セツの年は合わせて九百十二歳であった。そして、彼は死んだ。
17 エノスは九十歳になって、①カイナンをもうけた。エノスと神の民の残りの者は、シュロンと呼ばれた地を出て、彼がカイナンと名付けた自分の息子にちなんで呼んだ約束の地に住んだ。
18 エノスはカイナンをもうけた後、八百十五年生きて、多くの息子、娘たちをもうけた。エノスの年は合わせて九百五歳であった。そして、彼は死んだ。
19 カイナンは七十歳になって、マハラレルをもうけた。カイナンはマハラレルをもうけた後、八百四十年生きて、息子、娘たちをもうけた。カイナンの年は合わせて九百十歳であった。そして、彼は死んだ。
20 マハラレルは六十五歳になって、ヤレドをもうけた。マハラレルはヤレドをもうけた後、八百三十年生きて、息子、娘たちをもうけた。マハラレルの年は合わせて八百九十五歳であった。そして、彼は死んだ。
21 ヤレドは百六十二歳になって、①エノクをもうけた。ヤレドはエノクをもうけた後、八百年生きて、息子、娘たちをもうけた。ヤレドはエノクに神の道をすべて教えた。
22 これがアダムの子孫の系図である。アダムは①神の子であり、神は自ら彼と語られた。
23 彼らは義を①説く者であって、語り、②預言し、どこにいる人でもすべての人に③悔い改めるように呼びかけた。そして、人の子らに④信仰が教えられた。
24 さて、ヤレドの年は合わせて九百六十二歳であった。そして、彼は死んだ。
25 エノクは六十五歳になって、①メトセラをもうけた。
26 そして、エノクは地の上を行き、民の中を旅をした。彼が旅をしていると、神の御霊が天から降り、彼のうえにとどまった。
27 そして、彼は天から声が告げられるのを聞いた。「わたしの子エノクよ、この民に預言し、彼らに言いなさい。『悔い改めなさい。主は次のように言われるからです。「わたしはこの民のことを①怒っており、わたしの激しい怒りは彼らに向かって燃えている。彼らの心はかたくなになり、その②耳は聞こえにくく、その目は遠くを③見ることができない。
28 わたしが彼らを造った日以来、多くの世代にわたって、彼らは①迷い、わたしを否定し、闇の中で自分の知恵を求め、彼らの忌まわしい行いの中で殺人を企て、わたしが彼らの先祖アダムに与えた戒めを守ってこなかった。
29 それゆえ、彼らは偽りの誓いを立て、その①誓いによって自らに死を招いてきた。彼らが悔い改めなければ、わたしは彼らのために②地獄を用意している。
30 これは、わたしが世の初めに、わたし自身の口から、しかも世の初めから送り出してきた定めである。そして、それが将来世の中に送り出されるように、あなたの先祖であるわたしの僕たちの口を通して、わたしはそれを地の果てまで布告してきたのである」と。』」
31 エノクはこれらの御言葉を聞いたとき、主の前で地に伏し、主の前に語って言った。「わたしがあなたの目にかなったのはなぜでしょうか。わたしは若者にすぎず、すべての人はわたしを憎みます。わたしは①口の重い者だからです。どうしてわたしはあなたの僕なのでしょうか。」
32 主はエノクに言われた。「行って、わたしがあなたに命じたように行いなさい。そうすれば、あなたを刺し貫く者はだれもいないであろう。あなたの①口を開きなさい。そうすれば、それは満たされるであろう。わたしはあなたに語る力を与えよう。すべての肉なるものはわたしの手の内にあるからである。そして、わたしは自分がよいと思うままに行おう。
33 この民に、『あなたがたは今日、あなたがたを造られた主なる神に仕えることを①選びなさい』と言いなさい。
34 見よ、わたしの御霊があなたのうえにあるので、あなたのすべての言葉を、わたしは正しいとする。①山々はあなたの前から逃げ去り、②川はその流れを変えるであろう。あなたはわたしにつながっていなさい。そうすれば、わたしはあなたとつながっていよう。それゆえ、わたしとともに③歩みなさい。」
35 主はエノクに語って言われた。「あなたの目に泥を塗り、それを洗いなさい。そうすれば、あなたは見るであろう。」そこで、彼はそうした。
36 そして、彼は神が造られた①霊たちを見た。彼はまた②肉体の目に見えないものも見た。それ以来、「主はその民のために、一人の③聖見者を立てられた」という言葉がその地に広まった。
37 さて、エノクはその地の人々の中に出て行き、もろもろの丘と高い所に立って、大声で叫び、彼らの行いを責める証を述べた。すると、すべての人が彼に①腹を立てた。
38 彼らは彼の言葉を聞くために高い所に出て来て、天幕を守る者たちに言った。「あなたがたはここにとどまって、天幕を守っていなさい。その間に、我々はあそこへ行って聖見者を見てくる。彼は預言をする。この地に変わったことがある。野生の男が我々の中にやって来たのだ。」
39 さて、彼の言葉を聞いたとき、彼に手を出す者はだれ一人いなかった。彼の言葉を聞いたすべての者に、恐れが及んだためである。彼が神とともに歩んだからである。
40 彼のもとに、その名をマヒヤという一人の男がやって来て言った。「あなたはだれで、どこから来たのか、はっきりと言ってください。」
41 そこで、彼は彼らに言った。「先祖の地であり、今日まで義の地であるカイナンの地からやって来ました。わたしの父はわたしに神の道をすべて教えてくれました。
42 そして、カイナンの地から東の海沿いに旅をしていたとき、わたしは示現を見ました。まことに、天を見ました。そして、主はわたしと語り、わたしに命を下されました。この理由で、すなわちその命に従うために、わたしはこれらの言葉を語っているのです。」
43 エノクはその話を続けて言った。「わたしと語られた主は、天の神です。わたしの神であり、またあなたがたの神です。あなたがたはわたしの兄弟です。どうしてあなたがたは自分で自分に①勧めをして、天の神を否定するのですか。
44 神は天を造られ、①地は神の②足台であり、地の基は神のものです。まことに、神はそれを据えられ、地の面に大勢の人をもたらされました。
45 死はわたしたちの先祖に及びました。それでも、わたしたちは彼らを知っており、否定することはできません。まことに、わたしたちはすべての中の最初の人、アダムさえも知っています。
46 わたしたちは、神の指によって示された手本に従って、わたしたちの中で①覚えの書を記してきたからです。それはわたしたちの言葉で述べられています。」
47 エノクが神の言葉を語ると、民はおののき、彼の前に立っていることができなかった。
48 エノクは彼らに言った。「アダムが①堕落したので、わたしたちは存在しています。そして、アダムの堕落によって②死が生じ、わたしたちは不幸と災いを受ける者とされているのです。
49 まことに、サタンは人の子らの中にやって来て、彼を拝むように①誘惑します。そして、人々は②肉欲や③官能におぼれ、悪魔に従う者となって、神の御前から④締め出されています。
50 しかし、神はわたしたちの先祖に、すべての人が悔い改めなければならないことをお知らせになりました。
51 神は御自身の声によって、わたしたちの先祖アダムに呼びかけて言われました。『わたしは神である。わたしは世界を造り、また①人々を、彼らが肉体にある②前に造った。』
52 神はまた彼に言われました。『あなたがわたしに心を向け、わたしの声を聴き、そして信じ、あなたのすべての背きを悔い改め、まことに水の中で、①恵みと真理に満ちている独り子、すなわち②イエス・キリストの名によって、すなわちその名によって人の子らに③救いが及ぶ、天下に与えられる唯一の④名によって⑤バプテスマを受けるならば、あなたは聖霊の賜物を受けるであろう。すべてのものをその名によって求めれば、何でも求めるものはあなたに与えられるであろう。』
53 わたしたちの先祖アダムは、主に語って、『人が悔い改めて水の中でバプテスマを受けなければならないのは、なぜでしょうか』と尋ねました。すると、主はアダムに、『見よ、わたしはエデンの園でのあなたの背きを①赦した』と言われました。
54 このことから、『神の①御子は最初のとがを②贖われ、それによって両親の罪がその③子供たちの頭に帰することはあり得ない。彼らは世の初めから罪がない』という言葉が人々の間に広まりました。
55 主はアダムに語って言われました。『あなたの子供たちは罪のうちに宿されるので、まことに彼らが成長し始めると、彼らの心の中に①罪が宿る。そして、彼らは善を尊ぶことを知るために、②苦さを味わうのである。
56 そして、善悪を知ることが彼らに許される。それゆえ、彼らは①自ら選択し行動する者である。そこで、わたしはあなたに別の律法と戒めを与えた。
57 それゆえ、あなたの子供たちに次のことを教えなさい。すなわち、どこにいる人でもすべての人が、①悔い改めなければならない。そうしなければ、決して神の王国を受け継ぐことはできない。②清くない者はそこに住むことができない、すなわち、神の前に③住むことができないからである。アダムの言葉で、④聖なる人とは神の名である。また、神の独り子の名は、⑤人の子、すなわちイエス・キリストであり、時の中間に来る義にかなった⑥裁き主である。
58 さて、わたしはあなたに戒めを与える。あなたの①子供たちに次のことを率直に教えなさい。すなわち、
59 背きによって堕落が生じ、その堕落が死をもたらす。あなたがたは水と血と、わたしが造った①霊とによってこの世に生まれ、②ちりから生けるものとなったので、まことにあなたがたは、③水と御霊によって再び天の王国に④生まれ、血によって、すなわちわたしの独り子の血によって清くされなければならない。それは、あなたがたがすべての罪から聖められ、この世において⑤永遠の命の言葉を⑥享受し、来るべき世において永遠の命、すなわち不死不滅の⑦栄光を享受するためである。
60 それは、あなたがたが①水によって戒めを守り、御霊によって②義とされ、③血によって④聖められるからである。
61 それゆえ、天の記録、①慰め主、不死不滅の栄光の平和なること、すべてのものの真理、すべてのものを生かし活気づけるもの、すべてのことを知っており、知恵と憐れみと真理と公正と公平によって一切の権威を持つものが授けられて、あなたがたの内にとどまる。
62 さて見よ、わたしはあなたに言う。これが、時の中間に来るわたしの①独り子の血によってすべての人に与えられる②救いの計画である。
63 見よ、すべてのものにはそれに似たものがある。すべてのものは、現世にかかわるものも霊にかかわるものも、わたしのことを①証するために創造され、造られている。すなわち、上の天にあるもの、地の上にあるもの、地の中にあるもの、地の下にあるもの、上のものも下のものも、すべてのものがわたしのことを証するのである。』
64 このように主がわたしたちの先祖アダムと語られたとき、アダムは主に叫び求めました。すると、彼は①主の御霊に連れ去られ、水の中に運ばれ、②水に沈められ、そして水から連れ出されました。
65 このようにして、彼はバプテスマを受け、神の御霊が彼に降られました。このようにして、彼は御霊によって①生まれ、②内なる人において生かされた者となったのです。
66 そして、彼は天からの声が告げられるのを聞きました。『あなたは火と聖霊によって①バプテスマを受けた。これは今から後とこしえに、父と子の②証である。
67 あなたは、永遠から永遠にわたって、日の初めもなく年の終わりもない者の①位に従う者である。
68 見よ、あなたはわたしにあって①一つであり、神の子である。このようにして、すべての者はわたしの②子となることができるのである。アーメン。』」