初等協会テキストと分かち合いの時間
第31課:レーマン人サムエル


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レーマン人サムエル

目 的

預言者がイエス・キリストの生涯と使命をあらかじめ告げ知らせたことを教える。

準 備

  1. ヒラマン13-14,16章3ニーファイ23:9-13を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. その他の参照箇所--ヒラマン15

  3. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  4. 教材

    1. 『モルモン書』人数分

    2. ニーファイ,アビナダイ,アルマの預言を書いた3枚の紙(「導入」参照)。

    3. ニーファイ,アビナダイ,アルマのロールプレイングをする子供に,スカーフ,すそまで垂れる緩やかで長い衣服,名札などの小道具を渡す。

    4. 視覚資料4-42「城壁に立つレーマン人サムエル」(『福音の視覚資料セット』314)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

朗読が上手な3人の子供に,ニーファイ,アビナダイ,アルマの役でロールプレイングをさせる。各人に名札を付けたり,それらしい衣装を着せたりするとよい。また,タイムマシンでクラスを訪れ,イエス・キリストの生涯と使命についての預言を繰り返すという設定にするとよい。

「わたしはキリストがお生まれになる600年ほど前に約束の地へやって来ました。わたしはキリストの誕生と死について知らされた示現のことを人々に話しました。『眺めると,腕に幼子を抱いたおとめが見え〔まし〕た。すると天使がわたしに言〔いまし〕た。「神の小羊,まことに永遠の父なる神の御子を見なさい。」』そしてわたしは,『神の小羊が世の罪のために十字架につけられて殺されたのを見』ました。(1ニーファイ11:20-21,33)さて,わたしはだれでしょう。」(ニーファイ)

「わたしはイエス・キリストより約150年前の人間です。人々はわたしを嫌い,わたしが言ったことを信じませんでした。わたしはイエス・キリストが人の子らの間においでになり……人々の罪のために十字架につけられて殺され,彼らをあがなわれることを預言しました(モーサヤ15:1,7,9)。わたしは自分のあかしのために火あぶりにされて殺されました。わたしはだれでしょう。」(アビナダイ)

「わたしはイエス・キリストがお生まれになる約100年前に受けた特別な示現によって,人はやがておいでになる贖い主を通してのみ救われることを知りました。わたしはあらゆる所に旅をして,自分が知ったことを人々にこう伝えました。『神の御子は,あらゆる苦痛と苦難と試練を受けられる。……また神の御子は,御自分の民を束縛している死の縄目を解くために,御自身に死を受けられる』と(アルマ7:10-12)。わたしはだれでしょう。」(アルマ)

この3人の預言者だけでなく,ほかの預言者も皆,イエス・キリストについて預言したことを説明する。モーサヤ13:33を参照する。「モーセはメシヤの来臨について,また神が御自分の民を贖われることについて,彼らに預言しなかったであろうか。また,世界が始まって以来,預言を述べてきたすべての預言者たちも,これらのことについて多少にかかわりなく述べてこなかったであろうか。」本課では,大いなる勇気と力をもってキリストの誕生,死,使命を説いたもう一人の大切な預言者,レーマン人サムエルについて学ぶことを説明する。

聖 文

レーマン人サムエルについてヒラマン13-1416章に基づいて教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。サムエルが人々に向かって,イエスと贖いについて大胆に教えたことを強調する。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。

  • レーマン人サムエルはどのようなメッセージを伝えるために,ニーファイ人に遣わされたのでしょうか(ヒラマン13:6-7)。サムエルが人々に教えるように命じられたよきおとずれとはどのようなものだったでしょうか。(ヒラマン14:9,11-13。「よきおとずれ」とは「すばらしい知らせ」すなわち「福音」であることを説明する。)イエス・キリストの福音はなぜわたしたちにとってすばらしい知らせなのでしょうか。(悔い改めて,罪の赦しを受けられるようになる。)

  • サムエルはニーファイ人に悔い改めなければ何が起きると言いましたか(ヒラマン13:6,8-10)。たまとともにいることはなぜ大切なのでしょうか。悔い改めを引き延ばさないことが大切なのはなぜでしょうか(ヒラマン13:38)。

  • ニーファイ人は預言者に従わず,だれに従いましたか(ヒラマン13:27-29)。今人々を惑わしている「愚かな盲目の導き手」はどのような人々ですか。時々わたしたちに悪いことをさせようとする人がいます。彼らはどのような方法で,わたしたちに悪を行わせようとするでしょうか。

  • 人々がサムエルの教えを受け入れなかったのはどうしてですか(ヒラマン14:10)。

  • 視覚資料「城壁に立つレーマン人サムエル」を見せる。サムエルはなぜ城壁の上に登ったのでしょうか(ヒラマン14:11-12)。サムエルは5年たつと何が起きると預言しましたか。どのようなしるしが現れると預言しましたか(ヒラマン14:2-6)。キリストの死のしるしとして,どのようなことを預言しましたか(ヒラマン14:20-28)。主はなぜニーファイ人にこれらのしるしについて教えられたのでしょうか(ヒラマン14:12-13,28)。

  • サムエルは贖いについて何を教えましたか(ヒラマン14:15-18)。贖いについて理解した人には,どのような責任がありますか(ヒラマン14:19)。わたしたちは自分の行いに対してどのような責任がありますか(ヒラマン14:30-31)。

  • サムエルを信じたニーファイ人は,彼が教えを終えた後でどうしましたか(ヒラマン16:1)。サムエルの言葉を信じなかった人たちはどうしましたか(ヒラマン16:6)。人々が預言者を信じようとしないのはなぜですか。どうすれば預言者への証を強めることができますか。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 生ける預言者の最近の教えを選ぶ(『リアホナ』総大会の説教参照)。その中から一部を読み,その預言者が現代のわたしたちに何を教えているかを答えさせる。子供たちの答えを黒板に書く。子供たちに,自分が従いたいと思う原則を一つ選んで紙に書かせる。

  2. 黒板に次の二つの見出しを書く。「キリスト降誕のしるし」「キリストの死のしるし」。本課で採り上げるイエス・キリストの降誕と死のしるしすべてを,それぞれ別の小さな紙に書きそれを小さな箱に入れる。子供たちに順番にその紙を取って書かれていることを読ませ,黒板の二つの見出しのうちふさわしい方を選んで,その下にはらせる。

    キリスト降誕のしるし(ヒラマン14:2-6

    • 天に大いなる光が現われる

    • 二昼一夜が一日のようになり,夜がない

    • 新しい星が現れる

    • 天に多くのしるしと不思議がある

    キリストの死のしるし(ヒラマン14:20-28

    • 太陽,月,星が暗くなる

    • 3日間光がなくなる

    • 何時間も雷と稲妻が続く

    • 大地が振動し,揺れ動く

    • 頑丈な岩の塊が砕かれる

    • 大暴風雨で山が低くなる

    • 谷が山となる

    • 多くの街道が破壊される

    • 多くの町が荒れ果てる

    • 多くの墓が開かれて,死者を出す

  3. 信仰箇条の第6,7,9節を覚える。

  4. 『モルモン書』の物語」(『子供の歌集』62)の7番,「預言者にしたがおう」(『子供の歌集』58)を歌うか歌詞を読む。

まとめ

古代と現代の預言者がわたしたちに教えていることが真実であることを証する。

読書課題

本課の復習のため,家庭でヒラマン14:1-14,20-31を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。