初等協会テキストと分かち合いの時間
第12課:アルマ,モルモンの泉でバプテスマを施す


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アルマ,モルモンの泉でバプテスマを施す

目 的

バプテスマの聖約の意味とそれを守ることの大切さを子供たちに教える。

準 備

  1. モーサヤ17:2-418章を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 教材

    1. 『モルモン書』人数分

    2. 任意--「導入」のための錠とかぎ(例えば,なんきん錠,鍵付きの日記,宝石箱,スーツケースなど)

    3. 紙に描いて切り抜いた鍵。「聖約」という言葉を書いておく(本課の最後にある絵参照)。

    4. 「わたしのバプテスマの聖約」の写し人数分(本課の最後にある絵参照)

    5. 視覚資料4-23「モルモンの泉でバプテスマを施すアルマ」(『福音の視覚資料セット』309)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

鍵を見せる。子供たちに鍵は何に用いるか尋ねる。一人の子供に鍵を使って錠を開けさせるとよい。紙の鍵を,子供たちに聖約という言葉が見えないようにして持ち,二つにちぎる。半分しか持っていなければ鍵は役に立たないことを説明する。ちぎった鍵を裏返して,聖約という言葉が見えるようにする。この言葉の意味を知っているか,子供たちに尋ねる。以下のことを説明する。福音において,聖約とは天父とその子供たちの間に交わされる神聖な取り決めあるいは約束のことである。天父と交わした聖約をわたしたちが守るなら,天父は必ず約束されたことを成就してくださる。しかしわたしたちが聖約によって交わした約束を守らないならば,その聖約は取り消される。バプテスマの聖約を守ることは,祝福や永遠の命を受けるための鍵のようなものである。永遠の命とは,天父のようになって天父とともに生活することである。アルマとその民について学ぶとき,バプテスマの聖約について思い起こし,もっと聖約によく従うにはどうしたらよいかが分かる。

聖 文

モルモンの泉でバプテスマを施すアルマの話をモーサヤ17:2-418章に基づいて教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。バプテスマのときに交わす聖約とそれを守ることの大切さについて強調する。適切な箇所で視覚資料を用いる。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。

  • バプテスマに自分自身を備えるためにアルマは何をしましたか(モーサヤ17:2-418:1)。あなたは自分のバプテスマのためどのような備えをしましたか。

  • モルモンと呼ばれた地が,アルマが人々を教えるうえでよい隠れ場所となったのはなぜですか。彼らはなぜ隠れる必要があったのですか。

  • バプテスマを受けられると知ったときアルマの民はどんな気持ちになりましたか(モーサヤ18:11)。あなたはバプテスマを受けたとき,どんな気持ちがしましたか。その日のことについてどんなことを覚えていますか。

  • バプテスマを受けるとき,わたしたちはそれぞれどんな約束を交わしますか。天父はわたしたちにどのような約束をしてくださいますか(モーサヤ18:8-10)。「わたしのバプテスマの聖約」の写しを見せ,それぞれの約束について話し合う。わたしたちのだれも完全ではないが,バプテスマの聖約を守るために最善を尽くさねばならないことを説明する。

  • わたしたちはイエス・キリストの名を受けていて,イエス・キリストの証人であることを示すためにどんなことができますか。

  • 悲しむ者とともに悲しみ,互いに重荷を負い合うとは,どういう意味ですか。キリストは地上におられた間,わたしたちやほかの人たちにどのような方法で奉仕なさいましたか。イエス・キリストの模範に従い,ほかの人々に奉仕するにはどうしたらよいでしょうか。

  • アルマは民がバプテスマの聖約を守っていけるように,どのような戒めを与えましたか(モーサヤ18:21-23,27-29)。アルマの民のように生活するにはどうしたらよいでしょう。

  • 何の儀式を通してわたしたちはバプテスマの聖約を日曜日ごとに新たにすることができるでしょうか。新たにするとは,もう一度新しくしたり,始めたりすることであると説明するとよい。子供たちとともに聖餐せいさんの祈りの言葉を検討し,そこに含まれる聖約を見つけられるように助ける(モロナイ4:35:2)。「わたしのバプテスマの聖約」の写しを子供たち全員に配り,彼らが交わしたバプテスマの聖約について復習する。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 教師がクラスの子供たちにバプテスマの聖約について話している間,一人の子供に適当な重さの本を片手で持って,腕を前に伸ばさせる。本を持っている子供の腕が疲れてきたら,頑張って持ち続けるように言う。そして別の子供にその子供が本を持つのを助けるように言う。わたしたちがバプテスマを受けるときに交わす約束の一つは,「重荷が軽くなるように,互いに重荷を負い合うこと」であると説明する。子供たちくらいの年齢の人が感じる重荷について話し合う。例えば,人から笑われること,病気になること,家族との問題を抱えること,仲間に入れてもらうこと,学校で起こる嫌なことなど。互いの重荷を軽くするためにどんな助けができるか子供たちに尋ねる。

  2. クラスが始まる前に,子供たちの親に,子供たちがだれかを助けたときのことについて話すように頼んでおく。これらの経験について子供たちと分かち合い,子供たちに奉仕をするよう勧める。このような奉仕の行いは,助けた相手の重荷を軽くできることを指摘する。

  3. わたしたちがバプテスマを受けたときに交わした聖約の一つは,喜んでイエス・キリストの名を受け,真のクリスチャンまたはキリストに従う者となることであると説明する。わたしたちは主の名にふさわしく生活しなければならない。教師が教会の第8代大管長,ジョージ・アルバート・スミス長老の次の話をする間,イエス・キリストの名をどうしたらもっとよく尊ぶことができるかについて考えるように言う。

    「何年か前,わたしは重い病気にかかった。……衰弱し,ほとんど動けない状態であった。

    ある日のこと,わたしは意識を失い,幕のかなたへ行ったように感じた。……

    わたしは探検を始めた。……森の中を……しばらく歩いた後,一人の男の人がわたしの方へ向かって歩いて来るのが見えた。どうやらその人は体の大きな人らしかった。わたしはその人が祖父であると分かり,歩を速めた。……彼がやって来るのを見てわたしはどれほどうれしかったことであろう。わたしは祖父の名をもらい,常にそれを誇りにしていたのである。

    祖父はわたしの1メートルほど前に来ると立ち止まった。……彼は非常に真剣にわたしを見詰めてこう言った。

    『わしはおまえがわしの名を帯びて何を行ったかを知りたいのだが。』

    するとわたしが行ったことが走馬灯のようにわたしの前に現れては消えていった。……人生で行ってきた事柄がわたしの前を過ぎて行った。わたしはにっこりとして祖父を見,そしてこう言った。

    『わたしはあなたの恥になるようなことは何もしませんでした。』

    彼はわたしに歩み寄るとわたしをしっかりと腕に抱いた。そのとき,わたしは再び正気を取り戻した。わたしのまくらはまるで水をこぼしたようにぬれていた。それは恥じずにそう答えることができたことに対する感謝の涙であった。」(“Your Good Name,” Improvement Era,1947年3月,139)

    戒めに進んで従い,人々に奉仕をするとき,それはイエスの名を敬っていることになると説明する。

  4. バプテスマ」(『子供の歌集』54)を歌うか歌詞を読む。

まとめ

バプテスマの聖約を守るとき,わたしたちはもっとよく互いに奉仕し合うようになり,もっとイエス・キリストのようになれることをあかしする。

読書課題

本課の復習のため,家庭でモーサヤ18:1-11,30-35を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。

注--次の課で「レッスンを豊かにする活動」の1を用いる場合は,少なくとも1週間前にその活動のための割り当てをしておく。

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聖約の鍵

聖約

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バプテスマの聖約

わたしのバプテスマのせいやく

せいさんたびあらたにします)

バプテスマのとき,わたしはしゅのことをせいやくします。

  1. かみひつじれにはいる(イエス・キリストのきょうかいかいいんになる)。

  2. かみむすまたはむすめばれる(キリストのける)。

  3. おもかるくなるように,たがいにおもう。かなしむものとともにかなしむ。なぐさめのものなぐさめる(ほかのひとびとたすける)。

  4. いつでも,どのようなことについても,どのようなところにいてもかみしょうにんになる(キリストについてあかしし,いつもよいはんしめす)。

  5. かみつかえ,いましめをまもる。

バプテスマのせいやくまもるなら,しゅつぎのようにやくそくしておられます。

  1. つみゆるす。

  2. ますますゆたかに御霊みたまそそがれる(せいれいはんりょとしてあたえられる)。

  3. かみあがなわれ,だいいちふっかつ)にあずかるものとともにかぞえられてえいえんいのちる(さかえのおうこくはいり,てんとイエス・キリストとともにせいかつする)。

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バプテスマの聖約