初等協会テキストと分かち合いの時間
第22課:アルマ,信仰について教える


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アルマ,信仰について教える

目 的

神の言葉は,信仰を込めて養い育てるとき,心の中で成長してイエス・キリストに対するあかしとなることを教える。

準 備

  1. アルマ32-33章を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 本課の最後にある視覚資料を検討し,レッスンの中でどのように提示するか決める。一つ一つの絵をコピーしたり,厚紙に上からなぞって写したり,あるいは黒板に描く用意をしておく。

  4. 教材

    1. 『モルモン書』人数分

    2. 可能であれば,人数分の種

    3. 本課の最後にある視覚資料の写し(種,芽を出した種,若木,雨,太陽,土,肥料)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

子供たちに種を配り,種の絵を見せるか黒板に描く。

  • 種は何になれますか。(種の種類に従って,花や木になる。)

  • 種が生長し始めるとき,まず何が起こりますか。(芽を出した種の絵を見せるか,黒板に描く。)

  • 木は若いとき,どんな状態ですか。(若木の絵を見せるか黒板に描く。)若木が成長するとどうなりますか。(木の絵を見せるか黒板に描く。)

  • 木が生長して植物や木になるには,どんな養分が必要でしょうか。(養分とは,生き物が成長し,健やかに生き続けるうえで助けとなるものであると説明する。水,肥料,日光,土など。太陽,雨,土,肥料の絵を種の絵の近くに置く。)

本課では,どうしたら強い証が得られるかを学ぶと説明する。「レッスンを豊かにする活動」の1に記された紙を用いながら,本課の各原則について話し合うとよい。

聖 文

アルマがゾーラム人を教えたときのことをアルマ32-33章に基づいて教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。以下のことを強調する。良い種を適切に世話して,養分を与えるなら,最終的には実を結ぶ木になる。神の言葉もわたしたちの心にまき,適切に養うなら強い証に成長する。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。

富んで高慢になったゾーラム人について,レッスンの最後で学ぶことを説明する。

  • 貧しいゾーラム人はどうして謙遜だったのでしょう(アルマ32:2-3)。人は,どのような苦難に遭うと,福音に耳を傾けるほど謙遜になるでしょうか。

  • 「心が謙遜」とはどういう意味ですか。(へりくだっている,素直に教えを受け入れる態度,真心から悔い改めている,誇り高ぶっていない。)

  • これらの人々にとって,貧しいことはどのように祝福となりましたか(アルマ32:12-13)。以下のことを説明する。たとえ苦難や貧困に直面していても人は謙遜になれる。しかし時々,富んでいる人々は高慢になる。福音を学ぶとき,謙遜になる必要があるのはなぜですか。

  • 信仰とは何ですか(アルマ32:21)。福音に対する証をはぐくむためには,どうして信仰を持たなければならないのでしょう(アルマ32:26)。証を得るには時間がかかることを説明する。戒めを守ることは,それが真実であるという証を得るうえで役立つ。

  • アルマは信仰をはぐくむために何をするように言っていますか(アルマ32:27)。信じたいという信仰を増すために,わたしたちには何ができますか。

  • 戒めに従うことがどうして神の言葉を「試す」ことになるのですか。(「試す」とは,確信がない事柄をやってみることであると説明する。わたしたちは,試すとき,つまり知恵の言葉などの戒めを守るとき,従順であったことへの祝福を受け,証を強めることができる。)戒めに従順であることによって,あなたの信仰はどのように増しましたか。

  • 神の言葉を心に植え,証が育つようにするには,どうしたらよいでしょうか。(定期的に聖文を研究する,初等協会やせいさん会,家庭の夕べで話をよく聞く,祈る,生活の中で福音の原則を絶えず実践する。)

  • 良い種,つまり福音に対する証が心の中でふくらみ始めるとき,それをどうやって知ることができますか(アルマ32:28,34)。子供たちに,自分の証を分かち合い,どのようにして証を得たか話すように勧める。証を得,培うように子供たちを励ます。信仰を持てば,必ず福音に対する強い証が得られると話す。

  • 種を養い育てるとはどういう意味ですか。(「養い育てる」とは養分を与え,世話をすることであると説明する。)アルマは,福音に対する証を養い育てるためには,どんな特質を備えなければならないと言っていますか(アルマ32:41-42)。忍耐と熱意は,信仰と証をはぐくむうえでどうして必要だと思いますか。

  • 聖文を研究すると,わたしたちの信仰と証はどのように強められますか(アルマ33:14)。

  • わたしたちの証の一部とすべき大切な教えとしてどんなことが挙げられますか(アルマ33:22)。

  • 強い証はどのような点で木に似ていますか(アルマ33:23)。証を持つことは,永遠の命を得るうえでどのように助けになりますか。教師は,証のおかげで問題に対処しやすくなったり,喜びがもたらされたりした経験について話してもよい。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 以下の言葉を書いた紙を用意する。

    神の言葉

    イエス・キリストに対する証

    祈る

    聖文を研究する

    戒めに従う

    奉仕をする

    聖文について教えるに当たり,アルマ32章では神の言葉が種にたとえられていることを説明する。種の絵の上に「神の言葉」の紙をはる。(聖文で言う「神の言葉」とは福音,つまりイエス・キリストの教えのことであると説明する。)種が生長して木になるように,神の言葉を学び,それに従うなら,福音に対する強い証が得られる。

    木の絵の上に,「イエス・キリストに対する証」の紙をはる。種が木に生長するために世話と養いを必要とするように,福音に対するわたしたちの証も,強く成長するためには信仰と養育が必要である。子供たちに証を強めるためにどんなことができるか尋ねる。子供たちが答えたら,木を養う役割を果たすものの絵の上に「祈る」「聖文を研究する」「戒めに従う」「奉仕をする」の紙をはる。

  2. 本課に関連する言葉を幾つか用いてパズルを作る。まず,何枚かの紙に言葉を書き,それらを切り刻む。謙遜けんそん,望み,養い育てる,従順,などの言葉を用いるとよい。言葉のパズルの数と同じ数のグループにクラスを分ける。グループがパズルを完成させるごとに,そのグループの子供の一人に,本課でそのパズルの言葉についてどんなことを学んだか話させる。

  3. 断食,じゅうぶんの一,知恵の言葉などの福音の原則を書いた何枚かの紙を用意する。言葉を書いた紙を子供の背中に本人に見せずに安全ピンかセロハンテープではる。その子供はほかの子供たちに質問をして,その原則が何か当てる。またはクラスのほかの子供たちがヒントを言ってもよい。その子供が正しく推測できたら,その原則に対する証を得るにはどうしたらよいか尋ねる。どの言葉の場合も,答えには祈りや福音の原則の実践などが含まれるべきである。

  4. 信仰」(『子供の歌集』50)を歌うか歌詞を読む。

まとめ

以下のことを証する。若いうちに神の言葉を学んで戒めに従うなら,イエス・キリストの福音が真実であるという強い証を得ることができる。救い主とその福音に対する信仰について感じていることを話す。

読書課題

本課の復習のため,家庭でアルマ32:21-22,26-28,40-4333:14-23を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。