1さて、これでわたしの民、ニーファイ人の滅亡についてのわたしの記録を終わりにする。わたしたちは、レーマン人の前に進軍した。
2そして、わたしモルモンは、レーマン人の王に手紙を書いて、クモラと呼ばれる丘に近いクモラの地に民を集め、そこでレーマン人と戦えるようにするのを認めてほしいと頼んだ。
3そこで、レーマン人の王はわたしが求めたことを認めてくれた。
4そこで、わたしたちはクモラの地に進軍し、クモラの丘の周りに天幕を張った。その丘は多くの水と川、泉のある地にあった。わたしたちはここで、レーマン人に対して優位に立てることを期待した。
5三百八十四年が過ぎ去ったとき、わたしたちは民の残っている者を全員クモラの地に集め終えていた。
6そして、わたしたちが民を全員一団としてクモラの地に集め終えたとき、見よ、わたしモルモンは年を取ってきた。わたしは、これが自分の民の最後の戦闘であることを知っており、また、先祖から伝えられてきた神聖な記録をレーマン人の手に渡してはならないと主から命じられていたので(レーマン人はそれらの記録を損なうからである)、わたしはニーファイの版からこの記録を作り、主の手によってわたしに託されたすべての記録をクモラの丘に隠した。そして、このわずかな版だけを息子モロナイに渡す。
7さて、わたしの民は妻子たちとともに、レーマン人の軍隊がこちらに向かって進んで来るのを見た。そして、すべての悪人の胸に満ちているあのひどく死を恐れる気持ちをもって、レーマン人を迎え撃とうと待ち受けた。
8そして、レーマン人がわたしたちに攻めかかって来た。すると、レーマン人がおびただしい人数であったので、わたしの民は一人残らず恐れでいっぱいになった。
9そしてレーマン人は、剣と弓、矢、斧、そのほかあらゆる武器でわたしの民に襲いかかった。
10そこでわたしの民、すなわちわたしとともにいた一万人の者が切り倒され、わたしも負傷してその中に倒れた。すると、レーマン人はわたしを殺さず、わたしのそばを通り過ぎて行った。
11彼らは通り過ぎて、わたしたちの中の二十四人(この中にはわたしの息子モロナイもいた)を除くわたしの民をことごとく切り倒した。そこで、レーマン人が彼らの宿営に引き揚げた翌日、生き延びたわたしたちがクモラの丘の頂上から、わたしの民の死んだ者たちを見たところ、わたしが率いて指揮を執っていた一万人が切り倒されているのが見えた。
12また、息子モロナイが指揮を執っていた一万人も見えた。
13また見よ、ギドギドーナの一万人が倒れており、ギドギドーナもその中に倒れていた。
14また、レーマも彼の一万人とともに倒れており、ギルガルも彼の一万人とともに倒れており、リムハも彼の一万人とともに倒れており、ジェニウムも彼の一万人とともに倒れており、クメナイハとモロナイハ、アンテオヌム、シブロム、セム、ヨシもそれぞれの一万人とともに倒れていた。
15そしてほかにも、十人の者とそれぞれの一万人が剣で倒れていた。まことに、わたしの民は、わたしとともにいた二十四人と、南の地方へ逃げて行った少数の者と、レーマン人のもとへ脱走した少数の者を除いて、全員が倒れていた。そして、彼らの肉と骨と血は、彼らを殺した者の手によってそのまま放置されて地の面にあり、地上で朽ち、また朽ち果てて母なる大地に返るに任された。
16わたしの心は、わたしの民の殺された者たちのことで苦しみのあまり張り裂けてしまいそうになり、わたしは叫んだ。
17「おお、麗しい者たちよ、あなたがたはどうして主の道から離れてしまったのか。おお、麗しい者たちよ、あなたがたは両腕を広げて立ってあなたがたを受け入れようとしておられた、あのイエスをどうして拒んだのか。
18見よ、あなたがたはそのようにしなければ、倒れなかったであろうに。しかし見よ、あなたがたはもう倒れてしまい、わたしはあなたがたを失ったことを嘆き悲しんでいる。
19おお、麗しい息子と娘よ、父と母よ、夫と妻よ、麗しい者たちよ、あなたがたはどうして倒れたのか。
20しかし見よ、あなたがたはもう去ってしまい、わたしが悲しんでも、あなたがたを連れ戻すことはできない。
21あなたがたの死すべき体が不死のものを着て、今朽ちつつあるこれらの体が朽ちない体になる日がもうすぐ来る。そのときあなたがたは、行いに応じて裁かれるために、キリストの裁きの座の前に立たなければならない。そして、もしあなたがたが義にかなっていれば、あなたがたはあなたがたよりも前に世を去った先祖とともに祝福を受けるのである。
22おお、あなたがたは、この大きな滅亡が及ぶ前に悔い改めておけばよかったものを。しかし見よ、あなたがたはもう去ってしまった。御父は、まことに天の永遠の御父は、あなたがたの状態を御存じであり、御自分の公正と憐れみによってあなたがたを扱われるであろう。」