1 「しかし見よ、わたしヤコブは、心の清いあなたがたに述べたい。確固とした思いをもって神に頼り、篤い信仰をもって祈りなさい。そうすれば、神は苦難のときにあなたがたを慰めてくださる。また、あなたがたのことを弁護してくださり、あなたがたを滅ぼそうとする者たちに罰を下される。
2 おお、あなたがた、心の清いすべての人よ、頭を上げて、喜びをもたらす神の御言葉を受け入れ、神の愛をよく味わいなさい。あなたがたの思いが①確固としていれば、とこしえにそうすることができるからである。
3 しかし、心が清くなく、今日、神の御前に①汚れている者は災いである。災いである。悔い改めなければ、地はあなたがたのためにのろわれるからである。レーマン人はひどいのろいをもって②のろわれているが、あなたがたのように汚れてはいない。そのレーマン人があなたがたをひどく苦しめ、滅ぼすであろう。
4 また、あなたがたが悔い改めなければ、レーマン人があなたがたの受け継ぎの地を所有し、さらに主なる神があなたがたの中から義人を①連れ出される時が速やかに来る。
5 見よ、あなたがたは、自分たちの同胞であるレーマン人を、彼らが汚く、またのろいをその肌に受けていることで嫌うけれども、彼らはあなたがたよりも義にかなっている。彼らは、わたしたちの父に与えられた主の戒め、すなわち、妻は一人しか持ってはならない、そばめは一人も持ってはならない、民の中にみだらな行いがあってはならない、という戒めを今でも①忘れていないからである。
6 彼らは今も、この戒めを守るように努めている。したがって、この戒めを守ろうとこのように努めているので、主なる神は彼らを滅ぼすことなく、彼らに①憐れみを示される。そして、彼らはいつの日か、祝福された民になるであろう。
7 見よ、レーマン人の夫は妻を①愛し、妻は夫を愛し、夫と妻は子供たちを愛している。彼らの不信仰とあなたがたに対する憎しみは、彼らの先祖の罪悪のためである。そうであるとすれば、大いなる創造主の目から見て、あなたがたは彼らよりどれほど立派だと言えるだろうか。
8 おお、わたしの同胞よ、あなたがたが罪を悔い改めなければ、彼らとともに神の御座の前に連れ出されるとき、彼らの肌はあなたがたの肌よりも白いであろう。
9 さて、わたしは戒めをあなたがたに与える。これは神の御言葉である。あなたがたは彼らの肌が黒ずんでいるからといって、彼らを二度とののしってはならない。汚いからといって彼らをののしってはならない。むしろ、あなたがた自身の汚れを思い起こし、彼らが汚いのは彼らの先祖のためであることを覚えておきなさい。
10 そして、あなたがたは自分の①子供たちのことを思い起こし、自分が彼らの前に示した手本で、どれほど彼らの心を悲しませてきたかを考えなさい。また、あなたがたは自分の汚れのために子供たちを滅びに至らせる恐れがあり、そうなれば彼らの罪が、終わりの日にあなたがたの頭に積み上げられるということを覚えておきなさい。
11 おお、わたしの同胞よ、わたしの言葉を聴きなさい。あなたの精神に宿る能力を奮い立たせなさい。身を震わせて死の眠りから①目覚めなさい。悪魔の②使いとなって③第二の死であるあの火と硫黄の池に投げ込まれることのないように、④地獄の苦しみから自分自身を解き放しなさい。」
12 さて、わたしヤコブはこのほかにも多くのことをニーファイの民に語り、①不貞や②好色、そのほかあらゆる罪を遠ざけるように戒め、これらの罪がもたらす恐ろしい結果を告げた。
13 今やおびただしい数になり始めたこの民の行いは、百分の一も①この版に書き記せない。しかし、大きい版には民の行いの多くが書き記されており、戦争と争い、王たちの統治のことも書き記されている。
14 この版はヤコブの版と呼ばれているが、ニーファイの手で造られたものである。ここでこれらのことを述べるのを終わりにする。