第22課 妊産婦と乳児の健康管理
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第22課

妊産婦と乳児の健康管理

目的 妊産婦と乳児の健康管理を奨励する。

妊婦の健康管理

フィリピンに住むある家族は,最初の赤ちゃんが亡くなったときに深い悲しみを味わいました。その後,この家族は福音を受け入れて,教会に改宗しました。姉妹は2人目を妊娠したときに,健康な子供を産むにはどうしたらよいか福祉宣教師に尋ねました。その後で彼女は次のように言いました。「すべきことを知っていさえしたら,最初の赤ちゃんを失うことはなかったと思います。」

彼女は2人目の子供を宿したとき,子供が無事に生まれるようにできることをすべて行いました。その結果,健康で愛らしい赤ちゃんを産むことができたのです。彼女はこの子供を「モルモンベビー」と呼びました。近所の人たちからは,こんなに健康な赤ちゃんは見たことがないとよく言われます。

妊婦は,天父の霊の子供のために肉体を備えるという特別な機会が与えられています。わたしたちの肉体は非常に大切なので,御霊を宿す宮と呼ばれています(1コリント3:16-17参照)。わたしたちは胎児が正常に成長できるように,できるかぎりのことを行う必要があります。女性は健やかな子供を産むために,妊娠中に,あるいはそれ以前にできることが多くあります。この課では,妊産婦と乳児の健康管理について学びます。

適切な食物を食べる

妊婦はバランスの取れた健康的な食事をすることが大切です。正しい食事は胎児に大きな影響を及ぼします。また,若い未婚の女性は将来に備えて食物をよく選んで食べる必要があります。そうすれば結婚してからも健康に恵まれ,丈夫な子供を産むことができます。バランスの取れた食事を必要量摂取するように習慣づければ,健康な子供を産む力が増大します。正しい食習慣を身につけた人は,結婚後や妊娠中も健康的な食事を続け,子供たちにその習慣を教えることができます。

  • 若い女性に次の質問をする:結婚して母親になるときのために,今からどのような準備ができますか。

有害な物資を避ける

妊婦は有害な物質を避けるべきです。知恵の言葉の中で具体的に禁じられているものは,すべての人にとって有害ですが,妊婦がこれらの物質を取り入れると,胎児に特に悪い影響を及ぼします。

  • これらの有害な物質には何がありますか。(茶,コーヒー,アルコール性飲料,タバコ)

妊娠中は薬物の使用にも注意すべきです。妊娠していないときには効果のある薬も,時期によっては胎児に悪い影響を及ぼしかねません。妊娠中は,そのことを知っている医師から与えられた薬以外は服用しない方が賢明でしょう。

定期診断を受ける

妊娠の兆候があるときには,すぐに産婦人科に行って診察を受けるべきです。医師や看護婦は通常,妊娠中に定期的に通院して診察を受けるように手配します。彼らは妊娠中に起きる様々な問題を判断できるように訓練されていますから,定期的に診察を受けるのは賢明なことです。そうすれば,もし何か異常があっても,その問題が重大になる前に予防措置をとることができます。

妊婦は健康を考えてできるかぎりのことをしても,なお気分がすぐれないことがあるかもしれません。肉体上の変化が情緒面にも影響を及ぼすことや,人によっては感情の起伏が激しくなることを知っておきましょう。最初の3ヵ月間は特につわりが激しく,背中が痛んだり,足が重く感じられたりすることがあります。そのようなときには,努めて明るく振る舞うようにします。母親として大切な召しを受けていることを思い起こせば,幸福感が増すことでしょう。また主の御霊も,妊婦が幸せな態度を取れるように助けてくれます。子供をもうけることは,天父とともに創造という神聖な業に夫婦で携わることです。それを心に留め,常に御霊の導きを受けて御霊を伴侶とできるように祈り求めましょう。

  • 妊娠中は情緒不安定になりやすいことを知っていると,どういう点で役立ちますか。(いろいろな変化が生じても心配しないで済む。問題を認識し,どう対処したらよいかが分かる)

休息と運動

家族は,妊婦の気分がすぐれないときには助ける必要があります。女性は妊娠すると体が疲れやすくなり,睡眠を多く取ることが必要になります。昼寝をし,夜は早く休むようにするとよいでしょう。

運動はだれにとっても健康によいものです。妊婦も適度な運動なら普通は続けることができます。運動ができない場合には,毎日散歩をするとよいでしょう。歩くこと以外にも,良い運動がたくさんあります。妊娠中に役立つ適切な運動については,医師から指導を受けることができます。

  • 母親や親戚の人,友人,近所の人が妊娠した場合,どのような助けができますか。

清潔

清潔はだれにとっても大切ですが,妊婦には病気を予防するうえで特に重要です。飲料や調理にきれいな水を使用するのは,大切なことです。また,用便後や食事のしたくの前に必ず手を洗うのも,常に心がけるべきことです。頻繁に入浴して体を清潔に保ち,診察に行く前にも入浴して清潔な衣服を着用するのは,良い習慣です。

  • もし自分が妊娠したら,健康な子供を産むために何をしたいと思いますか。

分娩

分娩のときは清潔であることが特に重要です。妊婦は体を清潔にし,分娩に立ち合う人も手や衣服を清潔にすべきです。産着や分娩に使用する部屋は消毒しておきます。分娩の場所が病院,自宅のいずれであっても,分娩に立ち合う人は必要な訓練を受け,異常が認められた場合にはそうした兆候をすぐに察知できるようでなければなりません。

  • あなたの地域では,出産は一般にどこで行われますか。場所は清潔ですか。そこには分娩に立ち合う人として,必要な訓練を受けた人がいますか。場所が清潔でないときには,どこで出産したらよいでしょうか。そのような場所を改善するために何ができますか。

産婦の健康管理

十分な休息

産婦は出産後疲労し,気分のすぐれないことがあります。医師から重労働を避けるべき期間について指導を受けますが,その後も引き続き十分な休息を取るようにすべきです。家族は産婦が十分に休めるように助ける必要があります。

適切な食事

食物は産婦の健康に大きく影響します。産婦は食べ慣れた食品の中で栄養のあるものは何でも食べなくてはなりません。母乳で育てる場合は,子供に十分な母乳を飲ませるために各食品群の中に含まれる食物を多く摂取する必要があります。各食品群に含まれる食品はどれも新生児の健康に欠くことができません。さらに,この時期には食物だけでなく,水分も多く取る必要があります。母親が食べた物が原因で,母乳を飲む子供の体によくない影響が現れることがあります。そのような食品は避けるようにしますが,食事が偏らないように注意し,各食品を必要量摂取するようにしなくてはなりません。

  • 母親や親戚,友人,近所の人で新生児を抱えている人をどのように助けることができますか。

新生児の健康管理

食物

新生児に適切な食物を与えることは重要です。特に生後まもない時期は,母乳が最適です。まれには母乳を受けつけない乳児もいますが,そのような場合は,ほかの人の母乳か粉ミルクを与えます。粉ミルクは高価なうえ,清潔で安全なものを与えるにはかなりの手間がかかります。特に暑くて乾燥しているときには,乳児は母乳以外にも水分を必要とします。消毒した哺乳びんと乳首を使って,湯ざましを飲ませるとよいでしょう。乳児は必要な量だけ飲むと,それ以上は飲もうとしないのが普通です。母乳で育てている子供は哺乳びんを嫌がり,水分を取ろうとしないことがよくあります。そのようなときには,湯ざましを清潔なスプーンに取って与えるようにするとよいでしょう。乳児がそのままでも飲めるのであれば,砂糖や他の物を加えないで飲ませるのがいちばんです。授乳のときには,時々げっぷをさせます。そうすると胃にガスがたまったり,吐いたり,胃痛に苦しんだりすることがなくなります。げっぷをさせるには,赤ちゃんを一方の手で抱き,もう片方の手で背中を軽くたたいたりさすったりすると簡単にできます。

清潔

赤ちゃんは病気に対する抵抗力が弱いので清潔にすることが大切です。できれば毎日入浴させ,顔,頭,首,腕,足の順で洗います。腕や足の関節は入念に洗い,最後に股の部分を洗います。生まれたばかりの赤ちゃんでも入浴できますが,すきま風などで体を冷やさないように注意します。寒い地方では,体の一部を洗って乾かしてから次の部分に移るというように部分洗いをするとよいでしょう。その際,湯をつかう部分以外は乾いたタオルでくるんでやるようにします。

おむつは汚れたら替えて,赤ちゃんがいつも清潔なおむつを当てていられるようにします。おむつを取り替える前に股の部分を清潔にします。おむつを洗剤でよく洗い,水で十分にすすいでから日に干すと,おむつかぶれが防げます。

安全

赤ちゃんは,さくの付いたベビーベッドなど安全な場所に寝かせます。不安定な場所は避け,寝返りをうって落ちるおそれがあるときは,そばを離れてはなりません。また,はえやそのほかの昆虫,動物からも赤ちゃんを守る必要があります。

  • あなたの地域に住む母親が以上の危険から赤ちゃんを守らなければならない場合,その危険を取り除くために何ができますか。

健康診断

赤ちゃんは健康診断を受けなければなりません。また,定期的に病院や保健所に連れて行き,特定の病気を防ぐために予防接種を受けさせます。その際,赤ちゃんが順調に育っているかどうか診察してもらえます。

愛情

赤ちゃんは愛され,必要とされていることを感じる必要があります。抱いたり,抱き締めたり,優しく語りかけたりして,赤ちゃんに愛を伝えることができます。

  • 赤ちゃんに愛を伝える方法として,このほかにどのようなものがありますか。

赤ちゃんに話しかけることは,赤ちゃんの学習と精神の発達を促します。家族のみんなが赤ちゃんに,「これはお花」「あれはにわとり」「あの子を見て」というように話しかけるとよいでしょう。また,おもちゃを与えることによって,学習を助けることができます。生まれて間もない赤ちゃんでも,おもちゃを使って学ぶことができます。家庭にあるものの中で,色彩の豊かなものをおもちゃとして与えます。赤ちゃんはすぐに口に持っていくため,おもちゃは清潔にしておかなければなりません。先のとがったものや,こわれやすいもの,飲み込むおそれのあるものは,おもちゃとして不向きです。

まとめ

適切な食事,清潔,健康診断,安全,十分な休息と適度な運動,これらは妊産婦や赤ちゃんにとって大切です。わたしたちはこれらの条件を満たすように力を尽くすとき,天父の霊の子供を健康に育てるという責任を果たしていることになります。しかし,できるかぎりの処置をしても健康に問題のある産婦や赤ちゃんもいます。そのような問題の起きる原因がすべて究明されているわけではありませんが,母子ともに健康管理に十分注意していれば,そのような問題はほとんど起こらないと考えてよいでしょう。

チャレンジ

今週,自分の健康に関する習慣について考える。妊娠中の人や子供をもうける計画をしている人は,健康な赤ちゃんを産めるように生活の改善を図る。妊産婦を助ける方法を考えて,できるかぎり援助する。知り合いの赤ちゃんのために安全なおもちゃを作り,赤ちゃんに愛を示す。

教師の準備

レッスンの前に,以下の事柄を行う。

  1. 『末日聖徒の女性A』第23課「妊産婦と乳児の栄養」,第24課「病気の予防」を復習する。生徒から質問があれば,これらの課から引用して答える。

  2. 本課の中で,地元の妊産婦にとって特に強調すべき点は何かを考える。一般に行われているよい習慣について考える。姉妹たちが現在の習慣を続けるように促す。

  3. 本課の引用文と聖句の発表を生徒に割り当てる。