第26課 家族で楽しむ
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第26課

家族で楽しむ

目的

家族で一緒に楽しい時間を過ごすことによって,愛と一致をさらに深める。

家族は一緒に楽しむ必要がある

  • 視覚資料26-a「一緒に楽しむ家族」を見せる。

  • 割り当てておいた二人の姉妹に,最も楽しかった家族の思い出を話してもらう。

  • 視覚資料26-aについて話し合う。福音を実践するうえで家族と一緒の時間を過ごすことが重要である点を指摘する。

このことは,ある父親が語った次の経験からもよく分かります。

「ある日,わたしは息子におもちゃを家の中にしまうように言いました。そして,息子の返事に驚いてしまいました。『とても疲れているんだ』と答えたのです。……そのとき,前日の出来事が頭をかすめました。息子がわたしにレスリングをしようと言い出したとき,わたしは何と答えたでしょうか。『とても疲れているんだ』でした。また,息子にキャッチボールをせがまれたときも,『とても疲れているんだ』と答えたのです。

……それから幾日かして,わたしは息子に脱いだ衣服を片づけるように言いました。このときの息子の返事は『今は忙しいから』でした。その言葉を聞いて,先日息子から枕元で話をするように頼まれたとき,『今は忙しいから』と答えたのを思い出しました。

……わたしは息子と一緒にもっと時間を過ごそうと決心しました。ただ抱きしめ,キスし,愛していると言うだけでは,子供を言いくるめることはできません。子供たちは,一緒に跳んだりはねたり,レスリングをしたり,遊んだりすることを必要としていたのです。

今では,子供たちの活動にもっと参加しています。……

わたしは砂場でトンネルや城を作り,おもちゃのトラックで遊びました。子供たちと一緒に祈ったり,遊んだりすることが,すばらしい親子関係を築く助けになりました。

何でも努力すれば,必ず報いがあります。わたしの報いは,息子と30分間心を通わせて交わった後にやってきました。息子はわたしの首に抱きつき,ほおに心を込めてキスしてから『お父さん,大好きだよ』と言ってくれたのです。」(ダン・L・ジョンストン,“Daddy, I’m Talking to You,” Ensign,1978年9月号,71)

  • この父親は何を行って家族を強めましたか。

わたしたちは,大切だと感じていることを行うためにほとんどの時間を使います。毎日の仕事や教会の召し,休息,そのほか多くの時間をかけている事柄は,どれも大切です。しかし,それらは生活の中で最も価値あるものとはかぎりません。あなたは以下の質問にどのように答えるでしょうか。

  1. 自分の生活の中で,最も大切なことは何ですか。

  2. 最も大切なことを行うために,時間を十分に使っていますか。

  3. 家族と一緒に過ごす時間を多くするには,どうすればよいでしょうか。

わたしたちは,人生で最も大切なのは家族であることを認識する必要があります。なぜなら,家族は永遠に続くからです。どのような状況であれ,時間を見つけて家族と一緒に過ごすようにすべきです。

愛と一致をもたらす家族の活動

子供のころ家族とともに過ごした楽しい経験を思い起こす人もいると思います。ある母親は自分の経験から次のように語っています。

「幼いころや十代のころを振り返ると,家族で過ごした楽しい思い出が浮かんできて,敬虔と言ってもよい気持ちになります。家族ぐるみで行ったパーティーやレクリエーションの思い出は,劇場やボーリング,レストランなど,現在のどのような活動にも代えることはできません。

わたしは両親がしてくれたように,主の御霊を家庭に招くような家族の活動を計画するために,できるかぎりのことをしようと決めています。わたしにとって何より大切な思い出が,子供たちにもすばらしい祝福として与えられるように願っています。」(Family Home Evening Manual,1968年,184-85)

この母親のように,自分の家族に同様の経験をさせたいという望みを抱く必要があります。家庭外で行う活動の中には,受け入れられないものがあります。それらの活動は,家族の愛や一致を築くうえで,あるいは天父に近づくうえで役に立たないからです。教会の指導者は,家族で活動を行って楽しい時間を過ごす必要性が高まっているのを指摘しています。わたしたちは指導者の勧告に従って,家族でともに過ごす活動を計画すべきです。

エズラ・タフト・ベンソン長老は,次のように述べています。「家族として生活する喜びを与えてくださった神に感謝しています。これまで何度も述べてきましたが,まことの幸福は,健全な家庭から切り離して得ることはできません。人生における最も快い影響力と交わりが,そこにあるのです。」(God, Family, Country: Our Three Great Loyalties,1974年,178)

家族でいろいろな活動やゲームをして,家庭の中で楽しむことができます。こうした活動は,簡単で費用のかからないものがよいでしょう。

  • 家族で楽しめる活動にはどのようなものがありますか。

ジョージ・D・デュラント兄弟は父親として,家族に楽しい思いを味わって欲しいと思っています。彼は次のように語っています。

「わたしは伝道部長に召されたとき,最も大切な時期にある8人の子供たちのために,父親として十分な時間が取れなくなるのではないかと心配しました。そして,父親としての責任が伝道部長よりも大切な主からの召しであると心に決めました。わたしは伝道部の務めに専念しますが,父親としてその2倍は家族のために尽くそうと思ったのです。……

子供から最初にせがまれた仕事は,前庭にある巨大なトネリコの木の高い枝に太いロープを投げ掛けることでした。身軽な長老がそのロープを登って,枝に結びつけました。こうして,伝道本部の大きなぶらんこが誕生しました。このぶらんこができると,たちまち近所の子供が集まってきて,我が家の年下の子供に友だちができました。

……次の仕事は,バスケットボール用のゴールと砂場をつくることでした。伝道本部の庭は公園となって,わたしたち親子はそこで多くの時間を過ごし,子供たちは楽しい3年間を送りました。ケンタッキーとテネシーで暮した日々は,子供たちにとって喜びに満ちた思い出としていつまでも心に残ることでしょう。」(Love at Home, Starring Father,1976年,18-20)

一緒に行動する家族は,愛にあふれた密接な関係を築くことができます。一緒に遊ぶときに,家族は協力して働くことや,問題について話し合うこと,そしてともに祈ることも学んでいくのです。

一緒に楽しく過ごしているときに,問題が起きることもあります。意見の食い違いがあるかもしれません。子供たちが言い争いをしたり,けんかを始めてしまうこともあるでしょう。両親が深刻になりすぎたり,子供に期待をかけすぎたりすることもあります。家族全員が皆同じように楽しむことが難しく思えることもあることでしょう。時々,活動などする価値がないと思うことすらあるかもしれません。しかし,どんなに問題があっても,家族で一緒に時間を過ごさないでよいという理由にはなりません。家族全員がよい気持ちになれるような方法で問題を解決すべきです。家族は互いの意見の違いを克服することによって,もっと親密になれます。家族で活動する真の目的は,一緒に遊んで楽しむことにあります。その点を忘れないでください。

家族の様々な活動は,その家族の伝統にすることができます。特別な事柄を繰り返して行うことによって,家族の伝統は築かれます。こうした伝統の多くは,年に1度の頻度で行われます。活動としては,家族の懇親会,誕生日パーティー,休日を利用した集まり,休暇,特別な場所の訪問,家族の演奏会,趣味などがあります。

キンボール大管長の家族は,独自の伝統を築きました。妻のカミラ・E・キンボール姉妹は,その一つであるクリスマスの行事について次のように語っています。

「わたしたちはクリスマスイブに,特別な家族の集いを開きます。わたしの楽しみは,わたしがルカ伝に記されているクリスマスの物語を読み,子供や孫たちがそれを劇にすることです。子供たちは喜んで自分の役を演じます。去年のクリスマスには,キンボール大管長がパレスチナで買った衣装を着けてヨセフを演じ,わたしはエルサレムで買ったユダヤ人の女性が着る代表的な服を着てマリヤを演じました。孫やひ孫は自分たちが演じた最初のクリスマスイブの話を,いつまでも忘れずに覚えているだろうと思います。」(Conference Report, Denmark, Finland, Norway, and Sweden Area Conference,1974年,58)

さらに,子供の命名,バプテスマ,神権の聖任,伝道地への出発と帰還,卒業,結婚,そのほか家族にとって特別な機会に,改まって集うこともできます。

  • 家族の活動に加わることによって,どのような恵みを受けましたか。

成功した家族の行事は,思い出となる品物や写真を添えて,家族の記録や個人の日記に記録します。家族がそのときに味わった喜びを思い返すときに,互いのきずなと愛が深まるでしょう。

家族の活動に必要な計画

家族の行事をうまく行うには,計画を立ててよく準備しなければなりません。

  • 有意義な家族の活動を行うには,どのように計画したらよいでしょうか。

家族の活動を計画するときは,以下の提案が役立つでしょう。

家族全員が出席する家庭の夕べで,どのような活動を行うか話し合い,希望する活動のリストを作成します。

一人一人の提案を尊重すれば,家族は自分が大切な存在であると感じるでしょう。全員でないにせよ,家族のほとんどが参加できる活動について考えます。

全員の提案を検討してから,一覧表の中から活動を選びます。次に,活動の日時を決めます。ほかの活動と重ならないように,決めた日時を家族のカレンダーに記入します。全員に活動を計画する機会を与え,各自が何らかの責任を受けるようにします。

ある家族は家庭の夕べの時間に,これらの提案に従って,家族で行う奉仕活動,家と周囲の美化,レクリエーションについて,アイディアを一つずつ出し合いました。そして,多数決によって以下の活動を行うことにしました。

奉仕:伴侶に先立たれた男性の家の庭を家族で掃除し,その人の息子が伝道を終えて帰還する日にお祝いのケーキを焼いて持って行きました。

家の美化:一室を選び,ペンキや壁紙,その他の物を使って美しくしました。家族全員が協力してこの作業を行いました。

レクリエーション:家族全員がそれぞれ1年に1度,「主役」になる日を設けました。その日をいつにするか,家庭の夕べの計画会で決めました。「主役」になった人は,食事に自分の好きな献立を指定し,希望すれば,家族全員で行うレクリエーション活動を選ぶことができます。これまでに活動としで水泳や野球,ピクニックなどが選ばれましたが,どのような活動であっても,家族全員の参加が義務づけられました。

別の家族では,「家族の活動」と書いた大きな紙袋を用意して活動を計画しました。一人一人が家族で行いたい活動を一つずつ紙に書いて,紙袋に入れました。家庭の夕べの時間に紙袋から1枚紙を取り出して,そこに提案されている活動を次の週の間に家族全員で行いました。

  • 家族で選んだ活動を最も効果的に行うにはどうしたらよいでしょうか。

次のアイディアについて考えてみましょう。

  • 家族で行う活動が決まったら宣伝します。ポスターや看板を作り,楽しみにしていることを話します。

  • 活動に費用がかかる場合は,みんなで出し合って,必要な資金を貯めます。

  • 活動の計画について,ホームティーチャーに知らせます。

  • 全員を参画させ,それぞれに割り当てを与えます。

  • 活動を行い,心ゆくまで楽しみます。

活動を終えた後,改善できる点について考えるとよいでしょう。次の質問について考えてみてください。「どうすれば活動をもっと楽しいものにできただろうか。」「この活動を通して家族の親睦が深まっただろうか。」これらの質問に答えれば,あまり効果のない事柄を繰り返すことはなくなります。そして次の活動をよりよいものにするため,家族で一緒に計画を立てることができます。

家族の活動を計画することは大切ですが,計画する必要のない活動もあることを心に留めておきましょう。適切な状況があれば,あるいは家族がその気になれば,自然に楽しい活動ができるのです。

  • 計画を立てずに家族の活動ができたのは,どのようなときでしたか。

  • 家庭の中を常に幸福で楽しい雰囲気にするには,どうすればよいでしょうか。(自分の失敗にくよくよしない気質を養う。人の失敗を大げさに取り上げない。自分が失敗したときに相手に望むような寛大さで人に接する。自分を幸せな気持ちにしてくれた家族の行為を指摘する。心を込めて「ありがとう」と言う。毎日1回は家族に愛を伝える。家族が互いに相手を喜ばせるような贈り物や驚かせるような事柄を計画する。家族の楽しかった経験について話す。子供たちは楽しい思い出話を聞くのが好きである)

家族の必要,興味,能力に合った活動を行う

家族の活動には様々なものがあります。まったく同じ家族が二つとないように,選ぶ活動も家族によって違います。自分の家族らしい活動を行うには,それが家族に合ったものでなければなりません。

  • 家族が楽しむ活動は,何を基準に決めますか。(年齢,必要,興味,趣味,能力,仕事,地域,季節など)

ある母親は,どのようにして家族の要望に合った休暇を過ごしたか話しています。

「夫とわたしは4年間の大学生活を順調に終えた後,何か月も前から,夫の初めての有給休暇の過ごし方を計画していました。わたしはテントの費用をかせぐために,せっせとパッチワークを仕上げて手芸店に持って行き,お金に換えてもらいました。二人してパンフレットをあれこれ検討した結果,キャンプ場を予約しました。……

わたしたちは3か月間,家庭の夕べの時間を半分使って必要な準備を個条書きにし,3歳のアリシャがキャンプを楽しみに待てるように,キャンプで行う活動の絵を描きました。こうして娘もわたしたちと同じように,キャンプを心待ちにするようになりました。それからしばらくして,わたしは娘が1歳の弟にキャンプについて説明している姿を見かけたのです。……

それから3週間たったある日のことです。わたしたちは朝早く赤ちゃんの泣き声で目をさましました。下の子が水ぼうそうにかかってしまったのです。それから2週間後,キャンプまであと1週間というときに,今度はアリシャが発病しました。わたしたちは落胆した面持ちで,水ぼうそうではキャンプに行けないと,娘を説得しようとしました。……しかし,娘はこう言ったのです。『いやよ,お父さん。あと6日あるもの。ねえ約束したでしょう。』

夫とわたしには,子供との約束は神聖なものだという信念がありました。そのとき,二人して同じ名案を思いつきました。わたしたちは6日後に,車のシートに見立てて上手に配置した台所のいすに子供たちを座らせ,居間の中央に位置する架空の公園までドライブしました。家具はすべて壁に寄せてあるので,テント用のロープをテーブルやソファーの足に結ぶことができました。わたしたちはテントを張ると,その中に入って,長い間心待ちにしていた屋外のキャンプを室内で行ったのです。」(ゲイリー・E・ウォーカー,“The Camp-In,” Ensign,1976年7月号,63)

  • この家族はどのようにして家族の必要に合った休暇を過ごしましたか。

聖文には「天が下のすべての事には季節があり,すべてのわざには時がある」と記されています。また,「笑うに時がある」とも記されています(伝道3:1,4伝道3:2-35-8も参照)。わたしたちの家庭は,笑い声がよく聞こえ,毎日ほほえみが交わされる場所にすべきです。家族の年齢や能力がどんなに違っていても,みんなが一緒にくつろいで楽しめるような方法を考えてください。

小さな子供たちを交えて行う仕事は,一種のゲームと見なすことができます。例えば,庭に木を植える,家の掃除をする,皿を洗う,などです。ゲーム感覚で働くと,仕事に対する興味や熱意を持続させることができます。

わたしたちがそれぞれの必要や興味,能力,状況に見合った活動を行うとき,家族のみんなが仕事,休息,遊びの3つの面でバランスの取れた生活を楽しむことができるのです。

まとめ

家族はわたしたちの人生の中で最も大切な部分を占めています。家族のきずなを強める一つの方法は,計画を立てて家族が一緒に楽しい時間を過ごすことです。一生の間にわたしたちは大きな問題に幾度もぶつかります。調和の取れた生活を営むためには,時間を取って家族に合った活動を一緒に楽しむ必要があります。ともに楽しい一時を過ごすことによって,家族生活をさらに意味のあるものとすることができます。また,家族が言葉と行いによって互いに模範を示し合い,福音の原則を最も効果的に教え合えるようになるのです。

家族は永遠に続くものです。最近,家族と一緒に過ごす時間を十分に取っていなければ,早速今から,永遠の家族を築くのに役立つ活動を行いましょう。

  • 家族がともに楽しい時間を過ごすことの大切さについて意見を述べる。

チャレンジ

家庭の夕べのときに,家族で楽しめる活動を計画し準備する。特別のカレンダーを作って,毎月具体的に活動の予定を立てる。そして家族全員で活動を心ゆくまで楽しむ。

教師の準備

レッスンの前に,以下の事柄を行う。

  1. 二人の姉妹に,最も心に残っている家族の楽しい思い出についてクラスで発表するように依頼する。

  2. 家族がともに楽しい時間を過ごすことの大切さについて意見を述べる準備をする。

  3. 黒板とチョークを用意する。

  4. 本課の引用文と聖句の発表を生徒に割り当てる。

火を囲み歌う家族

26-a 一緒に楽しむ家族